JPH064489U - 空調用ダクトおよびダクト用薄板材 - Google Patents

空調用ダクトおよびダクト用薄板材

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JPH064489U
JPH064489U JP7830792U JP7830792U JPH064489U JP H064489 U JPH064489 U JP H064489U JP 7830792 U JP7830792 U JP 7830792U JP 7830792 U JP7830792 U JP 7830792U JP H064489 U JPH064489 U JP H064489U
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明信 高木
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 所定幅の金属薄板がダクト用薄板材11とし
てその端縁をハゼ合わせされながら螺旋状に巻回されて
筒状体12が形成されており、この筒状体12は隣接す
るハゼ合わせ部13,13の間に数本のコルゲート状リ
ブ14…が成形されていて伸縮自在となっている。この
筒状体12の外周面には発泡膨張材15が被覆されてい
る。このダクトを施工現場における使用時等に必要長さ
に伸長した後、後処理を施して発泡膨張材15を膨張さ
せる。 【効果】 伸縮自在なスパイラルダクトの特長を損なう
ことなく、かつ施工現場における作業の効率化を図りつ
つ、優れた結露防止効果を有するダクトを提供すること
ができる。また、仮に結露が生じても水分は発泡膨張材
15の気泡に吸収された後、外気に発散されるため、水
分の液滴化や周囲への浸透、あるいはダクトの腐食を防
止することができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、ビルディング等の建築物の空調配管に係わり、特に冷房用の配管や 通風管等に用いて最適な空調用ダクト、およびこの空調用ダクトを形成するダク ト用薄板体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
このような空調用ダクトとしては、例えば図8および図9に示すようなスパイ ラルダクトが公知となっている。 これは特公平3−17105号公報に記載されたものであって、所定幅の金属 薄板より成る薄板体1の端縁をハゼ合わせしながら螺旋状に巻回して筒状体2を 形成したものである。この筒状体2の互いに隣接するハゼ合わせ部3,3の間に は数本のコルゲート状リブ4…が形成されていて、これにより当該スパイラルダ クトは上記筒状体2の軸線方向に伸縮自在とされている。
【0003】 このようなスパイラルダクトは例えば図10に示すように、平板状の上記薄板 体1が成形機5に挿通されてその進行方向に沿って上記コルゲート状リブ4…が 形成された後に、この進行方向に対して斜めに設けられたロール6に螺旋状に巻 取られつつ、その端縁がハゼ合わせられて筒状体2に成形されることにより、連 続的に製造される。
【0004】 こうして製造される上記構成のスパイラルダクトでは、収納運搬時には上記筒 状体2を収縮させることによってダクト全長が短縮されるため、一度の運搬時に 多数のダクトを搬送することができる。また、この収縮状態では上記コルゲート 状リブ4…の壁面部が互いに密接して筒状体2の強度が向上するため、移送時の 衝撃による損傷を防止することができ、さらに施工時等には収縮した筒状体2を 必要長さに伸長して固定するだけでよいため、施工がきわめて簡単である等の利 点が得られる。
【0005】 ところで、このような金属薄板より成る空調用ダクトをビルディングの冷房用 配管や、通風管の吸入側等の空調配管等に用いた場合には、ダクト内に冷気が挿 通した際に、ダクト内外の温度差によって外気に含まれる水分がダクトの外周面 に凝結し、結露が発生することが知られている。そして、こうして発生した結露 はダクト外周面に付着してこれを酸化させ、ダクトの寿命を低下させてしまうほ か、凝結した水分が液滴化してダクト周辺のコンクリートに浸透し、結果的に建 築物の寿命を短縮させてしまうなどの弊害を引き起こす原因となる。 