JP2534178Y2 - 鋼帯表面検査用連続研磨装置 - Google Patents

鋼帯表面検査用連続研磨装置

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JP2534178Y2
JP2534178Y2 JP1377291U JP1377291U JP2534178Y2 JP 2534178 Y2 JP2534178 Y2 JP 2534178Y2 JP 1377291 U JP1377291 U JP 1377291U JP 1377291 U JP1377291 U JP 1377291U JP 2534178 Y2 JP2534178 Y2 JP 2534178Y2
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富男 近藤
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、冷延鋼板およびめっ
き鋼板等の製造ラインにおいて、鋼帯表面の表面疵の有
無を検査するための鋼帯表面検査用連続研磨装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】鋼帯、特に冷延鋼板およびめっき鋼板等
の製造ラインにおいては、ロール表面への異物の付着あ
るいは外部からの異物巻込み等に起因する押込み疵、ロ
ール疵、あるいはめっき時のドロスの付着等の凹凸性表
面欠陥が発生する。しかもこれらの欠陥は、肉眼的に容
易に確認できない程度の疵であっても、例えば自動車用
外装材のような用途にあっては、塗装鮮映性あるいは耐
食性能の劣化等の理由によって適用困難となる場合が多
い。
【0003】したがって上記凹凸性表面欠陥を有する鋼
帯の出荷を防止すべく、鋼帯の製造ラインにおいて、例
えばスキンパスミルの出側あるいはコイリングライン等
の工程途中で抜取り的に鋼帯の移送を一旦停止させ、人
力により鋼帯表面の所定範囲を砥石掛けし、該範囲にお
ける凹凸性表面欠陥の有無を肉眼により検査していた。
しかしながらこの検査方法は、砥石掛けを最低限ロール
円周長さに相当する範囲を鋼帯全幅に亘って行う必要が
あり、最近の鋼帯の広幅化と相俟って作業能率等生産性
阻害要因となっていた。
【0004】この問題を解消するため、図3に示すとお
り、パスラインに鋼板31を支持するロール32を設置
し、このロール32に対向して設置した昇降機構33に
設けた支持板34に、鋼板31よりも広幅の弾力性のあ
る砥石35を固定した弾性的な保持板36を弾性体3
7、37を介して取付けた砥石掛け装置(実公昭59−
20933号公報)、図4に示すとおり、鋼板パスライ
ンの前後のロール間において鋼板41の進行方向に直角
または斜めに往復動作する駆動機構42と、この駆動機
構42の往復部材43に装着支持された昇降自在な圧下
機構44と、この圧下機構44の先端に取付けられた砥
石45を備えた砥石掛け装置(実開昭61−14855
8号公報)等の提案が行なわれている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】上記実公昭59−20
933号公報の砥石掛け装置は、プラスチック等の弾性
帯と砥粒とを一体的に成形した砥石を用い、かつ製造さ
れる鋼板の最大幅以上の長さの砥石を使用するため、使
用回数が増加するにつれて通過鋼帯のエッジに接する部
分が局部的に摩耗損傷し、砥石掛けの際に摩耗損傷した
部分が筋状の研磨残りとなる。このため表面欠陥の検出
が困難となるばかりでなく、該砥石の対向位置に設けた
バックアップロールへの異物の付着、あるいはロール表
面の肌荒れ等が砥石掛け時に鋼帯表面に転写されるとい
う欠点を有する。
【0006】また実開昭61−148558号公報の砥
石掛け装置は、実公昭59−20933号公報の砥石掛
け装置の問題点を改善したが、砥石掛け装置の往復動作
をシリンダーにより行い、その切替えを圧力媒体の供給
経路の切替えにより実施するため、鋼帯エッジにおける
停止精度が不十分で、かつ動作がスムーズでない。しか
もエッジ検出が困難なため、鋼帯エッジ部から砥石が外
れると、砥石が鋼帯エッジ部に引掛かってトラブルを発
生させる。このため安全サイドに砥石の位置決めを行う
とエッジの砥石掛け残しが生じる。さらに、砥石の圧下
力は、材質によって変更する必要があるが、圧着力をば
ねによって与えているため、圧下力の変更が困難である
等の欠点を有している。
【0007】この考案の目的は、前記従来装置の欠点を
解消し、鋼帯表面の凹凸性表面欠陥を安定して検出でき
る鋼帯表面検査用の連続研磨装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案者らは、上記目的
