JP2532193B2 - 組織プラスミノ―ゲン活性化因子置換変異体 - Google Patents

組織プラスミノ―ゲン活性化因子置換変異体

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 I.発明の分野 本発明は特定の組織プラスミノーゲン活性化因子(t
−PA)変異体、該変異体を製造する方法、該変異体を医
薬組成物の製造に用いる方法および組成物に関する。
II.発明の背景および関連技術の説明 プラスミノーゲン活性化因子は、プラスミノーゲンの
ペプチド結合をアミノ酸残基561および562の間で開裂
し、プラスミンに変換する酵素である。プラスミンはフ
ィブリンを初めとする様々なタンパク質を分解する、活
性なセリンプロテイナーゼである。ストレプトキナーゼ
(細菌タンパク質)、ウロキナーゼ(腎臓その他で合成
され、元々は尿から抽出された)、およびt−PAと呼ば
れるヒト組織プラスミノーゲン活性化因子(血管内壁の
細胞により製造される)を初めとする幾つかのプラスミ
ノーゲン活性化因子が同定された。
これらプラスミノーゲン活性化因子の作用機序は幾分
異なっている。ストレプトキナーゼはプラスミノーゲン
またはプラスミンと複合体(コンプレックス)を形成し
てプラスミノーゲン活性化活性を生じ、ウロキナーゼは
プラスミノーゲンを直接開裂し、t−PAはその最適な活
性のためにプラスミノーゲンおよびフィブリンの両方と
相互作用する。
一部は、その高いフィブリン特異性とインビボでの強
力な血餅溶解能力のために、t−PAは心筋梗塞等の血管
性疾患の治療のための重要な、新らしい生物学的医薬製
剤とされている。
コレンら(Collen,et al.,米国特許第4,752,603号、1
988年6月21日発行)は初めて実質上純粋な形のt−PA
を天然起源から製造し、インビボ活性を試験した[リケ
ンら(Rijken et al.),J.Biol.Chem.,256:7035(198
1)をも参照]。ペニカら[Penica et al.,Nature.301:
214(198)]はt−PAのDNA配列を決定し、このDNA配列
からアミノ酸配列を推定した(米国特許第4,766,075
号、1988年8月23日発行を参照)。
ヒト天然t−PAはそのアミノ酸位置117、184、218お
よび448に潜在的なN−結合グリコシル化部位を有す
る。117位に高マンノースのオリゴサッカリドが存在
し、184および448位に複雑なオリゴサッカリドが存在す
る。117および448位は常にグリコシル化されていると思
われるが、184位は、50%の分子でグリコシル化されて
いると思われる。184位での部分的なグリコシル化のパ
ターンは、184位が分子の暴露されていない領域に存在
していることによるかもしれない。184位がグリコシル
化されているt−PA分子はI型t−PAと呼ばれ、184位
がグリコシル化されていないt−PA分子はII型−PAと呼
ばれる。218位がグリコシル化された天然t−PAは発見
されていない。
t−PAの構造に関する研究で、該分子が5つのドメイ
ンを有することが明らかになった。各ドメインは、トリ
プシン、キモトリプシン、プラスミノーゲン、プロトロ
ンビン、フィブロネクチン、および上皮成長因子(EG
F)等の他のタンパク質の構造的または機能的領域との
相同性を参考にして定義された。これのドメインはt−
PAのアミノ酸配列のN−末端から始まり、アミノ酸1か
ら約44までのフィンガー(F)ドメイン(領域)、アミ
ノ酸約45から91までの成長因子(G)ドメイン(EGFと
の相同性に基づいて)、アミノ酸約92から173までのク
リングル−1(K1)ドメイン、アミノ酸約180から261ま
でのクリングル−2(K2)ドメイン、およびアミノ酸約
264からアミノ酸527のカルボキシ末端までのセリンプロ
テアーゼ(P)ドメインと、命名された。これらのドメ
インは基本的に互いに隣あっており、その幾つかは短い
「リンカー」領域によって連結されている。前駆体分子
の不完全プロセシングによるであろう3個の余分な残基
(Gly−Ala−Arg)がアミノ末端に見いだされるが、こ
れらリンカー領域とで、成熟ポリペプチドのアミノ酸数
は527となっている。
各ドメインはt−PA分子上のある重要な生物学的特性
を寄与していると考えられている。フィンガー領域はt
−PAのフィブリンへの高い結合親和性に重要と考えられ
ている。血漿クリアランス(浄化)の構造的決定基はフ
ィンガー、成長因子およびクリングルー1ドメインにあ
ると考えられている。クリングルー2ドメインはリシン
との結合に関与している。セリンプロテアーゼドメイン
は、t−PAの酵素活性およびフィブリン特異性に関与し
ている。t−PAは、275位と276位の間(セリンプロテア
ーゼドメインにある)で開裂され、2鎖形の分子を生じ
る。
個々のアミノ酸、部分領域、または完全な領域を分子
から除去することで、クリアランス(浄化)の低いt−
PA変異体が製造された。例えば、米国特許第4,935,237
号(1990年6月19日発効)の記載では、t−PAのフィン
ガー領域の一部または全部を除去すると、クリアランス
の低下した分子が得られるが、フィブリン結合特性が実
質上、減少していた。ブランウンら[Brwne et al.,J.B
iol.Chem.,263:1599(1988)]はアミノ酸57から81の間
の領域を欠失させ、得られた変異体が、血漿からのクリ
アランスが低下していることを見いだした。コレンら
[Collen et al.,Blood,71:216(1988)]はアミノ酸6
−86(フィンガードメインと波長ドメインの一部]を欠
失させ、この変異体の兎内での半減期が野生型t−PAの
5分に対して15分であることを見いだした。同様に、カ
イランら[Kaylan et al.,J.Biol.Chem.,263:3971(198
8)]はアミノ酸1−89を欠失させ、この変異体の、マ
ウス内での半減期が野生型t−PAの約2分に対して約15
分であることを見いだした。カンビエールら[Cambier
et al.,J.Cardiovasc.Pharmacol.,11:468(1988)]は
フィンガードメインと成長因子ドメインが欠失され、3
つのアスパラギングリコシル化部位が除去された変異体
を構築した。この変異体は、犬で試験したところ、野生
型のものよりも長い半減期を有することが分かった。成
長因子ドメインまたはフィンガードメインのみが欠失さ
れた変異体もウサギ、モルモットおよびラットで、クリ
アランスの低下を示した[ヒギンスおよびベネット(Hi
ggins&Bennet),Ann.Rev.Pharmcol.Toxicol.30:91(19
90)およびその中の文献]。
特許文献には、成長因子領域での様々な欠失も報告さ
れている。EPO公開第241,208号(アミノ酸51−87の欠
失、およびアミノ酸51−173の欠失)。EPO公開第240,33
4号(成熟天然t−PAのアミノ酸67−69領域の1または
それ以上のアミノ酸の欠失または置換で修飾)をも参
照。
他のt−PAの浄化率または浄化速度(クリアランスレ
ート)および/または半減期の改善策は、t−PA分子を
第2の分子との複合体(コンプレックス)の形成であ
る。例えば、EPO第304,311号(1989年2月22日公開)に
記載されているように、t−PAとポリエチレングリコー
ルとのコンジュゲートがt−PAの浄化率を低下すると報
告されている。t−PAに対するモノクローナル抗体が、
その活性を低下することなく、インビボでのt−PAの機
能的半減期を増大すると報告された(EPO第339,505号、
1989年11月2日公開)。
様々なアミノ酸置換t−PA変異体が、そのt−PAの浄
化率低下または半減期増大の能力に関して評価された。
変異体R275E(天然の成熟t−PAの275位のアルギニンを
グルタミン酸で置換)は霊長類および兎で試験したと
き、野生型t−PAの浄化率の約2倍遅い浄化速度を有し
たホッチキスら[Hotchkiss et al.,Thromb.Haemost,5
8:491(1987)」。天然の成熟t−PAのアミノ酸63−72
領域、特にアミノ酸67位および68位での置換はt−PAの
血漿半減期を増大すると報告された(WO89/12681、1988
年12月28日公開)。
他の置換変異体の製造は、t−PAのグリコシル化部位
を非グリコシル化部位に変換することに集中している。
ホッチキスら[Hotchkiss et al.,Thromb.Haemost,60:2
55(1988)]は、t−PA分子からオリゴサッカリド残基
を選択的に除去し、これら残基の除去がウサギで試験し
たとき、t−PAの浄化速度を減少することを示した。11
7位の高マンノースオリゴサッカリドを酵素エンド−β
−N−アセチルグルコサミニダーゼH(Endo−H)で除
去すると浄化速度が約2倍減少した。過ヨウ素酸ナトリ
ウムによるほぼ全オリゴサッカリドの酸化により野生型
t−PAの浄化速度の約3倍減少がみられた。これらの研
究者は、また、117位のグリコシル化を阻止するために
t−PA変異体N−117Q(天然の成熟型t−PAの117位の
アスパラギンがグルタミンで置換されたもの)を生産し
た。この変異体の浄化速度も野生型t−PAのそれよりも
低かった。EP238,3041、987年9月23日公開およびEP22
7,462、1987年7月1日公開をも参照。
循環中の半減期が長く、浄化速度が遅いt−PA変異体
を生産する他の試みは、分子にグリコシル化部位を付加
することであった。この試みの例として、60、64、65、
66、67、78、79、80、81、82、および103位の内、ある
ものの位置、またはその近辺でグリコシル化部位を作る
のに適当なアミノ酸で置換された(WO89/11531、1989年
11月30日公開参照)。
ヒトt−PA分子の修飾のための他の鍵となる位置は、
プロテアーゼドメインを通して存在しており、例えば、
275位(EP233,013、1987年8月19日公開、およびWO87/0
4722、1987年8月13日公開);277位(EP297,066、1988
年12月28日公開;WO86/01538(米国特許4,753,879と同
等);およびEP201,153、1986年11月12日公開)、414−
433位(EP351,246、1990年1月17日公開)および296−2
99、416−418位、および426、427、429、430の各位置
(WO90/0798、1990年3月22日公開)である。296−299
の全領域を含む突然変異は、t−PA分子にフィブリン特
異性や酵素前駆体性等のある種の望ましい性質を付与す
るが、フィブリン特異性がなお一層高い分子が有用であ
