JP4307330B2 - 多層基板用ピン打ち装置 - Google Patents

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Description

本発明は、多層プリント回路基板に基準となる位置決め用ピンを打打ち込む多層基板用ピン打ち装置に関するものである。
本発明の多層基板用ピン打ち装置は、多層プリント回路基板を一枚又は、複数枚を重ねた状態で位置決め用ピンを基板に打ち込む場合に、基板に予め開けられているピン打込み用孔の位置にならって案内ピン挿通機が自動的に移動して位置合わせが行われるようにしたものである。
多層プリント回路基板(以下、多層基板と称する)では、その表面から裏面にかけて貫通する複数の孔(スルーホール)をあけこれを鍍金して電気回路の接続部として使用している。
この多層基板のスルーホールの加工には、数値制御方式の自動加工機(NC機械)を使用して多層基板を一枚または、複数枚を重ねた状態で穴あけが行われており、NC機械の所定位置に多層基板を固定するための位置決め用ピンが使用されている。多層基板の位置決め用ピンは、通常基板の対向する両側の縁辺傍の位置に立てられ、これをNC機械側の孔に挿入することによって正確な位置決めを行うようにしている。
位置決め用ピンを多層基板に立てるためには、図3の(a)に示すように、あらかじめ多層基板Bに開けられているピン打込み用孔H1,H2に案内ピンを挿通して複数枚の多層基板のピン打込み用孔位置を揃えた後、図3の(b)に示すように位置決め用ピンP1,P2を打込むようにしており、この位置決め用ピンによって多層基板の回路の適正な位置決めが行われている。図3の(c)は、多層基板Bを複数枚重ねてピンを打ち込んだ状態の断面図である。
実開平04−5324号公報, 特開平09−1428号公報,
図3に示すように、多層基板に位置決め用のピンP1,P2を立てるためには、多層基板の対向両側縁辺傍に、予め開けられている一対のピン打込み用孔H1,H2に、ピンP1,P2の位置を正確に合わせる必要がある。このため、従来はピン打装置の位置決め用の案内ピンを人手、或いは機械制御によって多層基板のピン打込み用孔の位置に正確に合わせる調整を行っていた。
しかしながら、多層基板のピン打込み用孔の距離と案内ピンの間隔を正確に合わせることは容易ではなく、案内ピンの間隔の調整に多くの工数を使用していた。
多層基板のピン打込み用孔の位置に対して、案内ピンの間隔が正確に合わない場合には、その間隔が広くても、狭くても無理な打込みがおこなわれるために多層基板のピン打込み用孔に傷が発生し、多層基板に挿通されたピンの位置が狂うのでNC機械が正確な位置決めが出来ないために不良品が発生するという問題があった。
本発明は、多層基板に予め開けられているピン打込み用孔に位置決め用ピンを打ち込むためのピン打ち装置において、
ワークテーブル上部に設けられたピン打ち機と、ワークテーブル下部のピン打ち機の直下に設けられ、垂直移動機構によってピン打ち機の方向に垂直移動し案内ピンをワークテーブルの上面に突出できるように構成された案内ピン挿通機を持ち、水平移動機構によって移動可能に構成され、移動後その位置を微動できるようにしたスライド機構が設けられているピン打ち装置ユニット、を具備し、
ピン打ち装置ユニットを多層基板のピン打込み用孔の位置に対応した所定の位置に水平移動機構によって移動した後に、垂直移動機構によってピン打ち機の方向に垂直移動し案内ピンをワークテーブル上に突出させ、この突出した案内ピンに多層基板のピン打込み用孔をスライド機構により嵌合させて多層基板をワークテーブル上に設置することにより多層基板のピン打込み用孔の位置をスライド機構により自動的に正確に設定するようにしたことを特徴とする多層基板用ピン打ち装置を実現することにより従来の問題を解決したものである。
本発明の多層基板のピン打ち装置は、予めピン打込み用孔があいている多層基板に対して案内ピン挿通機の位置をラフに合わせても、正確にピン打込み用孔に位置決め用ピンを挿通することができるので、案内ピンの間隔の調整に要する工数が大幅に節減でき作業性が向上する。
