JP2531661B2 - 酸素運搬剤 - Google Patents
酸素運搬剤Info
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- JP2531661B2 JP2531661B2 JP62042331A JP4233187A JP2531661B2 JP 2531661 B2 JP2531661 B2 JP 2531661B2 JP 62042331 A JP62042331 A JP 62042331A JP 4233187 A JP4233187 A JP 4233187A JP 2531661 B2 JP2531661 B2 JP 2531661B2
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の技術分野 本発明は、ヘモグロビン−ポリオキシアルキレン結合
体を含有する癌患者の新規輸血用酸素運搬剤に関する。
体を含有する癌患者の新規輸血用酸素運搬剤に関する。
従来の技術 結腸癌及び乳癌根治手術において輸血例と非輸血例を
比較すると再発率及び生存率において輸血例の方が術後
の予後が不良であることが報告されている(八木田ら
「医学のあゆみ.139巻、第2号、119頁、1986年)。
比較すると再発率及び生存率において輸血例の方が術後
の予後が不良であることが報告されている(八木田ら
「医学のあゆみ.139巻、第2号、119頁、1986年)。
発明が解決しようとする問題点 癌根治手術において、手術時に500〜600ml以上の出血
を供うときは、低酸素状態を改善するために輸血が必要
であり、従って前記従来品とは異なった、術後の予後が
良好である輸液の開発が望まれている。
を供うときは、低酸素状態を改善するために輸血が必要
であり、従って前記従来品とは異なった、術後の予後が
良好である輸液の開発が望まれている。
問題点を解決するための手段 本発明者は、前記問題点を解決すべく鋭意検討した結
果ヘモグロビン−ポリアルキレン結合体を赤血球代替物
として使用することにより、輸血群に比較し注入後の癌
増殖作用が抑えられることを見出し、この発見に基いて
本発明を完成するに至った。
果ヘモグロビン−ポリアルキレン結合体を赤血球代替物
として使用することにより、輸血群に比較し注入後の癌
増殖作用が抑えられることを見出し、この発見に基いて
本発明を完成するに至った。
本発明では、使用するヘモグロビン−ポリオキシアル
キレン結合体例えばポリオキシアキレン末端とヘモグロ
ビンのアミノ基との結合部分が下記の構造式よりなるヘ
モグロビン−ポリオキシアルキレン結合体を使用するの
が好ましい。
キレン結合体例えばポリオキシアキレン末端とヘモグロ
ビンのアミノ基との結合部分が下記の構造式よりなるヘ
モグロビン−ポリオキシアルキレン結合体を使用するの
が好ましい。
-CH2-O-(CH2)n-CONH-Hb (式中、Hbはヘモグロビンを表わし、n=1〜7であ
る。) ポリオキシアルキレンは、例えばポリオキシエチレン
(エチレンオキサイドの重合体でポリエチレングリコー
ルともいう。)、ポリオキシプロピレンあるいはエチレ
ンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体等水
溶性の高い重合物であり、その分子量は300〜20,000、
製造される結合体の粘土等の観点から好ましくは750〜1
0,000、特に好ましくは1000〜6000、の範囲内にあるも
のである。
る。) ポリオキシアルキレンは、例えばポリオキシエチレン
(エチレンオキサイドの重合体でポリエチレングリコー
ルともいう。)、ポリオキシプロピレンあるいはエチレ
ンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体等水
溶性の高い重合物であり、その分子量は300〜20,000、
製造される結合体の粘土等の観点から好ましくは750〜1
0,000、特に好ましくは1000〜6000、の範囲内にあるも