ところが従来は、このような結露の防止のみを図った空調用ダクトは提案され てはおらず、ダクト外周にグラスウールやウレタン、あるいは不織布等の断熱材 を巻き付けた上で、さらにその周囲を金属板などで被覆し、ダクトを外気から遮 断して保温することにより、間接的に結露の発生を抑えるようにしていた。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、このような断熱材をダクトに巻き付ける作業は、施工現場にお いてダクトを配管して固定した後に行わざるを得ず、またこの巻き付け作業の後 には断熱材の周囲を金属板等によって被覆する作業を行わなければならないため 、従来はこれらの作業の分だけ施工が繁雑になることは免れず、作業時間および 労力の増大を招く結果となっていた。 特に、ダクトとして上述したような伸縮自在なスパイラルダクトを用いた場合 には、施工現場での使用時等においては上記筒状体を伸長させるだけで使用可能 であるという当該スパイラルダクトによる施工の簡便性が、配管作業全体の中で は結果的に失われてしまうことになる。
【0007】 また、このように断熱材を巻き付けた場合でも、結露の発生を完全に防ぐこと はきわめて困難である。このため、ダクト内に冷気を挿通した際に、僅かながら ダクト外周に結露による水分が凝結することは避けられず、この凝結した水分は 液滴となってダクト外周に巻き付けられた上記断熱材に吸収されてしまうことに なる。 ところが、これらの断熱材は一般に水分の放散性があまり良くなく、また断熱 材の外周は上述のように金属板等によって被覆されているため、ダクトへの冷気 の供給を停止した後も、吸収された水分は発散されずに断熱材に保持されてしま う。そして、この断熱材に保持された水分によりダクトが酸化されて腐食してし まうため、ダクトの寿命が低下してしまうという問題があった。また、結露によ って凝結した水分は徐々に断熱材の中に蓄積されてその断熱効果を劣化せしめる とともに、液滴化してダクト周辺のコンクリート等に浸透し、建築物の寿命を低 下させることにもなってしまう。
【0008】 さらに、上記スパイラルダクトに断熱材を巻き付けた場合には、該断熱材と筒 状体に形成されたコルゲート状リブとの間に隙間ができてしまうことは避けられ ない。そして、このような隙間に上記断熱材に吸収された水分が滞留してダクト の腐食を促進してしまうおそれもあった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本考案は、このような課題を解決するためになされたものであり、請求項1の 空調用ダクトは、薄板材から成形された筒状体よりなる空調用ダクトであって、 上記筒状体の外周面を、発泡膨張材によって被覆したことを特徴とするものであ る。 また請求項5に記載のダクト用薄板材は、このような空調用ダクトの筒状体を 形成するダクト用薄板材であって、当該薄板材の本体の少なくとも表面に、発泡 膨張材を被覆したことを特徴とする。
【0010】
【作用】
本考案に用いられる発泡膨張材は、加熱や水侵、あるいは特定の薬剤を湿潤さ せる等の後処理を施すことにより発泡する発泡剤と、これを保持するバインダー とを主たる組成とするものであり、上記後処理によってこの発泡剤が破裂してそ の内部に気泡を生ぜしめる。そしてこれにより、当該発泡膨張材が膨張してその 体積が増大するとともに密度が低下し、さらに上記気泡内に空気が閉じ込められ てその熱伝導率を大幅に低下させるという性質を有している。 従って、このような発泡膨張材に被覆された上記筒状体は外気から熱的に遮断 されることとなり、これによって結露の発生を効果的に抑えることができる。
【0011】 また、仮に結露が発生したとしても、凝集した水分は発泡膨張材に形成された 上記気泡内に毛細管現象によって吸収されてしまうため、このような水分が滴下 することはない。そして吸収された水分は、ダクト内の冷気の挿通が停止するの に伴って効率的に外気に放散されてしまうため、吸収された水分によってダクト が酸化・腐食されてしまうのを抑えることができ、かつ一定の断熱効果を維持す ることが可能となる。
