JP2534080Y2 - 人工ダイヤモンド析出装置 - Google Patents

人工ダイヤモンド析出装置

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JP2534080Y2
JP2534080Y2 JP1991026652U JP2665291U JP2534080Y2 JP 2534080 Y2 JP2534080 Y2 JP 2534080Y2 JP 1991026652 U JP1991026652 U JP 1991026652U JP 2665291 U JP2665291 U JP 2665291U JP 2534080 Y2 JP2534080 Y2 JP 2534080Y2
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寿彦 岡村
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、安定した状態で反応
ガスを反応させることができる人工ダイヤモンド析出装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、人工ダイヤモンドの析出生成方法
として多数の方法が提案され、実用に供されているが、
中でも加熱したフィラメント(高エネルギー体)により
反応ガスを分解させて基板等の被処理材の表面に人工ダ
イヤモンドを析出させる方法は、比較的簡単な装置で安
定した人工ダイヤモンド膜を高速で成膜することができ
ることから、特に注目されている方法である。
【0003】上記の方法は、例えば、図2に示す様な人
工ダイヤモンド析出装置(以下、単に析出装置と略称す
る)1を用いて行われる。この析出装置1は、基板(被
処理材)2にダイヤモンドを析出させるための石英製の
反応室3と、該反応室3に主としてCH4,C22等の
炭化水素と該炭化水素のキャリアガスとなるH2ガスと
で構成される反応ガスGを導入するMo製の反応ガス導
入管4と、前記反応室3から反応ガスGを排出する反応
ガス排出管5とから概略構成されている。
【0004】反応室3には、制御機構6により制御さ
れ、該反応室3内を上下方向に移動自在かつ任意の位置
に固定自在なる昇降装置8が設けられており、該昇降装
置8の上部8aには複数の基板2,…を支持するための
Mo製のワークホルダ9が固定されている。また、この
ワークホルダ9の下面には熱電対10が取り付けられて
いる。
【0005】この反応室3には、該反応室3の上部位置
に基板2を移動したときに、該基板2の表面2aと対向
する所定間隔上方の位置に金属タングステン(W)もし
くは金属タンタル(Ta)製の螺旋状のフィラメント
(高エネルギー体)11が水平に設けられている。ま
た、この反応室3の周囲には該反応室3を加熱するため
の電気炉12が配設されている。
【0006】次に、この析出装置1を用いて基板2の表
面2aにダイヤモンドを成膜する方法について説明す
る。まず、反応ガス導入管4により反応ガスGを反応室
3内に導入し、この反応ガスGをフィラメント11から
ワークホルダ9に向かう様に垂直下方に流下させ、反応
ガス排出管5により反応室3の外方へ排出させる。
【0007】この間、反応室3内の雰囲気圧力を10〜
300torrに保持しながらフィラメント11を15
00〜2500℃に加熱して、反応ガスGの加熱活性化
を図るとともに、所定間隔下方に配置された基板2の表
面2aの温度を電気炉12を用いて800〜1000℃
の範囲内で保ち、この状態で反応ガスGを熱分解させて
基板2の表面2aに人工ダイヤモンドを析出させる。
【0008】この場合、反応ガスGはフィラメント11
により分解されて活性化された遊離炭素(C)となり、
基板2の上方からワークホルダ9の周囲13に向かって
流れ、この活性化された遊離炭素が基板2の表面2aに
速やかに推積し、該表面2aにグラファイト構造とダイ
ヤモンド構造が混在して形成される。ここでは、グラフ
ァイト構造の方が弱い構造であるから反応ガスGの分解
時に生成される原子状の水素(H)により表面2aから
選択的に除去されダイヤモンド構造のみが残ることとな
る。
【0009】ダイヤモンドが析出された基板2は、昇降
装置8により下方に所定距離移動され自然冷却される。
【0010】
【考案が解決しようとする課題】上記の析出装置1にお
いては、フィラメント11からワークホルダ9に向かう
反応ガスGは、図3に示すようにワークホルダ9に遮ら
れて該ワークホルダ9の周囲13に向いこの周囲13か
ら下方に流下するために、活性化された遊離炭素は、中
央部の基板2より外側の基板2により多く堆積すること
となる。
【0011】外側に配置された基板2の表面2aでは遊
離炭素が速やかに推積されて弱い結合のグラファイト構
造は選択的に除去され良好な人工ダイヤモンドを析出す
