JP2531540Y2 - リニアモータ式搬送設備の制動装置 - Google Patents

リニアモータ式搬送設備の制動装置

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JP2531540Y2 JP1990036367U JP3636790U JP2531540Y2 JP 2531540 Y2 JP2531540 Y2 JP 2531540Y2 JP 1990036367 U JP1990036367 U JP 1990036367U JP 3636790 U JP3636790 U JP 3636790U JP 2531540 Y2 JP2531540 Y2 JP 2531540Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、地上一次式リニアモータによって案内レー
ルに沿って走行される車体に制動作用する制動体が、制
動作用側に弾性付勢されて設けられると共に、前記制動
体を制動解除側に復帰操作する電動式操作装置が設けら
れたリニアモータ式搬送設備の制動装置に関する。
〔従来の技術〕
一般に、上記のリニアモータ式搬送設備においては、
設備費用を削減するために、一次コイルを一定間隔毎に
設置し、その間は車体を慣性によって走行させる方法を
採っている。
しかしながら、車体が走行中に停電した場合には、前
記一次コイルの励磁が遮断されるため、車体は慣性走行
の後、定まらない位置で停止することになる。そして一
次コイルが設置されていない所に停止した場合は、再通
電して一次コイルが励磁されても車体は駆動されず、人
力で車体を一次コイルが設置されている所まで移動させ
る等の処置が必要となる。
上述の不具合を解決するために、従来、軌道上の一次
コイル設置箇所に、停電時に制動側に働く制動装置を設
け、停電時慣性走行してきた車体を一次コイル上で停止
させるようにしている。その制動装置の一つとして、特
開昭59−72904号公報に記載されているものを第3図に
沿って簡単に説明する。
正常通電時は、電動式操作装置としてのソレノイド
(10)が励磁されており、一対のロッド(11)が、伸長
するように付勢するコイルバネ(12)を圧縮しながら、
ソレノイド(10)の内側へ引き込まれている。従って、
連結バー(13)はピン(14)を支点にして上方端部が広
がるようになり、それによって連結バー(13)の上端部
内側に取りつけられた制動体としてのブレーキシュー
(15)が、通過する車体(4)の側面と一定間隔を保持
するように支持されている。
停電が発生すると前記ソレノイドの励磁が遮断され、
コイルバネ(12)の付勢力によってロッド(11)は外側
へ動く。従って、連結バー(13)は上部が狭まり、それ
に伴ってブレーキシュー(15)が車体(4)を挟み付け
得るようになる。この結果、停電時慣性走行してきた車
体(4)は一次コイル(1)上に停止する。
〔考案が解決しようとする課題〕
上述の制動装置の場合、ブレーキシューを車体に押さ
え付け、その摩擦力で車体を停止させるのであるが、そ
の押圧はコイルバネの付勢力に比例する。従って、確実
に車体を停止させるためにはコイルバネの付勢力を十分
大きくする必要がある。故にソレノイドは大型で高出力
のものを必要とし、コスト高は避けられない。また正常
通電時にソレノイドを励磁しておくための電力消費も大
きい。
本考案は、上述の問題点に鑑みて為されたものであっ
て、小さな操作力を備える電動式操作装置を使用し、そ
れによって小さな消費電力で、正常通電時の制動解除を
保持しながらも、停電時には十分大きな制動力で車体を
停止させることのできるリニアモータ式搬送設備の制動
装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本考案のリニアモータ式搬送設備の制動装置は、地上
一次式リニアモータによって案内レールに沿って走行さ
れる車体に制動作用する制動体が、制動作用側に弾性付
勢されて設けられると共に、前記制動体を制動解除側に
復帰操作する電動式操作装置が設けられたものであっ
て、その特徴構成は、前記制動体を制動作用位置と制動
解除位置とに位置変更自在に支持するリンク機構が設け
られ、前記リンク機構は、前記電動式操作装置によって
制動作用姿勢と制動解除姿勢とに切り換えられ、且つ、
制動作用姿勢側に復帰付設されると共に、前記制動作用
姿勢においては、前記制動体を固定部に対して突張り支
持することによって、前記制動体が前記車体から受ける
反作用を支持するように構成され、前記制動体は、前記
