JP2534312Y2 - 目的とする温度及び(又は)湿度環境を得る装置 - Google Patents

目的とする温度及び(又は)湿度環境を得る装置

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JP2534312Y2
JP2534312Y2 JP1992062687U JP6268792U JP2534312Y2 JP 2534312 Y2 JP2534312 Y2 JP 2534312Y2 JP 1992062687 U JP1992062687 U JP 1992062687U JP 6268792 U JP6268792 U JP 6268792U JP 2534312 Y2 JP2534312 Y2 JP 2534312Y2
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義和 齋藤
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タバイエスペック株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、目的とする温度及び
(又は)湿度環境を得る装置、さらに言えば、目的とす
る温度及び(又は)湿度の気体を得るための気体制御部
と物品収容部とを備え、前記気体制御部で作り出された
気体を前記物品収容部へ供給して再び該気体制御部へ戻
すように循環させる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の装置としては、例えば、各種物
品や材料等についてその耐熱性、耐寒性、耐湿性等を調
べたり、各種物品についてバーンイン処理、スクリーニ
ング処理等を行ったりするために用いる恒温器、恒温恒
湿器や各種物品、材料等の耐熱衝撃性等をテストするた
めの冷熱サイクル装置(高温、低温を所定時間毎に切り
換えられるもの)のような環境試験装置、或いは各種物
品や材料等を加熱処理するための加熱処理装置、各種物
品や材料を低温保存等するための冷凍庫や冷蔵庫などが
ある。
【0003】これらの装置におていは、装置の信頼性を
高めるために、通常、物品収容部に配置される物品それ
ぞれが、また、各物品の各部が等しく同じ温度及び(又
は)湿度環境下に曝されることが望まれる。
【0004】そのため、気体制御部から物品収容部へ供
給される気体の温度及び(又は)湿度は、気体の流れ方
向を横切る方向における各部において、換言すれば気体
通過面の全域又は略全域において均一化されることが望
ましい。また、気体制御部から物品収容部への気体供給
は物品収容部の各部へできるだけ均一に行われることが
望ましい。
【0005】これまでは、かかる要望に対し、気体制御
部において得られる所定温度及び(又は)湿度の気体
その流れ方向を横切る方向の各部で温度及び(又は)湿
度が均一又は実質上均一とみなされるか、或いはそれら
の分布に乱れがあっても、気体制御部から物品収容部へ
気体吐出を行う送風機等の吐出手段において攪拌さ
れ、均一化されるとみなされてきた。
【0006】そして、物品収容部の各部へできるだけ均
一に気体を供給する点については、気体制御部の吐出口
にクロスフローファンを配置し、これによって気体吐出
方向を横切る幅方向の各部から均一に気体吐出を行うよ
うにしたり、該吐出口に気体流れ方向を制御するレジス
タ(整流手段)を配置する等の対策がとられてきた。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、実際に
は、気体制御部における各気体制御要素を通過した気体
において温度や湿度の分布に大きい乱れがあることがあ
、たとえ、前述のように気体吐出口にクロスフローフ
ァン等の吐出手段やレジスタを設けてもこの乱れを解消
し切れず、延いては物品収容部における温度及び(又
は)湿度の分布に乱れが発生し、装置の信頼性を低下さ
せることがあった
【0008】また、この問題を解決するために、個々の
気体制御要素を工夫して、それを通過する気体における
温度や湿度の分布乱れを抑制するとしても、例えば物品
収容部に配置される物品が発熱体であったり、湿気を放
出するものであったりすると、物品収容部から気体制御
部へ戻る気体にその流れ方向を横切る方向に既に温度及
び(又は)湿度分布に乱れがあり、この乱れが各気体
御要素を通過したあともそのまま残り、前述のように、
気体吐出口にクロスフローファン等の吐出手段を設けた
り、レジスタを設けたりするだけでは、この乱れを解消
し切れず、延いては、物品収容部における温度及び(又