ることができるが、中央部に配置された基板2の表面2
aでは反応ガスGの流れが弱いために該基板2の表面2
aに推積される遊離炭素量が少なく、グラファイト構造
を選択除去することもできない等、様々な問題が生じる
こととなる。したがって、良好な人工ダイヤモンドは外
側に配置された基板2にしか析出されず、製品歩留まり
が極めて悪いという欠点があった。
【0012】人工ダイヤモンドを析出させるには、かな
りの反応時間を必要とするものであるから、上記の製品
歩留まりの低下は装置の効率を著るしく低下させること
となる。
【0013】この考案は、上記の事情に鑑みてなされた
ものであって、以上の欠点を有効に解決することができ
る析出装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この考案は次の様な析出装置を採用した。すなわ
ち、被処理材にダイヤモンドを析出させるための反応室
と、該反応室に反応ガスを導入する反応ガス導入管と、
前記反応室から反応ガスを排出する反応ガス排出管と、
前記被処理材を支持するワークホルダと、前記ワークホ
ルダに支持される前記被処理材の表面と対向する位置に
設けられたフィラメントとを具備してなる析出装置にお
いて、前記ワークホルダとフィラメントの周囲にこれら
を囲む箱体を設け、該箱体の一端に前記反応ガス導入管
から反応ガスを箱体内に導入するノズルを設けるととも
に他端を開口して反応ガスを排出する排気口とし、前記
被処理材は反応ガスの流入方向にほぼ直交する方向に且
つ箱体内壁との間に若干の隙間を形成して配設されてい
ことを特徴とする。
【0015】
【作用】この考案の析出装置では、反応室の箱体内にノ
ズルを介して導入された反応ガスは、被処理材との間で
該箱体の内部に滞留させられ、該反応ガスを広範囲で均
一に熱分解する。そして、分解されて活性化された遊離
炭素は、被処理材表面に均一に堆積する。
【0016】また、この反応ガスは、ノズルから箱体の
内部に流入するために、箱体の内部の方が外部より圧力
が高く、差圧が陽圧になる。したがって、箱体の内部に
滞留する反応ガスは、前記差圧によりこの箱体とワーク
ホルダとの間の狭窄部から均一に流出する。
【0017】
【実施例】以下、この考案の一実施例について図1を基
に説明する。この一実施例の析出装置21は、従来例で
説明した析出装置1の構成要素であるワークホルダ9と
フィラメント11の周囲に、これらを囲む様に箱体22
を設けたものであり、この箱体22以外の構成要素につ
いては同一の符号を付し、説明を省略する。
【0018】この箱体22は、外形が略直方体状の石英
製の箱からなるもので、上部の天板23の中央部には反
応ガスGを導入するための吸気口24が形成され、この
吸気口24には垂直上方に突出するノズル25が取り付
けられている。また、この箱体22の下部は開放され
て、反応ガスGを排出する排気口26になっている。
【0019】次に、この箱体22の作用について図1に
基づき説明する。反応室2内に導入された反応ガスG
は、ノズル25を経由する間に均一な層流となり、吸気
口24から箱体22の内部27に流入する。この流入し
た反応ガスGは、箱体22の側壁28及びワークホルダ
9により内部27に閉じ込められ、この内部27に滞留
することとなる。
【0020】この間に、反応ガスGはフィラメント11
により分解されて活性化された遊離炭素(C)となり、
基板2の上部で滞留しつつ基板2の表面2aに速やかに
推積する。この表面2aには、グラファイト構造とダイ
ヤモンド構造が混在して形成されるが、グラファイト構
造は反応ガスGの分解時に生成される原子状の水素によ
り表面2aから選択的かつ良好に除去され、ダイヤモン
ド構造のみが残ることとなる。したがって、弱い結合の
グラファイト構造は選択的に除去され極めて結晶性のよ
い人工ダイヤモンドが析出する。
【0021】また、この反応ガスGは、吸気口24から
箱体22の内部27に流入し続けるので、箱体22の内
部27の方が外部29より圧力が高く、差圧が陽圧にな
る。したがって、箱体22の内部27に滞留する反応ガ
スGは、前記差圧によりこの箱体22の側壁28とワー
クホルダ9との間の狭窄部30から下方に均一に流下す
る。
【0022】いま、ワークホルダ9とフィラメント11
を箱体22で囲み、 反応ガス組成:容量割合でH2/CH4=1000cc/min/10cc/min フィラメント11と基板2の表面2aとの距離:50mm 反応室3内の雰囲気圧力:50torr フィラメント11の加熱温度:2000℃ 反応時間:5時間 冷却:自然冷却(炉冷) の条件で人工ダイヤモンドの析出を行ったところ、基板
2の表面2aには、平均膜厚4μmの人工ダイヤモンド
膜が均一に形成された。また、ワークホルダ21に保持さ
れた基板2の全てに均一な人工ダイヤモンド膜が形成さ
