JP2531233Y2 - 電子部品実装機における部品搭載ヘッドの取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ この考案は電子部品実装機における部品搭載ヘッドの
取付構造に関するものである。

［従来技術とその問題点］ 従来から、部品供給装置より供給された電子部品を部
品搭載ヘッドにより吸着してプリント基板上に実装する
ように電子部品実装機が使用されている。

また、最近は電子部品のチップが進歩して、様々な形
状の電子部品がプリント基板に実装されるようになって
おり、これに伴い、電子部品実装機の搭載ヘッドも様々
な部品形状に合わせた吸着ノズル及び部品位置決め爪を
有するものを装着する必要があるとともに、一台の実装
機に複数の搭載ヘッドを備えたものが多くなる。また、
プリント基板の種類により実装する部品の種類が異なる
ため、各種の搭載ヘッドを多数用意し、用途に応じて、
各搭載ヘッドを取替えて使用する必要があるが、搭載ヘ
ッドはその移動を自動制御により行っているので、取付
位置がずれたりすると、正確に作動しないので、取付位
置を確実に行う必要があるとともに、交換に時間が掛る
と能率が低下する。

しかるに、従来の取付構造ではその作業が面倒で電子
部品実装機本体に対する搭載ヘッド交換作業に多大の労
力と時間を費し、電子部品実装機の稼動率を大幅に低下
させるという問題がある。また、部品搭載ヘッドには電
気配線や空気配管が接続されているが、これらがバラバ
ラであると、作業性が低下するなどの欠点があった。

［考案の目的］ この考案は前記した問題点に対処するもので、その目
的とする処は、部品搭載ヘッドの取付作業が容易かつ確
実にでき電子部品実装機の稼動率を大巾に向上させるこ
とができるとともに、電気配線や空気配管が邪魔になる
こともなく、作業性を向上させることができるようにし
た電子部品実装機における部品搭載ヘッドの取付構造を
提供しようとするものである。

［考案の要点］ この考案は前記した目的を達成するために、電子部品
実装機の部品搭載ヘッドを取付けたヘッド取付板とヘツ
ド固定部材とをどちらか一方に設けた少なくとも２本の
位置決め手段及びヘッド取付板とヘッド固定部材を固定
する固定手段により取外し可能に固定するようにすると
ともに、前記搭載ヘッド側の電気配線及び空気配管を束
ねて前記電子部品実装機本体側の電気配線及び空気配管
に夫々着脱自在に接続するようにしたことを要点とす
る。

［実施例］ 以下、第１図乃至第７図を参照して、この考案の一実
施例を説明する。

先ず第１図により、電子部品実装機全般につき説明す
る。

１は装置床で、この装置床１の左右両側にＹ軸ベース
2a、2bが設けられ、このＹ軸ベース2a上にＹ軸方向にボ
ールねじ３が回転自在に設けられるとともに、レール
４、４が夫々Ｙ軸ベース2a、2b上に設けられ、このレー
ル４、４に摺動自在に立板5a、5bを有する摺動子が設け
られ、この立板5a、5bにＸ軸ベース６が取付けられてい
る。

また、立板5bにボールねじ３に螺合するボールねじナ
ット3aが取付けられ、立板5a、5bにＸ軸方向にボールね
じ７が回転自在に取付けられている。なお、3bはボール
ねじ３を回転駆動するモータ、7aはボールねじ７を回転
駆動するモータである。

また、Ｘ軸ベース６に一対のレール８、８がＸ軸方向
に設けられ、このレール８、８に摺動自在に摺動子９が
設けられ、この摺動子９にヘッド固定部材10が取付けら
れ、このヘッド固定部材10に前記ボールねじ７に螺合す
るボールねじナット7bが取付けられている。