リンク機構に制動解除側に後退変位自在に支持されると
共に、前記制動体を前記リンク機構に対して制動作用側
に弾性付勢する付勢手段が設けられている点にあり、そ
の作用及び効果は次の通りである。
〔作用〕
正常通電時には前記電動式操作装置が前記リンク機構
を付勢力に抗して制動解除姿勢に保持し、前記リンク機
構は前記制動体を制動解除位置に支持する。
停電が発生すると、前記電動式操作装置が前記リンク
機構の制動解除姿勢の保持を解除する。すなわち前記リ
ンク機構は制動作用姿勢に付勢力にて移行し、前記制動
体は制動作用位置に押し出される。この状態でも前記制
動体は制動解除側に後退自在であるが、車体を停止させ
るに十分な付勢力を有する付勢手段によって制動作用側
へ付勢されている。前記リンク機構は、前記制動体を固
定部に対して突張り支持することによって、制動体が車
体から受ける反作用を支持するので、前記反作用が前記
電動式操作装置には伝わらない。
〔考案の効果〕
従って、前記電動式操作装置による正常通電時の制動
解除姿勢の保持及び停電時の制動作用姿勢側への付勢復
帰を、前記制動体を制動作用側に付勢することとは無関
係にでき、しかも、リンク機構を制動作用姿勢側へ復帰
付勢する付勢力を小さくすることができるから、電動式
操作装置としては小さな操作力を備えたものを使用で
き、それに伴い電力消費も少なくなる。
従って、小さな操作力を有する電動式操作装置の使用
によって、小さな消費電力で、正常通電時の制動解除姿
勢を保持しながらも、停電時には十分大きな制動力で車
体を停止させることのできるリニアモータ式搬送設備の
制動装置を得るに至った。
〔実施例〕
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。
図中、第3図の従来例と同じ構成要素は同じ番号を付
している。
第1図(イ),(ロ)及び第2図(イ),(ロ)に示
すように、案内レール(3)に沿って走行自在な車体
(4)が設けられると共に、案内レール(3)に一次コ
イル(1)が設けられ、且つ、車体(4)に二次導体
(2)が設けられ、もって、リニアモータ式の搬送設備
が構成されている。尚、前記一次コイル(1)は適当間
隔を隔てて設置されている。
停電時において、車体(4)を一次コイル(1)の上
部に停止させる制動装置が設けられており、以下これに
ついて詳述する。
(5)は左右一対の制動体であり、車体(4)の横側
面に設けた被制動用部材(4a)に接触作用して車体
(4)を制動する。
(6)は電動式操作装置としての電磁式ロータリアク
チュエータである。正常時はこのロータリアクチュエー
タ(6)が励磁されて、第1図に示すように、一対のロ
ッド(11)が、外側へ押されている。一方停電が発生す
るとロータリアクチュエータ(6)の励磁が遮断され、
第2図に示すようにコイルバネ(6a)の付勢力によって
ロッド(11)は内側へ引き込まれる。このようなロッド
(11)の動きはピン(14)で枢支された連結バー(13)
を介してリンク機構(7)に伝えられる。
リンク機構(7)について説明すると、一対のアーム
(7a)が鉛直軸(7b)で枢支され、鉛直軸(7b)は、前
記連結バー(13)と水平軸(7c)で枢支されている。前
記アーム(7a)の両端には鉛直軸回りに遊転するローラ
(7e)が設けられ、案内レール(3)の内側壁に設けら
れたガイド溝(3a)に沿って摺動自在に構成されてい
る。また前記ローラ(7e)と同じ鉛直軸に、前記ローラ
ー(7e)の遊転とは独立して連結アーム(7f)の一端が
枢支されており、連結アーム(7f)の他端にも鉛直軸回
りに遊転するローラ(7g)が設けられている。そしてこ
のローラ(7g)が制動体(5)の外側壁に設けられたガ
イド溝(5a)に沿って摺動自在に構成されており、これ
によって制動体(5)がリンク機構(7)に制動解除側
に後退変位自在に支持されている。
又、前記両連結アーム(7f)の制動体側端部を内方側
に付勢する弾性付勢手段としての引張りスプリング
(8)が設けられ、これによって、制動体(5)がリン
ク機構(7)に対して制動作用側に付勢されるようにな
っている。正常通電時、前記ロッド(11)が外側方へ押
されている状態では第1図に示すように、一対のアーム
(7a)は枢支点である鉛直軸(7b)で内側に折れ曲が
り、リンク機構(7)は、前記アーム(7a)の両端にあ
るローラ(7e)がお互いに最も近づく制動解除姿勢とな
る。それに伴って、前記制動体(5)は案内レール
(3)の両側壁に引き寄せられる制動解除位置となる。
よって、前記制動体(5)と通過する車体(4)との間