る。d296−302t−PA、R304St−PA、およびR304Et−PAを
初めとする、プロテアーゼ領域内の変化を有するヒトt
−PAのセルピン(serpine)耐性変異体がマジソンら[M
adison et al.,Nature,399:721−724(1989)]により
開示された。同じ出版物のDagmer Ringeの記事も参照さ
れたい。
ワレン(Wallen)のEP253,582はCys(409)からCys
(441)の間の1またはそれ以上の位置で開裂されたと
き、チモーゲン的性質を表す修飾t−PAを開示した。開
裂は、1本鎖ヒトt−PAの好ましくはキモトリプシンに
よるタンパク質加水分解的または適当な化学処理で達成
できる。開裂された分子は次いでプラスミンの存在下で
活性化されることができ、このようにして2重に開裂さ
れた生成物が形成される。
スミスら(Smith et al.WO84/01960)はアシル基のよ
うなある種の基類を導入することにより、線維素溶解的
に活性な糖タンパク質の線維素溶解活性に必須と思われ
る触媒部位を破壊することを目指した。
プラスミノーゲン活性化因子およびその第2世代誘導
体に関する総説がハリスによりなされた[Harris,Prote
in Engineering,1:449−458(1987)]。他のt−PAの
総説には、以下のものがある[パネコックら(Pannekoe
k et al.),Fibrinolysis,2:123−132(1988);ロスら
(Ross et al.),in Annual Repots in Medical Chemis
try,Vol.23,Chapter12(1988)およびヒギンスおよびベ
ネット(Higgins and Bennett)前掲]。
野生型t−PAに比較して高い血餅溶解活性を有すると
同時に、同等またはそれ以上のフィブリン特異性を有す
るt−PA分子を提供することが望ましい。
従って、本発明の1つの目的は、血餅溶解活性および
フィブリン特異性に関して劇的に改良された治療および
薬剤特性を有するt−PA分子を提供することにある。こ
の目的および他の目的は当業者には明らかになるだろ
う。
発明の要約 従って、本発明は、野生型t−PAの299位のアルギニ
ンをアスパラギン酸で置換したt−PAアミノ酸配列変異
体を提供するものである。
他の実施態様では、本発明は上記変異体をコードする
DNA配列、このDNA配列を形質転換された宿主細胞内で発
現し得る複製可能な発現ベクター、形質転換された細
胞、およびt−PA変異体をコードするDNAが発現される
ように宿主細胞を培養することからなる方法に関する。
また他の実施態様では、本発明は治療上有効な量のt
−PA変異体を、薬剤的に許容される担体との混合物とし
て含有する血管症状または疾患の治療のための組成物に
関する。
また他の実施態様では、本発明は、有効量のt−PA変
異体を哺乳類に適用することからなる、哺乳類での血管
症状または疾患を治療する方法を提供するものである。
さらに他の実施態様では、本発明は治療上有効な量の
t−PA変異体を、薬剤的に許容される担体との混合物と
して含有するフィブリン沈着物または付着(接着)物の
形成または再形成の予防のための組成物を提供するもの
である。
また他の実施態様では、本発明は、有効量のt−PA変
異体を哺乳類に適用することからなる、哺乳類でのフィ
ブリン沈着物または付着物の形成または再形成の予防の
ための方法に関する。
図面の簡単な説明 図1はpRK.t−PAの構築のダイアグラムである。ヒト
t−PAcDNAをHind IIIおよびBal Iで消化し、真核性発
現ベクターpRK7のHind IIIとBal Iとの間に挿入した。
発明の詳細な説明 1.定義 「t−PA」、「ヒトt−PA」、および「ヒト組織プラ
スミノーゲン活性化因子」という語句は、典型的に5つ
のドメイン(フィンガー、成長因子、クリングル−1、
クリングル−2およびプロテアーゼの各ドメイン)構造
を有するヒト外因性(組織型)プラスミノーゲン活性化
因子を指すが、それが血栓溶解剤としてなおも機能する
ならば、ドメインの少ない物をも含む。少なくとも、t
−PAはプラスミノーゲンをプラスミンに変換し得るプロ
テアーゼドメインと、少なくとも、部分的にフィブリン
との結合に関与すると信じられているN−末端領域とか
らなる2つの機能的な領域からなる。従って、これらの
語句はポリペプチドのアミノ酸配列の部分として、少な
くともこれらの機能的なドメインを含有するポリペプチ
ドを包含する。生物学的に活性な形のt−PAは、t−PA
の天然起源のものでなくとも、組換え細胞培養系によ
り、t−PA分子の2つの機能的なドメイン、さもなくば
t−PA起源固有のt−PAの任意の他の部分とからなる形
で製造し得るかもしれない。各固体のt−PAのアミノ酸
配列における1またはそれ以上のアミノ酸配列の相違に
よって分かるように、天然のアレル変異体が存在し、そ
れが個体間で起こり得ることは理解できるであろう。
「野生側t−PA」または「天然型t−PA」という語句
は、天然配列ヒトt−PA、即ち、米国特許第4,766,075
(1988年8月23日発行)で報告されたcDNAによってコー
ドされているものを指す。t−PA分子内のアミノ酸部位
の番号または位置は米国特許第4,766,075号に従って記
されている。t−PAは任意の天然起源のものでよく、ヒ
トのような様々な動物の対応するタンパク質を含んでい
てよい。加えてて、t−PAは任意の組換え発現系、例え
ば、チャイニーズハムスターの卵巣(CHO細胞)または
ヒト胚腎293細胞等、により得られたものでもよい。
「アミノ酸」および「アミノ酸類」という語句はあら
ゆる天然に存在するL−α−アミノ酸を指す。この定義
はノルロイシン、オルニチン、およびホモシステインを
包含することを意図する。アミノ酸は1文字または3文
字定義により表される。
これらのアミノ酸は化学的組成およびそれらの側鎖の
性質に従い、分類される。それらは広義には2つの群、
荷電および非荷電、に分類される。これらの群の各々は
より正確なアミノ酸の分類のためにさらにサブグループ
に分類される。
I.荷電アミノ酸類 酸性残基:アスパラギン酸、グルタミン酸 塩基性残基:リシン、アルギニン、ヒスチジン II.非荷電アミノ酸類 親水性残基:セリン、スレオニン、アスパラギン、グル
タミン 脂肪族残基:グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、
イソロイシン 非極性残基:システイン、メチオニン、プロリン 芳香族性残基:フェニルアラニン、チロシン、トリプト
ファン 「変化」、「アミノ酸配列の変化」、「変異体」およ
び「アミノ酸配列変異体」という語句は、天然のt−PA
に比較してそのアミノ酸配に何かの変化を有するt−PA
分子を指す。通常、変異体は天然t−PAに対し、少なく
とも80%相同性を有し、好ましくは、天然t−PAに対し
少なくとも約90の相同性を有する。本発明の範囲内に包
含されるt−PAのアミノ酸配列変異体は299位に置換を
有し、かつ所望により、他の幾つかの位置での置換、欠
失および/または挿入をも有する。
置換t−PA変異体は、天然t−PA配列から少なくとも
1個のアミノ酸残基が欠失され、異なるアミノ酸がその
同じ位置に挿入されている。置換は単一(分子のただ1
個のアミノ酸が置換されている)が複数(同じ分子の2
個又はそれ以上のアミノ酸が置換されている)のいずれ
でもよい。
t−PA分子の実質的な活性の変化は天然のアミノ酸と
電荷および/または構造が有意に異なる側鎖を有するア
ミノ酸による置換で得られる。この型の置換はポリペプ
チドバックボーンの構造および/または置換領域の分子
の電荷または疎水性に影響を与えると予測される。
t−PA分子の活性のゆるやかな変化は、天然のアミノ
酸と電荷および/または構造が同様な側鎖を有するアミ
ノ酸による置換で得られる。この型の置換は、保存的置
換と呼ばれ、ポリペプチドバックボーンの構造または置
換領域の分子の電荷または疎水性を実質的に変化しない
と予測される。
挿入的なt−PA変異体は、天然t−PA分子の特定のア
ミノ酸の直ぐ隣に1またはそれ以上のアミノ酸が挿入さ
れたものである。アミノ酸の直ぐ隣ということは、アミ
ノ酸のαカルボキシまたはαアミノ官能基のいずれかに
連結していることを意味する。挿入は1またはそれ以上
のアミノ酸であってよい。通常、挿入は1または2個の
保存的なアミノ酸からなる。挿入部位に隣接するアミノ
酸と電荷および/または構造が同様のアミノ酸を保存的
であると定義する。あるいは、本発明は、挿入部位に隣
接するアミノ酸と電荷および/または構造において実質
上異なるアミノ酸の挿入をも包含する。
欠失的な変異体とは、天然t−PA分子から1またはそ
れ以上のアミノ酸が除去されたものである。通常、欠失
変異体はt−PA分子の特定領域の1または2個のアミノ
酸の欠失を有するであろう。
本出願を通してt−PAアミノ酸配列を記述するのに用
いる表記法について、以下に説明する。t−PAのポリペ
プチド鎖内の特定のアミノ酸の位置は番号で示す。番号
は、米国特許第4,766,075、1988年8月23日発行に記載
の成熟、野生型ヒトt−PAポリペプチドのアミノ酸配列
におけるアミノ酸の位置による。本出願では、t−PA変
異体において、実際の残基は、分子内の欠失または挿入
変異により、そのような番号ではないが、同様の位置の
残基を、これらの番号で示す。このことは、例えば、部
位特異的な分子への欠失又は挿入で起こるであろう。ア
ミノ酸は1文字表記で表される。置換されたアミノ酸
は、野生型アミノ酸を、そのアミノ酸のポリペプチド鎖
内の位置を示す番号の左側に示し、置換されたアミノ酸
をその番号の右側に示すことで明らかにする。
例えば、t−PAの299位のアルギニン(R)をアスパ
ラギン酸(D)で置換したとき、R99Dと表す。欠失変異
体は、アミノ酸残基と欠失のいずれもの端の位置とで表
し、ギリシャ文字デルタ「Δ」を指示されたアミノ酸の
左側に配する。例えば、アミノ酸296−299の欠失を有す
るt−PA変異体は、ΔK296−H297−R298−R299t−PAと
表され、ここにK、HおよRは、それぞれアミノ酸リシ
ン、ヒスチジンおよびアルギニンを表す。例えばK296単
独の欠失はΔK296と表される。挿入t−PA変異体は括弧
「[]」を挿入されたアミノ酸の周りに配すと共に、挿
入のいずれもの側のアミノ酸の位置で示す。例えば、94
位グルタミン酸と95位アスパラギン酸との間にアミノ酸
アラニン(A)を挿入すると、E92[A]D95となる。読
み易いように、単一分子内に存在する複数の変異を分離
するのにカンマ「,」を用い、幾つかのt−PA変異体を
一緒に記載する場合には、構築された個々のt−PA変異
体を分離するのに、セミコロン「;」を用いる。
