JP2532275Y2 - 電力ケーブルプレハブ接続部 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、電力ケーブルプレハブ
接続部に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の電力ケーブルプレハブ接
続部は、図３に示すように、双方の電力ケーブル１の端
部から導出されたケーブル導体２が圧縮スリーブ３で圧
縮接続されて導体接続部４が形成され、該導体接続部４
を中心としてその両側の電力ケーブル１に跨がってエポ
キシユニット５が装着され、各電力ケーブル１の端部の
ケーブル絶縁体６の外周にプレモールド絶縁体７がそれ
ぞれ装着され、各プレモールド絶縁体７のテーパ型外周
面はエポキシユニット５の両端のテーパ型凹部に嵌合さ
れ、エポキシユニット５の外周には保護金属管８が装着
され、該保護金属管８の両端は各電力ケーブル１のシー
ス９に跨がって封止部１０で封止された構造になってい
た。エポキシユニット５は、エポキシ絶縁体５ａの内面
に内部電極５ｂが埋め込まれ、また該エポキシ絶縁体５
ａの外周に遮蔽層５ｃが設けられ、更にエポキシ絶縁体
５ａの両端には金具５ｄが設けられた構造になってい
る。プレモールド絶縁体７は、絶縁部７ａと導電部７ｂ
とで構成されている。

【０００３】このような電力ケーブルプレハブ接続部の
現地組み立て作業で特性が左右される箇所は、エポキシ
ユニット５とプレモールド絶縁体７との界面１１及びプ
レモールド絶縁体７とケーブル絶縁体６との界面１２で
ある。

【０００４】これらの界面１１，１２に異物が入ってし
まったり、エポキシユニット５とプレモールド絶縁体７
と電力ケーブル１とが正規の状態に組み合わされず、隙
間があいて面圧がかからない場合、絶縁破壊を起こす可
能性がある。

【０００５】これを検査するため、従来は放射線（Ｘ
線）による検査が試みられていた。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな検査方法では、エポキシユニット５がその表面にシ
ールド層をもち、更にその上に保護金属管８が被ってい
るため、検出感度が低下し、有効に検査を行えない問題
点があった。その理由は、検出感度が低下すると、エポ
キシユニット５と保護金属管８との間に異物がある場
合、内部の層と区別がつきにくいということがあげられ
る。

【０００７】本考案の目的は、エポキシユニットとプレ
モールド絶縁体との界面部分等を感度を低下させずに検
査を行うことができる電力ケーブルプレハブ接続部を提
供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
考案の構成を説明すると、本考案は双方の電力ケーブル
の端部から導出されたケーブル導体が導体接続部で接続
され、前記導体接続部を中心としてその両側の前記電力
ケーブルに跨がってエポキシユニットが装着され、前記
各電力ケーブルの端部のケーブル絶縁体の外周にプレモ
ールド絶縁体がそれぞれ装着され、前記各プレモールド
絶縁体のテーパ型外周面は前記エポキシユニットの両端
のテーパ型凹部に嵌合され、前記エポキシユニットの外
周には保護金属管が装着され、前記保護金属管の両端は
前記各電力ケーブルのシースに跨がって封止部で封止さ
れている電力ケーブルプレハブ接続部において、前記エ
ポキシユニットと前記プレモールド絶縁体との界面に対
応した前記保護金属管の部分に着脱管部が設けられてい
ることを特徴とする。

【０００９】

【作用】このような構造の電力ケーブルプレハブ接続部
は、エポキシユニットとプレモールド絶縁体との界面等
の検査時には、保護金属管の着脱管部を外す。このよう
にすると、エポキシユニットとプレモールド絶縁体との
界面に対応するエポキシユニットの外周が露出され、保
護金属管で邪魔をされずに放射線等で検査を行えるよう
になる。従って、感度を低下させずに容易に検査が行え
ることになる。

【００１０】

【実施例】以下、本考案の実施例を図を参照して詳細に
説明する。なお、前述した図３と対応する部分には、同
一符号を付けて示している。

【００１１】図１は、本考案の第１実施例を示したもの
である。本実施例では、エポキシユニット５とプレモー
ルド絶縁体７との界面１１に対応した保護金属管８の部
分に、周方向に沿った開口部１３が設けられている。該
開口部１３の一方の保護金属管８の端部にはフランジ８
ａが設けられ、他方の保護金属管８の端部には座部８ｂ
が設けられている。該開口部１３を閉塞するように着脱
管部１４が嵌合されている。該着脱管部１４の内径は、
保護金属管８の座部８ｂの外径と同じに形成されてい
る。該着脱管部１４の一端には、保護金属管８のフラン
ジ８ａに当接されるフランジ１４ａが設けられている。
該フランジ１４ａの連結面には、Ｏリング１５が嵌め込
み支持されている。両フランジ８ａ，１４ａは、ボルト
１６とナット１７との締め付けで気密に連結されてい
る。保護金属管８の座部８ｂの表面には、Ｏリング１８
が嵌め込み支持されている。このような座部８ｂの表面
に着脱管部１４がＯリング１８を介して嵌合されること
により、着脱管部１４と座部８ｂとの気密保持がなされ
るようになっている。

