JP2532151B2 - 酸素透過性硬質コンタクトレンズ - Google Patents

酸素透過性硬質コンタクトレンズ

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JP2532151B2
JP2532151B2 JP2052291A JP5229190A JP2532151B2 JP 2532151 B2 JP2532151 B2 JP 2532151B2 JP 2052291 A JP2052291 A JP 2052291A JP 5229190 A JP5229190 A JP 5229190A JP 2532151 B2 JP2532151 B2 JP 2532151B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は酸素透過性硬質コンタクトレンズに関する。
さらに詳しくは特定の化合物を構成成分とする共重合体
からなる酸素透過性硬質コンタクトレンズに関する。
[従来の技術] 従来、コンタクトレンズとしては、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレートあるいはビニルピロリドンを主成分
とする含水性の軟質コンタクトレンズと、メチルメタク
リレート(MMA)、フッ化アルキルメタクリレートある
いはシリコーンメタクリレートを主成分とする非含水性
の硬質コンタクトレンズが市販されている。
しかしながら、上記従来の含水性の軟質コンタクトレ
ンズは酸素透過性が低いために長時間の装用が困難であ
るか、強度が低くて使用に耐えがたいものであった。
また、従来のMMAを主成分とする非含水性の硬質コン
タクトレンズは、酸素透過性が殆どないために角膜生理
上長時間の連続装用が困難であるという大きな欠点を有
している。従来のシリコーンメタクリレートを主成分と
する硬質コンタクトレンズは、MMAを主成分とするもの
に比べると酸素透過性が優れているものの、まだ連続装
用を行なうには不十分であり、また水濡れ性に劣り、さ
らに脂質などにより汚染されやすいという欠点を有して
いる。
近年、上記のような問題を解決する目的でシリコーン
メタクリレートの含有量を増加させたり、フッ素原子を
含有させたものが提案されている。例えば特公昭62−87
69号公報及び特開昭59−28127号公報明細書にはフッ化
アルキル(メタ)アクリレートとシロキサニルアルキル
(グリセロール)(メタ)アクリレートからなる酸素透
過性硬質コンタクトレンズが提案されている。また、特
開昭60−131518号公報、特開昭61−57612号公報、特開
昭61−281116号公報、特開昭61−281216号公報、特開昭
61−285426号公報及び特開昭62−54220号公報明細書に
はシロキサニルプロピロキシエチル(メタ)アクリレー
トとアルキル(メタ)アクリレートまたはアルキルイタ
コネートからなる酸素透過性硬質コンタクトレンズが提
案されている。また特開昭61−87102号公報及び特開昭6
2−38419号公報明細書にはフッ化アルキルシロキサニル
(グリセロール)(メタ)アクリレートからなる酸素透
過性硬質コンタクトレンズが開示されている。
また、米国特許第4,711,943号には、アミド構造とシ
ロキサン構造を併せもつ素材からなり、含水率15〜60
%、酸素透過性25×1010cm3・cm/cm2・sec・cmHg以上、
引き裂き強度1.0g/mm2以上、伸度80%以上の含水性の軟
質コンタクトレンズが開示されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記のシリコーンメタクリレートの含
有量を増加させたり、フッ素原子を含有させたもの、さ
らにはシリコーンメタクリレートとフッ素原子を共存さ
せたもののいずれにおいても酸素透過性を増加させると
水濡れ性が低下し、装用中にレンズが曇ったり、脂質な
どにより汚染されやすくなるという関係が有り、酸素透
過性と水濡れ性を維持しつつ、機械的強度、透明性、耐
汚染性もあわせもつ酸素透過性硬質コンタクトレンズの
出現が待望されている。
従って本発明の目的は高酸素透過性のみならず水濡れ
性に優れ、装用性の良好な硬質コンタクトレンズを提供
することにある。
本発明のもう一つの目的は、機械加工性に優れ、高い
機械的強度を有する硬質コンタクトレンズを提供するこ
とにあり、更に本発明の他の目的は、耐汚染性、透明性
に優れた硬質コンタクトレンズを提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重
ね、特定の単量体単位を構成成分とする共重合体からな
る硬質コンタクトレンズが高い酸素透過性、良好な水濡
れ性及び耐汚染性を有し、かつ硬度および透明性をも満
足することを見出し、本発明に至った。
即ち本発明は式(I): で表わされるシロキサニルアミド単位とフッ素を含有す
る単量体単位を必須構成成分とする共重合体からなる酸
素透過性硬質コンタクトレンズである。ここでR1はメチ
ル基または水素原子を、R2は水素原子または炭素数1〜
15の炭化水素基を表わし、nは1〜3の整数であり、
X1,X2,X3はそれぞれ同一または異なって、メチル基、
トリメチルシロキシ基、Si原子数が16個以下のオルガノ
