JP2531204Y2 - フィンを有する積層熱交換管 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、産業用オイルクーラ、自動車用コンデン
サおよびエバポレータ等に用いられるフィンを有する積
層熱交換管に関するものである。

従来の技術 従来、大流量の産業用オイルクーラを設計する場合、
管内側相当径を大きくし、また高破壊強度を持たせるた
めには、チューブ材に円管を用いることが考えられる。

考案が解決しようとする課題 そして、従来は、円管内にいわゆるリボンフィン等の
インナーフィンを入れる以外、安価に管内の伝熱特性を
あげる方法は知られていなかった。しかし、円管内にこ
のようなリボンフィンを入れるだけでは、円管内の伝熱
特性を充分にあげることはできないし、また充分な強度
を得ることができないという問題があった。

ものであるという問題があった。

この考案の目的は、上記従来技術の問題を解決し、円
管内の伝熱性能を充分に向上せしめることができるとと
もに、高破壊強度を達成することができて、例えば大流
量の産業用オイルクーラの設計が可能である、フィンを
有する積層熱交換管を提供しようととするにある。

課題を解決するための手段 上記の目的を達成するために、この考案によるフィン
を有する積層熱交換管は、下記の特徴を有している。

まず第１に、周壁に内方切起こし状に設けられた複数
のインナーフィンを有しかつ各フィンの切起こし跡に貫
通孔があけられた横断面略円形の内管と、側縁部に外方
切起こし状に設けられた複数のアウターフィンを有しか
つ内管の外周面全体を覆う複数の横断面円弧状の外管構
成部材とが接合されている。

つぎに第２に、インナーフィンを有しかつ貫通孔があ
けられた横断面略円形の内管は同じで、この内管と、側
縁部に外方切起こし状に設けられた複数のアウターフィ
ンを有しかつ内管の外周面全体を覆う横断面欠円状の外
管構成部材とが接合されている。

第３に、周壁に複数の貫通孔があけられた横断面略円
形の内管と、内管の貫通孔に差し込まれた内方切起こし
状のインナーフィンを有しかつ内管の外周面全体を覆う
複数の横断面円弧状の中間管構成部材と、側縁部に外方
切起こし状に設けられた複数のアウターフィンを有しか
つ中間管構成部材の外周面全体を覆う複数の横断面円弧
状の外管構成部材とが接合されている。

第４に、周壁に複数の貫通孔があけられた横断面略円
形の内管と、内管の貫通孔に差し込まれた内方切起こし
状のインナーフィンを有しかつ内管の外周面全体を覆う
複数の横断面円弧状の中間管構成部材と、側縁部に外方
切起こし状に設けられた複数のアウターフィンを有しか
つ中間管構成部材の外面全体を覆う横断面欠円状の外管
構成部材とが接合されている。

作用 上記熱交換管によれば、いずれも内管が円管であり、
これにインナーフィンが切起こし状に設けられるか、ま
たは貫通孔を有する内管とインナーフィンを有する中間
管構成部材との組合わせにより内管内にインナーフィン
が設けられているものであるから、内管内に多数のイン
ナーフィンを確実に設けることができ、内管内の伝熱性
能を充分に向上せしめることができる。

また、円管製の内管に外管構成部材、あるいは円管製
の内管に中間管構成部材と外管構成部材が、積層して接
合され、しかも内管の貫通孔は外管構成部材あるいは中
間管構成部材によって塞がれ、さらに中間管構成部材の
貫通孔は外管構成部材によって塞がれるから、フィンを
有する熱交換管は、高破壊強度を達成することができる
ものであり、結局、上記熱交換管を用いれば、例えば大
流量の産業用オイルクーラの設計が可能である。

実施例 つぎに、この考案の実施例を図面を基づいて説明す
る。

なお、この明細書においてアルミニウムという用語
は、純アルミニウムのほかアルミニウム合金も含む意味
で用いる まず第１図と第２図に示す本考案の第１実施例のフィ
ンを有する積層熱交換管は、周壁に内方切起こし状に設
けられた略四角形の多数のインナーフィン（４）を有し
かつ各フィン（４）の切起こし跡に同形の貫通孔（５）
があけられた横断面略円形の内管（１）と、側縁部に外
方切起こし状に設けられた略四角形の多数のアウターフ
ィン（６）を有しかつ内管（１）の外周面全体を覆う２
つの横断面円弧状の外管構成部材（２）（２）とが接合
されているものである。

