JP2531291Y2 - シャワー装置の防水構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、シール技術に係り、特に種々屈曲部に対応
させることができるシャワー装置の防水構造に関するも
のである。

〔従来の技術〕

固定ノズルやハンドノズル等複数のシャワーノズルを
持ち、噴出する水勢や噴出の形態を変えることができる
機構を備えたシャワー装置があるが、この種の装置には
多数のアクチュエータを駆動する電気回路等の嫌水性構
造があるため、本体を防水構造にすることが要求される
が、この種の大型の装置ではシール面が大きく成るた
め、完全な水密構造を確保することができないという問
題を有すると共に、予め密封面の形状に合わせてシール
部の縁端を一周するような環状のシール部材を成型する
ことは設備の大型化と共に採算性が悪いという問題を伴
うものであった。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案は、上記問題に鑑みて創案されたものであり、
大型のシャワー装置において、シール部の長さ及び屈曲
部の曲率に関係なく対応させることができると共に、製
造が簡単であり、且つ高いシール性能を発揮するシャワ
ー装置の防水構造を提供することを目的とするものであ
る。

〔課題を解決するための手段〕

本考案に係るシャワー装置の防水構造は、そのシール
部材の構造として、Ｕ字状断面を有する嵌合型取付基部
の一端に長手方向に伸びる密接リップを一体的に成形し
たゴム又は合成樹脂等のシール部材において、前記Ｕ字
状嵌合型取付基部の断面内にＵ字状断面を有する多数の
芯部材片からなる硬質金属製芯部材をインサート成型し
て成り、屈曲部に沿設可能としたことを要旨とするもの
であり、上記硬質金属製芯部材の各隣設する芯部材片
を、比較的小さい引っ張り又は捩じり荷重によって折断
する小さい分離連結部を介して僅かに離間する構造にす
ると共に、インサート成型後の成型品の屈曲によって各
片に分離して使用することができるようにしたものであ
る。

そして、上記構成のシール部材を、シャワー装置本体
を壁面に取り付け、該本体の前面をケーシングカバーに
よって覆う構造に成るシャワー装置において、ケーシン
グカバー端縁と壁面間をシールする第一シール構造と、
本体端縁とケーシングカバー間をシールする第二シール
構造に設けた二重防水構造として構成したことを要旨と
するものである。

〔作用〕

上記シール部材の構成では、長手方向に連続して成形
される連続体であるため、シール部の長さに合わせて自
在に切断しようとすることができると共に、Ｕ字状嵌合
型取付基部の断面内にインサート成型した硬質金属製芯
部材により確実に被取り付け端縁と嵌合せしめることが
できる。

また、上記硬質金属製芯部材の各隣設する芯部材片
が、長手方向を比較的短いピッチで分断した多数の芯部
材片から構成してあるため、被嵌合端縁の曲率に沿って
シール部材が自在に沿設屈曲するように成り、種々シー
ル形状の部位に利用することができる。

更に、上記硬質金属製芯部材の各隣設する芯部材片
が、比較的小さい引っ張り又は捩じり荷重によって折断
する小さい分離連結部を介して僅かに離間する構造にな
ると共に、インサート成型後の成型品の屈曲によって各
片に分離するため、成型時のインサート部材把持手段が
簡単に成り、成型自体が容易に成ると共に、被シール部
に嵌着したとき直線部においては硬質金属製芯部材の各
片が連続して直線性を維持するようになり、取り付け時
の美観に優れたシール部材を構成することができる。

また、シャワー装置本体を壁面に取り付け、該本体の
前面をケーシングカバーによって覆う構造に成るシャワ
ー装置において、上記構成のシール部材を、ケーシング
カバー端縁と壁面間をシールする第一シール構造と、本
体端縁とケーシングカバー間をシールする第二シール構
造に設け本体を二重防水構造としてあるため、防水性に
優れた構造に成るものである。

〔実施例〕

以下、本考案に係るシャワー装置の防水構造の一実施
例を図面に従って説明する。

第１図及び第２図は、シール部材被嵌着端縁を突き当
て方向にシールする構造のシール部材Ａである。

図面において、１はＵ字状断面を有する嵌合型取付基
部２の先端に、長手方向に伸びるパンダグラフ型密接リ
ップ３を一体的に成形したゴム又は合成樹脂等の弾性材
からなるシール部材本体であり、該本体１の嵌合型取付
基部２の断面内にＵ字状断面を有すると共に、長手方向
を比較的短いピッチで分断した多数の芯部材片5,5…を
隣設する芯部材片5,5を小さい分離連結部6,6を介して僅
かに離間連結した硬質金属製芯部材４をインサート成型
してある。上記硬質金属製芯部材４の分離連結部６は、
硬質金属製芯部材４に比較的小さい引っ張り又は捩じり
荷重を加えたとき簡単に折断して各芯部材片5,5…が分
離する構成に成り、また、分離連結部６によって構成さ
れる両芯部材片5,5間の小間隙にもシール部材本体１を
構成する弾性材が侵入する。また、7,7,7,7は嵌合型取
付基部２の内壁にそれぞれ内方斜向に突設した嵌着リッ
プであり、８は水返しリブである。

次に、第３図及び第４図は、シール部材被嵌着端縁を
直交方向にシールする構造のシール部材Ｂを示すもので
ある。前記実施例と同様にシール部材本体１と硬質金属
製芯部材４によって構成されるが、該本体１に一体的に
成型するパンダグラフ型密接リップ３は嵌合型取付基部
２の一側に構成され、シール部材嵌着方向と直交する。
また、９は水返しリブである。