【0012】 一方、このような空調用ダクトは、例えば当該空調用ダクトの製造時に同時に 発泡膨張材を筒状体の外周面に塗布して被覆したり、あるいは上記構成のダクト 用薄板材のように予め薄板本体の表面に発泡膨張材が被覆された薄板材を用いる ことにより得ることが可能であり、この時点で当該発泡膨張材は膨張前の薄い状 態のままである。 従って、本考案を上述したような伸縮自在なスパイラルダクトに実施した場合 にも、筒状体の伸縮を阻害することはない。またこの発泡膨張材は、施工現場に おいて上述のような後処理を施すことにより膨張して断熱効果を奏するため、従 来のように施工現場で断熱材の巻き付け作業や金属板による被覆作業を行う必要 がない。このように、本考案を上記スパイラルダクトに実施した場合には、金属 単体のスパイラルダクトの場合と同様に搬送スペースの節減を図って一度の搬送 でより多くのダクトが搬送可能である。その一方、施工現場では後処理によって 膨張材を簡単かつ短時間で膨張させることができるので、当該スパイラルダクト の有する搬送効率の良さや施工の簡便性を何等損なうことなく十分に生かしたま ま、優れた断熱効果を得ることができる。
【0013】 また、こうして得られた空調用ダクトでは、発泡膨張材は筒状体に一体となっ てこれを被覆しており、この状態で後処理を施すことによってコルゲート状リブ の部分であろうとハゼ合わせ部であろうと、筒状体に密着したまま膨張して断熱 効果を奏功する。このため、従来のダクト外周に断熱材を巻き付ける場合のよう に、ダクトと断熱材との間に隙間が形成されるようなことはなく、従ってこのよ うな隙間に断熱材に吸収された水分が滞留してダクトを腐食するような事態も起 こり得ない。 さらに本考案によれば、従来の断熱材をダクトに巻き付けるような場合に比べ て、比較的低コストで十分な断熱性を得ることができるという利点もある。
【0014】 なお、本考案はこのようなスパイラルダクトだけではなく、例えば筒状体を構 成する薄板材が金属薄板と支持材とから成る複合材により形成され、この複合材 を芯線を介して巻回したようなダクトに用いることも可能である。 しかしてこのようなダクトにおいても、上述したように施工の簡便性を生かし つつ優れた断熱効果を奏功することができ、結露の発生を効果的に抑制すること が可能であるという利点が得られる。
【0015】
【実施例】
図1ないし図4は、本考案を上述したスパイラルダクトに用いた場合の一実施 例を示すものである。 本実施例では、所定幅のアルミニウムより成る金属薄板が薄板材11として用 いられており、図1に示すようにこの薄板材11がその端縁をハゼ合わせされな がら螺旋状に巻回されて筒状体12が形成されていて、この筒状体12の互いに 隣接するハゼ合わせ部13,13の間には数本のコルゲート状リブ14…が成形 されている。 そして、この筒状体12の外周面には図2および図3に示すように、上記コル ゲート状リブ14やハゼ合わせ部13に密着して、隙間が形成されたり筒状体1 2が露出したりすることがないように、発泡膨張材15が一定の厚さで塗布され て被覆されている。ただし、図1ないし図4においては、発泡膨張材15の厚さ は拡大されて示されている。
【0016】 ここで、本実施例において筒状体12を被覆する上記発泡膨張材15は、例え ば特公昭42−26524号公報に記載されているようなものであって、炭化水 素やある種の不活性ガス等を内包した熱膨張性のカプセルより成る発泡剤と、こ れを保持するアクリル酸エステル共重合体より成るバインダーとを主成分とする ものである。 このような発泡膨張材15は、塗布して乾燥させただけでは図2および図3に 示すように塗布された厚さのままである。ところが、これを適当な温度および時 間で加熱して後処理を施すことにより、上記マイクロカプセルが破裂して中の炭 化水素や不活性ガスが漏出し、これに伴って発泡膨張材15内に気泡が発生する 。そしてこれにより、当該発泡膨張材15が膨張してその体積が増大するととも に密度が低下し、さらに上記気泡内に空気が閉じ込められてその熱伝導率が大幅 に低下せしめられる構造となっている。
【0017】 ここで、この発泡膨張材15の塗布量は、固形分換算量で約5〜30g/m2とさ れるのが望ましく、またその膨張率は5〜30倍程度に設定されることが望まし い。これにより、上記後処理後の発泡膨張材15の厚さは0.1〜2.0mm程度と なる。 これは、まず塗布された発泡膨張材15の塗布量が極端に少なく、また膨張率 が小さい場合には、後処理後の発泡膨張材15も薄くなってしまい、断熱効果が 発揮されなくなるおそれがあり、逆に上記塗布量が極端に多くて塗布厚さも厚く なり過ぎると、ダクト伸縮時の形状の追従性が損なわれるおそれがあるからであ る。