のである。
ポリオキシアルキレンの末端とカルボキシル基部分と
の間の結合にはエステル結合、アミド結合、エーテル結
合等が考えられる。これらの結合のうちで特にエーテル
結合が有効でる。従って、本発明に使用するヘモグロビ
ン−ポリオキシアルキレン結合体の調製に使用されるポ
リオキシアルキレンはヘモグロビンを結合させる末端が
-0-(CH2)n-COOHに変換されているものが好ましい。nは
1〜10程度であり、1〜7程度、特に1〜3程度のもの
が選択されることが多い。
の間の結合にはエステル結合、アミド結合、エーテル結
合等が考えられる。これらの結合のうちで特にエーテル
結合が有効でる。従って、本発明に使用するヘモグロビ
ン−ポリオキシアルキレン結合体の調製に使用されるポ
リオキシアルキレンはヘモグロビンを結合させる末端が
-0-(CH2)n-COOHに変換されているものが好ましい。nは
1〜10程度であり、1〜7程度、特に1〜3程度のもの
が選択されることが多い。
ポリオキシアルキレンの末端をこのような形に変換す
る方法としては、白金、パラジウムの炭素担持触媒を用
いて末端炭素を酸化する方法、活性化二酸化マンガンで
末端のオキシメチル基を酸化してアルデヒドに変え、過
酸化水素でさらに酸化してカルボン酸にする方法、塩基
の存在下でポリオキシアルキレンにハロゲン化脂肪酸を
反応させる方法、ジアゾ基を有する脂肪酸とポリオキシ
アルキレンを反応させる方法などを利用すればよい。
る方法としては、白金、パラジウムの炭素担持触媒を用
いて末端炭素を酸化する方法、活性化二酸化マンガンで
末端のオキシメチル基を酸化してアルデヒドに変え、過
酸化水素でさらに酸化してカルボン酸にする方法、塩基
の存在下でポリオキシアルキレンにハロゲン化脂肪酸を
反応させる方法、ジアゾ基を有する脂肪酸とポリオキシ
アルキレンを反応させる方法などを利用すればよい。
このようにカルボキシル基を付与されたポリオキシア
ルキレンとヘモグロビンの反応に際して、例えばN−ヒ
ドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシフタル酸イミ
ド、p−ニトロフェノール、ペンタクロロフェノール等
通常のペプチド合成におけるカルボン酸活性化剤により
活性エステルとし、これとヘモグロビンと反応させてア
ミド交換することもできるし、塩化チオニル等ハロゲン
化剤を作用させてポリオキシアルキレンの酸ハロゲン化
物とし、これとヘモグロビンとを反応させることもでき
る。
ルキレンとヘモグロビンの反応に際して、例えばN−ヒ
ドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシフタル酸イミ
ド、p−ニトロフェノール、ペンタクロロフェノール等
通常のペプチド合成におけるカルボン酸活性化剤により
活性エステルとし、これとヘモグロビンと反応させてア
ミド交換することもできるし、塩化チオニル等ハロゲン
化剤を作用させてポリオキシアルキレンの酸ハロゲン化
物とし、これとヘモグロビンとを反応させることもでき
る。
本発明に使用するヘモグロビンは、ヒト、ウシ、ブ
タ、ヒツジ、ウマ、イヌ、サル、ウサギ、ニワトリ等ヘ
モグロビンを有する動物由来のものであればよい。本明
細書でいうヘモグロビンとは、いわゆる異常ヘモグロビ
ン(K.Imai,Alloaterle Effects in Haemoglobin,Cambr
idge University Press,1980参照)あるいはピリドキサ
ール−リン酸例えば、ピリドキサール−5′−リン酸、
2−ノル−2−ホルミルピリドキサール−5′−リン
酸、ピリドキサール−硫酸、例えばピリドキサール−
5′−硫酸、グリセリンリン酸類、例えばグリセリン−
2,3−ジリン酸、糖リン酸、例えばグリコース−6−リ
ン酸、アデノシン−5′−リン酸等のヘモグロビンの誘
導体であってもよい。
タ、ヒツジ、ウマ、イヌ、サル、ウサギ、ニワトリ等ヘ
モグロビンを有する動物由来のものであればよい。本明