シロキシ基またはZ基を表わし、Z基は式(II): で表わされる基である。但し、式(II)においてR1
R2、nは上記に同じであり、X4,X5はそれぞれ同一また
は異なって、メチル基、トリメチルシロキシ基、Si原子
数が16個以下のオルガノシロキシ基または上記と同じZ
基である。ここでSi原子数が多い程酸素透過性が向上す
るが、同時に柔らかく脆いものとなるため、アミド基1
個あたり1〜10個程度のSi原子を有するものが好まし
い。
本発明に係る共重合体は本質的に式(I′): [式中、R1、R2及びnは前記に同じ。X1、X2及びX3
それぞれ同一または異なって、メチル基、トリメチルシ
ロキシ基、Si原子数が16個以下のオルガノシロキシ基ま
たは式(II′)で表わされるZ′基である。
(式中、R1、R2及びnは前記に同じ。X4及びX5はそれ
ぞれ同一または異なって、メチル基、トリメチルシロキ
シ基、Si原子数が16個以下のオルガノシロキシ基、また
は上記に同じZ′基である)]で示される単量体とフッ
素を含有する単量体を共重合することにより得られる。
式(I′)で表わされる単量体としては例えば一般式
(III): (但し、R1、R2は前記に同じ) で示される単量体が挙げられる。より具体的にはN−
[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルアク
リルアミド、N−[トリス(トリメチルシロキシ)シリ
ル]プロピルメタクリルアミド、N−メチル−N−[ト
リス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルアクリル
アミド、N−メチル−N−[トリス(トリメチルシロキ
シ)シリル]プロピルメタクリルアミド、N−プロピル
−N−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピ
ルアクリルアミド、N−プロピル−N−[トリス(トリ
メチルシロキシ)シリル]プロピルメタクリルアミド、
N−ヘプチル−N−[トリス(トリメチルシロキシ)シ
リル]プロピルアクリルアミド、N−ヘプチル−N−
[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルメタ
クリルアミド、N−トデシル−N−[トリス(トリメチ
ルシロキシ)シリル]プロピルアクリルアミド、N−ド
デシル−N−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]
プロピルメタクリルアミド等が例示される。
また別の単量体の例として例えば式(IV): (但し、R1、R2は前記に同じ) で示される単量体が挙げられる。より具体的にはN−
[メチルビス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピル
アクリルアミド、N−[メチルビス(トリメチルシロキ
シ)シリル]プロピルメタクリルアミド、N−メチル−
N−[メチルビス(トリメチルシロキシ)シリル]プロ
ピルアクリルアミド、N−メチル−N−[メチルビス
(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルメタクリルア
ミド等を例示することができる。
その他の例としては、例えばN−[トリス(ペンタメ
チルジシロキシ)シリル]プロピルアクリルアミド、N
−[トリス(ペンタメチルジシロキシ)シリル]プロピ
ルメタクリルアミド、N−メチル−N−[トリス(ペン
タメチルジシロキシ)シリル]プロピルアクリルアミ
ド、N−メチル−N−[トリス(ペンタメチルジシロキ
シ)シリル]プロピルメタクリルアミド、N−[ビス
(トリメチルシロキシ)モノ(ペンタメチルジシロキ
シ)シリル]プロピルアクリルアミド、N−[ビス(ト
リメチルシロキシ)モノ(ペンタメチルジシロキシ)シ
リル]プロピルメタクリルアミド、N−メチル−N−
[ビス(トリメチルシロキシ)モノ(ペンタメチルジシ
ロキシ)シリル]プロピルアクリルアミド、N−メチル
−N−[ビス(トリメチルシロキシ)モノ(ペンタメチ
ルジシロキシ)シリル]プロピルメタクリルアミド、N
−[モノ(トリメチルシロキシ)ビス(ペンタメチルジ
シロキシ)シリル]プロピルアクリルアミド、N−[モ
ノ(トリメチルシロキシ)ビス(ペンタメチルジシロキ
シ)シリル]プロピルメタクリルアミド、N−メチル−
N−[モノ(トリメチルシロキシ)ビス(ペンタメチル
ジシロキシ)シリル]プロピルアクリルアミド、N−メ
チル−N−[モノ(トリメチルシロキシ)ビス(ペンタ
メチルジシロキシ)シリス]プロピルメタクリルアミド
などが挙げられる。また1分子中に式(I)で表わされ
る基を2個以上含有する単量体でもよい。
これらの単量体のなかでも、酸素透過性と硬度の点で
メタクリルアミド系の単量体がより好ましく、N−[ト
リス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルメタクリ
ルアミド、N−メチル−N−[トリス(トリメチルシロ
キシ)シリル]プロピルメタクリルアミドが更に好まし
い。またこれらの単量体は1種を使用してもよいし、2
種以上を混合して使用してもよい。
これらの単量体は例えば、シランカプリング剤である