れており、従来と比べて製品の歩留まりが大幅に向上す
ることがわかった。
【0023】以上説明した様に、この考案の析出装置に
よれば、ワークホルダ9とフィラメント11の周囲に、
これらを囲む様に箱体22を設けたので、導入された反
応ガスGを箱体22の内部27に効果的に閉じ込めるこ
とができ、この内部27に良好かつ長時間滞留させるこ
とができる。したがって、分解された反応ガスは基板2
の上部で滞留しつつ基板2の表面2aに速やかに推積
し、グラファイト構造は表面2aから選択的かつ良好に
除去され、極めて結晶性のよい人工ダイヤモンドを析出
することができる。これより、全ての基板2の表面2a
に均一に人工ダイヤモンドを成膜させることができ、製
品歩留まりを大巾に向上させることができる。
【0024】また、箱体22の内部27と外部29との
間の差圧により、基板2外周へのガス抜けを均一化する
ことができ、反応ガス排出管5の取り付け位置による影
響を極めて小さくすることができる。
【0025】
【考案の効果】以上説明した様に、この考案の析出装置
によれば、ワークホルダとフィラメントの周囲にこれら
を囲む箱体を設け、該箱体の一端に反応ガスを箱体内に
導入するノズルを設けるとともに他端を開口して反応ガ
スを排出する排気口とし、被処理材は反応ガスの流入方
向にほぼ直交する方向に且つ箱体内壁との間に若干の隙
間を形成して配設されているから、反応ガスを箱体の内
部に効果的に閉じ込めることができ、この内部に良好に
かつ長時間滞留させることができる。したがって、分解
された反応ガスは被処理材の上部で滞留しつつ被処理材
の表面に速やかに推積し、グラファイト構造は表面から
選択的かつ良好に除去され、極めて結晶性のよい人工ダ
イヤモンドを析出することができる。これより、全ての
被処理材の表面に均一に人工ダイヤモンドを成膜させる
ことができ、製品歩留まりを大巾に向上させることがで
きる。
【0026】また、箱体の内部と外部との間の差圧によ
り、基板外周へのガス抜けを均一化することができ、反
応ガス排出管の取り付け位置による影響を極めて小さく
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の析出装置の箱体の一例を示す概略断面
図である。
【図2】従来の析出装置の概略図である。
【図3】従来の析出装置の反応ガスの流れを示す図であ
る。
【符号の説明】
21 人工ダイヤモンド析出装置 2 基板(被処理材) 3 反応室 4 反応ガス導入管 5 反応ガス排出管 6 制御機構 8 昇降装置 9 ワークホルダ 10 熱電対 11 フィラメント(高エネルギー体) 12 電気炉 22 箱体 23 天板 24 吸気口 25 ノズル 26 排気口 27 内部 28 側壁 29 外部 30 狭窄部

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理材にダイヤモンドを析出させるた
    めの反応室と、該反応室に反応ガスを導入する反応ガス
    導入管と、前記反応室から反応ガスを排出する反応ガス
    排出管と、 前記被処理材を支持するワークホルダと、該ワークホルダに支持される前記被処理材の表面と対向
    する位置に設けられたフィラメントと を具備してなる人
    工ダイヤモンド析出装置において、 前記ワークホルダとフィラメントの周囲にこれらを囲む
    箱体を設け、該箱体の一端に前記反応ガス導入管から反応ガスを箱体
    内に導入するノズルを設けるとともに他端を開口して反
    応ガスを排出する排気口とし、前記被処理材は反応ガス
    の流入方向にほぼ直交する方向に且つ前記箱体内壁との
    間に若干の隙間を形成して配設されている ことを特徴と
    する人工ダイヤモンド析出装置。
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JPS58181796A (ja) * 1982-04-19 1983-10-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd 結晶成長方法
SE442305B (sv) * 1984-06-27 1985-12-16 Santrade Ltd Forfarande for kemisk gasutfellning (cvd) for framstellning av en diamantbelagd sammansatt kropp samt anvendning av kroppen
JP2562921B2 (ja) * 1987-12-24 1996-12-11 昭和電工株式会社 気相法ダイヤモンドの合成方法

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