細書でいうヘモグロビンとは、いわゆる異常ヘモグロビ
ン(K.Imai,Alloaterle Effects in Haemoglobin,Cambr
idge University Press,1980参照)あるいはピリドキサ
ール−リン酸例えば、ピリドキサール−5′−リン酸、
2−ノル−2−ホルミルピリドキサール−5′−リン
酸、ピリドキサール−硫酸、例えばピリドキサール−
5′−硫酸、グリセリンリン酸類、例えばグリセリン−
2,3−ジリン酸、糖リン酸、例えばグリコース−6−リ
ン酸、アデノシン−5′−リン酸等のヘモグロビンの誘
導体であってもよい。
ヘモグロビンの反応時の濃度は、0.5〜20%(重量)
程度、好ましくは0.5〜10%(重量)程度である。しか
しながら、アミノ酸等が共存せずヘモグロビン濃度が4
%を越えた場合には、架橋反応が進んで高分子化しゲル
化しやすくなるので反応の管理に注意を要する。一方、
ヘモグロビンが低濃度になると反応容器が大型化すると
ともに反応後に濃縮が必要になるので好ましくない。
程度、好ましくは0.5〜10%(重量)程度である。しか
しながら、アミノ酸等が共存せずヘモグロビン濃度が4
%を越えた場合には、架橋反応が進んで高分子化しゲル
化しやすくなるので反応の管理に注意を要する。一方、
ヘモグロビンが低濃度になると反応容器が大型化すると
ともに反応後に濃縮が必要になるので好ましくない。
ポリオキシアルキレンの使用量は、ヘモグロビン1モ
ルに対して1〜50モル程度、好ましくは2〜10モル程度
である。
ルに対して1〜50モル程度、好ましくは2〜10モル程度
である。
ポリオキシアルキレンとヘモグロビンとの結合反応に
おいてアミノ酸又はアミンを共存させることにより、生
成するヘモグロビン−ポリオキシアルキレン結合体の分
子量をコントロールすることができる。これはポリオキ
シアルキレンの活性化されたカルボキシル基の一部にア
ミノ酸又はアミンを結合させてヘモグロビンへの結合を
阻止することによる。この方法により、ヘモグロビンを
希薄溶液としなくとも好ましい結合体を得ることができ
る。
おいてアミノ酸又はアミンを共存させることにより、生
成するヘモグロビン−ポリオキシアルキレン結合体の分
子量をコントロールすることができる。これはポリオキ
シアルキレンの活性化されたカルボキシル基の一部にア
ミノ酸又はアミンを結合させてヘモグロビンへの結合を
阻止することによる。この方法により、ヘモグロビンを
希薄溶液としなくとも好ましい結合体を得ることができ
る。
反応時に存在せしめるアミノ酸は、例えば蛋白質の構
成アミノ酸を使用すればよく、リジン、アルギニン、ヒ
スチジン等の塩基性アミノ酸、グリシン、フェニルアラ
ニン等の中性アミノ酸、グリタミン酸、アスパラギン酸
等の酸性アミノ酸が例示される、一方、アミンはアンモ
ニア、脂肪族アミン、芳香族アミンのいずれでもよい
が、本物質が血流内に投与される関係から安全性の高い
ものが好ましい。アミノ酸およびアミンは1種であって
もよく、2種以上であってもよい。アミノ酸又はアミン
のアミノ基が第3級である場合には活性エステルの分解
を触媒することによりヘモグロビンと結合していないポ
リオキシアルキレンの末端は-O-(CH2)n-COOHの形をと
る。一方、第1級又は第2級の場合には末端が-O-(CH2)
n-CONHRとなりRの種類によってヘモグロビン表面の電
荷や疎水性を替えることができる。これによって本発明
の結合体を代用血液に用いた場合に生体内の血液との混
合によって接する赤血球、白血球、血漿タンパク等との
相互作用を変えて免疫的認識等を好ましい方向に変える
ことができる。アミノ酸の使用量はヘモグロビン1モル
に対し1〜100モル程度、好ましくは5〜20モル程度で
ある。
成アミノ酸を使用すればよく、リジン、アルギニン、ヒ
スチジン等の塩基性アミノ酸、グリシン、フェニルアラ
ニン等の中性アミノ酸、グリタミン酸、アスパラギン酸
等の酸性アミノ酸が例示される、一方、アミンはアンモ