一般式(V): R2−NHCH2CH2CH2Si(OCH3 (V) (但し、R2は前記に同じ) と、対応するシラノールのアルキルエーテルとの共加水
分解・縮合反応によって中間体を得、更に(メタ)アク
リロイルクロライドと反応させることによって得ること
ができる。
これらの単量体は分子末端にシランまたはシロキサン
結合を有するために高い酸素透過性が有り、また他端に
は二重結合を有するために他の不飽和結合を有する単量
体と共重合させることが可能である。該単量体は更に分
子中に親水性のアミド結合を有するために親水性単量体
との相溶性が有り、重合して得られる共重合体の親水度
は公知のシリコーン化合物の場合よりも大きい傾向が有
る。
本単量体を酸素透過性硬質コンタクトレンズにするに
は、式(I′)で示される単量体とフッ素を含む単量体
を共重合し、得られた共重合体から公知の方法、例えば
切削、研磨法によればよい。また、上記共重合を型内で
実施してコンタクトレンズを得ることも可能である。
本発明の硬質コンタクトレンズは式(I′)で示され
る単量体を30〜80重量%、好ましくは35〜70重量%、フ
ッ素を含む単量体を70〜20重量%、好ましくは65〜30重
量%で実施するのが、目的とするコンタクトレンズを得
るうえで好ましい。
上記のフッ素を含む単量体の例としては、フッ化アル
キル(メタ)アクリレート類、フッ化ヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレート類、フッ化アルキルイタコネー
ト類、フッ化アルキルフマレート類、フッ化スチレン類
などが挙げられる。
フッ化アルキル(メタ)アクリレートの例としては例え
ば、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,2
−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テトラ
フルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフ
ルオロプロピルアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフル
オロプロピルメタクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフル
オロプロピルアクリレート、2,2,2−トリフルオロ−1
−トリフルオロメチルエチルメタクリレート、2,2,2−
トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチルアクリレ
ート、2,2,3,3−テトラフルオロ−t−アミルメタクリ
レート、2,2,3,3−テトラフルオロ−t−アミルアクリ
レート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリ
レート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルアクリレ
ート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−t−ヘキシルメ
タクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−t−ヘ
キシルアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオ
ロペンチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタ
フルオロペンチルアクリレート、2,3,4,5,5,5−ヘキサ
フルオロ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ペンチル
メタクリレート、2,3,4,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−
ビス(トリフルオロメチル)ペンチルアクリレート、2,
2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプチルメタ
クリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオ
ロヘプチルアクリレート、2−ヒロドキシ−4,4,5,5,6,
7,7,7−オクタフルオロ−6−トリフルオロメチルヘプ
チルメタクリレート、2−ヒドロキシ−4,4,5,5,6,7,7,
7−オクタフルオロ−6−トリフルオロメチルヘプチル
アクリレート、2−ヒドロキシ−4,4,5,5,6,6,7,7,8,9,
9,9−ドデカフルオロ−8−トリフルオロメチルノニル
メタクリレート、2−ヒドロキシ−4,4,5,5,6,6,7,7,8,
9,9,9−ドデカフルオロ−8−トリフルオロメチルノニ
ルアクリレート、2−ヒドロキシ−4,4,5,5,6,6,7,7,8,
8,9,9,10,11,11,11−ヘキサデカフルオロ−10−トリフ
ルオロメチルウンデシルメタクリレート、2−ヒドロキ
シ−4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,11,11,11−ヘキサデ
カフルオロ−10−トリフルオロメチルウンデシルアクリ
レートなどが挙げられる。またフッ化アルキルイタコネ
