JP2533645Y2 - 心なし研削盤における位置決め装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、心なし研削盤における位置決め装置に関
する。

従来の技術および考案の課題 研削砥石、調整車およびこれらの間に工作物を支持す
るブレードで構成されたスルーフィード心なし研削盤に
おいては、通常、ベッドに固定状に取付けられた研削砥
石台に研削砥石が取付けられ、たとえば送りねじと電動
モータよりなる駆動装置によってベッド上を移動させら
れる調整車台に調整車とブレードが取付けられている。
そして、ベッド上の調整車台の位置を検出して駆動装置
を制御することにより調整車台の位置決めがなされ、研
削加工中は、調整車台はベッドの一定の位置に固定され
ている。

上記のような心なし研削盤において、工作物の外径寸
法は研削砥石外周面と調整車外周面の距離によって決定
され、この距離が変わると外径寸法も変わってしまう。
一方、ベッド上の調整車台の位置が一定であっても、ベ
ッドなど機械全体の熱変位により、あるいは研削負荷に
より、研削砥石台と調整車台の相対距離、すなわち研削
砥石と調整車の距離が変化する。このため、従来のよう
にベッド上の調整車台の位置を検出して位置決めを行な
うのでは、ベッドに対する調整車の正確な位置決めはで
きても、研削砥石に対する調整車の正確な位置決めはで
きない。また、ベッド上の一定の位置に調整車台を固定
して研削加工を行なうのでは、上記のように熱変位ある
いは研削負荷により研削砥石と調整車の距離が変化し
て、工作物の外径寸法も変化し、精度の高い加工ができ
ない。

インフィード心なし研削盤の場合にも、同様の問題が
ある。

この考案の目的は、上記の問題を解決し、研削砥石と
調整車の正確な位置決めができ、精度の高い加工ができ
る心なし研削盤における位置決め装置を提供することに
ある。

課題を解決するための手段 この考案による心なし研削盤における位置決め装置
は、研削砥石台と調整車台を相対的に移動させてこれら
の相対距離を変える駆動装置と、研削砥石台と調整車台
の一方に取付けられて他方側にわたされた連結棒の位置
を上記他方側で検出することにより研削砥石台と調整車
台の相対距離を直接検出する位置検出装置と、この位置
検出装置の出力に基いて研削砥石台と調整車台の相対距
離が所定の値になるように駆動装置を制御する制御装置
とを備えているものである。

たとえば、研削加工中など、制御装置は、研削砥石台
と調整車台の相対距離を一定の値に保つように、位置検
出装置の出力に基いて駆動装置を制御する。

たとえば研削砥石台と調整車台の相対位置を変える場
合など、制御装置は、研削砥石台と調整車台の相対距離
が指令値に対応する値になるように、位置検出装置の出
力に基いて駆動装置を制御する。

作用 位置検出装置により研削砥石台と調整車台の相対距離
を直接検出して駆動装置を制御するので、研削砥石台と
調整車台の相対距離を直接制御することができ、研削砥
石台と調整車の正確な位置決め、精度の高い加工が可能
になる。

たとえば研削加工中など、制御装置が、研削砥石台と
調整車台の相対距離を一定の値に保つように、この相対
距離を直接検出して駆動装置を制御するので、熱変位あ
るいは研削負荷にかかわらず、研削砥石台と調整車台の
相対距離を一定の値に保つことができ、工作物の外径寸
法の変化が小さくなる。

また、たとえば研削砥石台と調整車台の相対位置を変
える場合など、制御装置が、研削砥石台と調整車台の相
対距離が指令値に対応する値になるように、この相対距
離を直接検出して駆動装置を制御するので、指令値に対
する正確な位置決めができる。

実施例 以下、図面を参照して、この考案の実施例を説明す
る。

図面はスルーフィード心なし研削盤の主要部を概略的
に示す。

研削盤のベッド（１）上に研削砥石台（２）が固定さ
れ、これに研削砥石（３）が取付けられている。また、
ベッド（１）上に固定されたスライドベース（４）上に
調整車台（５）が移動自在にのせられ、これに調整車
（６）とブレード（７）が取付けられている。ブレード
（７）は、研削砥石（３）と調整車（６）の間に工作物
（８）を支持するものであり、工作物（８）に合わせて
位置の調整ができるようになっている。調整車台（５）
は、たとえば送りねじ（９）と電動モータ（10）よりな
る駆動装置（11）によって図面の矢印方向に移動させら
れ、これによって研削砥石台（２）と調整車台（５）の
相対距離、すなわち研削砥石（３）と調整車（６）の相
対距離が変えられるようになっている。