は)湿度の分布乱れを引き起こし、装置の信頼性低下を
引き起こすという問題があった。
【0009】そこで本考案は、目的とする温度及び(又
は)湿度の気体を得るための少なくとも一つの気体制御
要素からなる気体制御部と物品収容部とを備え、前記
制御部で作り出された気体前記気体制御部より下流
側に配置した循環装置で前記物品収容部へ供給して再び
気体制御部へ戻すように循環させるようにした目的と
する温度及び(又は)湿度環境を得る装置であって、
制御部の気体制御要素が、これを通過する気体の温度
や湿度の気体流れ方向を横切る方向での分布乱れを引き
起こすようなものであったり、物品収容部に配置される
物品が発熱体や湿気を放出するようなものであるときで
も、従来装置と比べると、物品収容部における温度及び
(又は)湿度の分布を均一化でき、それだけ信頼性が高
く、しかもその割りには安価に済む装置を提供すること
を課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この課題を解決する本考
案の装置は、前記循環装置の上流側且つ前記気体制御要
素のうち最上流側のものより下流側に、該循環装置とは
独立した少なくとも一つの乱流促進攪拌手段であって、
前記気体が該乱流促進攪拌手段を通過するとその気体出
口側における気体通過面の略全面にわたり乱流になるよ
うに、少なくとも一組の乱流促進攪拌板状体を有する乱
流促進攪拌手段を設けたことを特徴とする。ここで、
気体制御要素」とは、気体加熱手段、気体冷却手段等
の熱交換器、除湿手段、加湿手段等を指す。
【0011】前記少なくとも一組の乱流促進攪拌板状体
を有する乱流促進攪拌手段としては、例えば、前記気体
制御要素出口に臨設され、気流を攪拌して乱流を起こす
一組の邪魔板やフィン等の部材、これら部材を並べてな
る気体攪拌用構造物等が考えられる。なお、かかる攪拌
手段は、気体制御部中から最終的に気体吐出口に至った
気体において、温度及び(又は)湿度の分布乱れが所望
どおり抑制されているように、配置することが望まし
い。
【0012】
【作用】本考案に係る目的とする温度及び(又は)湿度
環境を得る装置によると、前記循環装置の上流側且つ前
記気体制御要素のうち最上流側のものより下流側に、該
循環装置とは独立した少なくとも一つの乱流促進攪拌手
段が設けられており、該乱流促進攪拌手段を気体が通過
することで、該気体は攪拌され、該手段の気体出口側に
おける気体通過面の略全域にわたり乱流となる。従っ
て、気体制御部における気体制御要素を通過する気体に
その流れを横切る方向に温度や湿度の分布の乱れがあっ
ても、また、物品収容部における物品が発熱体や湿気を
放出するもので、気体制御部へ戻ってくる気体にその流
れ方向を横切る方向に既に温度や湿度の分布乱れがあっ
ても、それだけ気体制御部中からその吐出口へ至るまで
気体の温度及び(又は)湿度の分布が全体的に均一化
され、延いては、物品収容部における温度及び(又は)
湿度の分布がそれだけ均一化される。また、乱流促進攪
拌手段は、乱流促進攪拌板状体からなり、乱流促進攪拌
効果が大きい割りには安価に製作できるものである。
【0013】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面を参照して説明
する。図1は一実施例である恒温恒湿装置の概略断面を
示している。この装置は、目的とする温度及び湿度の空
気を作り出し、吐出する空調部( 制御部に相当)1
とこれに隣合う物品収容室(物品収容部に相当)2を備
えている。
【0014】空調部1には、下から上へ向け順次、気体
制御要素である水加熱式の加湿器11、除湿器12、冷
却器13及び加熱器14を設けてあり、さらに該加熱器
14の下流側に気体循環装置としてクロスフローファン
15を設けてある。ファン15は空気吐出口16に臨ん
でおり、該吐出口にはレジスタ17を設置してある。空
調部1及び物品収容室2は断熱壁3で囲まれており、空
調部1と物品収容室2の間には仕切壁4が設けてある。
仕切壁4の下端には物品収容室2から空調部1へ空気を
吸い込むための空気吸い込み口18を設けてある。
【0015】また、物品収容室2は断熱扉21により開
閉できる。この装置において空気は、クロスフローファ
ン15の運転により空調部1の吐出口レジスタ17から
物品収容室2へ流入し、そこから空気吸い込み口18を
経て空調部1へ吸い込まれ、該空調部内を下から上へ流
れる。この空気流れ方向において、加湿器11の下流側
には空気攪拌部5が、除湿器12の下流側には空気攪拌
部6が、冷却器13の下流側には空気攪拌部7が、加熱