ニア、脂肪族アミン、芳香族アミンのいずれでもよい
が、本物質が血流内に投与される関係から安全性の高い
ものが好ましい。アミノ酸およびアミンは1種であって
もよく、2種以上であってもよい。アミノ酸又はアミン
のアミノ基が第3級である場合には活性エステルの分解
を触媒することによりヘモグロビンと結合していないポ
リオキシアルキレンの末端は-O-(CH2)n-COOHの形をと
る。一方、第1級又は第2級の場合には末端が-O-(CH2)
n-CONHRとなりRの種類によってヘモグロビン表面の電
荷や疎水性を替えることができる。これによって本発明
の結合体を代用血液に用いた場合に生体内の血液との混
合によって接する赤血球、白血球、血漿タンパク等との
相互作用を変えて免疫的認識等を好ましい方向に変える
ことができる。アミノ酸の使用量はヘモグロビン1モル
に対し1〜100モル程度、好ましくは5〜20モル程度で
ある。
ヘモグロビンとポリオキシアルキレンとを結合させる
反応時に、酸素不存在か酸素低濃度とするのが好まし
い、酸素分圧として0〜3mmHg程度を選択すればよい。
上記酸素濃度以外の反応条件は、ヘモグロビンの変性を
伴わない条件であればいずれであってもよい。
反応時に、酸素不存在か酸素低濃度とするのが好まし
い、酸素分圧として0〜3mmHg程度を選択すればよい。
上記酸素濃度以外の反応条件は、ヘモグロビンの変性を
伴わない条件であればいずれであってもよい。
酸素の濃度を低下させるには、窒素、アルゴン、ヘリ
ウム等の不活性ガスで反応容器中の空気を置換する方
法、容器中の酸素を還元剤(NaBH4、Na2S2O等)によっ
て還元し除去する方法、ポンプ等で脱ガスしアルゴン等
の不活性ガスで置換する方法等、公知の方法を採用する
ことができる。
ウム等の不活性ガスで反応容器中の空気を置換する方
法、容器中の酸素を還元剤(NaBH4、Na2S2O等)によっ
て還元し除去する方法、ポンプ等で脱ガスしアルゴン等
の不活性ガスで置換する方法等、公知の方法を採用する
ことができる。
このようにして得られたヘモグロビン−ポリアルキレ
ン結合体は通常は凍結乾燥して製剤化する。
ン結合体は通常は凍結乾燥して製剤化する。
従来、代用血液として使用する修飾ヘモグロビンの凍
結乾燥製剤の調製に際しては、いわゆる安定化剤を添加
することによりメトヘモグロビンの生成や不溶物の生成
を防止することが知られており、この安定化剤として、
例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸
第一鉄等の抗酸化剤、EDTA等のアミンおよびその塩が提
案されている。しかし、無機抗酸化剤は人体に有害であ
り不溶物の生成量が多く、また、EDTAは長期保存時の安
定性が悪く、何れもメトヘモグロビンの発生を効率よく
防止することが困難である等の問題があった。
結乾燥製剤の調製に際しては、いわゆる安定化剤を添加
することによりメトヘモグロビンの生成や不溶物の生成
を防止することが知られており、この安定化剤として、
例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸
第一鉄等の抗酸化剤、EDTA等のアミンおよびその塩が提
案されている。しかし、無機抗酸化剤は人体に有害であ
り不溶物の生成量が多く、また、EDTAは長期保存時の安
定性が悪く、何れもメトヘモグロビンの発生を効率よく
防止することが困難である等の問題があった。
長期保存安定性の上では凍結乾燥製剤の形で使用さ
れ、ヘモグロビン−ポリオキシアルキレン結合体の凍結
乾燥製剤を調製するには、該結合体水溶液にマルトー
ス、マンニトール及び/またはグルコースの水溶液を添
加して、常法により凍結乾燥することにより達成でき
る。結合体に対するマルトース及び/またはグルコース
の混合割合は、結合体1に対し重量比で0.1〜2.0とする
のが適当である。例えば、2〜20w/v%の結合体水溶液
にマルトースを結合体に対して0.1〜2.0倍量、保存安定