「血餅溶解活性」という表現は、精製フィブリンまた
は血漿のいずれから導かれたにしても、以下の分析法に
よる、t−PA分子の血餅を溶解する活性を指す。
「をコードするDNA配列」、「をコードするDNA」およ
び「をコードする核酸配列」という語句は、デオキシリ
ボ核酸の鎖に沿った、デオキシリボヌクレオチドの順序
または配列を指す。これらデオキシリボヌクレオチドの
順序がポリペプチド鎖に沿ったアミノ酸の配列を決定す
る。このように、DNA配列はアミノ酸配列をコードす
る。
「複製可能な発現ベクター」および「発現ベクター」
という語句は通常2本鎖のDNA片を指し、それには1片
の外来性DNAが挿入されていてもよい。外来性DNAは天然
には宿主細胞に見いだされないDNAである、ヘテロロー
ガス(異種)DNAと定義する。ベクターは外来性または
異種DNAを適当な宿主細胞に運搬するために用いられ
る。宿主細胞内で宿主細胞の染色体DNAと独立してベク
ターが複製することができ、ベクターの幾つかのコピー
およびその挿入された(外来性)DNAが生成される。加
えて、ベクターは外来性DNAをポリペプチドに翻訳させ
るに必要な要素をも有する。このようにして外来性DNA
にコードされているポリペプチド分子が多数、迅速に合
成される。
「形質転換された宿主細胞」および「形質転換され
た」という語句は、DNAを宿主細胞に導入することを意
味する。細胞は「宿主細胞」と呼ばれ、それは原核性ま
たは真核性細胞であってよい。代表的な原核性宿主細胞
には大腸菌の様々な株が含まれる。代表的な真核性宿主
細胞には、チャイニーズハムスター卵巣細胞またはヒト
胚腎293細胞等の哺乳類細胞である。導入されるDNA配列
は、宿主細胞と同じ種または宿主細胞と異なる種から得
たものでよく、あるいはそれはある外来性DNAと、ある
同種(ホモローガス)DNAのハイブリッドであってもよ
い。
II.一般的手法 A.変異体の選択 本発明の変異体は野生型t−PAの299位に存在するア
ルギニンの代わりに、アスパラギン酸を有する必要があ
る。このR299D変異体は、その活性に実質的な影響を与
えないならば、他のアミノ酸置換、欠失または挿入を有
していても良い。そのような可能な変異の例には、分子
の浄化を減少する可能性のための、103位のスレオニン
または67位のチロシンのアスパラギンによる置換、ある
いは105位のセリンのアスパラギンによる置換と107位の
アラニンのセリンによる置換の組み合わせ(WO89/11531
1989年11月30日公開参照)、および/または117位ま
たは184位のアスパラギンの、アラニンまたはセリン、
または好ましくはグルタミンによる置換がある。
さらに、本発明の分子は、チモーゲン性をも含めて、
他の望ましい性質を付与するために、ある位置で置換ま
たは欠失があってもよい。ヒトt−PAでのこれらの位置
には、例えば、それぞれ416−418位のリシン、ヒスチジ
ンおよびグルタミン酸それぞれのアラニンによる置換、
94位のグルタミン酸のアラニンによる置換および/また
は95位のアスパラギン酸のアラニンまたはグリシンによ
る置換、および位置426、427、429および430のグルタミ
ン酸、アルギニン、リシン、およびグルタミン酸のアラ
ニンによる置換が含まれる(例、WO90/02798、1990年3
月22日公開)。
適当な複数変異の例を以下に挙げる。R299D,T103N t
−PA;R299D,Y67N t−PA;R299D,N117A t−PA;R299D,N117
S t−PA;R299D,N117Q t−PA;R299D,N184A t−PA;R229D,
N184S t−PA;R299D,N184Q t−PA;R299D,T103N,N117A t
−PA;R299D,Y67N,N117A t−PA;R299D,T103N,N117S t−P
A;R299D,Y67N,N117S t−PA;R299D,T103N,N117Q t−PA;R
299D,Y67N,N117Q t−PA;R299D,T103N,N184A t−PA;R299
D,Y67N,N184A t−PA;R299D,T103N,N184S t−PA;R299D,Y
67N,N184S t−PA;R299D,T103N,N184Q t−PA;R299D,Y67
N,N184Q t−PA;R299D,D95G t−PA;R299D,E94A,D95A t−
PA;R299D,S105N,A107S t−PA;P299D,E94A,D95A,T103N t
−PA;R299D,E94A,D95A,N117Q t−PA;R299D,S105N,A107
S,E94A,D95A t−PA;R299D,S103N,A107S,N117Q t−PA;R2
99D,D95G,N117Q t−PA;R299D,D95G,T103N t−PA;R299D,
D95A,S105N,A107S t−PA;R299D,K416A,H417A,E418A t−
PA;R299D,E426A,R427A,K429A,E430A t−PA B.変異体の構築 本発明のt−PAアミノ酸配列変異体は好ましくは野生
型t−PAをコードするDNA配列の突然変異により構築す
る。一般に、特定の領域または部位が突然変異誘発にお
ける標的となるので、これを達成するための一般的な方
法は、部位特異的突然変異誘発と称される。突然変異
は、制限エンドヌクレアーゼ(DNAを特定の位置で開裂
する)、ヌクレアーゼ(DNAを分解する)および/また
はポリメラーゼ(DNAを合成する)等のDNA修飾酵素類を
用いてなされる。
1.単純な欠失および挿入 DNAの制限エンドヌクレアーゼ消化の後、連結(リゲ
ーション、ligation)することが、サムブルックら(Sa
mbrook et al.)のMolecular Cloning:A Laboratory Mn
ual,second edition,Cold Spring Harbor Laboratory P
ress,New York(1989)の15.3節に記載されているよう
に欠失の生成に用いられる。この方法の使用には、外来
性DNAをプラスミドベクターに挿入することが好まし
い。外来性(挿入される)DNAとベクターDNAの両者の制
限地図が手に入るか、外来性DNAとベクターDNAの両者の
配列が知られていなければならない。外来性DNAはベク
ターにはない唯一の(ユニークな)制限部位を有する必
要がある。従って、外来性DNAを、適当な制限エンドヌ
クレアーゼを該酵素の供給者の指示に従った条件下で用
いて、これらユニークな制限部位の間で消化することで
欠失を起こす。もしも用いた制限酵素が平滑末端または
適合末端(competitive end)を生じたら、サムブルッ
クら(前掲)の1.68節に記載のように、バクテリオファ
ージT4DNAリガーゼのようなリガーゼを用い、混合物をA
TPおよびリガーゼバッファーの存在下、16℃で1−4時
間インキュベートすることで末端を直接連結させる。も
しも末端が平滑でないときは、DNAポリメラーゼIのク
レノウフラグメントまたはバクテリオファージT4DNAポ
リメラーゼを用い(これらのいずれも消化されたDNAの
突出1本鎖末端を充填するのにデオキシヌクオチドトリ
ホスフェートを必要とする)、まずそれらを平滑末端に
する必要がある。あるいは、末端を、ヌクレアーゼS1ま
たはヤエナリ(mung bean)ヌクレアーゼ(これらはい
ずれもDNAの突出した1本鎖を切り戻す作用をする)を
用いて平滑末端にしてもよい。次いでDNAをリガーゼを
用いて連結する。得られた分子はt−PAの欠失変異体で
ある。
同様の戦略を用いてサムブルックら(前掲)の15.3節
に記載のごとく挿入変異体を構築することができる。外
来性DNAを唯一の制限部位(群)で消化した後、オリゴ
ヌクレオチドを外来性DNAの切断された部位に挿入す
る。オリゴヌクレオチドは、挿入が望まれるアミノ酸を
コードすると共に、直接連結が可能なように、消化され
た外来性DNAに適合する5′および3′末端を有するも
のである。
2.オリゴヌクレオチドに仲介される突然変異誘発 オリゴヌクレオチド−指向突然変異誘発は本発明の置
換変異体の調製に適した方法である。それはまた、本発
明の欠失および挿入変異体の調製にも好都合に用いるこ
とができる。この技術はアデルマンら(Adelman et a
l.,DNA,2:183(1983))に記載されているように、当業
者に周知である。
t−PA分子に2またはそれ以上のヌクレオチドの挿
入、欠失または置換をもたらすのに、一般に、少なくと
も25ヌクレオチド長さのオリゴヌクレオチドを用いる。
最適なオリゴヌクレオチドは、突然変異を突然変異をコ
ードするヌクレオチドのいずれかの側のヌクレオチドと
完璧に適合する12から15のヌクレオチドを有している。
これにより、オリゴヌクレオチドが1本鎖DNA鋳型分子
と適切にハイブリダイズする。このオリゴヌクレオチド
は、クレア(Crea)ら[Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.7
5,5765(1978)]に記載されている手法などの当業界周
知の手法によって容易に合成することができる。
DNA鋳型分子は、野生型t−PAのcDNA挿入体を有する
1本鎖形ベクターである。この1本鎖の鋳型は、バクテ
リオファージM13ベクター(市販されているM13mp18及び
M13mp19が適当である)、又はベイラ(Veira)ら[Met
h.ENzymol.153,3(1987)]に記載されている1本鎖フ
ァージ複製起点を含有するそれらのベクターのいずれか
から誘導されるベクターによってのみ作成することがで
きる。従って、1本鎖鋳型の創製のために、突然変異し
ようとするcDNA t−PAをこれらのベクターの1つに挿入
しなければならない。1本鎖の鋳型の生産はサムブルッ
クら(前掲)の4.21−4.41頁に記載されている。
野生型t−PAを突然変異するためには、適当なハイブ
リダイゼーション条件下でオリゴヌクレオチドを1本鎖
DNA鋳型分子とアニーリングする。次いで、DNAポリマー
化酵素、通常は大腸菌(E.coli)DNAポリメラーゼIの
クレノー断片を加える。この酵素は、突然変異を有する
DNA鎖の合成の完了にプライマーとしてオリゴヌクレオ
チドを使用する。従って、DNAの1つの鎖がベクターに
挿入されている野生型t−PAをコードしており、第2の
DNAの鎖が同じベクターに挿入された突然変異形のt−P
Aをコードしているヘテロ二重ラセン分子が形成され
る。次いで、このヘテロ二重ラセン分子を適当な宿主細
胞、通常はE.coli JM101などの原核細胞に導入する。細
胞を増殖させた後、それをアガロース平板にプレート
し、32−Pで放射能標識したオリゴヌクレオチドプライ
