JP2532895Y2 - 空調用ダクト - Google Patents

空調用ダクト

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JP2532895Y2 JP8838891U JP8838891U JP2532895Y2 JP 2532895 Y2 JP2532895 Y2 JP 2532895Y2 JP 8838891 U JP8838891 U JP 8838891U JP 8838891 U JP8838891 U JP 8838891U JP 2532895 Y2 JP2532895 Y2 JP 2532895Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ビルディング等の建築
物の空調配管に係わり、特に冷房用の配管や通風管等に
用いて最適な空調用ダクトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】このような空調用ダクトとしては、例え
ば図6および図7に示すようなスパイラルダクトが公知
となっている。これは公平3−17105号公報に記
載されたものであって、所定幅の金属薄板の端縁をハゼ
合わせしながら螺旋状に巻回した筒状体1よりなるもの
である。この筒状体の互いに隣接するハゼ合わせ部
2,2の間には数本のコルゲート状リブ3…が形成され
ていて、これにより当該スパイラルダクトは上記筒状体
の軸線方向に伸縮自在とされている。
【0003】このようなスパイラルダクトは例えば図8
に示すように、平板状の金属薄板4が成形機5に挿通さ
れてその進行方向に沿って上記コルゲート状リブ3…が
形成された後に、この進行方向に対して斜めに設けられ
たロール6に螺旋状に巻取られつつ、その端縁がハゼ合
わせられて筒状体1に成形されることにより、連続的に
製造される。
【0004】こうして製造される上記構成のスパイラル
ダクトでは、収納運搬時には上記筒状体1を収縮させる
ことによってダクト全長が短縮されるため、一度の運搬
時に多数のダクトを搬送することができる。また、この
収縮状態では上記コルゲート状リブ3…の壁面部が互い
に密接して筒状体1の強度が向上するため、移送時の衝
撃による損傷を防止することができ、さらに施工時には
収縮した筒状体1を必要長さに伸長して固定するだけで
よいため、施工がきわめて簡単である等の利点が得られ
る。
【0005】ところで、このような金属薄板より成る空
調用ダクトをビルディングの冷房用配管や、通風管の吸
入側等の空調配管等に用いた場合には、ダクト内に冷気
が挿通した際にダクト内外の温度差によって外気に含ま
れる水分がダクトの外周面に凝結し、結露が発生するこ
とが知られている。こうして発生した結露はダクト外周
面に付着してこれを酸化させ、ダクトの寿命を低下させ
てしまうほか、凝結した水分が液滴化してダクト周辺の
コンクリートに浸透し、結果的に建築物の寿命を短縮さ
せてしまうなどの弊害を引き起こす原因となる。ところ
が従来は、このような結露の防止のみを図った空調用ダ
クトは提案されてはおらず、ダクト外周にグラスウール
やウレタン、あるいは不織布等の断熱材を巻き付けた上
で、さらにその周囲を金属板などで被覆し、ダクトを外
気から遮断して保温することにより、間接的に結露の発
生を抑えるようにしていた。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな断熱材をダクトに巻き付ける作業は、施工現場にお
いてダクトを配管して固定した後に行わざるを得ず、ま
たこの巻き付け作業の後には断熱材の周囲を金属板等に
よって被覆する作業を行わなければならないため、従来
はこれらの作業の分だけ施工が繁雑になることは免れ
ず、作業時間および労力の増大を招く結果となってい
た。特に、ダクトとして上述したような伸縮自在なスパ
イラルダクトを用いた場合には、施工現場においては上
記筒状体を伸長させるだけで使用可能であるという当該
スパイラルダクトによる施工の簡便性が、配管作業全体
の中では結果的に失われてしまうことになる。
【0007】また、上記スパイラルダクトに断熱材を巻