研削砥石台（２）と調整車台（５）の間に、これらの
相対距離を直接検出する位置検出装置（12）が設けられ
ている。

位置検出装置（12）はたとえば公知の磁気式デジタル
変位センサであり、調整車台（５）の調整車軸（13）に
できるだけ近い部分に位置検出用磁気スケール（14）が
取付けられており、研削砥石台（２）の研削砥石軸（1
5）にできるだけ近い部分に連結棒（16）の基端部が回
動自在に取付けられ、連結棒（16）の先端部に磁気ヘッ
ドを含む検出器（17）が取付けられている。検出器（1
7）はスケール（14）に沿って移動するように案内され
ており、これによって研削砥石台（２）に対する調整車
台（５）の相対距離が直接かつ絶対値で検出されるよう
になっている。

また、研削盤には、位置検出装置（12）の出力に基い
て、研削砥石台（２）と調整車台（５）の相対距離が所
定の値になるようにモータ（10）を制御する制御装置
（18）が設けられている。

工作物（８）の加工寸法を変える段取替え時や砥石摩
耗の補正を行なう場合など、外部から調整車台（５）の
相対距離が指令され、制御装置（18）は調整車台（５）
の相対距離がこの指令値に対応する値になるように、位
置検出装置（12）の出力に基いてモータ（10）を制御す
る。すなわち、位置検出装置（12）の出力を指令値に対
応する値と比較し、これらの差がなくなるようにモータ
（10）を制御する。このように、研削砥石台（２）に対
する調整車台（５）の相対距離を直接検出し、これに基
いて調整車台（５）の位置決めを行なうので、ベッド
（１）の熱変位あるいは研削負荷にかかわらず、指令値
に対する正確な位置決めができる。

研削加工中は、制御装置（18）は、研削砥石台（２）
と調整車台（５）の相対距離を一定の値に保つように、
位置検出装置（12）の出力に基いてモータ（10）を制御
する。このように、研削砥石台（２）に対する調整車台
（５）の相対距離を直接検出してモータ（10）を制御す
るので、熱変位あるいは研削負荷にかかわらず、研削砥
石台（２）と調整車台（５）の相対距離を一定の値に保
つことができる。したがって、工作物（８）の外径寸法
の変化が小さく、精度の高い加工ができる。

位置検出装置（12）について、上記実施例とは逆に、
スケール（14）が研削砥石台（２）側に、連結棒（16）
と検出器（17）が調整車台（５）側に取付けられてもよ
い。

この考案は、インフィード心なし研削盤にも適用でき
る。

考案の効果 この考案の心なし研削盤における位置決め走査によれ
ば、上述のように、熱変位あるいは研削負荷にかかわら
ず、研削砥石台と調整車台を正確に位置決めすることが
でき、また、研削加工中、研削砥石台と調整車台の相対
距離を一定に保って、加工精度を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は、この考案の実施例を示すスルーフィード心なし
研削盤の要部概略正面図である。 （２）……研削砥石台、（３）……研削砥石、（５）…
…調整車台、（６）……調整車、（11）……駆動装置、
（12）……位置検出装置、（18）……制御装置。

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】研削砥石台（２）と調整車台（５）を相対
   的に移動させてこれらの相対距離を変える駆動装置（1
   1）と、研削砥石台（２）と調整車台（５）の一方に取
   付けられて他方側にわたされた連結棒（16）の位置を上
   記他方側で検出することにより研削砥石台（２）と調整
   車台（５）の相対距離を直接検出する位置検出装置（1
   2）と、この位置検出装置（12）の出力に基いて研削砥
   石台（２）と調整車台（５）の相対距離が所定の値にな
   るように駆動装置（11）を制御する制御装置（18）とを
   備えている心なし研削盤における位置決め装置。
2. 【請求項２】上記制御装置（18）が、研削砥石台（２）
   と調整車台（５）の相対距離を一定の値に保つように、
   位置検出装置（12）の出力に基いて駆動装置（11）を制
   御するものである請求項１の心なし研削盤における位置
   決め装置。
3. 【請求項３】上記制御装置（18）が、研削砥石台（２）
   と調整車台（５）の相対距離が指令値に対応する値にな
   るように、位置検出装置（12）の出力に基いて駆動装置
   （11）を制御するものである請求項１の心なし研削盤に
   おける位置決め装置。