ここで、内管（１）は、例えば外面にアルミニウムろ
う材がクラッドされたアルミニウムブレージングシート
からつくられた電縫管よりなる。

一方、外管構成部材（２）は、第３図に示すように、
上下両側縁部に外方切起こし状の多数のフィン（16）を
有する所要幅の帯状アルミニウム板（15）をプレス加工
により横断面円弧状に曲げるとともに、各外方切起こし
状フィン（16）の基部に切欠き部（17）を形成して、各
フィン（16）をこの切欠き部（17）よりひねることによ
り、アウターフィン（６）を形成したものである。

そして、内管（１）に対してこれの外周面全体を覆う
ように横断面円弧状の２つの外管構成部材（２）（２）
をいわばサンドイッチ状に積層して、内管（１）の貫通
孔（５）を外管構成部材（２）（２）によって塞ぎ、こ
れら三者を密着せしめた状態で、一括ろう付けすること
により、フィンを有する積層熱交換管がつくられるもの
である。

次に、第４図と第５図は、本考案の第２実施例を示す
ものである。ここで、上記第１実施例の場合と異なる点
は、内管（１）の外周面全体を覆う外管構成部材（12）
が横断面欠円状となされている点にある。

ここで、内管（１）は、実施例１の場合と同様に、例
えば外面にアルミニウムろう材がクラッドされたアルミ
ニウムブレージングシートからつくられた電縫管よりな
る。一方、外管構成部材（２）は、第３図の場合と同様
に、両側縁部に外方切起こし状の多数のフィン（16）を
有する広い幅（内管全体を覆い得る幅）の帯状アルミニ
ウム板（15）をプレス加工により横断面欠円状に曲げれ
ば良い。アウターフィン（６）の形成方法は、第３図の
場合と同様である。

また、第６図と第７図は、本考案の第３実施例を示す
ものである。この第３実施例のフィンを有する積層熱交
換管は、周壁に略四角形の多数の貫通孔（５）があけら
れた横断面略円形の内管（１）と、内管（１）の貫通孔
（５）に差し込まれた内方切起こし状のインナーフィン
（４）を有しかつ内管（１）の外周面全体を覆う２つの
横断面円弧状の中間管構成部材（３）（３）と、側縁部
に外方切起こし状に設けられた略四角形の多数のアウタ
ーフィン（６）を有しかつ中間管構成部材（３）の外面
全体を覆う２つの横断面円弧状の外管構成部材（２）
（２）とが接合されているものである。

ここで、貫通孔（５）があけられた内管（１）は、例
えば外面アルミニウムろう材がクラッドされたアルミニ
ウムブレージングシートからつくられた電縫管よりな
る。また、横断面円弧状の各中間管構成部材（３）も、
例えば外面にアルミニウムろう材がクラッドされたアル
ミニウムブレージングシートからつくられる。この中間
管構成部材（３）には、インナーフィン（４）が内方切
起こし状に設けられているため、各フィン（４）の切起
こし跡に同形の貫通孔（７）があけられる。しかし、こ
の貫通孔（７）は、内管（１）と外管構成部材（２）
（２）とによって内外両側より塞がれる。各外管構成部
材（２）は、第３図の場合と同様に、アルミニウム板製
である。

そして、フィンを有する積層熱交換管は、上記の内管
（１）と２つの中間管構成部材（３）（３）と２つの外
管構成部材（２）（２）とを積層した状態で、これら全
体を一括してろう付けすることによりつくられる。

最後に、第８図と第９図は、本考案の第４実施例を示
すものである。ここで、上記第３実施例の場合と異なる
点は、内管（１）の外周面全体を覆う外管構成部材（1
2）が横断面欠円状となされている点にある。横断面欠
円状の外管構成部材（12）の構成は、上記第２実施例の
場合と同様である。

なお、内管（１）と横断面円弧状の外管構成部材
（２）（２）もしくは横断面欠円状の外管構成部材（1
2）との接合、あるいはまた内管（１）および２つの中
間管構成部材（３）（３）と横断面円弧状の外管構成部
材（２）（２）もしくは横断面欠円状の外管構成部材
（12）との接合は、上記実施例に限定されるものではな
く、要するに、内管（１）と外管構成部材（２）（２）
（12）同志の間、あるいはまた内管（１）と中間管構成
部材（３）（３）同志の間、または中間管構成部材
（３）（３）と外管構成部材（２）（２）（12）同志の
間が、ろう材層を介して接合されておれば、良い。