【0018】 また、本実施例では上記後処理を加熱によって行うものであり、その温度およ び加熱時間は130℃、30秒を標準とするものである。ここで、この加熱温度 は80℃〜150℃に設定されることが望ましい。これは、この加熱温度が低す ぎると当該発泡膨張材15が十分に膨張せず、逆に加熱温度が高すぎると発生し た気泡がつぶれてしまうおそれがあるからである。
【0019】 このような構成のスパイラルダクトは、図1および図2に示すように筒状体1 2が収縮され、コルゲート状リブ14…の壁部が密接した状態で出荷されて施工 現場等へと搬送される。この時点で発泡膨張材15は塗布されたままの厚さであ り、この状態において筒状体12の伸縮が阻害されることはない。 そして、この状態における当該スパイラルダクトは、使用時の必要長さより短 縮されているために取扱いが容易であり、かつ搬送スペースの節減が図られるた め、一度の搬送でより多くのダクトを搬送することが可能で搬送効率を高めるこ とができる。また、コルゲート状リブ14…の壁部が密接しているため、筒状体 12の強度が高くなっており、搬送時の衝撃等による損傷を防止することができ る。
【0020】 一方、こうして施工現場等に搬送されたスパイラルダクトは、図3に示すよう に必要長さに伸長された上で、上述したような温度および時間で加熱されて後処 理が施される。これにより、発泡膨張材15に含有された上記カプセルが破裂し て炭化水素や不活性ガスが漏出し、当該発泡膨張材15内に気泡が発生して膨張 する。これに伴い、当該発泡膨張材15も膨張してその厚さが増大するとともに 密度は減少し、また上記気泡内には空気等の気体が閉じ込められる。 このため、発泡膨張材15はその熱伝導性が低下して断熱効果を奏功し、これ により筒状体12は熱的に外気から遮断されるので、結果的に結露の発生を抑止 することが可能となる。
【0021】 このように本実施例のスパイラルダクトによれば、製造時から施工現場等への 搬送時までは発泡膨張材15が塗布されたままの薄い状態であって、取扱いが容 易であるとともに搬送効率の向上が図られる一方、施工現場等において使用する 際には筒状体12を適当長さに伸長して後処理を施すことにより、優れた結露防 止効果を有する空調用ダクトを提供することができる。 すなわち、本考案を上述したような伸縮自在なスパイラルダクトに実施した場 合には、このスパイラルダクトの特長を何等損なうことなく、優れた結露防止効 果を有する空調配管を設けることが可能となる。
【0022】 また本実施例によれば、ダクト内外の温度差が極端に大きく、このため仮に上 記断熱効果によっても結露の発生が抑えられなかったとしても、この結露によっ て凝集した水分は、発泡膨張材15に形成された上記気泡内に毛細管現象により 吸収されてしまう。従って、このような水分が滴下するようなことはなく、また 液滴化した水分がダクト周囲のコンクリート等に浸透するようなこともない。 そして、吸収された水分はダクト内の冷気の挿通が停止するのに伴い、効率的 に外気に放散されてしまう。このため、吸収された水分がいつまでも保持される ことによってダクトが酸化・腐食されるような事態が生ずるのを防ぐことができ 、かつまた上記断熱効果を常に一定の水準に維持することができる。
【0023】 さらに、このように発泡膨張材15が筒状体12に予め被覆されたダクトでは 、従来の断熱材のように施工現場における巻き付け作業や金属板による被覆作業 を行う必要がない。このため、これらの作業に要する時間や労力の低減を図って 施工現場等での使用時における作業効率の大幅な向上をなすことができる。 さらにまた、本実施例では発泡膨張材15は、筒状体12の外周面に塗布され ることによって該筒状体12に一体となってこれを被覆しており、この状態で後 処理を施されることにより、コルゲート状リブ14…の部分やハゼ合わせ部13 に密着したまま膨張する。このため、上述したダクト外周に断熱材を巻き付ける 従来の場合のようにダクトと断熱材との間に隙間が形成されるようなことはなく 、従ってこのような隙間によってダクトの腐食が促されるようなこともない。