を達成すべく種々検討を行った。その結果、研磨装置の
鋼帯幅方向への往復回動動作を回転駆動機構により行う
ことにより、鋼帯エッジにおける停止精度が十分で、し
かも動作がスムーズとなる。また、鋼帯幅に対応する研
磨装置の往復回動ストロークの調整は、回転伝達部材の
回転半径または回転伝達部材に直結し、研磨装置のフレ
ームに連結したレバーの角度調整により容易に実施でき
ることを見い出し、この考案に到達した。
【0009】すなわちこの考案は、鋼帯パスラインの前
後のロール間において、鋼帯の上方でかつ鋼帯幅方向の
中心位置を支点とし、鋼帯の進行方向に対し直交する方
向に研磨装置のフレームを往復回動させる回転駆動機構
と、該研磨装置のフレーム先端に設けた研磨部材の押付
け機構と、鋼帯表面への圧下量を調整する昇降自在の圧
下機構と、鋼帯幅に応じて研磨装置の往復回動ストロー
クを調整する幅調整機構からなる鋼帯表面検査用連続研
磨装置である。
【0010】また、この考案の鋼帯表面検査用連続研磨
装置は、幅調整機構が回転駆動機構の回転伝達部材の回
転半径を可変に設けてなる。さらにこの考案の鋼帯表面
検査用連続研磨装置は、幅調整機構がフレーム側部に軸
支したボールスクリューに接続した幅調整モーターと、
回転駆動機構の回転伝達部材とボールスクリューのナッ
トを連結するレバーからなる。さらにまた、この考案の
鋼帯表面検査用連続研磨装置は、鋼帯進行方向の研磨装
置の近傍に鋼帯幅検出器を配設し、該鋼帯幅検出器の検
出値に応じて幅調整機構を制御し、研磨装置の往復回動
ストロークを自動調整する幅調整制御部を設けてなる。
【0011】
【作用】この考案においては、前後ロール間において進
行鋼帯の全幅にわたり、研磨部材を往復回動させること
によって、鋼帯のエッジ部を含めて滑かに研磨できる。
また、研磨部材の往復回動ストロークは、回転伝達部材
の回転半径を可変に設けたので、回転伝達部材の回転半
径を調整するか、あるいは幅調整モーターによりボール
スクリューを回転させて回転伝達部材とフレーム間を連
結するレバーの角度調整により実施することができ、容
易に研磨部材の往復回動ストロークを調整することがで
きる。さらに、研磨部材の押付け機構とは別に独立した
圧下機構を設けたので、研磨鋼帯の材質に応じた最適な
圧下量の調整が可能となる。したがって鋼帯の全幅およ
び必要長さの範囲に亘って、一定条件の所望する研磨が
可能となり、凹凸性表面欠陥を連続かつ確実にチェック
することができる。
【0012】
【実施例】以下にこの考案の詳細を実施の一例を示す図
1および図2に基いて説明する。図1はこの考案の鋼帯
表面検査用連続研磨装置の全体平面図、図2はこの考案
の鋼帯表面検査用連続研磨装置の側面図である。図1お
よび図2において、1は鋼帯パスラインの前後のロール
間において、鋼帯2の上方でかつ鋼帯幅方向の中心位置
を支点とし、鋼帯2の進行方向に対し直交する方向に研
磨装置3のフレーム4を往復回動させる回転駆動機構、
5は該研磨装置3のフレーム4先端に設けた研磨部材6
の押付け機構、7は鋼帯2表面への圧下量を昇降自在に
調整する圧下機構、8は鋼帯幅に応じて研磨装置3の往
復回動ストロークを調整する幅調整機構である。
【0013】上記回転駆動機構1は、鋼帯2の側部に配
設した駆動用モーター11の回転軸に基端を固定された
回転レバー12と、該回転レバー12と研磨装置3のフ
レーム4の側部の軸受13により軸支されたボールスク
リュー14のナット15を連結する継手16からなり、
駆動用モーター11の回転運動を回転レバー12および
継手16によりフレーム4の往復運動に変換している。
【0014】研磨部材6の押付け機構5は、フレーム4
先端に基部を枢着されたL形レバー17と、フレーム4
に支持された前記L形レバー17の上端にロッドが連結
されたシリンダー18と、前記L形レバー17の前端に
垂下した砥石からなる研磨部材6を下面に取付けた押付
け部材19からなり、シリンダー18を作動してL形レ
バー17を基部を中心に回動させ、研磨部材6を下面に
取付けた押付け部材19を鋼帯2に押付けるあるいは、
不使用時は研磨部材6を下面に取付けた押付け部材19
を、鋼帯2の上部に離して持上げる。
【0015】圧下機構7は、鋼帯2の上部に横設した固
定フレーム20に一定の間隔で上下方向に溝を有するガ
イド枠21と、該ガイド枠21に沿って滑動するスライ
ド部材22と、前記固定フレーム20に突設した支持部
材23に支持されてスライド部材22を上下に昇降せし
める電動スクリュージャッキ24からなり、前記スライ
ド部材22には、フレーム4の基部が水平方向に回動自
在に軸支されている。
【0016】幅調整機構8は、フレーム4の側部に軸受
13により軸支されたボールスクリュー14と、その一