上記構成に成るシール部材A,Bは、第５図に示すよう
に、多数のノズルを配置し内部装置（図示せず）を配置
固設したシャワー装置本体11を壁面Ｗに固設すると共
に、該本体11の前面をケーシングカバー12によって覆う
構造のシャワー装置において、該ケーシングカバー12の
端縁13と壁面Ｗ間をシールする第一シール構造としてシ
ール部材Ａを、また本体11の端縁14とケーシングカバー
12の端縁近傍の内段部15間をシールする第二シール構造
としてシール部材Ｂを設けて二重防水構造を構成したも
のである。

即ち、両シール部材A,Bはシール長に合わせて切断さ
れ、それぞれＵ字状断面を有する嵌合型取付基部２をケ
ーシングカバー12の端縁13、又は本体11の端縁14を被せ
るように嵌着し、パンタグラフ型密接リップ３を壁面Ｗ
又はケーシングカバー12の内段部15に圧接した構造に成
る。

上記シール部材A,Bの取り付けに際しては、ケーシン
グカバー12と本体11の曲成部と対応する部位の硬質金属
製芯部材４の分離連結部6,6…に引っ張り又は捩じり荷
重を加え、各芯部材片5,5…を分離せしめて屈曲形状に
順応させるようにする。

尚、上記シール部材Ａとシール部材Ｂは、両者を別部
材として、又は単一部材として形成することができるも
のであることは勿論である。

〔考案の効果〕

本考案に係るシャワー装置の防水構造は、以上のよう
に構成したから、シャワー装置に浸入する水に対して第
一シール構造と第二シール構造を直列に配置した構造に
成り、確実なシール性能を発揮することができる。

また、本考案のシール部材は長手方向に連続して成形
される連続体であるため、シール部の長さに合わせて自
在に切断しようとすることができると共に、Ｕ字状嵌合
型取付基部の断面内にインサート成型した硬質金属製芯
部材により確実に被取り付け端縁と嵌合せしめることが
できる。然も、上記硬質金属製芯部材の各隣接する芯部
材片が、長手方向を比較的短いピッチで分断した多数の
芯部材片から構成してあるため、被嵌合端縁の曲率に沿
ってシール部材が自在に沿設屈曲するように成り、種々
シール形状の部位に利用することができると共に、硬質
金属製芯部材の各隣設する芯部材片が、比較的小さい引
っ張り又は捩じり荷重によって折断する小さい分離連結
部を介して僅かに離間する構造に成ると共に、インサー
ト成型後の成型品の屈曲によって各片に分離するため、
インサート成型が容易に成る等の特徴を有するものであ
り、本考案実施例後の実用的効果は極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るシール部材の第一の実施例を示す
一部切欠した斜視図、 第２図は同一部切欠した正面図、 第３図はシール部材の第二の実施例を示す一部切欠した
斜視図、 第４図は同一部切欠した平面図、 第５図はシャワー装置シール部の拡大端面図である。 A,B……シール部材 １……シール部材本体 ２……嵌合型取付基部 ３……密接リップ ４……硬質金属製芯部材 ５……芯部材片 ６……分離連結部 ７……嵌着リップ 8,9……水返しリブ 11……本体 12……ケーシングカバー 13,14……端縁 15……内段部 Ｗ……壁面

フロントページの続き (72)考案者 平石 一男 福岡県北九州市小倉北区中島２丁目１番 １号 東陶機器株式会社内 (72)考案者 在津 勝 福岡県北九州市小倉北区中島２丁目１番 １号 東陶機器株式会社内 (72)考案者 櫻木 正典 福岡県北九州市小倉北区中島２丁目１番 １号 東陶機器株式会社内 (72)考案者 加藤 康晴 福岡県北九州市小倉北区中島２丁目１番 １号 東陶機器株式会社内 (56)参考文献 実開 昭48−86264（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭49−124460（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−84457（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭54−30527（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シャワー装置本体を壁面に取り付け、該本
   体の前面をケーシングカバーによって覆う構造に成るシ
   ャワー装置において、内部装置に対する防水構造をケー
   シングカバー端縁と壁面間をシールする第一シール構造
   と、本体端縁とケーシングカバー間をシールする第二シ
   ール構造の二重防水構造により構成したことを特徴とす
   るシャワー装置の防水構造。
2. 【請求項２】第一及び第二のシール構造が、Ｕ字状断面
   を有する嵌合型取付基部の一端に長手方向に伸びる密接
   リップを一体的に成形したゴム又は合成樹脂等のシール
   部材において、前記Ｕ字状嵌合型取付基部の断面内にＵ
   字状断面を有する多数の芯部材片から成る硬質金属製芯
   部材をインサート成型して成り、屈曲部に沿設可能に構
   成した防水構造であることを特徴とする請求項１記載の
   シャワー装置の防水構造。
3. 【請求項３】第一及び第二のシール構造を構成する上記
   防水構造において、前記硬質金属芯部材の各隣設する芯
   部材片が、比較的小さい引っ張り又は捩じり荷重によっ
   て折断する小さい分離連結部を介して僅かに離間する構
   造に成り、インサート成型後の成型品の屈曲によって各
   片に分離することを特徴とする請求項２記載のシャワー
   装置の防水構造。