又、本発明の多層基板用ピン打ち装置によりピン打込の行われた多層基板は、ピン打込み用孔の位置に対して、案内ピンの間隔が正確に合わされるため、多層基板のピン打込み用孔に傷が発生することが無く、機械が正確な位置決めが出来るので不良品が発生することが防止される。
以下に本発明の具体的な構成について図面を使用して詳細に説明する。
第1図は、本発明の多層基板用ピン打ち装置の概略構成を説明する平面図である。
図1において、1はワークテーブル、HLはワークテーブル設けられたピン打ち装置のユニットを水平移動させるための移動孔である。PU1,PU2はワークテーブル1の移動孔HL中設置されたピン打ち装置ユニットで、図示す例では所定の間隔をあけて2個設けられている.ピン打ち装置ユニットPU1,PU2はガイドレールにより水平方向に移動自在に掛止れている。ピン打ち装置ユニットPU1,PU2はワークテーブル1上部に設けられたピン打ち機とピン打ち機の直下のワークテーブル下部に設けられた案内ピン挿通機を持ち、水平移動機構によって移動孔HL中を所定間隔に見合うストロークで移動可能に構成されている。ピン打ち装置ユニットPU1,PU2は、その位置を微動できるようにした案内ピンスライド機構を備えている。
尚、使用の形態によっては、ピン打ち装置ユニットPU1,PU2の一方だけに位置を微動できるようにした案内ピンスライド機構を設けるようにすることも可能である。
また、ピン打ち装置ユニットPU1,PU2の案内ピン挿通機は垂直移動機構によってピン打ち機の方向に垂直移動し案内ピンをワークテーブル1の上面に突出できる構成になっている。
Bは多層基板で、一対のピン打込み用孔H1,H2が多層基板の対向両側の縁辺傍に、予め開けられている。
本発明の多層基板用ピン打ち装置においては、案内ピン挿通機を多層基板の一対のピン打込み用孔H1,H2の位置に対応した所定の間隔に設定した後に、垂直移動機構によってピン打ち機の方向に垂直移動し案内ピンをワークテーブル上に突出させる。この突出した案内ピンに多層基板のピン打込み用孔H1,H2を嵌合させて多層基板をワークテーブルWT上に設置することにより多層基板のピン打込み用孔の位置を自動的に正確に設定出来るように構成されている。
この位置を自動的設定した後に、ワーク押えパットを下降させて基板Bをクランプし、ついで案内ピンを下降させて基板より抜き出し、その後ピン打ち機構を下降させてピンを基板に対して打ち込むようにして多層基板に正確にピン打ちを行うようにしたものである。
尚、上記の説明では、多層基板のピン打込み用孔が一対のものの例について説明したが、多層基板の形状によりピン打込み用孔が複数個あけられている基板に対してはピン打ち装置ユニットは基板のピン打込み用孔に対応して複数個使用される。
次に、図1に示した多層基板用のピン打ち装置の具体的な構成について説明する。
図2は図1に示した多層基板用のピン打ち装置の具体的な構成を示す説明図である。
図2において、1はピン打ち装置のワークテーブル、2はワークテーブル1に設けられたピン打ち込みユニットである。
3はピン打ち込みユニットを移動させる送り螺子ナット、4は送り螺子である。
21はピン打ち込みユニットが搭載されるスライド板である。スライド板21は案内レール11によりワークテーブル1と同一平面に可動的に取り付けられている。
22はピン打ち込みユニットの機能部品が取り付けられるフレームである。23はピン打ち込み機、24は案内ピン挿通機である。
ピン打ち込み機23と案内ピン挿通機24は、案内ピン挿通機の直上にピン打ち機構を配置されるような位置関係の状態でフレーム22に取り付けられてピン打ち装置ユニットを構成している。
ピン打ち込み機23には多層基板をワークテーブルlの平面に押庄固定する機能を果たすクランプ機構を備えている。
案内ピン挿通機24は垂直移動機構によってピン打ち込み機23の方向に垂直移動し案内ピンをワークテーブル1の上面に突出できる構成になっている。