き付けた場合には、該断熱材と筒状体に形成されたコル
ゲート状リブとの間に隙間ができてしまうことは避けら
れない。そして、このような隙間が形成されることによ
ってダクトの断熱が阻害されてしまい、このため結露の
予防効果が損なわれてしまうおそれがあった。
【0008】さらに、このように断熱材を巻き付けた場
合でも、結露の発生を完全に防ぐことはきわめて困難で
ある。このため、ダクト内に冷気を挿通した際に、僅か
ながらダクト外周に結露による水分が凝結することは避
けられず、この凝結した水分は液滴となってダクト外周
に巻き付けられた上記断熱材に吸収されてしまうことに
なる。ところが、これらの断熱材は一般に水分の放散性
があまり良くなく、また断熱材の外周は上述のように金
属板等によって被覆されているため、ダクトへの冷気の
供給を停止した後も、吸収された水分は発散されずに断
熱材に保持されてしまう。そして、この断熱材に保持さ
れた水分によりダクトが酸化されて腐食してしまうた
め、ダクトの寿命が低下してしまうという問題があっ
た。また、結露によって凝結した水分は徐々に断熱材の
中に蓄積されてその断熱効果を劣化せしめるとともに、
液滴化してダクト周辺のコンクリート等に浸透し、建築
物の寿命を低下させることにもなってしまう。
【0009】
【課題を解決するための手段】本考案はこのような課題
を解決するためになされたもので、金属薄板から成形さ
れた筒状体よりなる空調用ダクトであり、上記筒状体の
外周面に接着剤によって膨張紙を貼合したことを特徴と
するものである。
【0010】
【作用】本考案に用いられる膨張紙は、例えば炭化水素
を内包した熱膨張性のマイクロカプセルを含有する発泡
剤を紙の中に漉き込んだり、あるいはこのような発泡剤
を含んだインクや塗料を紙にコーティングしたものであ
って、加熱や水侵、あるいは特定の薬剤を湿潤させる等
の後処理を施すことにより、このマイクロカプセルが破
裂して上記炭化水素が発生し、これが膨張して紙中に含
まれる空気粒の体積を増大させ、これに伴って当該膨張
紙の厚さが増大する。この結果、膨張紙の熱伝導が大き
く抑制され、かつまたこのような膨張紙等の紙類および
この膨張紙を貼合する接着剤は筒状体を構成する金属よ
りも元々熱伝導率が低いことから、筒状体は外気から熱
的に遮断されて結露の発生が抑えられる。
【0011】また、このような膨張紙は当該空調ダクト
の製造時に同時に筒状体の外周面に貼合することが可能
であり、この時点では後処理前で膨張紙は薄い状態のま
まである。そして施工現場において後処理を施すことに
より膨張紙が膨張して断熱効果を奏するため、従来のよ
うに断熱材の巻き付け作業や金属板による被覆作業を行
う必要がない。このように、ダクトの製造時から施工現
場に搬送されるまでは膨張紙が薄く、搬送スペースの節
減を図って一度の搬送でより多くのダクトが搬送可能で
ある一方、施工現場では後処理によって膨張紙を簡単か
つ短時間で膨張させて優れた断熱効果を有するダクトを
提供することができる。
【0012】特に本考案を上述したような伸縮自在なス
パイラルダクトに実施した場合には、当該スパイラルダ
クトの有する搬送効率の良さや施工の簡便性を何等損な
うことなく十分に生かしたまま、優れた断熱効果を得る
ことができる。また、このように本考案を伸縮自在なス
パイラルダクトに実施する場合には、まず平板状の金属
薄板に膨張紙を貼合し、これにコルゲート状リブを形成
した上でハゼ合わせて筒状体に成形することにより、コ
ルゲート状リブに膨張紙が密着したダクトを簡単に製造
することが可能である。そして、この膨張紙は接着剤に
よって貼合されているため、後処理によって膨張した後
もコルゲート状リブから剥離することはなく、コルゲー
ト状リブと膨張紙との間に隙間が形成されるのを防ぐこ
とができる。
【0013】さらに、このような膨張紙等の紙類は一般
に水分の放散性が高いので、上記断熱効果によっても結
露の発生が抑えきれず水分が凝結して膨張紙に吸収され
た場合でも、吸収された水分はダクト内の冷気の挿通が
停止するのに伴って外気に放散されてしまう。このた
め、吸収された水分によってダクトが酸化されるのを抑