性のうえから好ましくは0.5〜1.2倍量となるようにマル
トース水溶液を加えて混合した後、−35℃〜−50℃、20
〜60分で凍結し、減圧下棚温10〜50℃で5〜70時間乾燥
することにより凍結乾燥製剤を得ることができる。さら
に、保存安定性のうえから、とくにヒスチジン、グルタ
ミン、トリプトファンなどのアミノ酸をマルトースやグ
ルコースに比べて少量でよく、結合体1に対し重量比で
0.1〜1とするのが適当である。
れ、ヘモグロビン−ポリオキシアルキレン結合体の凍結
乾燥製剤を調製するには、該結合体水溶液にマルトー
ス、マンニトール及び/またはグルコースの水溶液を添
加して、常法により凍結乾燥することにより達成でき
る。結合体に対するマルトース及び/またはグルコース
の混合割合は、結合体1に対し重量比で0.1〜2.0とする
のが適当である。例えば、2〜20w/v%の結合体水溶液
にマルトースを結合体に対して0.1〜2.0倍量、保存安定
性のうえから好ましくは0.5〜1.2倍量となるようにマル
トース水溶液を加えて混合した後、−35℃〜−50℃、20
〜60分で凍結し、減圧下棚温10〜50℃で5〜70時間乾燥
することにより凍結乾燥製剤を得ることができる。さら
に、保存安定性のうえから、とくにヒスチジン、グルタ
ミン、トリプトファンなどのアミノ酸をマルトースやグ
ルコースに比べて少量でよく、結合体1に対し重量比で
0.1〜1とするのが適当である。
結合体水溶液とマルトース溶液の混合及び凍結乾燥
は、従来公知の安定化剤を微量添加するようにしてもよ
く、晶質浸透圧調整のための塩類(NaCl,KCl,CaCl2,AcO
NA等)を添加することにより凍結乾燥品の安定性はさら
に高まる。
は、従来公知の安定化剤を微量添加するようにしてもよ
く、晶質浸透圧調整のための塩類(NaCl,KCl,CaCl2,AcO
NA等)を添加することにより凍結乾燥品の安定性はさら
に高まる。
実施例 以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
実施例 ヘモグロビン−ポリオキシアルキレン結合体凍結乾
燥製剤の調製 特開昭53-141219号公報(川研ファインケミカル
(株))に述べられている方法で調製した白金パラジウ
ム炭素触媒20gと市販のポリエチレングリコール(日本
油脂(株),日本)(マクロゴール4000)200gを含む水
溶液500mlを1.5lオートクレーブ中に入れ、加圧空気を
導入して圧力を10kg/cm2とし、90℃で10時間反応させ
た。反応生成物は濾過により触媒を除去したのち、活性
炭で処理し、さらに水から再結晶し180gの両末端にカル
ボキシル基を有するポリエチレングリコールの酸誘導体
をえた。
燥製剤の調製 特開昭53-141219号公報(川研ファインケミカル
(株))に述べられている方法で調製した白金パラジウ
ム炭素触媒20gと市販のポリエチレングリコール(日本
油脂(株),日本)(マクロゴール4000)200gを含む水
溶液500mlを1.5lオートクレーブ中に入れ、加圧空気を
導入して圧力を10kg/cm2とし、90℃で10時間反応させ
た。反応生成物は濾過により触媒を除去したのち、活性
炭で処理し、さらに水から再結晶し180gの両末端にカル
ボキシル基を有するポリエチレングリコールの酸誘導体
をえた。
この分子量約4000のポリエチレングリコール酸20g
(5ミリモル)、N−ヒドロキシコハク酸イミド4gをジ
シクロヘキシルカルボジイミド(DCC)7gをジメチルホ
ルムアミド100mlに溶かし一夜攪拌した。生成した結晶
のジシクロヘキシル尿素を分離したのち、エチルエーテ
ル400mlを加えてポリエチレングリコールの活性化エス
テル17gを沈澱させ、濾別後更にエーテルで洗浄した。
一方、ヒトヘモグロビンは、期限切れ輸血用血液より得
られた赤血球50mlを0.9%1N水酸ナトリウム溶液を加えp
H7.8にした後更に30反応させた。
(5ミリモル)、N−ヒドロキシコハク酸イミド4gをジ