器14の下流側には空気攪拌部8が、ファン15の下流
側には空気攪拌部9がそれぞれ配置されている。空気攪
拌部5、6及び8はそれぞれ本発明にいう乱流促進攪拌
手段である。
【0016】攪拌部5は加湿器11空気出口、すなわ
ち、本例では加湿器11の直上領域に臨んでいる。攪拌
部6は除湿器12の空気出口に、攪拌部7は冷却器13
の空気出口に、攪拌部8は加熱器14の空気出口に、攪
拌部9はファン15の空気出口にそれぞれ臨んでいる。
【0017】攪拌部5及び6は、一組の乱流攪拌板状体
からなるもので、比較的安価に製作、設置できるもので
ある。 さらに詳述すると、攪拌部5は、図2に示すよう
に、平面から見るとそれぞれがL字形の二枚の攪拌板5
1、51を、平面から見ると両者の外輪郭が長方形状を
描く如く向かい合わせて配置し、各板51の外端部51
1は下方に折り曲げて加湿器11の端上に伸ばし、ま
た、各板51の、相手方の板51に隣合う内側縁から三
角形板部512を折り曲げ垂下させ、該隣合う三角形板
部512、512をピン52で相互に回動可能に連結し
たものであり、図示のとおり、両攪拌板51、51をピ
ン52を中心に互いに適宜の角度をなすように傾斜させ
得る。
【0018】攪拌部6は、図3に示すように、除湿器1
2の両端から立ち上がる板体61、62と、除湿器12
を平面から見てその右側且つ手前側の部分121の上に
板体62から一体的に斜めに立ち上がる攪拌板64と、
その左側且つ奥側の部分122の上に板体61から一体
的に斜めに立ち上がる攪拌板63とからなっている。攪
拌部7は、図4に示すように、冷却器13の空気出口に
臨ませて水平状に配置した一対の空気攪拌ファン71、
72からなっており、これらファンは図示しないモータ
により回転駆動される。
【0019】攪拌部8は複数組の乱流促進攪拌板状から
なる気体攪拌用構造物である。これも比較的安価に製
作、設置できる。さらに詳述すると、攪拌部8は、図5
に示すように、加熱器14の下流側に配置した空気攪拌
構造物80からなっており、この構造物は加熱器14の
手前側半分の上方に傾斜を同一方向として所定の間隔で
配置した多数の斜板82と、加熱器14の奥側半分の上
に傾斜を斜板82とは反対にして所定間隔で配置した多
数の斜板81とからなっている。
【0020】攪拌部9は、図6に示すように、クロスフ
ローファン15の空気出口の両端部に互いに向かい合わ
せて配置した一対の空気攪拌ファン91、92からな
り、これらファンは図示しないモータにより回転駆動さ
れる。以上説明した恒温恒湿装置によると、空調部1内
の空気は、一旦、加湿器11により加湿され、攪拌部5
により攪拌されて乱流となり、加湿分布一様とされ、続
いて除湿器12を通過することで所定量除湿され、再び
攪拌部6にて攪拌されて乱流となり、除湿分布一様とさ
れたのち冷却器13を通過して所定露点温度の飽和空気
となり、さらに、攪拌部7にて攪拌されて温度分布が均
一化され、次いで加熱器14にて所定温度まで加熱さ
れ、再び攪拌部8にて攪拌されて乱流となり、温湿度分
布が均一化され、クロスフローファン15にて吐出口1
6へ向け送り出され、その途中で攪拌部9により温湿度
分布がさらに均一化されたのちレジスタ17にて整流さ
れ、物品収容室各部へ略等しく送り込まれる。
【0021】かくして、物品収容室2内に配置された物
品Wは目的とする温湿度雰囲気に曝される。なお、前記
攪拌部5、6及び8において加湿分布の一様化、除湿分
布の一様化、温湿度分布の均一化は、空気流れ方向を横
切る実質上全方向に、換言すれば、それら各攪拌部の気
体出口側における気体通過面の略全面にわたり行われ
る。また、ここでは攪拌部7及び攪拌部9においても気
体が攪拌され、それだけ一層最終的な温湿度分布が均一
化される。
【0022】前記実施例装置によると、空調部1におけ
気体制御要素、すなわち、加湿器11、除湿器12、
及び加熱器14のそれぞれの気体出口には空気攪拌部
5、6及び8が配置されている。また、ここでは攪拌部
7や9も設けてある。従って、たとえ、各要素を通過し
てくる空気にその流れを横切る方向に温度や湿度の分布
乱れがあっても、また、物品収容室2における物品Wが
発熱体や湿気を放出するもので、空調部1へ戻ってくる
空気にその流れ方向を横切る方向に既に温度や湿度の分
布乱れがあっても、各要素を通過してくる空気が前記攪
拌部により攪拌されて乱流となるので、空調部1中を流
れる空気は、空調部1中から空気吐出口16へ至るまで
に、空気流れ方向を横切る方向における温湿度分布が十
分均一化され、延いては物品収容室2における温湿度分
布も均一化される。なお、本考案は前記実施例に限定さ