えることが可能であるとともに一定の断熱効果が維持さ
れ、また水分の液滴化およびこれに伴うダクト周囲のコ
ンクリート等への浸透を防ぐことができる。
【0014】
【実施例】図1ないし図4は、本考案の一実施例を示す
ものである。本実施例では、図1に示すように所定幅の
金属薄板がその端縁をハゼ合わせされながら螺旋状に巻
回されて筒状体11が形成されており、この筒状体11
の互いに隣接するハゼ合わせ部12,12の間には数本
のコルゲート状リブ13…が成形されている。そして、
この筒状体11の外周面には図2および図3に示すよう
に、上記コルゲート状リブ13に密着して隙間が形成さ
れることのないように、また上記ハゼ合わせ部12をも
被覆して筒状体11が露出することがないように、膨張
紙14が接着剤15によって接着されて貼合されてい
る。ただし、図1ないし図4においては、膨張紙14お
よび接着剤15の厚さは拡大されて示されている。
【0015】ここで、本実施例において筒状体11に貼
合される上記膨張紙14としては、例えば通常のセルロ
ース繊維より成る紙、またはセルロース繊維に無機質の
サイズ剤を混入した紙等の中に、炭化水素を内包した熱
膨張性のマイクロカプセルを含有する発泡剤等をを漉き
込んだり、上記紙の表面にコーティングしたものが使用
される。このような膨張紙は、加熱、水侵、あるいは特
定の薬剤を湿潤させる等の後処理を施すことにより、上
記マイクロカプセルが破裂して中の炭化水素が膨張し、
これに伴って紙の中に含まれる空気粒の体積が増大して
図4に示すように膨張紙14自体の厚さが増大するとい
う特徴を有している。
【0016】ここで、このような膨張紙14の後処理前
の厚さt1と後処理後の厚さt2との比、すなわち膨張紙
14の膨張率t2/t1は通常2〜30程度に設定されて
いる。そこで、該膨張紙14の後処理が施される前の状
態での厚さt1は、0.003〜0.5mm程度に設定され
るのが望ましく、後処理を施して膨張した状態での厚さ
t2は0.1〜1.0mm程度となることが望ましい。これ
は、まず後処理前の膨張紙14の厚さt1が極端に薄
く、従って後処理後の膨張紙14の厚さt2も薄いと後
述する断熱効果が発揮されなくなるおそれがあり、逆に
後処理後の膨張紙14の厚さt2が厚く、従って後処理
前の厚さt1も厚すぎると、貼合の際のダクト外周面へ
の形状の追従性が損なわれるおそれがあるからである。
特に膨張紙14が厚すぎると、本実施例のようにスパイ
ラルダクトに膨張紙を貼合した場合に、当該スパイラル
ダクトの伸縮性が損なわれるとともに、伸長時にコルゲ
ート状リブ13…と膨張紙14との間に間隙が生じてし
まうおそれがある。また、この膨張紙14に漉き込み、
あるいはコーティングされる上記発泡剤の漉き込み量あ
るいはコーティング量は、該発泡剤に含有される固形分
換算量で5〜30g/m2程度とされるのが好ましい。さら
に、この膨張紙14を上記筒状体11に貼合する接着剤
15としては、例えばウレタン系の合成樹脂や水ガラス
等が使用される。この接着剤15については5〜20g/
m2程度に塗布されることが望ましい。また、上記筒状体
11を形成する金属としては例えばアルミニウム等が用
いられる。
【0017】このような構成のスパイラルダクトは、例
えば所定幅の平板状の金属薄板に予め上記膨張紙14を
貼合し、これに図8に示したような装置を用いてコルゲ
ート状リブ13…を形成しつつ、膨張紙14が外側にな
るように螺旋状に巻回してその端縁をハゼ合わせること
により、容易に製造することができる。また図5に示す
ように、図8に示す製造装置のコルゲート状リブ13…
の成形機5の前に膨張紙14を金属薄板4に貼り付ける
貼合装置16を設けて、膨張紙14の貼合とコルゲート
状リブ13…の形成および金属薄板4の端縁のハゼ合わ
せとを、一連の工程で行うようにして製造することもで
きる。なお図5では、図8に示した部分と同じ部分には
同一の符号を配してある。また、上記貼合装置16にお
いて符号17は膨張紙14に接着剤15を一定厚さで塗
布する塗布ロール、18はこの接着剤15が塗布された
膨張紙14を金属薄板4に貼り合わせる貼合ロールであ
る。
【0018】このようにして製造されたスパイラルダク