尚、案内ピン挿通機24の垂直移動機構には、常時は案内ピンをスプリングの力によりワークテーブル1の上面に突出させておき、ピン打ち時にピン打ち込み機23のピンの圧力によりワークテーブル1の下面に押し下げられる構成のものを使用することも出来る。
25はナットハウジング、26はナット固定機構である。
ナットハウジング25、ナット固定機構26はフレーム22に取り付けられている。
ナットハウジング25は、螺子ナット3を送り螺子4の軸方向にスライド可能に保持しするスライド機構を構成しおり、移動時にはナット固定機構26により螺子ナット3のフランジがナットハウジング25の側面に押厚固定され、送り螺子4により螺子ナット3が駆動されるとそれに応じてフレーム22を移動するように機能する。
31はスライドピンで、螺子ナット3のフランジとナットハウジング25との間に装着され、ナット固定機構26が螺子ナット3の固定を解除した時に螺子ナット3とフレーム22のスライド間隔を規制している。
このように構成された、多層基板用のピン打ち装置の動作を以下に説明する。
まず、ピン打ち込みユニット22を水平移動機構によってピン打ちを行う多層基板のピン打込み用孔の近傍の位置まで移動させた後に停止させる。
次に、ピン打ち込みユニット2の案内ピン挿通機24の垂直移動機構によってピン打ち込み機23の方向に垂直移動し案内ピンをワークテーブル1の上面に突出させる。
ナット固定機構26により螺子ナット3の固定を解除して螺子ナット3とフレーム22がスライド可能にする。
案内ピンが突き出した状態で、多層基板のピン孔をそのワークテーブル面上から来出している案内ピンに勘合して挿入する。
この時、多層基板のピン孔の中心と案内ピンの中心が多少ずれていても、案内ピン挿通機の進退機構がスライド可能の状態に有るので、案内ピン挿通機が多層基板のピン孔の中心と案内ピンの中心が一致するような位置に移動するので、多層基板のピン孔に案内ピンを勘合することにより自動的に正確な位置合わせが行われる。
この場合、案内ピンに多層基板を複数枚重ねて勘合することにより複数の多層基板の位置合わせが自動的に行われ作業効率が向上する。
案内ピン挿通機24の案内ピンの中心が多層基板のピン孔の中心と一致し後、打ち込み機23のクランプで多層基板をワークテーブル1上に固定する.
続いて、案内ピン挿通機24の案内ピンを下降させて元の位置に復帰させた後、ワークテーブル直上のピン打ち機23を動作させ、位置決め用ピンを多層基板のピン孔に打込んで起立させることにより多層基板のピン孔にピンが固定される。
尚、案内ピン挿通機24の案内ピンが、常時はスプリングの力により、ワークテーブル上に出ている構成の場合には案内ピンを下降させることなくピン打ち機23を動作させ、位置決め用ピンの打込時の力により位置決め用ピンの打込時にだけ案内ピンが下降するような動作が行われる。
上記の説明においては、ワークテーブル上部にピン打ち機が設けられ、ワークテーブル下部に案内ピン挿通機が設けられた多層基板のピン打ち装置の実施例について説明を行ったが、本発明は、ワークテーブル上部に案内ピン挿通機設を設けた構成の多層基板のピン打ち装置にも適用することが可能である。
本発明の多層基板のピン打ち装置は、予めピン打込み用孔があいている多層基板に対して案内ピン挿通機の位置をラフに合わせても、正確にピン打込み用孔に位置決め用ピンを挿通することができるので、案内ピンの間隔の調整に要する工数が大幅に節減でき作業性が向上する。
又、本発明の多層基板用ピン打ち装置によりピン打込の行われた多層基板は、ピン打込み用孔の位置に対して、案内ピンの間隔が正確に合わされるため、多層基板のピン打込み用孔に傷が発生することが無く、機械が正確な位置決めが出来るので不良品が発生することが防止される。
本発明は、電子産業やプリント基板を使用する各種の産業で利用可能である。