ート類、フッ化アルキルフマレート類、フッ化スチレン
類の例としては例えばビス−2,2,2−トリフルオロエチ
ルイタコネート、t−ブチル−(2,2,2−トリフルオロ
−1−トリフルオロメチル)エチルフマレート、イソプ
ロピル−(1,1,2,2−テトラヒドロパ−フルオロ)オク
チルフマレート、プンタフルオロスチレンなどが挙げら
れる。これらの中でも炭素数が5から10の2,2,2−トリ
フルオロエチルメタクリレートや2,2,2−トリフルオロ
−1−トリフルオロメチルエチルメタクリレートなどが
好ましい。またこれらの化合物は1種を使用してもよい
し、2種以上を混合して使用してもよい。
更に水濡れ性を改善するためにメタクリル酸、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチル
アクリレート、N−ビニルピロリドン、ジメチルアクリ
ルアミドなどの親水性単量体を追加したり、エチレング
リコールジメタクリレート、エチレングリコールジアク
リレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジ
エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、トリエチレングリコールジア
クリレート,テトラデカエチレングリコールジメタクリ
レート、テトラデカエチレングリコールジアクリレー
ト,アリルメタクリレート、アリルアクリレート、トリ
メチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、1,3−ブタンジオールジ
メタクリレート,1,3−ブタンジオールジアクリレート,
1,4−ブタンジオールジメタクリレート,1,4−ブタンジ
オールジアクリレート,1,6−ヘキサンジオールジメタク
リレート,1,6−ヘキサンジオールジアクリレート,1,9−
ノナンジオールジメタクリレート,1,9−ノナンジオール
ジアクリレート,1,10−デカンジオールジメタクリレー
ト,1,10−デカンジオールジアクリレート,ネオペンチ
ルグリコールジメタクリレート,ネオペンチルグリコー
ルジアクリレート,2,2′−ビス[p−(γ−メタクリロ
キシ−β−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]プロパン
などの架橋剤を加えてもよい。なかでも、1,10−デカン
ジオールジメタクリレートを使用すると機械強度に優れ
たコンタクトレンズとなるので、本発明の酸素透過性硬
質コンタクトレンズを得るうえで好適である。上記架橋
剤は通常0.1〜20重量%で用いられ、好ましくは0.5〜15
重量%で用いられる。
本発明において、N−[トリス(トリメチルシロキ
シ)シリル]プロピルメタクリルアミド、2,2,2−トリ
フルオロエチルメタクリレート及び1,10−デカンジオー
ルジメタクリレートを必須構成成分として含む共重合体
は、本発明で目的とする酸素透過性硬質コンタクトレン
ズを得るうえで好適な共重合体である。
さらに、本発明においては、酸素透過性、透明性、耐
汚染性などのコンタクトレンズとして必要な特性に大き
な悪影響を与えない範囲(通常はシロキサニルアミド単
位とフッ素を含む単量体から構成される共重合体の50重
量%以下)でアルキル(メタ)アクリレート類、シリコ
ーン(メタ)アクリレート類、有機酸ヒニル類、スチレ
ン化合物類、アリル化合物類などを共用してもよい。
これらのなかでは、酸素透過性、強度、水濡れ性及び
耐汚染性の観点から炭素数4〜19のアルキル(メタ)ア
クリレート類が好ましく使用される。
これらのアルキル(メタ)アクリレート類の例として
は、例えば、メチルメタクリレート、メチルアクリレー
ト、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、イソ
プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、
t−ブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、
イソブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、
t−アミルメタクリレート、t−アミルアクリレート、
2−エチルヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ラウリルア
クリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘ
キシルアクリレートなどが挙げられる。これらの中でも
炭素数が4から10のメチルメタクリレートやシクロヘキ
シルメタクリレートなどが好ましい。またこれらの化合
物は1種を使用してもよいし、2種以上を混合して使用
してもよい。
また式(I′)で示される単量体とフッ素を含有する
単量体との混合物に、必要に応じて色素を添加し、公知
の重合方法により共重合体とすることもできる。
重合方法として、重合触媒を用いる場合には例えば、
ベンゾイルパーオキサイド、2,2′−アゾビスイソブチ
ロニトリル、2,2′−アゾビスメチルイソブチレート、
2,2′−アゾビスジメチルバレロニトリルなどの触媒が
使用できる。重合触媒の添加割合は全混合物に対して0.