トは、図1および図2に示すように筒状体11が収縮さ
れ、コルゲート状リブ13…の壁部が密接した状態で出
荷されて施工現場へと搬送される。ここで当該スパイラ
ルダクトは施工時の必要長さより短縮されているため取
扱いが容易であり、また搬送スペースの節減が図られる
ため、一度の搬送でより多くのダクトを搬送することが
可能で搬送効率を高めることができる。また、コルゲー
ト状リブ13…の壁部が密接しているため、筒状体11
の強度が高くなっており、搬送時の衝撃等による損傷を
防止することができる。
【0019】こうして施工現場に搬送されたスパイラル
ダクトは、図3に示すように必要長さに伸長された上
で、上述したように膨張紙14に加熱、水侵、あるいは
特定薬剤の湿潤等の後処理が施される。これにより、膨
張紙に漉き込まれ、またはコーティングされたマイクロ
カプセルから炭化水素が漏出し、これが膨張して結果的
に膨張紙14の厚さを増大させる。そして、この特殊薬
品の膨張に伴う膨張紙14の厚さの増大によって該膨張
紙14に内包される空気粒の体積も増大するため、筒状
体11と外気との間の熱の伝導が大幅に抑制される。ま
た、これに加えて膨張紙14等の紙類およびこれを貼合
する接着剤15は、一般に筒状体11を構成する金属よ
りも熱伝導率が低いため、結果的に筒状体11は熱的に
外気から遮断されて断熱効果が奏功され、筒状体11内
外の温度差による結露の発生を抑制することが可能とな
る。
【0020】このように上記構成のスパイラルダクトで
は、製造時から施工現場への搬送時までは膨張紙14が
薄い状態であって取扱いが容易であるとともに搬送効率
の向上が図られる一方、施工現場においては適当長さに
伸長して後処理を施すことにより、優れた結露防止効果
を有する空調ダクトを提供することができる。すなわ
ち、本考案を上述したような伸縮自在なスパイラルダク
トに実施した場合には、このスパイラルダクトの特長を
何等損なうことなく、優れた結露防止効果を有する空調
配管を設けることが可能となる。また、このように膨張
紙14が予め貼合されたダクトでは、従来の断熱材のよ
うに施工現場における巻き付け作業や金属板による被覆
作業を行う必要がない。このため、これらの作業に要す
る時間や労力の低減を図って作業効率の向上をなすこと
ができる。
【0021】また一方、本実施例のスパイラルダクト
は、上述したように膨張紙14を予め筒状体11を構成
する金属薄板4に貼合しておいたり、あるいはコルゲー
ト状リブ13を形成する前に金属薄板4に貼合装置16
により膨張紙14を貼合し、これら膨張紙14の貼合と
コルゲート状リブ13の形成を一連の工程で行うことに
より、容易に製造することが可能である。さらに、前者
のように膨張紙14が貼合された金属薄板を用いた場合
には、図8に示したような従来の製造装置をそのまま流
用して筒状体11を成形することもできる。そして、こ
れらの製造方法のようにコルゲート状リブ13が形成さ
れる前に膨張紙14を貼合することにより、これらコル
ゲート状リブ13と膨張紙14との間に隙間が形成され
るのを防ぐことができるので、従来のようにこのような
隙間によりダクトの断熱が阻害されるようなことはな
い。また、膨張紙14に後処理を施して膨張させること
により、図4に示すように筒状体11のハゼ合わせ部1
2においてハゼ合わせられた膨張紙14が密着してこの
ハゼ合わせ部12を密に被覆するため、該ハゼ合わせ部
12における気密性が向上し、引いては当該空調用ダク
トの気密性および断熱性の向上を図ることができる。
【0022】さらに、この膨張紙のような紙類は一般に
水分の放散性が高いことが知られている。すなわち、筒
状体11内外の温度差が大きく、上記断熱効果をもって
しても結露の発生が抑えきれずに水分が凝結し、これが
筒状体11外周の膨張紙14に吸収されたような場合で
も、吸収された水分はダクト内の冷気の挿通が停止され
るとともに外気に放散されてしまい、長く紙中に保持さ
れることはない。これにより、紙中に保持された水分が
金属製の筒状体11を酸化させてダクトの寿命を低下さ
せるような事態を未然に防ぐことが可能である。また、