本発明の本発明の多層基板用ピン打ち装置の概略構成を説明する平面図である。 図1に示した多層基板用のピン打ち装置の具体的な構成を示す説明図である。 位置決め用ピンを多層基板に立てるための手順を説明した図である。
符号の説明
B・・・多層基板,
H1,H2・・・多層基板のピン打込み用孔,
P1,P2・・・位置決め用ピン,
HL・・・ワークテーブル設けられた移動孔,
PU1,PU2・・・ピン打ち装置ユニット,
1・・・ピン打ち装置のワークテーブル,
2・・・2はワークテーブル1に設けられたピン打ち込みユニット,
3・・・ピン打ち込みユニットを移動させる送り螺子ナット,
4・・・送り螺子,
21・・・ピン打ち込みユニットが搭載されるスライド板,
11・・・案内レール,
22・・・ピン打ち込みユニットの機能部品が取り付けられるフレーム,
23・・・ピン打ち込み機、
24・・・案内ピン挿通機,
25・・・ナットハウジング,
26・・・ナット固定機構,
31・・・スライドピン,

Claims (4)

  1. 多層基板に予め開けられているピン打込み用孔に位置決め用ピンを打ち込むためのピン打ち装置において、
    ピン打込み機構と垂直方向の移動可能な案内ピンが取り付けられたピン打ち装置ユニットと、
    ピン打ち装置ユニットが装着されその位置を微動できるようにしたスライド機能を持った水平移動機構と、
    を具備し、
    ピン打ち装置ユニットの案内ピンが水平移動機構により、多層基板のピン孔近傍まで移動された後、案内ピンを垂直方向に移動時に多層基板のピン打込み用孔にならってスライド機構が微動し正確にピン打ち位置の設定を行うようにしたことを特徴とする多層基板用ピン打ち装置。
  2. 多層基板に予め開けられているピン打込み用孔に位置決め用ピンを打ち込むためのピン打ち装置において、
    ピン打込み機構と垂直方向の移動可能な案内ピンが取り付けられたピン打ち装置ユニットと、
    送り螺子によりその軸方向に移動される螺子ナットを、ナットハウジングによりスライド可能に保持し、移動時にはナット固定機構により螺子ナットがナットハウジングに固定されように構成されたスライド機能を持った前記ピン打ち装置ユニットが装着された水平移動機構と、
    を具備し、
    ピン打ち装置ユニットの案内ピンが水平移動機構により、多層基板のピン孔近傍まで移動された後、案内ピンの垂直方向の移動により多層基板のピン打込み用孔にならってスライド機構が微動し正確にピン打ち位置の設定を行うようにしたことを特徴とする多層基板用ピン打ち装置。
  3. 多層基板に予め開けられているピン打込み用孔に位置決め用ピンを打ち込むためのピン打ち装置において、
    送り螺子によりその軸方向に移動される螺子ナットを、ナットハウジングによりスライド可能に保持し、移動時にはナット固定機構により螺子ナットをナットハウジングに固定し、移動後固定を解除してその位置を微動できるように構成されたスライド機能を持った水平移動機構と、
    ワークテーブル上部に配置されたピン打ち機と、ワークテーブル下部のピン打ち機の直下に配置され垂直移動機構によってピン打ち機の方向に垂直移動し案内ピンをワークテーブルの上面に突出できるように構成された案内ピンとが前記水平移動機構に取り付けられたピン打ち装置ユニットと、
    を具備し、
    ピン打ち装置ユニットの案内ピンが水平移動機構により、多層基板のピン孔近傍まで移動された後、案内ピンを垂直方向に移動することによりワークテーブル上に突出させることにより、ワークテーブル上の多層基板のピン打込み用孔にならってスライド機構が微動し正確にピン打ち位置の設定を行うようにしたことを特徴とする多層基板用ピン打ち装置。
  4. 請求項1乃至3において、ピン打ち装置ユニットを複数個具備し、各ピン打ち装置ユニットの案内ピンが夫々のスライド機構により、多層基板の各ピン打込み用孔にならって微動し正確にピン打ち位置の設定を行うようにしたことを特徴とする多層基板用ピン打ち装置。
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