【0024】 ところで、このような構成のスパイラルダクトは、例えば図8および図9に示 したような筒状体2を先に成形し、これを伸長させた状態で、その外周面に上述 のような方法で上記発泡膨張材15を塗布して乾燥させることにより製造するこ ともできるが、これとは逆に所定幅の平板状のアルミニウムより成る薄板材11 を薄板の本体とし、この薄板材11の表面に予め上記発泡膨張材15をローラや スプレー等により所定厚さに塗布・乾燥して発泡膨張材15が被覆されたダクト 用薄板材を形成し、このダクト用薄板材に図10に示したような装置を用いてコ ルゲート状リブ14…を形成しつつ、発泡膨張材15を塗布した側が外側になる ように該ダクト用薄板材を螺旋状に巻回し、その端縁をハゼ合わせて筒状体12 を形成することによっても、容易に製造することができる。
【0025】 しかして、このように薄板材11の表面に発泡膨張材15が被覆されたダクト 用薄板材から筒状体12を形成したスパイラルダクトでは、まず平板状の薄板材 11に発泡膨張材15が塗布されるため、この発泡膨張材15をグラビアコート やロールコート等により略一定の厚さで薄板材11表面に塗布して、発泡膨張材 15が均一に被覆されたダクト用薄板材を得ることが可能であり、このようなダ クト用薄板材から筒状体12を形成することにより、外周面に均一に発泡膨張材 15が被覆されたスパイラルダクトを提供することができる。 そして、これにより、ダクトの断熱効果に部分的に差の生じるような事態を防 いで、安定的な結露の予防を図ることが可能となる。
【0026】 また、こうして予め発泡膨張材15が被覆されたダクト用薄板材をハゼ合わせ て筒状体12を形成することにより、このハゼ合わせ部13においては図2に示 されるように、ハゼ合わせられたアルミニウムの薄板材11,11同士の間に発 泡膨張材15が挟み込まれて介装された状態となる。 そして、この状態から発泡膨張材15に上述のような後処理を施すことにより 、このハゼ合わせ部13に介装された発泡膨張材15が膨張しようとして図4に 示すように該ハゼ合わせ部13を密封することとなるので、上記構成のダクト用 薄板材を用いて空調用ダクトを製造することにより、当該ハゼ合わせ部13にお ける空調用ダクトの気密性および断熱性を向上させることができるという利点を 得ることもできる。
【0027】 さらに、こうして製造されたスパイラルダクトは、発泡膨張材15が上述した ようにダクト伸縮時の形状の追従性を損なわない程度の比較的薄い塗布量で塗布 されており、このためダクトの伸縮率も従来の金属単体のスパイラルダクトと同 等とすることができる。すなわち、施工時に伸長した際の長さが一定のダクトを 製造する場合にも、従来と同じ長さの薄板材11から製造することができ、断熱 性を得るために生産性が犠牲になるようなことはない。 また本実施例によれば、従来のように金属薄板のみのスパイラルダクトにグラ スウール等の断熱材を巻き付ける場合に比べて、断熱コストの低減を図ることも できる。
【0028】 ところで、図1ないし図4に示した実施例では、アルミニウムの金属薄板より 成る薄板材11がその端縁をハゼ合わせられつつ巻回されて筒状体12が形成さ れるとともに、ハゼ合わせ部13,13間にコルゲート状リブ14…が形成され たスパイラルダクトに本考案を用いた場合について説明したが、本考案がこのよ うなスパイラルダクトだけに限定されるようなことはない。 例えば図5ないし図7はいずれも本考案の他の実施例を示すものであり、薄板 材が、金属薄板と薄板状の支持材とを層をなすように接合して成る複合材から形 成されているとともに、この複合材より成る薄板材が補強のためのリブ材として の芯線を介して巻回されて筒状体が形成されているものである。
【0029】 まず図5に示す実施例では、アルミニウム等の金属薄板(箔)と、樹脂フィル ム、紙、布、セラミック布、ガラスクロス等の支持材とを、2重、あるいは3重 以上に組み合わせて層状に貼り合わせた複合材より成る所定幅の薄板材21が、 その幅の約1/2をオーバーラップさせながら螺旋状に巻回されて筒状体22が 形成されている。ここで、互いに重なり合う薄板材21の表裏面は、適当な箇所 に接着剤23が塗布されて加圧圧着されることにより接合されており、またこれ らの表裏面の間には、ピアノ線から成る芯線24が薄板材21に合わせて螺旋を 描くように介装されている。 そして、この筒状体22の外周面には、上記実施例と同様に炭化水素内包熱膨 張性マイクロカプセルより成る発泡剤とアクリル酸エステル共重合体より成るバ インダーとを主成分とする発泡膨張材25が一定の厚さに塗布されて被覆されて いる。