【００１２】このような構造の電力ケーブルプレハブ接
続部は、エポキシユニット５とプレモールド絶縁体７と
の界面１１及び該プレモールド絶縁体７とケーブル絶縁
体６との界面１２の検査時には、保護金属管８の着脱管
部１４を座部８ｂ側にずらして開口部１３から外す。こ
のようにすると、エポキシユニット５とプレモールド絶
縁体７との界面１１に対応する該エポキシユニット５の
外周が露出され、保護金属管８で邪魔をされずに放射線
等で界面１１，１２の検査を行える。従って、感度を低
下させずに容易に検査が行うことができる。

【００１３】なお、エポキシユニット５の外周の遮蔽層
５ｃを工場で形成する場合には、開口部１３に対応する
部分では省略し、検査後に現場で該部分に遮蔽層５ｃａ
を設けると、より一層感度良く検査を行うことができ
る。

【００１４】検査が終了したら、着脱管部１４を元の位
置に戻して開口部１３を気密に閉塞する。

【００１５】図２は本考案の第２実施例を示したもので
ある。本実施例では、着脱管部１４を保護金属管８に固
定するフランジ８ａ，１４ａが省略され、その代わりに
フランジ８ａが設けられていた保護金属管８の端部にも
座部８ｃが設けられ、該座部８ｃの表面にはＯリング１
９が嵌め込み支持されている。この場合、保護金属管１
４はネジを座部８ｂ，８ｃにねじ込むことにより固定す
ることができる。

【００１６】このような構造にすると、フランジがない
ので小型化することができる。また、着脱管部１４は左
右どちらの側にでもずらすことができる。

【００１７】

【考案の効果】以上説明したように、本考案に係る電力
ケーブルプレハブ接続部は、エポキシユニットとプレモ
ールド絶縁体との界面に対応した保護金属管の部分に着
脱管部を設けているので、検査時には該着脱管部を外す
ことにより、エポキシユニットとプレモールド絶縁体と
の界面に対応するエポキシユニットの外周が露出され、
このため保護金属管で邪魔をされずに放射線等で検査を
行うことができる。このため、本考案によれば感度を低
下させずにエポキシユニットとプレモールド絶縁体との
界面等の検査を容易に行うことができる。従って、本考
案によれぱ、電力ケーブルプレハブ接続部の絶縁破壊を
未然に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る電力ケーブルプレハブ接続部にお
ける第１実施例の要部縦断面図である。

【図２】本考案に係る電力ケーブルプレハブ接続部にお
ける第２実施例の要部縦断面図である。

【図３】従来の電力ケーブルプレハブ接続部における一
部縦断側面図である。

【符号の説明】

１…電力ケーブル、２…ケーブル導体、３…圧縮スリー
ブ、４…導体接続部、５…エポキシユニット、６…ケー
ブル絶縁体、７…プレモールド絶縁体、８…保護金属
管、８ａ…フランジ、８ｂ，８ｃ…座部、９…シース、
１０…封止部、１１，１２…界面、１３…開口部、１４
…着脱管部、１４ａ…フランジ、１５，１８，１９…Ｏ
リング。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 双方の電力ケーブルの端部から導出され
   たケーブル導体が導体接続部で接続され、前記導体接続
   部を中心としてその両側の前記電力ケーブルに跨がって
   エポキシユニットが装着され、前記各電力ケーブルの端
   部のケーブル絶縁体の外周にプレモールド絶縁体がそれ
   ぞれ装着され、前記各プレモールド絶縁体のテーパ型外
   周面は前記エポキシユニットの両端のテーパ型凹部に嵌
   合され、前記エポキシユニットの外周には保護金属管が
   装着され、前記保護金属管の両端は前記各電力ケーブル
   のシースに跨がって封止部で封止されている電力ケーブ
   ルプレハブ接続部において、前記エポキシユニットと前
   記プレモールド絶縁体との界面に対応した前記保護金属
   管の部分に着脱管部が設けられていることを特徴とする
   電力ケーブルプレハブ接続部。