マーを使用てスクリーニングし、突然変異t−PAを含有
するコロニーを同定する。そのようなコロニーを選択
し、t−PA分子に突然変異が存在しているかを確認する
ため、DNAの配列を決定する。
1つ以上のアミノ酸が置換されている突然変異体は、
幾つかの方法の中の1つの方法によって生成させること
ができる。ポリペプチド鎖中に数個のアミノ酸が近接し
て一緒に配置される場合は、それら所望のアミノ酸置換
のすべてをコードする1つのオリゴヌクレオチドを使用
して同時に突然変異することができる。しかし、アミノ
酸が互いに若干距離をおいて位置している場合(例え
ば、10アミノ酸以上で分割されている場合)は、所望の
変化をすべてコードしている単一のオリゴヌクレオチド
を製造することは比較的困難である。代わりに、2者択
一の2方法のいずれかを使用すればよい。第1方法で
は、置換させる各アミノ酸のオリゴヌクレオチドを別々
に創製する。次いで、それらのオリゴヌクレオチドを1
本鎖鋳型DNAに同時にアニーリングすれば、この鋳型か
ら合成された第2のDNA鎖は所望のアミノ酸置換をすべ
てコードすることになる。別の方法は、2又はそれ以上
の突然変異誘発工程によって所望の突然変異体を生産す
ることに関する。第1工程は単一突然変異について記載
しているとおりの方法である:野生型t−PA DNAを鋳型
として使用し、第1の所望のアミノ酸置換(群)をコー
ドするオリゴヌクレオチドをこの鋳型とアニーリング
し、次いでヘテロ二重ラセンDNA分子を生成させる。第
2の突然変異誘発工程は、突然変異誘発の第1工程で調
製した突然変異DNAを鋳型として使用する。従って、こ
の鋳型は既に1つ又はそれ以上の突然変異を含有してい
る。次いで、付加的な所望のアミノ酸置換(群)をコー
ドしているオリゴヌクレオチドをこの鋳型とアニーリン
グすると、得られるDNAの鎖は、第1及び第2工程の突
然変異誘発の両者に由来する突然変異をコードしてい
る。この得られたDNAは、第3の突然変異誘発工程にお
ける鋳型として使用することができ、以後同様である。
t−PA変異体をコードするDNAをポリペプチドとして
発現させるため、このDNAをベクターから切り取り、真
核性宿主細胞での発現にとって適切な発現ベクターに挿
入する。長期の安定なt−PA生産のためには、チャィニ
ーズハムスター卵巣(CHO)細胞が好ましい。しかし、
本発明はCHO細胞におけるt−PA変異体の発現に限定さ
れるものでなく、多くの他の型の細胞を用いることがで
きることが知られており、特に、実験目的でt−PA変異
体を一時的にしか発現させる必要がない場合などはそう
である。
C.宿主細胞培養及びベクター 1.原核性細胞 本発明の最初のクローニング工程にとっては原核生物
が好ましい。原核細胞は、DNAの迅速な大量生産、部位
特異的突然変異に使用される1本鎖DNAの鋳型の生産、
多くの突然変異体の同時スクリーニング、及び生成され
た突然変異体のDNAの配列決定にとって特に有用であ
る。適当な原核生物宿主細胞には、E.coli(大腸菌)K1
2株294(ATCC No.31,446)、E.coli株W3110(ATCC No.2
7,325)、E.coli X1776(ATCC No.31,537)、及びE.col
i Bなどがある。しかし、HB101、JM101、NM522、NM53
8、NM539などのE.coliの他の多くの株、並びに他の多く
の原核生物の種及び属も同様に使用することができる。
原核生物はDNA配列の発現のためにも宿主として使用
できる。上記に挙げたE.coli株のほか、バシラス・サブ
チリス(Bacillus subtilis)などのバシラス属、サル
モネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)又
はセラチア・マルセサンス(Serratia marcesans)など
の他の腸内細菌、及び種々のシュードモナス(Pseudomo
nas)種などもすべて宿主として使用できる。
これらの宿主は、その宿主細胞と適合する種由来のレ
プリコン及び制御配列を含有するプラスミドベクターと
共に使用する。そのベクターは通常、複製部位、形質転
換された細胞内において表現型の選択性を付与できるマ
ーカー遺伝子、1つ又はそれ以上のプロモーター、及び
外来遺伝子を挿入するための幾つかの制限部位を含有す
るポリリンカー領域を含有する。E.coliを形質転換する
ために通常使用されるプラスミドには例えば、pBR322、
pUC18、pUC19、pUC118、pUC119、及びブルースクリプト
(Bluescript)M13などがあり、これらはすべてサムブ
ルックら(前掲)の1.12−1.20項に記載されている。し
かし、多くの他の適切なベクターも同様に利用可能であ
る。これらのベクターはアンピシリン及び/又はテトラ
サイクリン耐性をコードする遺伝子を含有しており、そ
れによりこれらのベクターによって形質転換された細胞
はそれらの抗生物質の存在下に増殖させることが可能と
なる。
原核性ベクターに最も普通に使用されるプロモータと
しては、β−ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)及びラク
トースプロモーター系[チャン(Chang)らのNature37
5,615(1978);イタクラ(Itakura)らのScience198,1
056(1977);ゲッデル(Goeddel)らのNature281,544
(1979)]、並びにトリプトファン(trp)プロモータ
ー系[ゲッデルらのNucleic Acids Res.,4057(198
0);EPO出願公開第36,776号]、並びにアルカリホスフ
ァターゼ系が挙げられる。これらは最も普通に使用され
るものであるが、他の微生物系プロモーターも利用され
ており、それらのヌクレオチド配列に関する詳細が開示
され、当業者ならば、それらをプラスミドベクターに機
能的に連結することができる[シーベンリスト(Sieben
list)らのCell20,269(1980)を参照]。
2.真核性微生物 本発明を実施するには酵母などの真核性微生物が使用
できる。パン酵母、サッカロマイセス・セレビシアエ
(Seccharomyces cerevisiae)が普通に使用される真核
微生物であるが、他の幾つかの株も利用することができ
る。サッカロマイセスにおける発現ベクターとしては、
プラスミドYRp7が普通に使用される[スチンクコム(St
inchcomb)らのNature282:39(1979);キングスマン
(Kingsman)らのGene:141(1979);チェンパー(Ts
chemper)らのGene10:157(1980)]。このプラスミド
は、トリプトファン環境下での増殖能を欠いている酵母
の突然変異株、例えばATCC No.44,076株又はPEP4−1株
[(ジョーンズ(Jones)のGenetics,85:12(197
7))]に選択マーカーを付与できるtrp1遺伝子を含有
している。酵母宿主細胞ゲノムの特徴としてtrp1欠損が
存在することので、トリプトファンの不存在下で増殖さ
せることにより形質転換を検出する上で有効な環境が提
供される。
酵母ベクターにおける適当なプロモーター配列には、
3−ホスホグリセレートキナーゼのプロモーター[ヒッ
ツマン(Hitzeman)らのJ.Biol.Chem.255:2073(198
0)]、又はエノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リ
ン酸脱水酵素、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキ
シラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6−
リン酸イソメラーゼ、3−ホスホグリセレートムター
ゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオセホスフェートイソメ
ラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ及びグルコキナ
ーゼなどの他の解糖系酵素「ヘス(Hess)らのJ.Adv.En
zyme Reg.:149(1968);ホーランド(Holland)らの
Biochemistry17,4900(1978)]のプロモーターがあ
る。適当な発現プラスミドを構築するに当たっては、こ
れらの遺伝子に付随する終止配列も、発現させようとす
る配列の3′側で発現ベクターに連結させ、mRNAのポリ
アデニル化及び終止機能を付与する。培養条件によって
転写が制御されるという付加的な利点を有している他の
プロモーターには、アルコール脱水素酵素2、イソチト
クロームC、酸ホスファターゼ、窒素代謝に関与する分
解酵素、及び上記のグリセルアルデヒド−3−リン酸脱
水素酵素及びマルトースとガラクトースの利用に関与す
る酵素、のプロモーター領域がある。酵母に適合するプ
ロモーター、複製起点及び終止配列を含有するプラスミ
ドベクターが好適である。
3.真核性多細胞生物 本発明を実施するためには、多細胞生物由来の細胞培
養も宿主として使用することができる。脊椎動物又は無
脊椎動物培養のいずれの由来であっても許容できるが、
脊椎動物細胞培養、特に哺乳動物培養が好ましい。適当
なセルライン(細胞系)としては例えば、SV40によって
形質転換されたサル腎CV1ライン[COS−7、ATCC CRL16
51];ヒト腎胚ライン293S[Grahamら,J.Gen.Virol.,3
6:59(1977)];幼若ハムスター腎細胞[BHK,ATCC CCL
10];チャイニーズハムスター卵巣細胞[ウラウブおよ
びチャッシン(Urlab and Chasin),Proc.Natl.Acad,Sc
i.,U.S.A.77:4216(1980)];マウス・セルトリ細胞
(mouse sertoli)[TM4,マサー(Mather),Biol,Repro
d.,23:243(1980)];サル腎細胞[CVI−76,ATCC CCL7
0];アフリカミドリザル腎細胞[VERO−76,ATCC CRL15
87];ヒト子宮癌細胞[HELA,ATCC CCL2];イヌ腎細胞
[MDCK,ATCC CCL34];バッファロー・ラット肝細胞[B
RL3A,ATCC CRL1442];ヒト肺細胞[W138,ATCC CCL7
5];ヒト肝細胞[Hep G2,HB8065];マウス乳がん細胞
[MMT060562,ATCC CCL51]:ラット肝がん細胞[HTC,M
I,54,ボウマン(Baumann)らのJ.Cell Biol.,85:1(198
0)];及びTRI細胞[MatherらのAnnals N.Y.Acad.Sc