れるものではなく、他にも種々の態様で実施できる。例
えば前記実施例において、本発明に言う乱流促進攪拌手
段に相当する空気攪拌部は加湿器11、除湿器12及び
加熱器14について設けてあるが、必要に応じ、1又は
2或いはそれ以上の気体制御要素だけについて設けるだ
けでもよい。また、設ける空気攪拌部も、前記実施例の
ように加湿器11については攪拌部5、除湿器12につ
いては攪拌部6というような制限はなく、攪拌部5を除
湿器12に、攪拌部6を加湿器11にというようにも設
けることができる。また、攪拌部5、6又は8を冷却器
13に適用することもできる。
【考案の効果】以上説明したように本考案によると、目
的とする温度及び(又は)湿度の気体を得るための少な
くとも一つの気体制御要素からなる気体制御部と物品収
容部とを備え、前記気体制御部で作り出された気体
記気体制御部より下流側に配置した循環装置で前記物品
収容部へ供給して再び該気体制御部へ戻すように循環さ
せるようにした目的とする温度及び(又は)湿度環境を
得る装置であって、気体制御部の気体制御要素が、これ
を通過する気体の温度や湿度の気体流れ方向を横切る方
向での分布乱れを引き起こすようなものであったり、物
品収容部に配置される物品が発熱体や湿気を放出するよ
うなものであるときでも、従来装置と比べると、物品収
容部における温度及び(又は)湿度の分布を均一化で
き、それだけ信頼性が高く、しかもその割りには安価に
済む装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例の概略断面図である。
【図2】乱流促進攪拌手段相当の空気攪拌部の1例の概
略斜視図である。
【図3】乱流促進攪拌手段相当の空気攪拌部の他の例の
概略斜視図である。
【図4】空気攪拌部のさらに他の例の概略斜視図であ
る。
【図5】乱流促進攪拌手段相当の空気攪拌部のさらに他
の例の概略斜視図である。
【図6】空気攪拌部のさらに他の例の概略斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 空調部 11 加湿器(気体制御要素) 12 除湿器(気体制御要素) 13 冷却器(気体制御要素) 14 加熱器(気体制御要素) 15 クロスフローファン 16 空気吐出口 17 レジスタ 18 空気吸い込み口 2 物品収容室 W 物品 3 断熱壁 4 仕切壁5、6、8 空気攪拌部(乱流促進攪拌手段) 7、9 空気攪拌部

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目的とする温度及び(又は)湿度環境を
    得る装置であって、目的とする温度及び(又は)湿度の
    気体を得るための少なくとも一つの気体制御要素からな
    る気体制御部と物品収容部とを備え、前記気体制御部で
    作り出された気体前記気体制御部より下流側に配置し
    た循環装置で前記物品収容部へ供給して再び該気体制御
    部へ戻すように循環させる装置において、前記循環装置
    の上流側且つ前記気体制御要素のうち最上流側のものよ
    り下流側に、該循環装置とは独立した少なくとも一つの
    乱流促進攪拌手段であって、前記気体が該乱流促進攪拌
    手段を通過するとその気体出口側における気体通過面の
    略全面にわたり乱流になるように、少なくとも一組の乱
    流促進攪拌板状体を有する乱流促進攪拌手段を設けたこ
    とを特徴とする装置。
JP1992062687U 1992-09-07 1992-09-07 目的とする温度及び(又は)湿度環境を得る装置 Expired - Lifetime JP2534312Y2 (ja)

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JP4673669B2 (ja) * 2005-05-30 2011-04-20 エスペック株式会社 冷熱衝撃試験装置
JP4584298B2 (ja) * 2007-11-20 2010-11-17 住友林業株式会社 腐食促進用簡易噴霧試験機
JP5699108B2 (ja) * 2012-04-27 2015-04-08 エスペック株式会社 環境試験装置
JP6657141B2 (ja) * 2017-05-29 2020-03-04 エスペック株式会社 環境試験装置及び熱処理装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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