また、ヘッド固定部材10に３個の搭載ヘッド11a、11
b、11cが下向きに取付けられている。

また、装置床１にはＸ軸方向に基板12を搬送する搬送
路13が設けられるとともに、この搬送路の前後に電子部
品貯蔵部14a、14bが設けられている。

次に、第２図乃至第６図により、搭載ヘッドを固定す
る構造を説明する。

10は前記したヘッド固定部材で、このヘッド固定部材
10に、特に拡大図である第４図乃至第６図に示すよう
に、直方形の対角上に夫々３対の位置決めピン孔15a、1
5b、15c及び固定ねじ孔16a、16b、16cが穿設され、ヘッ
ド取付板17には、位置決めピン孔15a、15b、15cに対向
する位置決めピン孔18と固定ねじ孔16a、16b、16cに対
向する固定ボルト孔19とが穿設されていて、位置決めピ
ン20が位置決めピン孔18と位置決めピン孔15bとにガタ
なく嵌め込まれ、固定ボルト21が固定ボルト孔19に挿通
され、固定ねじ孔16bに螺着緊締されて、ヘッド取付板1
7がヘッド固定部材10に固定されている。

なお、ヘッド取付板17は搭載ヘッド11a、11b、11cの
固有のものであって、そのヘッド取付板17の下部に搭載
ヘッド11a、11b、11cが取付けられている。

次に搭載ヘッド側の電気配線及び空気配管を第２図及
び第３図により説明する。

ヘッド取付板17の下部に設けられた欠落部17aから突
出しているモータ取付板22に上向きにモータ23が取付け
られ、このモータ23の軸23aに張設されたタイミングベ
ルト24が吸着ノズル25及び部品チャック爪26を回転する
ようになっている。

このモータ23及びヘッド取付板17の上部外側面に取付
けられたマニホールド27上に取付けられた駆動制御部で
ある電磁弁28等の電気配線束29、30がヘッド取付板17の
外側面に設けられた配線溝31を経て、ヘッド取付板17の
上方に突出し、その端部にリセプタクル32、33が取付け
られている。

また、吸着ノズル25用空気配管34、図示しないエアシ
リンダー等の空気配管束35が前記マニホールド27に接続
され、このマニホールド27から岐出する空気ホース36、
37の端部にエア接手36a、37aが取付けられている。

次に電子部品実装機側の電気配線及び空気配管を説明
する。

前記した実装機本体のヘッド固定部材10に型の立板
38が立設され、この立板38に天板39が設けられ、この天
板39の搭載ヘッド側端にコネクター取付板40が垂直に取
付けられるとともに、この天板39の中間上面に取付板41
が立設され、この取付板41にマニホールド42が取付けら
れている。

このコネクター取付板40に３対のプラグ43a、44a、43
b、44b、43c、44cが取付けられ、この３対のプラグ43
a、44a……43c、44cに実装機本体からの電気配線束45、
46が接続されており、前記マニホールド42に実装機本体
からの空気ホース47が接続されている。なお、マニホー
ルド42の搭載ヘッド側にエア接手48a、……、48fが設け
られている。

而して、前記した搭載ヘッド側のエア接手36b、37bが
このエア接手48c、48dに着脱自在に接続され、前記した
リセプタクル32、33がプラグ43b、44bに着脱自在に接続
されている。

次に、この実施例の作用を説明する。

先ず、搭載ヘッド側のエア接手36b、37bを実装機本体
側のマニホールド42のエア接手48c、48dから外すととも
に、搭載ヘッド側のリセプタクル32、33を実装機側のプ
ラグ43b、44bから外す。

ついで、第７図に示すように、固定ボルト21を固定ね
じ孔16bから外した後に、ヘッド取付板17をヘッド固定
部材10から左方へ移動すると、位置決めピン20に案内さ
れて、ヘッド取付板17がヘッド固定部材10から開放され
る。