i.,383:44(1982)」が挙げられる。これらの細胞のた
めの発現ベクターは普通、(要すれば)複製起点、発現
すべき遺伝子の前に位置するプロモーター、リボソーム
結合部位、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位、
及び転写ターミネーター部位のDNA配列を含有してい
る。
哺乳動物発現ベクターに使用されるプロモーターは、
ウイルス起源のものが多い。これらウイルスプロモータ
ーは通常、ポリオーマウイルス、アデノウイルス2、及
び最も頻繁にはアカゲザルウイルス40(SV40)から誘導
される。SV40ウイルスは初期及び後期プロモーターと呼
ばれる2つのプロモーターを含有する。これらのプロモ
ーターはいずれもウイルスの複製起点をも含有する1つ
のDNA断片として該ウイルスから容易に入手されるの
で、特に有用である[ファイア(Fiers)らのNature,27
3:113(1978)]。また、このウイルスの複製起点内に
位置するHind III部位からBal I部位に伸びる約250bp配
列を含有することを条件として、それよりも小さい、又
は大きなSV40DNA断片を使用することもできる。
あるいは、形質転換のために選択する宿主セルライン
と適合することを条件として、外来遺伝子が天然に伴っ
ているプロモーター(同種プロモーター)を使用しても
よい。
複製起点は、SV40又は他のウイルス(例えば、ポリオ
ーマ、アデノ、VSV、BPV)などの外因性供給源から入手
することができ、それをクローニングベクターに挿入す
ればよい。あるいは、複製起点は宿主細胞の染色体にお
ける複製機構によって与えられ得る。外来遺伝子を含有
するベクターが宿主細胞の染色体に組み込まれるなら、
後者で十分である場合が多い。
形質転換された細胞培養によって満足のいく量のt−
PAが生産される。しかし、、第2のコード化配列を使用
すれば、さらに生産レベルを向上させることができる。
この第2のコード化配列は通常、シヒドロ葉酸還元酵素
(DHFR)を含有している。野生型のDHFRは正常では化学
物質メトトレキサート(MTX)によって阻害される。細
胞内のDHFR発現レベルは、培養宿主細胞に加えられるMT
Xの量に依存して変動する。DHFRを第2の配列として特
に有用とする、他の性質は、それが形質転換細胞を固定
するための選択マーカーとして使用できることである。
DHFRを第2の配列として使用するには、野生型DHFR及
びMTX−耐性DHFRの2つの型が利用できる。個々の宿主
細胞に使用するDHFRの型は、宿主細胞がDHFR欠損である
か否か(例えば、非常に低レベルのDHFRを内因的に産生
するか、又は機能的なDHFRを全く産生しないか)に依存
する。ウルラウブ及びチャッシン(Urlaub及びChasin)
の[Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.77:4216(1980)]に
記載されているCHOセルラインなどのDHFR欠損セルライ
ンを野生型DHFRコード化配列で形質転換する。形質転換
された後では、これらのDHFR欠損セルラインは機能的な
DHFRを発現し、ピオキサンチン、グリシン及びチミジン
栄養素を欠く培養培地中で増殖することができる。形質
転換されていない細胞はこの培地中では生存しない。
MTX耐性型のDHFRは、MTX感受性の機能的DHFRを正常
量、内因的に産生する宿主細胞中の、形質転換された宿
主細胞を選択する手段として使用できる。CHO−K1(ATC
C No.CCL61)はこの特性を有しており、従ってこの目的
にとって有用なセルラインである。細胞培養培地にMTX
を添加すれば、MTX耐性DHFRをコードするDNAで形質転換
された細胞のみを発育させることができる。形質転換さ
れていない細胞はこの培地中で生存することができな
い。
本発明の変異体の製造に用いる哺乳類宿主細胞は様々
な培地で培養することが出来る。ハムのF10(シブ
マ)、最少必須培地(「MEM」シグマ)、RPMI−1640
(シグマ)およびダルベッコの改良イーグル培地(「DM
EM」シグマ)等の市販の培地が宿主細胞の培養に適す
る。加えて、ハム(Ham)およびワラス(Wallace)の
(Meth.Enz.,58:44(1979))、バーンス(Barnes)お
よびサト(Sato)の(Anal.Biochem.,102:2551(198
9))、U.S.Patent Nos.4,767,704;4,657,866;4,927,76
2;4,560,655;WO90/03430;WO87/00195;U.S.Patent.Re.3
0,9852)に記載の任意の培地がある。
例えば、哺乳類、特にCHO細胞に適した培養培地は以
下の成分を含んでいて良い。
アスパラギン 300−740mg/l アスパラギン酸 300−650mg/l グリシン 300−500mg/l イソロイシン 300−500mg/l ロイシン 400−700mg/l リシン 1000−2250mg/l メチオニン 80−350mg/l セリン 500−750mg/l スレオニン 550−950mg/l トリプトファン 75−230mg/l チロシン 175−400mg/l バリン 240−640mg/l 様々な哺乳類細胞系の増殖を支える他の培養培地に
は、下記の主要成分が含まれる。
アスパラギン 150−450ml/l アスパラギン酸 150−450mg/l リシン 400−800mg/l メチオニン 50−200mg/l セリン 100−300mg/l トリプトファン 50−200mg/l 哺乳類細胞の高密度培養および大量の商業規模生産に
は、両方の培養培地とも、好ましくは血清不含であるも
のが適する。
どの培地も、必要ならホルモンおよび/または他の成
長因子(インシュリン、トランスフェリン、上皮生長因
子等)、塩類(塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシ
ウム、リン酸塩等)、バッファー(HEPES等)、ヌクレ
オシド(アデノシン、チミジン等)、抗生物質(ゲンタ
マイシン等)、微量元素(通常、最終濃度マイクロモル
程度で存在する無機化合物と定義する)、およびグルコ
ースまたは同等のエネルギー源)で補充されていてよ
い。当業者既知の、その他のいかなる必要な補充物質が
適当な濃度で含有されていてもよい。
4.分泌系 細胞から普通分泌される多くの真核生物タンパク質
は、そのアミノ酸配列の一部として内因性シグナル配列
を含有している。この配列は小胞体及びゴルジ装置を介
して細胞からタンパク質を輸出させる。このシグナル配
列は通常タンパク質のアミノ末端に位置しており、約13
から約36のアミノ酸長の範囲にある。実際の配列はタン
パク質毎に異なっているが、既知のすべての真核生物シ
グナル配列は、そのシグナル配列の中心付近に、少なく
とも1個の正に荷電した残基と、高度の疎水性の10−15
アミノ酸(通常はアミノ酸類、ロイシン、イソロイシ
ン、アラニン、バリン及びフェニルアラニンを富む)を
含有している。このシグナル配列は、タンパク質が細胞
質内部の小胞体内に移動する際に内質小胞体上に存在す
るシグナルペプチダーゼによって開裂されるので、通
常、分泌形態のタンパク質からは除去されている。その
シグナル配列が依然として結合しているタンパク質は、
「プレタンパク質」又はタンパク質の非成熟型と呼ばれ
ることが多い。
しかし、分泌されるタンパク質のすべてが、開裂され
るアミノ末端シグナル配列を含有しているわけでない。
オバルブミンなどのある種のタンパク質は、タンパク質
の内部領域に位置するシグナル配列を含有している。こ
の配列は移動時に正常では開裂されない。
細胞質中に通常見いだされるタンパク質は、そのタン
パク質にシグナル配列を連結させることにより分泌させ
ることができる。これは、シグナル配列をコードするDN
Aを、タンパク質をコードするDNAの5′末端に連結し、
次いでこの融合タンパク質を適当な宿主細胞において発
現させることにより、容易に実施することができる。シ
グナル配列をコードするDNAは、シグナル配列を有する
タンパク質をコードする遺伝子から制限断片として入手
できる。従って、本発明を実施するために利用する宿主
細胞の型に応じて、原核生物、酵母、及び真核生物シグ
ナル配列を本発明では使用できる。遺伝子のシグナル配
列部分をコードするDNAは適当な制限エンドヌクレアー
ゼを使用して切除され、次いでそれを分泌させようとす
るタンパク質、即ちt−PAをコードするDNAに連結す
る。
機能的なシグナル配列の選択には、シグナル配列が宿
主細胞シグナルペプチダーゼによって認識される結果、
シグナル配列の開裂及びタンパク質の分泌が起こること
が要件となる。幾つかの真核生物遺伝子のシグナル配列
部分をコードするDNA及びアミノ酸配列は既知であり
[例えば、ヒト生長因子、プロインスリン、及びプロア
ルブミン(ストライヤー(Stryer)のBiochemistry,W.
H.Freeman and Company,ニューヨーク(1988),769頁を
参照)]、これらは適当な真核生物宿主細胞においてシ
グナル配列として使用することができる。例えば、酸ホ
スファターゼ[アリマ(Arima)らのNuc.Acids Res.,1
1:1657(1983)]、α−因子、アルカリホスファターゼ
及びインベルターゼなどの酵母シグナル配列は、酵母宿
主細胞から分泌させるために使用できる。例えば、LamB
又はOmpF[ウオン(Wong)らのGene68:193 1988]、Mal
E、PhoA、又はβ−ラクタマーゼをコードする遺伝子、
並びに他の遺伝子由来の原核生物シグナル配列は、原核
生物細胞から培養培地にタンパク質を向かわせるのに使
用できる。
目的のタンパク質が分泌できるようにするためにそれ
にシグナル配列を付与する別の手法は、シグナル配列を
コードするDNAを化学的に合成することである。この方
法では、選択したシグナル配列をコードするオリゴヌク
レオチドの両鎖を化学的に合成し、次いで互いにアニー
リングさせて二重ラセンを形成させる。次に、得られた
2本鎖オリゴヌクレオチドを、タンパク質をコードする
DNAの5′末端に連結させる。
次いで、タンパク質をそれに連結されたシグナル配列
と共にコードしているDNAを含有する構築物を適当な発
現ベクターに連結すればよい。この発現ベクターを適当
な宿主細胞に形質転換し、目的のタンパク質を発現さ
せ、分泌させる。
D.形質転換方法 哺乳動物宿主細胞及び頑強な細胞膜障壁を有していな
い他の宿主細胞の培養物は、グラハム(Graham)及びフ
ォン・デルエブ(Van der Eb)[Virology52,546(197
8)]に最初に開示され、サムブルックら(前掲)の16.