このような水分が液滴化してダクトの周囲のコンクリー
ト等に浸透し、建築物の寿命が短縮されるようなことも
防がれるとともに、膨張紙14による断熱効果が水分の
保持によって低下するのを抑えることができる。さらに
また、このような膨張紙14に漉き込み、あるいはコー
ティングされる発泡剤に、例えばリン酸エステル等を混
入させたりすることによって該膨張紙14に難燃処理を
施すことも可能である。そして、このように膨張紙14
に難燃性を付与することにより、異常加熱等によっても
容易に発火することがなく、従って火災を引き起こすこ
とのない空調用ダクトを提供することが可能となる。
【0023】なお本実施例では本考案を伸縮自在なスパ
イラルダクトにおいて実施した場合について説明した
が、コルゲート状リブが形成されていない円筒状あるい
は角筒状の通常のダクトに用いることも勿論可能であ
る。
【0024】
【考案の効果】以上説明したように本考案によれば、筒
状体外周に貼合された膨張紙に後処理を施して膨張させ
ることによって膨張紙に含まれる空気粒の体積が増大
し、これと膨張紙を貼合する接着剤の介在とにより、筒
状体と外気との間の熱伝導が大幅に抑えられる。これに
よってダクトが熱的に外気から遮断されて断熱効果が奏
され、結露の発生を抑制することができる。また、製造
・搬送時には膨張紙は薄いため、取扱いが容易で搬送効
率の向上が図られる一方、施工時には従来のように断熱
材を巻き付けたり金属板で被覆したりする必要がなく、
簡単に優れた結露防止効果を有する空調ダクトを提供す
ることが可能である。特に本考案を伸縮自在なスパイラ
ルダクトに実施した場合には、当該スパイラルダクトの
特長を何等損なうことなく、効果的に結露を予防するこ
とができる。さらに、この場合にはコルゲート状リブと
断熱材との間に隙間ができるのを防いで上記断熱効果の
劣化を抑えることが可能となる。
【0025】一方、このような膨張紙に吸収された水分
はダクト内の冷気の挿通が停止されるとともに発散され
てしまうため、吸収された水分が保持されることにより
金属製の筒状体が酸化されて腐食してしまうのを防ぐこ
とができ、ダクトの寿命の延長を図ることができる。ま
たこれにより、水分がダクト周囲のコンクリート等に浸
透して建築物の寿命を低下させるような事態を防ぐこと
ができるとともに、水分の保持による膨張紙の断熱効果
の低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例であるスパイラルダクトの収
縮時の一部破断図である。
【図2】図1に示す実施例のハゼ合わせ部12の拡大断
面図である。
【図3】図1に示す実施例の伸長時のハゼ合わせ部12
の拡大断面図である。
【図4】図1に示す実施例の膨張紙14に後処理を施し
たときのハゼ合わせ部12の拡大断面図である。
【図5】図1に示すスパイラルダクトの製造装置の一例
を示す図である。
【図6】従来のスパイラルダクトの一例を示す収縮時の
側面図である。
【図7】図6に示す従来例のハゼ合わせ部2の拡大断面
図である。
【図8】図6に示すスパイラルダクトの製造装置の一例
を示す図である。
【符号の説明】
1,11 筒状体 2,12 ハゼ合わせ部 3,13 コルゲート状リブ 4 金属薄板 5 成形機 6 ロール 14 膨張紙 15 接着剤 16 貼合装置 17 塗布ロール 18 貼合ロール t1 膨張紙14の後処理前の厚さ t2 膨張紙14の後処理後の厚さ

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属薄板から成形された筒状体よりなる
    空調用ダクトであって、上記筒状体の外周面には接着剤
    によって膨張紙が貼合されていることを特徴とする空調
    用ダクト。
  2. 【請求項2】 上記筒状体が、所定幅の金属薄板の端縁
    をハゼ合わせしながら巻回したものであり、かつ互いに
    隣接する上記ハゼ合わせ部の間にはコルゲート状リブが
    形成されていることを特徴とする請求項1記載の空調用
    ダクト。
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