従って、例えば上記第３実施例と第４実施例の中間管
構成部材（３）（３）が、両面にアルミニウムろう材が
クラッドされたアルミニウムブレージングシートからつ
くられ、内管（１）と外管構成部材（２）（２）（12）
とが共にアルミニウム板からつくられていても良い。

また、上記実施例においては、横断面円弧状の外管構
成部材（２）（２）、あるいは中間管構成部材（３）
（３）がいずれも２つに分割されているが、これらは３
つ以上に分割されたものであっても良い。

さらに、上記第３実施例と第４実施例においては、内
管（１）の周壁にあけられる貫通孔（５）は、例えば内
管（１）の長さ方向にのびる長孔であっても良い。

考案の効果 この考案によるフィンを有する積層熱交換管は、上述
のように、いずれも内管が円管製で、充分な強度を有す
るとともに、この内管にインナーフィンが切起こし状に
設けられるか、または貫通孔を有する内管とインナーフ
ィンを有する中間管構成部材との組合わせにより内管内
にインナーフィンが設けられているものであるから、内
管内に多数のインナーフィンを確実に設けることがで
き、内管内の伝熱性能を充分に向上せしめることができ
る。

また、円管製の内管に外管構成部材、あるいは円管製
の内管に中間管構成部材と外管構成部材が、積層して接
合され、しかも内管の貫通孔は外管構成部材あるいは中
間管構成部材によって塞がれ、さらに中間管構成部材の
貫通孔は外管構成部材によって塞がれるから、フィンを
有する熱交換管は、高破壊強度を達成することができ
る。

従って、結局、この考案の熱交換を用いれば、例えば
大流量の産業用オイルクーラの設計が可能であるという
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の４つの実施例を示すもので、第１図は
第１実施例の本考案品の断面図、第２図は同分解斜視
図、第３図は外管構成部材の素材を示す部分斜視図、第
４図は第２実施例の本考案品の断面図、第５図は同分解
斜視図、第６図は第３実施例の本考案品の断面図、第７
図は同分解斜視図、第８図は第４実施例の本考案品の断
面図、第９図は同分解斜視図である。 （１）……横断面略円形の内管、（２）……横断面円弧
状の外管構成部材、（３）……横断面円弧状の中間管構
成部材、（４）……インナーフィン、（５）……貫通
孔、（６）……アウターフィン、（12）……横断面欠円
状の外管構成部材。

Claims (4)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】周壁に内方切起こし状に設けられた複数の
   インナーフィン（４）を有しかつ各フィン（４）の切起
   こし跡に貫通孔（５）があけられた横断面略円形の内管
   （１）と、側縁部に外方切起こし状に設けられた複数の
   アウターフィン（６）を有しかつ内管（１）の外周面全
   体を覆う複数の横断面円弧状の外管構成部材（２）
   （２）とが接合されている、フィンを有する積層熱交換
   管。
2. 【請求項２】周壁に内方切起こし状に設けられた複数の
   インナーフィン（４）を有しかつ各フィン（４）の切起
   こし跡に貫通孔（５）があけられた横断面略円形の内管
   （１）と、側縁部に外方切起こし状に設けられた複数の
   アウターフィン（６）を有しかつ内管（１）の外周面全
   体を覆う横断面欠円状の外管構成部材（12）とが接合さ
   れている、フィンを有する積層熱交換管。
3. 【請求項３】周壁に複数の貫通孔（５）があけられた横
   断面略円形の内管（１）と、内管（１）の貫通孔（５）
   に差し込まれた内方切起こし状のインナーフィン（４）
   を有しかつ内管（１）の外周面全体を覆う複数の横断面
   円弧状の中間管構成部材（３）（３）と、側縁部に外方
   切起こし状に設けられた複数のアウターフィン（６）を
   有しかつ中間管構成部材（３）の外面全体を覆う複数の
   横断面円弧状の外管構成部材（２）（２）とが接合され
   ている、フィンを有する積層熱交換管。
4. 【請求項４】周壁に複数の貫通孔（５）があけられた横
   断面略円形の内管（１）と、内管（１）の貫通孔（５）
   に差し込まれた内方切起こし状のインナーフィン（４）
   を有しかつ内管（１）の外周面全体を覆う複数の横断面
   円弧状の中間管構成部材（３）（３）と、側縁部に外方
   切起こし状に設けられた複数のアウターフィン（６）を
   有しかつ中間管構成部材（３）の外面全体を覆う横断面
   欠円状の外管構成部材（12）とが接合されている、フィ
   ンを有する積層熱交換管。