32−16.37項にて改変を施されたリン酸カルシウム法に
よって普通は形質転換される。しかし、ポリブレン(Po
lybrene)[カワイ(Kawai)及びニシザワ(Nishizaw
a),Mol.Cell.Biol.,:1172(1984)]、プロトプラス
ト融合[シャフナー(Schaffner),Proc.Natl.Acad.Sc
i.,U.S.A.77:2163(1980)]、エレクトロポレーション
[ノイマン(Neumann)ら,EMBO J.,:841(1982)]、
及び核への直接的なマイクロインジェクション[カペッ
チ(Capecchi),Cell,22:479(1980)]などの、DNAを
細胞に導入するための他の方法も使用できる。
酵母宿主細胞は、ハイネン(Hinnen)のProc.Natl.Ac
ad.Sci.,U.S.A.,75:1929−1933(1978)によって教示さ
れているように、ポリエチレングリコール法によって形
質転換するのが一般的である。
原核生物細胞又は頑強な細胞壁を有する細胞を形質転
換するには、サムブルックら(前掲)の1.82項に記載さ
れている塩化カルシウム法によって行うのが好ましい。
また、これらの細胞を形質転換するにはエレクトロポレ
ーションも使用できる。
E.クローニング法 複製配列、調節配列、表現型選択遺伝子をコードする
DNA及び目的の外来DNAを含有する適当なベクターの構築
には、標準的な組換えDNA手法を使用する。単離したプ
ラスミド及びDNA断片を開裂し、仕立て、そして特定の
順序で互いに連結し、所望のベクターを生成させる。
DNAの開裂は、適当な緩衝液中にて適当な制限酵素又
は酵素群を使用して行う。一般には、緩衝溶液約20μ
中、適当な制限酵素約1−2単位と共に、プラスミド又
はDNA断片約0.2−1μgを使用する(適当な緩衝液、DN
A濃度、及びインキュベート時間及び温度は、その制限
酵素の製造元によって特定されている)。一般には、37
℃での約1又は2時間のインキュペート時間が適当であ
るが、酵素の中にはそれよりも高い温度が必要であるも
のがある。インキュベートした後に、フェノール及びク
ロロホルムの混液で消化溶液を抽出することによって酵
素及び他の夾雑物を除去し、次いでエタノール沈殿によ
ってその水性画分からDNAを回収する。
DNA断片類を一緒に連結して機能的ベクターを形成さ
せるためには、それらDNA断片の末端は互いに適合して
いなければならない。ある場合には、エンドヌクレアー
ゼ消化で、直接適合する末端が得られる。しかし、エン
ドヌクレアーゼ消化によって普通に生成される粘着末端
を、連結に適合させるために、まず平滑末端に変換しな
ければならない場合もある。平滑末端にするためには、
4つのデオキシヌクレオチド三リン酸の存在下、DNAポ
リメラーゼIのクレノー断片(クレノー)10単位と共に
少なくとも15分間、15℃において適当な緩衝液中で得ら
れたDNAを処理する。次いで、それをフェノール−クロ
ロホルム抽出し、エタノール沈殿して精製する。
開裂させたDNA断片は、DNAゲル電気泳動によってサイ
ズ分離し、選択することができる。DNAはアガロース又
はポリアクリルアミドマトリックスのいずれかによって
電気泳動できる。マトリックスの選択は、分離しようと
するDNA断片のサイズ(大きさ)に左右される。電気泳
動した後に、電気溶離(electroelution)によってDNA
をマトリックスから抽出するか、あるいは低融点アガロ
ースをマトリックスとして使用した場合は、サムブルッ
クら(前掲)の6.30−6.33項に記載されているようにし
てアガロースを融解し、それからDNAを抽出する。
互いに連結させようとするDNA断片(適当な制限酵素
で消化してそれぞれの断片の連結させるべき末端を適合
させておく)のほぼ等モル量を溶液中に存在させる。こ
の溶液はATP、リガーゼ緩衝液及びリガーゼ、例えばDNA
0.5μg当たりT4DNAリガーゼ約10単位をも含有してい
る。DNA断片をベクターに連結する場合は、まず、適当
な制限エンドヌクレアーゼ(群)によってベクターを切
断して線状化し、次いで細菌アルカリホスファターゼ又
は子牛腸内アルカリホスファターゼのいずれかでリン酸
化する。この操作によって、開裂したベクターが連結工
程の際に自己連結するのを防止できる。
連結した後に、新たに外来遺伝子が挿入されたベクタ
ーを適当な宿主細胞、最も普通にはE.coli K12株294(A
TCC番号31,446)又は別の適当なE.coli株などの原核生
物に導入する。抗生物質、普通はテトラサイクリン(te
t)又はアンピシリン(amp)と増殖させることにより、
ベクター内のtet及び/又はamp耐性遺伝子のおかげでそ
れらに対して耐性になっている形質転換細胞を選択す
る。連結混合物によって真核生物宿主細胞を形質転換し
た場合は、形質転換細胞は上述のDHFR/MTX系によって選
択できる。形質転換細胞を培養物中で増殖させ、次いで
プラスミドDNA(プラスミドは、目的の外来遺伝子に連
結されたベクターを意味する)を単離する。このプラス
ミドDNAを次に、制限マッピング及び/又はDNA配列決定
によって分析する。DNAの配列決定は、メッシング(Mes
sing)らのNucleic Acids Res.,:309(1981)の方法
又はマキサム(Maxam)らのMethods of Enzymology,65:
499(1980)の方法のいずれかによって分析される。
哺乳動物宿主細胞がDNAで安定に形質転換された後、
その宿主細胞培養をMTX約200−500nM濃度の存在下で増
殖させ、それによりDHFRタンパク質をコードしている配
列の増幅を行う。MTXの有効な濃度範囲は、DHFR遺伝子
及びタンパク質の性質、及び宿主の特性に大きく左右さ
れる。明らかに、一般的な上限及び下限の定義は認識で
きない。他の葉酸同族体又はDHFRを阻害する他の化合物
を適当な濃度で使用することができる。しかし、MTXが
簡便であり、容易に利用でき、かつ有効である。
上述のように、t−PA変異体は、部位特異的突然変異
誘発法を使用して生成される突然変異(類)によって製
造するのが好ましい。この方法では、特異的なオリゴヌ
クレオチドであって、所望の突然変異の配列と、該オリ
ゴヌクレオチドそしてDNAの鋳型と安定にハイブリダイ
ズせしめるに十分な数の隣接ヌクレオチドの配列の両方
をコードしているオリゴヌクレオチドを合成し使用する
必要がある。
F.医薬組成物 本発明のt−PA産物を医薬的に許容され得る担体との
混合物中で混合することにより、本発明の化合物は医薬
的に有用な組成物を調製するための既知の方法によって
製剤化することができる。適当な担体及び製剤化法は、
オスロー(Oslo)ら編のRemington's Pharmaceutical S
ciences16版、1980[マック・パブリッシングCo.]に記
載されている。このような組成物は通常、患者への効果
的な投与に適した医薬的に許容され得る組成物を調製す
る上で適当な量のビヒクルと共に、有効量の本発明のt
−PA変異体、例えば約0.5から約5mg/ml、含有してい
る。t−PA変異体は、心臓血管の疾患又は症状の患者に
非経口的に、又はそれを確かに有効な形で血流に供給す
る他の方法で投与することができる。
本発明は実施する上で使用されるt−PA変異体を臨床
投与するのに特に適している組成物には、例えば滅菌水
溶液剤、又は凍結乾燥タンパク質などの滅菌水和性の粉
末剤などがある。通常、製剤を等張性にするために、製
剤中にさらに、医薬的に許容され得る塩を適量使用す
る。また、通常、適当濃度のりん酸と組み合わせたアル
ギニン塩基のバッファーを、適当なpH、一般にはpH5.5
−7.5を維持するために含有させる。さらに、貯蔵寿命
を維持するために、グリセリンなどの化合物も含有させ
ることができる。
本発明の医薬組成物の投与量及び望ましい薬物濃度
は、目的とする個々の用途に応じて変化し得る。例え
ば、深部静脈血栓又は末梢血管疾患の処置に当たって
は、約0.05から約0.2mg/kgオーダーの「ボーラス」投与
が通常好ましく、その後は、血中レベルをほぼ一定に、
好ましくは約3μg/mlのオーダーで維持し得るよう約0.
1から約0.2mg/kgの投与を行うのが好ましい。
しかし、一般に潅流(infusion)が行えない場面であ
る緊急医療に関連して使用するためには、及び処置する
疾患が一般に重篤な性質をもつ場合(塞栓症、心筋梗
塞)には、多めの初期投与量、例えば0.3mg/kgオーダー
の静脈内ボーラス投与が望ましい。
例えば、t−PA変異体は、心血管疾患又は症状に罹患
した患者に非経口的に投与するのが適切である。投与量
及び投与速度は、現在、臨床試験における他の心血管
薬、血栓溶解薬の用量、例えば心筋梗塞、肺塞栓症など
に罹患したヒト患者には、約1〜2mg/kg体重を1.5−12
時間かけて静脈内又は動脈内投与、と同等又は高いであ
ろう。
適当な投与剤形の1例として、50mg t−PA、アルギニ
ン、リン酸、及びポリソルベート80を含有するバイアル
を滅菌水50mlにより注射用に再構成し、それを適量の0.
9%塩化ナトリウム注射液と混合することが挙げられ
る。
本発明のt−PA変異体はフィブリン沈着又は接着の形
成もしくは再形成を防止するためにも有用である。この
用途の1態様は、1980年1月4日公開のEPO297,860に記
載されている。一般には、この使用法の1態様では潜在
的なフィブリンまたは接着形成部位に、治療有効量のt
−PA変異体を、それがおよそ3日から2週間にわたって
持続的に放出されよう、難溶性の形で含有する組成物を
投与することを包含する。t−PA変異体は通常、技術、
感染、外傷又は炎症後にフィブリン沈着または接着の形
成を予防するに充分な投与量で投与する。その量は普
通、0.02mg/gゲルから25mg/gゲルであり、0.20mg/gゲル
から約2.5mg/gのゲルが好ましく、最も好ましくは0.25m
g/gゲルから約1.0mg/gゲルである。接着形成及び/又は
フィブリン沈着を防止するために使用する各t−PA変異
体は、潜在的な接着形成の部位にt−PA酵素を配置する
ための半固形の粘液質の製薬的に不活性な担体中で製剤
化するのが普通である。このような担体には、長鎖の炭
化水素又は植物油及び、修飾された飽和及び不飽和脂肪
酸グリセリドの混合物又は修飾された飽和及び不飽和脂
肪酸グリセリドの混合物から構成されるワックスなどが
ある。例えば、石油ゼリーまたは半合成グリセリドなど
の半固形ビヒクル、グリセリンなどのポリヒドロキシ溶
媒、長鎖炭化水素、生体侵食性ポリマー(bioerodable
polymers)、又はリポソームなどが挙げられる。
以下に記載する実施例を簡単にするため、共通して用
いられる幾つかの方法を以下に説明する。
「プラスミド」は、小文字のpの後ろにアルファベッ
トの名称を付して表している。本発明における出発プラ
スミドは市販されているが、非制限的な起源から一般に
入手可能となっており、又はそのような入手可能なプラ
スミドから文献開示の方法によって構築することができ
る。さらに、他の同等のプラスミドも当業界既知であ
り、当業者には明らかである。
DNAの「消化」、「切断」又は「開裂」とは、DNA内の
ある特定の場合でのみ働く酵素によってそのDNAを触媒
的に開裂することを意味する。このような酵素は制限エ
ンドヌクレアーゼと呼ばれ、DNA配列に沿った、各酵素
が開裂する部位は制限部位と呼ばれる。本明細書で使用