端に連結した幅調整モーター25からなり、幅調整モー
ター25を駆動してボールスクリュー14を回転させ、
ナット15を移動させて継手16の角度を変更するか、
あるいは、回転伝達部材の回転レバー12の長さを可変
に設け、回転半径を変更することにより調整できる。
【0017】この鋼帯2の幅に対応する研磨装置3の往
復回動ストロークの調整にあたっては、図示しない前ロ
ールの近傍に幅検出器を設置し、該幅検出器の検出結果
を図示しない幅調整制御部に入力し、幅調整モーター2
5の回転数をパルスジェネレーター等で検出しながら継
手16の角度を調整すればよい。上記フレーム4は、ス
ライド部材22に基部を軸支され、先端が押付け機構5
に軸支されて平行リンクを構成し、研磨装置3の往復回
動時の衝撃を吸収する機構を有している。
【0018】上記のとおり構成したから、鋼帯2の表面
研磨を行う場合は、鋼帯2の進行速度を例えば9m/分
程度に制御し、鋼帯2の幅に対応して研磨部材6の往復
回動ストロークを幅調整モーター25により継手16の
角度を調整する。次いで鋼帯2の材質に対応して電動ス
クリュージャッキ24により圧下調整したのち、シリン
ダー18を作動して研磨部材6を鋼帯2の表面まで降下
させると共に、駆動用モーター11を駆動させてフレー
ム4を往復回動させ、研磨部材6を鋼帯2の幅一杯まで
往復動作させる。なお、このときの研磨部材6の駆動速
度を、鋼帯2の進行速度に対応した例えば1.8m/秒
以上にコントロールすると、鋼帯2の表面はくまなく均
一に研磨される。
【0019】なお、この考案の鋼帯表面検査用連続研磨
装置は、鋼帯の蛇行に対するトラッキング動作を有して
いないため、前ロールの前に自動制御機構を有する蛇行
修正ロールを配置するのが、良策であることは言うまで
もない。
【0020】
【考案の効果】以上述べたとおり、この考案によれば、
研磨部材を鋼帯のエッジも含めた全幅および必要長さの
所定範囲にわたり、滑かな往復回動動作によって研磨で
き、しかも、鋼帯の材質に応じた圧下調整ならびに鋼帯
幅に対応して幅調整を容易に行うことができ、鋼帯の凹
凸表面欠陥を連続かつ確実にチェックすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の鋼帯表面検査用連続研磨装置の一例
を示す全体平面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】従来の砥石掛け装置の一例を示す全体斜視図で
ある。
【図4】従来の砥石掛け装置の他の一例を示す全体斜視
図である。
【符号の説明】
1 回転駆動機構 2 鋼帯 3 研磨装置 4 フレーム 5 押付け機構 6 研磨部材 7、44 圧下機構 8 幅調整機構 11 駆動用モーター 12 回転レバー 13 軸受 14 ボールスクリュー 15 ナット 16 継手 17 L形レバー 18 シリンダー 19 押付け部材 20 固定フレーム 21 ガイド枠 22 スライド部材 23 支持部材 24 電動スクリュージャッキ 25 幅調整モーター 31、41 鋼板 32 ロール 33 昇降機構 34 支持板 35、45 砥石 36 保持板 37 弾性体 42 駆動機構 43 往復部材

Claims (4)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼帯パスラインの前後のロール間におい
    て、鋼帯の上方でかつ鋼帯幅方向の中心位置を支点と
    し、鋼帯の進行方向に対し直交する方向に研磨装置のフ
    レームを往復回動させる回転駆動機構と、該研磨装置の
    フレーム先端に設けた研磨部材の押付け機構と、鋼帯表
    面への圧下量を調整する昇降自在の圧下機構と、鋼帯幅
    に応じて研磨装置の往復回動ストロークを調整する幅調
    整機構からなる鋼帯表面検査用連続研磨装置。
  2. 【請求項2】 幅調整機構が回転駆動機構の回転伝達部
    材の回転半径を可変に設けてなる請求項1記載の鋼帯表
    面検査用連続研磨装置。
  3. 【請求項3】 幅調整機構がフレーム側部に軸支したボ
    ールスクリューに接続した幅調整モーターと、回転駆動
    機構の回転伝達部材とボールスクリューのナットを連結
    するレバーからなる請求項1記載の鋼帯表面検査用連続
    研磨装置。
  4. 【請求項4】 鋼帯進行方向の研磨装置の近傍に鋼帯幅
    検出器を配設し、該鋼帯幅検出器の検出値に応じて幅調
    整機構を制御し、研磨装置の往復回動ストロークを自動
    調整する幅調整制御部を設けてなる請求項1ないし3記
    載の鋼帯表面検査用連続研磨装置。
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