また、搭載ヘッドを実装機本体に取付ける場合には、
前記と逆の手順により取付ける。

なお、以上の説明では、３個の搭載ヘッドのうち中央
のものについて述べたが他の搭載ヘッドの着脱について
も同様に着脱できることは云うまでもない。

又、全般の作用を概略説明すると、この電子部品実装
機はモータ3bによりボールねじ３が駆動され、このボー
ルねじ３に螺合するボールねじナット3aによりＸ軸ベー
ス６がＹ軸方向に移動し、モータ7aによりボールねじ７
が駆動されて、実装機本体のヘッド固定部材10がＸ軸方
向に移動する、 基板12が搬送路13上を搬送されて、電子部品実装位置
に停止すると、実装機本体がＸ−Ｙ方向に移動して、搬
送路前後の電子部品貯蔵部14aまたは14bの所要位置に停
止し、吸着ノズル25及び部品チャック爪26を接離して電
子部品を捕捉した後に、基板12上の所要の個所に移動し
吸着ノズル25及び部品チャック爪26を基板12に近接させ
て、電子部品を基板12の所要の個所に精度よく自動的に
搭載するものである。従って位置決めピン孔15a、…
…、18及び位置決めピン20は互いに異なる種類の搭載ヘ
ッド間において互換性を有し、かつ、精度よく製作され
ている。

以上、説明したように、位置決めピン20及び固定ボル
ト21の着脱、リセプタクル32、33とプラグ43b、44bとの
着脱並びにエア接手36b、37bと48c、48dとの着脱という
簡単な作業により、短時間に搭載ヘッド11a、11b、11c
を確実に交換できるので、電子部品実装機の稼動率を大
幅に向上できる。

［考案の効果］ この考案は以上説明したように、装置床にＸ軸方向、
Ｙ軸方向に移動可能に設けられたヘッド固定部材に、電
子部品実装機の部品搭載ヘッドを取付けたヘッド取付板
を少なくとも２本の位置決めピン及び固定ボルトにより
取外し可能に固定するとともに、前記搭載ヘッド側に取
付けられた搭載ヘッドの駆動制御部と接続された電気配
線束及び空気配管を前記搭載ヘッドの上部に設け、これ
ら駆動制御部と接続された電気配線束及び空気配管を前
記ヘッド固定部材側に固定された電子部品実装機本体側
の電気配線束に接続されたプラグ及び空気配管と接続さ
れたエア接手と夫々着脱自在に接続したので、部品搭載
ヘッドの取付作業が容易かつ確実にでき電子部品実装機
の稼動率を大巾に向上させることができるとともに、電
気配線や空気配管が邪魔になることもなく、作業性を向
上させることができる。さらに、搭載ヘッド側に駆動制
御部が取付けられたまま着脱可能であるため、圧力、ス
ピード等の機械コントロールの調整がセットされたまま
の状態であるため、着脱の度に微調整の必要が無く再現
性のある着脱ができ、取付作業が容易かつ迅速にできる
ばかりでなく、取付後の機械調整も無くなるため総合的
な効率向上が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は電子部品実装作業全般を示す平面図、第２図は
電子部品実装機の側面図、第３図はその正面図、第４図
は搭載ヘッド固定部の拡大正面図、第５図はその背面
図、第６図はその拡大縦断面図、第７図は搭載ヘッド固
定部の着脱作業を示す説明図である。 ９、10、38、39……電子部品実装機本体、10……ヘッド
取付部材、11a、11b、11c……搭載ヘッド、17……ヘッ
ド取付板、20……位置決めピン、21……固定ボルト、2
9、30、32、33……搭載ヘッド側電気配線、34、35、3
6、37……搭載ヘッド側空気配管、43a、……、43c、44
a、……、44c、45、46……電子部品実装機本体側電気配
線、47……電子部品実装機本体側空気配管。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】装置床にＸ軸方向、Ｙ軸方向に移動可能に
   設けられたヘッド固定部材に、電子部品実装機の部品搭
   載ヘッドを取付けたヘッド取付板を少なくとも２本の位
   置決めピン及び固定ボルトにより取外し可能に固定する
   とともに、前記搭載ヘッド側に取付けられた搭載ヘッド
   の駆動制御部と接続された電気配線束及び空気配管を前
   記搭載ヘッドの上部に設け、これら駆動制御部と接続さ
   れた電気配線束及び空気配管を前記ヘッド固定部材側に
   固定された電子部品実装機本体側の電気配線束に接続さ
   れたプラグ及び空気配管と接続されたエア接手と夫々着
   脱自在に接続したことを特徴とする電子部品実装機にお
   ける部品搭載ヘッドの取付構造。