01〜5重量%が好ましい。
これ以外に光重合、放射線重合などの重合方法を採用
してもよい。
コンタクトレンズを得るには上記重合体から切削、研
磨することによりレンズを製作してもよいし、モールド
の中で上記単量体の混合物を直接重合することによりレ
ンズを製作してもよい。これらの方法により高度な酸素
透過性を持ち十分な水濡れ性を有しかつ脂質などにより
汚染されにくい酸素透過性硬質コンタクトレンズを得る
ことができる。
[実施例] 次に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発
明はこれらにより何ら制限されるものではない。
実施例中、「部」はすべて重量部を表わし、各物性の
測定は下記の要領で測定した。
酸素透過係数:理化精機工業(株)製の製科研式フイル
ム酸素透過率計 ビッカース硬度:(株)明石製作所製の微小硬度計(型
式MVK−F) 接触角:エルマ光学(株)製のゴニオメーター式接触角
測定器(G−1型) 接触角の数値は水濡れ性の尺度であり、数値の小さいほ
うが水濡れ性が良好であることを示す。
耐汚染性:共重合体から採取した直径13mm、厚さ1ミリ
の試験片を、0.1重量%のリゾチーム(和光純薬製、鶏
卵白)を含有する生理食塩水に室温で48日間浸漬し、そ
の後取り出して風乾した。該試験片の浸漬前後の可視光
線(波長400nm)の透過率を日立製作所製ダブルビーム
分光光度計228A型で測定した。透過率の減少率の低いも
のほど汚染されにくいことを示す。
参考例1 3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピル
アミンの合成 1000mlの三角フラスコに市販の3−アミノプロピルト
リエトキシシラン(信越化学工業(株)製、LS3150)2
5.0gとメトキシトリメチルシラン(信越化学工業(株)
製、LS510)71.0gを蒸留水500g中に加えて室温でマグネ
チックスターラーで16時間攪拌した。静置後、上層を分
液し、下層のエチルエーテル抽出液とあわせ、50℃でロ
ータリーエバポレーターによりエチルエーテルを蒸発さ
せた。残液を真空蒸留し、107℃/2mmHgの留分18.3gを得
た。
得られた留分は低粘度の無色透明な液体でガスクロマ
トグラフィー(FID検出器、シリコンSE−30カラム、3mm
φ×3m、カラム温度70℃→200℃、昇温5℃/分)で定
量分析を行なったところ97.5重量%が単一の成分であっ
た。また、ガスクロー質量分析の結果、m/e=353に親ピ
ークがあり、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリ
ル]プロピルアミンであることが確認された。
N−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピル
メタクリルアミドの合成 上記で得た3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリ
ル]プロピルアミン36.6gをエチルエーテル200mlに溶解
し、これにピリジン9.5gを加えた後、氷浴で0〜5℃に
冷却した。別にメタクリル酸クロライド12.6gをエチル
エーテル30mlに溶解したメタクリル酸クロライド溶液を
分液ロートにとり、約1時間で滴下した。その後そのま
ま16時間攪拌を続けた。この反応混合物に水200mlを加
えて攪拌後、上層を分液した。この上層は、下層をエチ
ルエーテル抽出液で抽出した液と合一し、加熱によりエ
チルエーテルを除去した。残液をさらに真空蒸留し、16
5℃/2mmHgの留分36.6gを得た。
この物質は粘稠な無色透明の固体であった。前述のガ
スクロマトグラフィーで定量分析を行なったところ98.8
重量%が単一の成分であった。さらにこの物質のガスク
ロー質量分析法による解析でm/e=421に親ピークが確認
された。またこの物質の赤外線吸収スペクトルおよびガ
スクロマトグラムはそれぞれ第1図および第2図のよう
であった。赤外線吸収スペクトルは二重結合の吸収であ
る1660cm-1と1620cm-1に、Si−O−Si結合の吸収である
1050cm-1に、メチル基の吸収である2950cm-1に、S−CH