【0030】 また図6に示す実施例では、金属薄板26と上述のような支持材27とが、金 属薄板26が外周側となるように、かつ互いの端縁の継目の位置がずらされるよ うにしてそれぞれ螺旋状に巻回され、間にピアノ線から成る芯線28を介して全 面ヒートシールにより層状に貼り合わされて筒状体29が形成されている。そし て、この筒状体29の外周側に位置する金属薄板26の外周面には、上述したよ うな発泡膨張材30が被覆されている。 さらに図7に示す実施例では、図5に示した実施例と同様に上述のような金属 薄板と支持材との複合材より成る薄板材31が螺旋状に巻回されて筒状体32が 形成されているが、この薄板材31は、その端縁を芯線33を介して重ね合わせ た上で、この芯線33の周りを管状の金属板34によってカシメることにより継 ぎ合わされており、これによって上記筒状体32に成形されている。そして、こ の筒状体32の外周面には、やはり上述のような発泡膨張材35が被覆されてい る。
【0031】 このような構成の空調用ダクトも、上述したスパイラルダクトの実施例と同様 に筒状体22,29,32を圧縮してその全長を短縮せしめることが可能であっ て、製造時から当該空調配管の施工現場へ搬送するまでの取扱いを容易とするこ とができるとともに、ダクトの配管時には筒状体22,29,32を必要な長さ に伸長させて簡単に配管を行うことができる。 そして、こうして筒状体22,29,32を伸長させた後に、上述したような 後処理を施して発泡膨張材25,30,35を膨張させることにより、発泡膨張 材25,30,35はその熱伝導性が低下して断熱効果を奏功し、筒状体22, 29,32を熱的に外気から遮断することができるので、これらの実施例におい ても上記スパイラルダクトの実施例と同様の結露の防止効果を得ることが可能と なる。
【0032】 ところで、これらの実施例のうち図5に示した実施例では、薄板材21を巻回 して筒状体22を形成した後に、その外周面に発泡膨張材25が塗布されて被覆 される。従って、薄板材21がオーバーラップして重なり合った部分の間に発泡 膨張材25が介入することはない。 一方、図6や図7に示した実施例では、図5の実施例と同様に筒状体29,3 2を形成した後に発泡膨張材30,35を塗布して被覆してもよいが、巻回され る前の金属薄板26や薄板材31の表面に予め発泡膨張材30,35を塗布して おいて発泡膨張材により被覆されたダクト用薄板材を形成しておき、これを巻回 して筒状体29,32を形成するようにしてもよい。しかして、このようなダク ト用薄板材を用いることにより、筒状体29,32の外周面を均一に発泡膨張材 30,35によって被覆することが可能となるとともに、特に図7に示した実施 例では薄板材31がカシメ合わされた継目部分を発泡膨張材35が膨張して密封 するので、ダクトの気密性や断熱性の向上を図ることできる。 また、特に図5および図7に示した実施例では、薄板材21,31を上述のよ うに金属薄板と支持材とを層状に接合して成る複合材により形成し、この薄板材 21,31を巻回して筒状体22,32を形成するようにしているが、上記発泡 膨張材25,35の付着性等を考慮すると、上記複合材においては上記金属薄板 の層が発泡膨張材25,35により被覆される表面部分に位置し、筒状体22, 32とした際にその外周側に配置されるように設定されるのが望ましい。
【0033】 なお、上述した実施例ではいずれも、スパイラルダクト等の伸縮自在な空調用 ダクトに本考案を実施した場合について説明したが、本考案はこのような伸縮可 能ではない通常の円筒状あるいは角筒状等の空調用ダクトに用いることも勿論可 能である。 また、発泡膨張材15,25,30,35に、例えばリン酸塩等を混入して難 燃処理を施したり、有機フェノール系防腐剤や、これを主成分として使用目的に 応じ他の薬品を混合したようなカビ防止剤により、防カビ処理を施したりするこ とも可能である。
【0034】
【考案の効果】
以上説明したように本考案によれば、筒状体外周を被覆する発泡膨張材に後処 理を施して膨張させることにより、ダクトが熱的に外気から遮断されて断熱効果 が奏され、結露の発生を抑制することができる。 また、仮に結露が発生しても凝集した水分は膨張した発泡膨張材の気泡に吸収 されて滴下することはなく、さらに吸収された水分はダクト内の冷気の挿通が停 止されるとともに発散されてしまう。このため、液滴化した水分がダクト周囲の コンクリート等に浸透して建築物の寿命を低下させるような事態を防ぐことがで きる一方、吸収された水分が保持されることにより金属製の筒状体が酸化されて 腐食してしまうのを防ぐことができ、ダクトの寿命の延長を図ることができると ともに、水分の保持による断熱効果の低下を抑えることができる。