している制限酵素は市販されており、その供給元から提
示されている教示に従って使用される。制限酵素は、大
文字の後ろに各制限酵素が得られる微生物を表す2又は
3つの小文字を付して命名される。これらの文字に続い
て個々の酵素を示す1又はそれ以上のローマ数字があ
る。一般に、プラスミド又はDNA断片約1μgを緩衝溶
液約20μ中、酵素約2単位と共に使用する。個々の制
限酵素にとって適当な緩衝液、基質濃度、インキュベー
ション温度、及びインキュベート時間は製造会社によっ
て特定されている。インキュベートした後、フェノール
−クロロホルム溶液による抽出によってDNAから酵素及
び他の夾雑物を除去し、エタノール沈殿によって、消化
されたDNAを水性画分から回収する。制限酵素による消
化の後には、細菌アルカリホスファターゼ又は子牛陽内
アルカリホスファターゼで処理する。これは、別のDNA
断片の制限部位への挿入を妨げかねない、DNA断片の2
つの制限開裂末端の「環化」又は閉じたループの形成を
防止するためである。しかし、特に明記しない限りは、
プラスミドの消化後には5′末端の脱リン酸化は行わな
い。脱リン酸化のためのこれらの操作法及び試薬はサム
ブルックら(前掲)の1.60−1.61項及び3.38−3.39項に
記載されている。
特定のDNA断片を制限消化物から「回収」または「単
離」するとは、ポリアクリルアミド又はアガロースゲル
を使用して電気泳動法により、得られたDNA断片を分離
し、目的とする断片を既知の分子量のマーカーDNA断片
の移動度と比較してその同定を行い、所望の断片を含有
するゲル切片を取り出し、そしてDNAからゲルを分離す
ることを意味する。この操作法は一般に既知である。例
えば、ローン(R.Lawn)らのNucleic Acids Res.:610
3−6114(1981)、及びゲッデル(D.Goeddel)らのNucl
eic Acids Res.:4057(1980)を参照のこと。
「サザーン分析」とは、既知の標識化オリゴヌクレオ
チド又はDNA断片とのハイブリッド形成により、消化物
またはDNA含有組成物中のDNA配列の存在を確かめる方法
である。サザーン分析とは、元来、サザーン[Souther
n,J.Mol.Bio.98:503(1975)]により記載され、サムブ
ルック(前掲)の9.31−9.57節で改良された方法を用い
てアガロースゲル上にて消化DNAを分離し、DNAを変性
し、DNAをゲルからニトロセルロースまたはナイロンメ
ンブラン上に移すことを指す。
「形質転換」とは、DNAが染色体外要素または染色体
成分として複製できるようにそのDNAを生物に導入する
ことを意味する。形質転換するために使用する方法は、
宿主細胞が真核生物であるか、又は原核生物であるかに
よって変わる。原核生物を形質転換する方法はサムブル
ックら(前掲)の1.82項に記載されている塩化カルシウ
ム法である。真核生物は、サムブルック(前掲)らの1
6.32−16.37項に記載されているリン酸カルシウム法に
よって形質転換される。
「連結」とは、ATPをも含有している適当な緩衝液
中、リガーゼ酵素を使用して、2つの2本鎖DNA断片間
にホスホジエステル結合を生成させる工程を意味する。
「オリゴヌクレオチド」は、ホスホジエステル結合に
よって結合されているデオキシリボヌクレオチドの短い
長さの1本鎖又は2本鎖配列を意味する。このオリゴヌ
クレオチドは既知の方法によって化学的に合成され、ポ
リアクリルアミドゲル上にて精製される。
以下に、本発明を実施する上で現在知られている最も
最良の方法を説明するために実施例を挙げるが、これは
本発明の限定を意図するものではない。
実施例I I.発現ベクターpRK.t−PAの構築 t−PA突然変異体は作成するためのベクターとしてプ
ラスミドpRK7を使用した。pRK7は、Cla I及びHind III
間のポリリンカー領域内のエンドヌクレアーゼ制限部位
の順序が逆である以外はpRK5(1983年3月15日公開のEP
公開番号第307,247号)と同一である。このベクターに
挿入するために、t−PA cDNA[ペニカ(Pennica)らの
Nature301:214(1983)]を、制限エンドヌクレアーゼH
ind III(ATG開始コドンの5′側496塩基対を切断す
る)及び制限エンドヌクレアーゼBal I(TGA終止コドン
の下流276塩基対を切断する)で切断することにより調
製した。このcDNAを、サムブルック(Sambrook)ら(前
掲)の1.68−1.69項に記載されている標準的な連結(リ
ゲーション)法を使用し、Hind III及びSma Iで前もっ
て切断しておいたpRK7に連結した。得られた構築物をpR
K.t−PAと命名した。(図1参照) II.pRK7−t−PAの部位特異的突然変異誘発 アマーシャム・コーポレーション(Amersham Corpora
tion)から購入したキット(カタログ番号RPN1253)を
使用し、テイラー(Taylor)らのNucl.Acids,Res.,13:8
765(1985)の方法によってt−PA cDNAの部位特異的突
然変異誘発を行った。所望の突然変異を生成させるた
め、所望のアミノ酸置換をコードする配列を有するオリ
ゴヌクレオチドを合成し、それをプライマーとして使用
した。このオリゴヌクレオチドを、標準的な手法[Vier
aらのMeth.Enz.,143:3(1987)]により調製した1本鎖
pRK7−t−PAとアニーリングさせた。
デオキシリボアデノシン(dATP)、デオキシリボグア
ノシン(dGTP)、及びデオキシリボチミジン(dTTP)の
3つのデオキシリボヌクレオチドの混合物を、上記キッ
トの製造元から供されているそのキット中のdCTP(aS)
と呼ばれる改変チオ−デオキシリボシトシンと混合し、
それをオリゴヌクルオチドとアニーリングさせた1本鎖
pRK7−t−PAに加えた。
この混合物にDNAポリメラーゼを加えると、突然変異
した塩基以外はpRK7−t−PAと同一のDNAの鎖が生成し
た。さらに、この新たなDNAの鎖はdCTPの代わりに、そ
れを制限エンドヌクレアーゼ消化から保護するのに役立
つdCTP(aS)を含有していた。得られた2本鎖ヘテロ二
重鎖の鋳型の鎖に適当な制限酵素により切れ目(ニッ
ク)を作成した後、その鋳型の鎖を、突然変異オリゴマ
ーを含有している領域を通過するようExo IIIヌクレア
ーゼによって消化した。次いで、この反応を停止させる
と、部分的にのみ1本鎖となった分子が得られた。次
に、4つのみすべてのデオキシリボヌクレオチド3リン
酸、ATP、及びDNAリガーゼの存在下にDNAポリメラーゼ
により、完全な2本鎖DNAのヘテロ二重鎖分子を形成さ
せた。
R299Dt−PAの製造に用いたオリゴヌクレオチドは下記
のとおりである。
5′TCCGGGCGAGTCCCTGTGCTTGGC(配列番号1) R299D,S300Nt−PAおよびR299G,S300Tt−PAの製造に用
いたオリゴヌクレオチドは下記のとおりである。
5′CCGCTCTCCGGGNN(G/C)NN(G/C)CCTGTGCTT(配列
番号2) ここにNは任意のヌクレオチド、G/Cはその位置のヌ
クレオチドがGまたはCのいずれでもよいことを意味す
る。
III.細菌形質転換及びDNA調製 コンピテント細胞の調製と形質転換するための標準的
な塩化カルシウム法[Sambrookら(前掲)の1.76−1.84
項]を使用し、上記のプロトコールを使用して作成した
突然変異t−PA構築物をE.coli宿主株MM294tonAに導入
した。Tn10トランスポゾンをtonA遺伝子に挿入した後、
不正確に切除することにより、E.coli株MM294tonA(こ
れはT1ファージに耐性である)を調製した。次いで、こ
の遺伝子をトランスポゾン挿入突然変異[クレックナー
(Kleckner)らのJ.Mol.Biol.,116:125−159(1977)]
を使用し、E.coli宿主MM294(ATTC No.31,446)に挿入
した。
Sambrookら(前掲)の1.25−1.31項に記載されている
標準的なミニプレプ法を使用し、細菌形質転換体のコロ
ニーそれぞれからDNAを抽出した。得られたプラスミド
をセファクリルCL6Bスピンカラムに通してさらに精製
し、次いでDNA配列決定並びに制限エンドヌクレアーゼ
消化及びアガロースゲル電気泳動によって分析した。
IV.真核生物細胞の形質転換 ヒト腎胚293細胞(温度感受性ラージT抗原遺伝子で
トランスフェクトしたサブクローン293TSA)を6ウエル
平板にて10%全ウシ胎児血清を補充した1mM HEPESバッ
ファー、0.29g/lグルタミン、2.44g/l炭酸水素ナトリウ
ム、0.55g/lピルビン酸ナトリウム、pH6.95を含有す
る、DMEM:F12(1:1)培地で70%全面成長まで増殖させ
た。トランスフェクションの前日に細胞を計数し、培地
を吸引して除き、細胞をトリプシン処理し、あらかじめ
リシン含有カラムに通してプラスミノーゲンを除去して
おいた10%全ウシ胎児血清を含有する、同じDMEM:F12
(1:1)に基づく培地に再けんだくした。次いで、懸濁
液を266,000細胞/mlに調節し、6ウエルプレートに3ml/
ウエル(800,000細胞/ウエル)では種し、トランスフ
ェクションの日までインキュベーションした。
t−PA突然変異体をコードするプラスミド2.5μgを1
mMトリス−HCl、0.1mM EDTA、0.227M CaCl2(150μ)
中に溶解した。これに、50mM HEPES緩衝液(pH7.35)、
280mM NaCl、1.5mM NaPO4(150μ)を加え(旋回下に
滴加)、25℃で10分間沈殿物を形成せしめた。次いで、
得られた懸濁沈殿物を6ウエル平板の各ウエル中の細胞
に加え、インキュベーター中に1夜放置した。次いで、
培地を吸引除去し、インシュリン、トランスフェリン、
微量元素および脂質を含むDMEM:F12(1:1)に基づく血
清不含培地(PS−04と呼称)(U.S.S.N.07/592,141前掲
に記載)で置き換えた。細胞を6日間インキュベートし
た後、培地を採取し、検定した。
V.生物学的検定 A.t−PAの定量 野生型t−PAに対して調製したポリクローナル抗体を
使用し、ELISA(酵素結合免疫吸着検定)法によって、
細胞培養上清中に存在するt−PAの濃度を測定した。以
下で説明する各検定に使用したt−PA量はこのELISA法
の結果に基づく。
B.S−2288検定 S−2288検定を使用し、2本鎖形の本発明突然変異体
のタンパク質分解活性を測定した。この検定は、t−PA
のタンパク質分解活性のための直接的な検定法である;t
−PAは小ペプチドとパラニトロアニリド発色団との間の
結合を開裂させる。
野生型組換えt−PA(rt−PA)を細胞培養培地で希釈
して標準曲線試料を調製する。この標準曲線試料及びrt
−PA突然変異体試料をマイクロタイター平板のウエルに
加えた。この検定法を使用して2本鎖rt−PAの活性を測
定するので、ヒトプラスミンとのインキュベーション工
程を操作に包含させた。ヒトプラスミン(KabiVitrum)
を終濃度0.13CU(カゼイン単位)/mlまで加えた。試料
を室温で90分間インキュベートした。
アプロチニン[シグマ、約14TIU(トリプシンインヒ
ビター単位)/mg]を終濃度72μg/mlまで加えてプラス
ミン活性を阻害し、得られた試料を室温で15分間インキ
ュベートした。S−2288の2.16mM溶液を0.1Mトリス、0.