3の結合の吸収である1250cm-1および840cm-1にそれぞれ
ピークをもつものであった。
これらのことからこの物質はN−[トリス(トリメチ
ルシロキシ)シリル]プロピルメタクリルアミドである
ことが確認された。
参考例2 N−メチル−3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリ
ル]プロピルアミンの合成 1000mlの三角フラスコに市販の3−(N−メチル)ア
ミノプロピルトリメトキシシラン(チッソ(株)製、M8
620)25.0gとメトキシトリメチルシラン(信越化学工業
(株)製、LS510)81.0gを蒸留水500g中に加えて室温で
マグネチックスターラーで16時間攪拌した。静置後、上
層を分液し、下層のエチルエーテル抽出液とあわせ、50
℃でロータリーエバポレーターによりエチルエーテルを
蒸発させた。残液を真空蒸留し、101℃/3mmHgの留分15.
0gを得た。
得られた留分は低粘度の無色透明な液体でガスクロマ
トグラフィー(FID検出器、シリコンSE−30カラム、3mm
φ×3m、カラム温度70℃→200℃、昇温5℃/分)で定
量分析を行なったところ98.1重量%が単一の成分であっ
た。また、ガスクロー質量分析の結果、m/e=367に親ピ
ークがあり、N−メチル−3−[トリス(トリメチルシ
ロキシ)シリル]プロピルアミンであることが確認され
た。
N−メチル−N−[トリス(トリメチルシロキシ)シリ
ル]プロピルメタクリルアミドの合成 上記で得たN−メチル−3−[トリス(トリメチルシ
ロキシ)シリル]プロピルアミン32.6gをエチルエーテ
ル200mlに溶解し、これにピリジン11gを加えた後、氷浴
で0〜5℃に冷却した。別にメタクリル酸クロライド1
4.5gをエチルエーテル45mlに溶解したメタクリル酸クロ
ライド溶液を分液ロートにとり、約1時間で滴下した。
その後そのまま16時間攪拌を続けた。この反応混合物に
水200mlを加えて攪拌後、上層を分液した。この上層
は、下層のエチルエーテル抽出液と合一して加熱により
エチルエーテルを除去した。残液をさらに真空蒸留し、
155℃/3mmHgの留分33.0gを得た。
この物質は粘稠な無色透明の液体で屈折率は20℃にお
いて1.435であった。また、前述のガスクロマトグラフ
ィーで定量分析を行なったところ98.5重量%が単一の成
分であった。さらにこの物質のガスクロー質量分析法に
よる解析でm/e=435に親ピークが確認された。この物質
の赤外線吸収スペクトルおよびガスクロマトグラムはそ
れぞれ第3図および第4図のようであった。赤外線吸収
スペクトルは二重結合の吸収である1640cm-1に、Si−O
−Si結合の吸収である1060cm-1に、メチル基の吸収であ
る2950cm-1および1400cm-1に、Si−CH3の結合の吸収で
ある1250cm-1および840cm-1にそれぞれピークをもつも
のであった。
またこの物質の元素分析値はつぎのとおりであった。
C17H41O4NSi4 理論値(%) 実測値(%) C 46.8 46.7 H 9.5 9.6 N 3.2 3.2 実施例1 参考例1で得られた、N−[トリス(トリメチルシロ
キシ)シリル]プロピルメタクリルアミド30部、メチル
メタクリレート10部、2,2,2−トリフルオロエチルメタ
クリレート50部およびエチレングリコールジメタクリレ
ート10部を混合し、これに重合触媒として2,2′−アゾ
ビスジメチルバレロニトリル0.15部を加えた。この混合
物を20mlのポリプロピレン製試験管にとり、気相部の窒
素置換を行なった後、密栓した。
これを循環式恒温水槽に入れ、35℃で65時間、40℃で
24時間、50℃で5時間重合を行なった。更にこの試験管
を循環式乾燥器に移して80℃で2時間、100℃で1時
間、最後に110℃で1時間の加熱重合を行なった。
得られた重合体は無色透明であった。この重合体から
切削・研磨により硬質コンタクトレンズが得られた。
本重合体の物性値を第1表に示す。
実施例2 参考例2で得られたN−メチル−N−[トリス(トリ
メチルシロキシ)シリル]プロピルメタクリルアミド30
部、メチルメタクリレート10部、2,2,2−トリフルオロ