【0035】 さらに、本考案を伸縮自在なスパイラルダクトに実施した場合には、製造・搬 送時には従来の金属単体のスパイラルダクト同様、取扱いが容易で搬送効率の向 上が図られる一方、施工現場における使用時等には、従来のように断熱材を巻き 付けたり金属板で被覆したりする必要がなく、簡単に優れた結露防止効果を有す る空調ダクトを提供することが可能であり、当該スパイラルダクトの特長を何等 損なうことなく、効果的に結露を予防することができる。
【0036】 一方、このような空調用ダクトを製造するに際して、予め表面に発泡膨張材が 被覆されたダクト用薄板材を用いることにより、筒状体の外周面を均一に発泡膨 張材によって被覆して断熱効果に部分的なムラが生じるのを防ぐことができると ともに、筒状体の継目部分がハゼ合わせやカシメ合わせられている場合には当該 継目部分を密封してダクトの気密性や断熱性の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例であるスパイラルダクトの収
縮時の一部破断図である。
【図2】図1に示す実施例のハゼ合わせ部13の拡大断
面図である。
【図3】図1に示す実施例の伸長時のハゼ合わせ部13
の拡大断面図である。
【図4】図1に示す実施例の発泡膨張材15に後処理を
施したときのハゼ合わせ部13の拡大断面図である。
【図5】本考案の他の実施例を示す拡大断面図である。
【図6】本考案の他の実施例を示す拡大断面図である。
【図7】本考案の他の実施例を示す拡大断面図である。
【図8】従来のスパイラルダクトの一例を示す収縮時の
側面図である。
【図9】図8に示す従来例のハゼ合わせ部2の拡大断面
図である。
【図10】図8に示すスパイラルダクトの製造装置の一
例を示す図である。
【符号の説明】
1,11,26 薄板材(金属薄板) 2,12,22,29,32 筒状体 3,13 ハゼ合わせ部 4,14 コルゲート状リブ 5 成形機 6 ロール 15,25,30,35 発泡膨張材 21,31 薄板材(複合材) 24,28,33 芯線 27 支持材

Claims (8)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄板材から成形された筒状体よりなる空
    調用ダクトであって、上記筒状体の外周面は、発泡膨張
    材によって被覆されていることを特徴とする空調用ダク
    ト。
  2. 【請求項2】 上記薄板材が、所定幅の金属薄板により
    形成されているとともに、上記筒状体はこの金属薄板の
    端縁をハゼ合わせしながら巻回したものであり、かつ互
    いに隣接するハゼ合わせ部の間にはコルゲート状リブが
    形成されていることを特徴とする請求項1記載の空調用
    ダクト。
  3. 【請求項3】 上記薄板材が、金属薄板と支持材とから
    成る複合材により形成されているとともに、上記筒状体
    はこの複合材を芯線を介して巻回したものであることを
    特徴とする請求項1記載の空調用ダクト。
  4. 【請求項4】 上記発泡膨張材には、難燃処理が施され
    ていることを特徴とする請求項1、請求項2または請求
    項3記載の空調用ダクト。
  5. 【請求項5】 空調用ダクトの筒状体を形成するダクト
    用薄板材であって、当該薄板材の本体の少なくとも表面
    には、発泡膨張材が被覆されていることを特徴とするダ
    クト用薄板材。
  6. 【請求項6】 上記薄板材の本体が、金属薄板により形
    成されていることを特徴とする請求項5記載のダクト用
    薄板材。
  7. 【請求項7】 上記薄板材の本体が、金属薄板と支持材
    とから成る複合材により形成されていることを特徴とす
    る請求項5記載のダクト用薄板材。
  8. 【請求項8】 上記発泡膨張材には、難燃処理が施され
    ていることを特徴とする請求項5、請求項6、または請
    求項7記載のダクト用薄板材。
JP7830792U 1991-11-15 1992-11-13 空調用ダクトおよびダクト用薄板材 Withdrawn JPH064489U (ja)

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