106mM NaCl、0.02%アジ化ナトリウム、pH8.4を用いて
1.45mMにまで希釈し、この溶液100μをマイクロタイ
ター平板の各ウエルに加えた(各ウエルにおける最終容
量を200μであった)。405nmにおいて発色をモニター
した。それぞれの標準及び試料についての吸光度対時間
曲線の勾配を測定した。標準曲線は、rt−PA標品に対す
るrt−PA濃度の関数として、吸光度対時間の曲線勾配を
プロットすることで作成した。次いで、突然変異体の相
対活性濃度を標準曲線から測定した。各突然変異体の活
性濃度をrt−PA ELISAにて得られた突然変異体について
の濃度で除し、得られた比活性を、1.0値と帰属した野
生型t−PAに関連させて表した。
C.S−2251検定 この検定はt−PA活性の間接検定法である。この検定
法では、プラスミノーゲンをt−PAの作用によりプラス
ミンに変換させるが、そのプラスミンがS−2251基質を
開裂してパラニトロアニリド発色団を放出するものであ
る。次いで、この発色団の発色を経時的に測定する。
1.フィブリン刺激S−2251検定 S−2288検定について記載しているようにして標準曲
線試料を調製した。その試料をプラスミン−セファロー
スと共にインキュベートすることにより、試料を2本鎖
に交換した。プラスミン−セファロースは、ヒトプラス
ミン(KabiVitrum)約20.8CUを臭化シアン活性化セファ
ロース(ファルマシア)1mlとカップリングさせて調製
した。このプラスミン−セファロース(5%スラリー50
μ)を試料150μと共に室温で90分間攪拌させなが
らインキュベートした。インキュベートの後、得られた
樹脂を遠心によって除去し、試料10μをマイクロタイ
ター平板のウエルに加えた。
ヒトトロンビン(42単位/ml溶液10μ)を各ウエル
に加えた。ヒトGlu−プラスミノーゲン(5.3μM)28μ
、プラスミノーゲン不含のヒトフィブリノーゲン(10
μM)10μ、3mM S−2251(KabiVitrum)30μ、及
びPBS62μから構成される混合物(130μ)を加え、
各ウエル中の反応を開始させた。405nmにおいて発色を
モニターし、492nmの参考波長における吸光度を各時点
の吸光度から差し引いた。吸光度対時間の二乗の曲線勾
配を標準及び突然変異体試料の各々について測定した。
標準曲線は、rt−PA標品についてのrt−PA濃度の関数と
して、吸光度対時間の二乗の曲線勾配をプロットするこ
とにより作成した。突然変異体の相対比活性は、S−22
88検定について記載したようにして測定した。
2.フィブリノーゲン刺激S−2251検定 この検定は、トロンビンをPBSで置き換える以外はフ
ィブリン刺激S−2251検定について記載しているように
して行った。
3.血漿血餅S−2251検定 標準曲線試料の調製及び、プラスミン−セファロース
を使用する1本鎖rt−PAから2本鎖rt−PAへの変換をフ
ィブリン−刺激S−2251検定について記載しているよう
にして行った。ヒトトロンビン(31μg/ml溶液10μ)
をマイクロタイター平板の各ウエルに加えた。標準及び
突然変異体試料(40μ)をその平板に加え、酸クエン
酸デキストロースヒト血漿90μ及び9.1mM S−2251(K
abiVitrum)10μの混合物100μを加え、反応を開始
させた。405nmにおいて発色をモニターし、492nmの参考
波長における吸光度を各時点の吸光度から差し引いた。
得られたデータの分析は、フィブリン刺激S−2251検定
について記載したようにして行った。
血漿S−2251検定 この検定は、トロンビンをPBSで置き換え、参考波長
を用いないことを除き、血漿血餅S−2251検定に関して
記載したと同様に行った。
上記BおよびC項の記載の検定の結果を表1に示す。
表中、R299Dt−PAは本発明の変異体であり、KHRR296−2
99AAAA t−PA(WO90/02798、1990年3月22日公開に記載
の変異体)、R299D,S300Nt−PA、およびR299位にアミノ
酸置換変異を有する幾つかの他の変異体(適当なオリゴ
ヌクレオチドを用いて上記のようにして調製した)につ
いても比較の目的で試験した。
S−2288検定の結果は、本発明の変異体が野生型t−
PAに概ね匹敵するアミド分解活性を有することを示して
いる。R299D変異体と野生型t−PAとの活性の差異はS22
51検定で見られるが、ここに、フィブリンの存在下での
R299Dのプラスミノーゲン活性化因子活性と、フィブリ
ノーゲンの存在下でのそれとの比は、この変異体がこの
検定系において、野生型t−PAの4倍以上、フィブリン
特異的でありことを示している。ヒト血漿および血餅形
成したヒト血漿の存在下でプラスミノーゲン活性化因子
検定を行った場合にも同様のパターンが認められる。本
発明の変異体は血漿中で野生型t−PAよりも活性が低い
が、血漿血餅の存在下では活性が高く、野生型t−PAに
比較して、血漿血餅への特異性が約3.7培に増大してい
る。
D.血漿血餅溶解検定 表1に記載のt−PA変異体試料およびR299G,S300Rt−
PAを、上述のフィブリン刺激S−2251検定にて説明した
プラスミン−セファロースを使用し、1本鎖から2本鎖
形に変換した。
血漿血餅溶解検定は以下のようにして行った:0.15M塩
化カルシウム10mlをマイクロタイター平板ウエルに加え
た。次いで、各ウエルに、遠心し0.45マイクロン濾過し
たヒトクエン酸処理血漿プールを加えた。その内容物を
完全に混合し、血漿血餅を形成させた。rt−PAの標準試
料及び検定すべきt−PA変異体を、それらの終濃度の2
倍濃度(18−800ng/ml)にまで検定緩衝液で希釈した。
希釈緩衝液は0.1M NaCl、0.03M重炭酸ナトリウム(実験
の開始直前に新たに加える)、4mM KCl、1mM塩化カルシ
ウム、1mM二塩基性リン酸ナトリウム、0.3mM塩化マグネ
シウム、0.4mM硫酸マグネシウム、20mM HEPES[4−
[2−ヒドロキシエチル]−1−ピペラジンエタンスル
ホン酸]、及び0.01%ポリソルベート80、pH7.4を含有
している。次いで、各標品又は変異体を1容量の血漿プ
ールと混合した。この混合物100μ全体を、周囲温度
で6−8時間放置して血餅を生じさせた後の血漿血餅の
上に重層した。次いで、各平板の光学密度を405nmにて
読みとった。次いで、その平板を37℃で約15時間インキ
ュベートし、光学密度の測定を繰り返した。各ウエルに
ついて、0から15時間までの光学密度値の差異を引き算
によって計算した。標品では、光学密度を標品の濃度の
logの関数としてプロットした。この標準曲線から未知
量を内挿した。同じく処理した野生型t−PA対照に標準
化した。標準曲線は4つのパラメーター適合プログラム
を使用して決定した。使用した平板解読装置は、SLT−
ラボラトリーズのEAR340AT型であった(オーストリ
ア)。
得られた結果を以下の第2表に示す。
驚くべきことには、本発明の変異体は野生型t−PAお
よびKHRR296−299AAAAt−PA変異体、並びに299位におけ
る他のアミノ酸置換変異体の大多数よりも血餅溶解活性
が劇的に増大している。それはまた2重突然変異体R299
D,S300NおよびR299G,S300Tt−PAよりも活性が増大して
おり、これは300位における突然変異が実は、299位突然
変異体の血漿血餅溶解活性を減少させることを示してい
る。
このように、R299D変異体は野生型t−PAに比較し
て、実質上増大した血餅溶解活性を持つと同時に増大し
たフィブリンおよび血漿血餅特異性を有する。
配列表 (1)一般的な情報 (i)出願人:ジェネンテク,インコーポレイテッド (ii)発明の名称:組織プラスミノーゲン活性化因子置
換変異体 (iii)配列の数:2 (iv)連絡先: (A)あて名:ジェネンテク,インコーポレイテッド (B)通り:460ポイント サン ブルノ ブルバード (C)市:サウス サン フランシスコ (D)州:カリフォルニア (E)国:米国 (F)ジップコード:94080 (v)コンピューター読み取り可能な形式: (A)媒体型:5.25インチ360Kbフロッピーディスク (B)コンピューター:IBM PCコンパチブル (C)オペレーティングシステム:PC−DOS/MS−DOS (D)ソフトウエアー:patin(ジェネンテク) (vi)現出願のデータ: (A)出願番号: (B)出願日: (C)分類: (vii)先の出願のデータ: (A)出願番号:07/629,683 (B)出願日:18−DEC−1990 (viii)代理人/エージェントの情報: (A)氏名:ドレッガー,ギンガーアール(Dreger,Gin
ger R.) (B)登録番号:33,055 (C)参照/整理番号:669 (ix)電話連絡情報: (A)電話:415/266−1896 (B)ファクシミリ:415/952−9881 (C)テレックス:910/371−7168 (2)配列番号:1に関する情報: (i)配列の特徴 (A)長さ:24塩基 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:1本鎖 (D)トポロジー:線状 (iv)配列番号:1:R299Dのためのプローブ1 TCCGGGCGAG TCCCTGTGCT TGGC 24 (2)配列番号:2に関する情報: (i)配列の特徴: (A)長さ:27塩基 (B)配列の型:核酸 (C)鎖の数:1本鎖 (D)トポロジー:線状 (iv)配列番号:2:R299D,S300NとR299G,S300Tのための
プローブ2 CCGCTCTCCG GGNNGNNGCC TGTGCTT 27
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:91) C12R 1:91) A61K 37/54 ACB (C12N 9/64 9281−4B C12N 5/00 B C12R 1:91) C12R 1:91)

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】野生型t−PAの299位のアルギニンのアス
    パラギン酸による置換を有するt−PAアミノ酸配列変異
    体。
  2. 【請求項2】さらに、野生型t−PAの103位のスレオニ
    ンのアスパラギンによる置換をも含有する請求項1の変
    異体。
  3. 【請求項3】さらに、野生型t−PAの105位のセリンの
    アスパラギンによる置換および107位のアラニンのセリ
    ンによる置換をも含有する請求項1または2のいずれか
    の変異体。
  4. 【請求項4】さらに、野生型t−PAの117位のアスパラ
    ギンのグルタミン、アラニンまたはセリンによる置換を
    も含有する請求項1〜3のいずれかに記載の変異体。
  5. 【請求項5】R299D t−PA。
  6. 【請求項6】請求項1−5のいずれかに記載の変異体を
    コードするDNA配列。
  7. 【請求項7】形質転換体内で請求項6のDNA配列を発現
    し得る複製可能な発現ベクター。
  8. 【請求項8】請求項7のベクターで形質転換された宿主
    細胞。
  9. 【請求項9】真核生物細胞である請求項8の宿主細胞。
  10. 【請求項10】哺乳動物である請求項8の宿主細胞。
  11. 【請求項11】ヒト腎胚293細胞である請求項10の宿主
    細胞。
  12. 【請求項12】チャイニーズハムスターの卵巣細胞であ
    る請求項10の宿主細胞。
  13. 【請求項13】t−PA変異体をコードするDNAを発現す
    るよう請求項8の宿主細胞を培養することを含む方法。
  14. 【請求項14】宿主細胞が真核性細胞である請求項13の
    方法。
  15. 【請求項15】宿主細胞が哺乳類細胞である請求項14の
    方法。
  16. 【請求項16】さらに、宿主細胞培養から変異体を回収
    することを含む請求項13の方法。
  17. 【請求項17】変異体を宿主細胞培養培地から回収する
    請求項16の方法。
  18. 【請求項18】治療上有効な量の請求項1−5のいずれ
    かに記載の変異体と製剤的に許容し得る担体との混合物
    を含む血管状態または疾患の治療のための組成物。
  19. 【請求項19】請求項1−5のいずれかに記載の変異体
    の治療有効量を製剤的に許容し得る担体と共に含有す
    る、フィブリン沈着もしくは付着の形成又は再形成を予
    防するための組成物。
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