シクロヘキシルカルボジイミド(DCC)7gをジメチルホ
ルムアミド100mlに溶かし一夜攪拌した。生成した結晶
のジシクロヘキシル尿素を分離したのち、エチルエーテ
ル400mlを加えてポリエチレングリコールの活性化エス
テル17gを沈澱させ、濾別後更にエーテルで洗浄した。
一方、ヒトヘモグロビンは、期限切れ輸血用血液より得
られた赤血球50mlを0.9%1N水酸ナトリウム溶液を加えp
H7.8にした後更に30反応させた。
反応液は分子量分画3万の限外濾過膜YM30(Amicon
社,米国)により限外濾過をくり返し、未反応のポリエ
チレングリコールの濃度が100ppm以下にした。
社,米国)により限外濾過をくり返し、未反応のポリエ
チレングリコールの濃度が100ppm以下にした。
ゲルタイプの充填カラムを用いた高速液体クロマトグ
ラフィーから生成物の分子量は約9.8万ダルトンと推定
された。なおポリエチレングリコールのヘモグロビンと
結合していない方の末端にはグリシンが結合している。
ラフィーから生成物の分子量は約9.8万ダルトンと推定
された。なおポリエチレングリコールのヘモグロビンと
結合していない方の末端にはグリシンが結合している。
かくして得られた6.0%の修飾ヘモグロビン溶液に塩
類およびマルトースを表1のような組成になるように添
加した修飾ヘモグロビン溶液を調製し常法通り棚温で20
℃で18時間凍結乾燥し、製剤とした。表1 安定化ヘモグロビンの組成 濃度 ヘモグロビン 6〜6.5g/dl メトヘモグロビン 〜300mg/dl Na+ 126mEg/l K+ 4mEg/l Cl- 90mEg/l CH3COO- 20mEg/l マルトース 6g/dl ヘモグロビン−ポリオキシアルキレン結合体の腫瘍
増殖抑制効果 腫瘍に対する輸血の影響と本発明からなるヘモグロビ
ン−ポリオキシアルキレン結合体の効果を比較検討し
た。本発明ではヘモグロビン−ポリオキシアルキレン結
合体として上記に示した方法で調製した凍結乾燥製剤
(以下安定化ヘモグロビンと呼ぶ)を使用した。
類およびマルトースを表1のような組成になるように添
加した修飾ヘモグロビン溶液を調製し常法通り棚温で20
℃で18時間凍結乾燥し、製剤とした。表1 安定化ヘモグロビンの組成 濃度 ヘモグロビン 6〜6.5g/dl メトヘモグロビン 〜300mg/dl Na+ 126mEg/l K+ 4mEg/l Cl- 90mEg/l CH3COO- 20mEg/l マルトース 6g/dl ヘモグロビン−ポリオキシアルキレン結合体の腫瘍
増殖抑制効果 腫瘍に対する輸血の影響と本発明からなるヘモグロビ
ン−ポリオキシアルキレン結合体の効果を比較検討し
た。本発明ではヘモグロビン−ポリオキシアルキレン結
合体として上記に示した方法で調製した凍結乾燥製剤
(以下安定化ヘモグロビンと呼ぶ)を使用した。
実験系は以下の様に実施した。輸血又は本発明製剤の
投与は、腫瘍移植3日前、同時及び3日後の計3回施行
し、腫瘍移植15日における腫瘍の面積を測定し、その効
果を比較検討した。
投与は、腫瘍移植3日前、同時及び3日後の計3回施行
し、腫瘍移植15日における腫瘍の面積を測定し、その効
果を比較検討した。
使用したマウス C3H 輸血用血液 ICRの尾静脈より採血 したヘパリン加静脈血 使用した腫瘍細胞 MH134 移植部位 背部皮下に1×106個を移植 輸血部位 尾静脈より0.1ml輸血 非輸血群 生理食塩水及び安定化ヘ モグロビンを使用 この結果、以下の表のように、安定化ヘモグロビン投
与群は、輸血群に比べ有意に増殖を抑制しており、輸血
による弊害を取り除きうる手段であることを示した。
与群は、輸血群に比べ有意に増殖を抑制しており、輸血
による弊害を取り除きうる手段であることを示した。
表2 輸血群 (N=8) 41.3±19.2mm2 非輸血群 (N=8) 21.9± 8.7mm2 生理食塩水 (N=3) 31.0± 5.1mm2 安定化ヘモグロビン (N=8) 29.3±11.2mm2 発明の効果 以上から明らかな如く、本発明の酸素運搬剤は癌患者