エチルメタクリレート50部およびエチレングリコールジ
メタクリレート10部とを混合し、これに重合触媒として
の2,2′−アゾビスジメチルバレロニトリル0.2部を加え
てポリプロピレン製試験管に入れ、窒素置換した。この
試験管を、40℃に64時間、続いて50℃に5時間、80℃に
2時間、100℃に1時間、120℃に1時間加熱して重合さ
せた。研磨法により、硬質コンタクトレンズを得た。こ
の重合体の物性は第1表のようである。
実施例3〜13 第1表の組成の混合液を調製し、実施例1と同様の重
合操作により重合体を得た。この重合体の物性は第1表
のようであった。
実施例14 参考例1のN−[トリス(トリメチルシロキシ)シリ
ル]プロピルメタクリルアミドの合成の際の真空蒸留の
釜残液(1分子中にメタクリルアミド基を2個以上含有
する化合物)をシリコーンモノマーとして、第1表の組
成で実施例1と同様の重合操作により重合体を得た。こ
の重合体の物性は第1表のようであった。
比較例1 3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロ
キシ)シラン30部、メチルメタクリレート10部、2,2,2
−トリフルオロエチルメタクリレート50部およびエチレ
ングリコールジメタクリレート10部とを混合し、実施例
1と同様に操作した。これにより得られた重合体は第1
表のようである。
実施例15−23 第2表の組成の混合液を調製し、実施例1と同様の重
合操作により共重合体を得た。この共重合体より切削・
研磨法により、ベースカーブ7.50mm、直径8.8mm、パワ
ー−3.00の硬質コンタクトレンズを作製した。このレン
ズを島津製オートグラフAGS−50Aを用いてレンズの直径
方向から200mm/分の速度で破壊するまで圧縮する試験を
行った。その結果を第2表に示した。
以上の例から本発明の硬質コンタクトレンズは酸素透
過性、水濡れ性、耐汚染性及び機械強度において優れて
いることが明らかである。
[発明の効果] 本発明の硬質コンタクトレンズは本質的にシロキサニ
ルアミド単位とフッ素単量体単位からなる共重合体から
成っている。本発明により、酸素透過性、水濡れ性、機
械的強度さらにはタンパク質や脂質等に対する耐汚染
性、透明性等に優れた硬質コンタクトレンズを提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の参考例1で調製したN−[トリス(ト
リメチルシロキシ)シリル]プロピルメタクリルアミド
の赤外吸収スペクトルであり、第2図はそのガスクロマ
トグラムである。 第3図は本発明の参考例2で調製したN−メチル−N−
[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルメタ
クリルアミドの赤外吸収スペクトルであり、第4図はそ
のガスクロマトグラムである。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I): [但し、R1はメチル基または水素原子を、R2は水素原子
    または炭素数1〜15の炭化水素基を表わし、nは1〜3
    の整数であり、X1,X2,X3はそれぞれ同一または異なっ
    て、メチル基、トリメチルシロキシ基、Si原子が数16個
    以下のオルガノシロキシ基またはZ基を表わし、Z基は
    式(II): (但し、R1、R2、nは上記に同じでX4,X5はそれぞれ同
    一または異なって、メチル基、トリメチルシロキシ基、
    Si原子数が16個以下のオルガノシロキシ基またはZ基で
    ある) で表わされる基である] で示されるシロキサニルアミド単位とフッ素を含有する
    単量体単位を必須構成成分とする共重合体からなる酸素
    透過性硬質コンタクトレンズ。
  2. 【請求項2】R1がメチル基である請求項1記載の酸素透
    過性硬質コンタクトレンズ。
  3. 【請求項3】R2が水素原子である請求項1または2記載
    の酸素透過性硬質コンタクトレンズ。
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