には一定の距離が確保されている。
一方、停電時、前記ロッド(11)が内側方へ引き込ま
れると、第2図に示すように一対のアーム(7a)の枢支
点である鉛直軸(7b)は外側方へ移動する。それに伴っ
て、リンク機構(7)は、一対のアーム(7a)が当り面
(7h)が接当する制動作用姿勢となる。そして、前記制
動体(5)は案内レール(3)の側壁から押し出され
て、左右の制動体(5)の間隔は最も狭くなる制動作用
位置となる。すなわち通過しようとする車体(4)の幅
よりも少し狭くなる。この状態で、慣性走行してきた車
体(4)が通過しようとすると、一対のローラ(7g)が
若干離間側に移動して、引張りスプリング(8)の付勢
力が作用することによる車体(4)側面の被制動用部材
(4a)と前記制動体(5)との摩擦によって制動作用が
働き、車体(4)は停止する。
さらに、第2図で制動作用姿勢にある前記リンク機構
(7)について詳細に説明すれば、一対のアーム(7a)
は前記当たり面(7h)で突き当たった状態となってい
る。枢支点である鉛直軸(7b)はアーム(7a)両端の連
結アーム(7f)との枢支点を結んだ直線より若干外側に
あるので、ロータリアクチュエータ(6)が再び通電さ
れてロッド(11)を外側へ押し、前記鉛直軸(7b)を内
側へ引き戻さない限り、制動体(5)が車体(4)から
受ける反作用によって一対のアーム(7a)が折れ曲がる
ことはない。すなわち、制動体(5)が車体(4)から
反作用を受けても一対のアーム(7a)が第2図(ロ)に
示す伸展姿勢を維持することにより、一対のアーム(7
a)及び連結アーム(7f)が一体となって制動体(5)
を固定部であるガイド溝(3a)に対して突張り支持し
て、制動体(5)が車体(4)から受ける反作用を支持
することになる。
〔別実施例〕
以上説明した実施例ではローラ(7e)が案内レール
(3)に設けられたガイド溝(3a)に沿って摺動し、ロ
ーラ(7g)が制動体(5)に設けられたガイド溝(5a)
に沿って摺動することによって制動体(5)が出退する
構造のリンク機構(7)としたが、リンク機(7)の具
体構成は種々変更できる。
尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便
利にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付
図面の構造に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
第1図(イ),(ロ)、第2図(イ),(ロ)は本考案
の実施例におけるリニアモータ式搬送制御の制動装置の
それぞれ制動解除状態、制動作用状態を示す構造図で、
各々(イ)は車体前後方向から見た図、(ロ)は平面図
である。第3図は従来の制動装置の構造図で、制動解除
状態を示し、(イ)は車体前後方向から見た図、(ロ)
は平面図である。 (1),(2)……リニアモータ、(3)……案内レー
ル、(4)……車体、(5)……制動体、(6)……電
動式操作装置、(7)……リンク機構、(8)……付勢
手段。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】地上一次式リニアモータ(1),(2)に
    よって案内レール(3)に沿って走行される車体(4)
    に制動作用する制動体(5)が、制動作用側に弾性付勢
    されて設けられると共に、前記制動体(5)を制動解除
    側に復帰操作する電動式操作装置(6)が設けられたリ
    ニアモータ式搬送設備の制動装置であって、 前記制動体(5)を制動作用位置と制動解除位置とに位
    置変更自在に支持するリンク機構(7)が設けられ、前
    記リンク機構(7)は、前記電動式操作装置(6)によ
    って制動作用姿勢と制動解除姿勢とに切り換えられ、且
    つ、制動作用姿勢側に復帰付勢されると共に、前記制動
    作用姿勢においては、前記制動体(5)を固定部(3a)
    に対して突張り支持することによって、前記制動体
    (5)が前記車体(4)から受ける反作用を支持するよ
    うに構成され、前記制動体(5)は、前記リンク機構
    (7)に制動解除側に後退変位自在に支持されると共
    に、前記制動体(5)を前記リンク機構(7)に対して
    制動作用側に弾性付勢する付勢手段(8)が設けられて
    いるリニアモータ式搬送設備の制動装置。
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