の輸血用代用血液として使用されても術後の予後の点で
従来の輸血群に比べ格段に改善されており、故に、本発
明は産業上極めて有用である。
の輸血用代用血液として使用されても術後の予後の点で
従来の輸血群に比べ格段に改善されており、故に、本発
明は産業上極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩崎 敬治 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味 の素株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 平7−48273(JP,A) 特公 平6−76333(JP,B2)
Claims (8)
- 【請求項1】ヘモグロビン−ポリオキシアルキレン結合
体を含有する癌患者の輸血用酸素運搬剤。 - 【請求項2】ヘモグロビン−ポリオキシアルキレン結合
体のポリオキシアルキレン末端とヘモグロビンのアミノ
基との結合部分が構造式 :-CH2-O-(CH2)n-CONH-Hb (式中、Hbはヘモグロビンを表わし、n=1〜7であ
る。)で示されるものである特許請求の範囲第1項記載
の運搬剤。 - 【請求項3】ヘモグロビンが結合されていないポリオキ
シアルキレン末端のうち少なくとも50%にアミノ酸がア
ミド結合されている特許請求の範囲第1項記載の酸素運
搬剤。 - 【請求項4】アミノ酸が蛋白質の構成アミノ酸のいずれ
かである特許請求の範囲第3項記載の酸素運搬剤。 - 【請求項5】ポリオキシアルキレンがポリオキシエチレ
ン、ポリオキシプロピレン又はエチレンオキサイドとプ
ロピレンオキサイドの共重合体のいずれかである特許請
求の範囲第1項記載の酸素運搬剤。 - 【請求項6】ポリオキシアルキレンの分子量が1000〜60
00の範囲内にある特許請求の範囲第1項記載の酸素運搬
剤。 - 【請求項7】マルトースを含有する凍結乾燥された特許
請求の範囲第1項記載の酸素運搬剤。 - 【請求項8】ヘモグロビン−ポリオキシアルキレン結合
体1に対してマルトースを重量比で0.1〜2.0含有する特
許請求の範囲第7項記載の酸素運搬剤。
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JP62042331A JP2531661B2 (ja) | 1987-02-25 | 1987-02-25 | 酸素運搬剤 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP62042331A JP2531661B2 (ja) | 1987-02-25 | 1987-02-25 | 酸素運搬剤 |
Publications (2)
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JPS63208523A JPS63208523A (ja) | 1988-08-30 |
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Family
ID=12633024
Family Applications (1)
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JP62042331A Expired - Lifetime JP2531661B2 (ja) | 1987-02-25 | 1987-02-25 | 酸素運搬剤 |
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- 1987-02-25 JP JP62042331A patent/JP2531661B2/ja not_active Expired - Lifetime
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