JP2531159B2 - ブラシレスモ−タ - Google Patents

ブラシレスモ−タ

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JP2531159B2
JP2531159B2 JP61295295A JP29529586A JP2531159B2 JP 2531159 B2 JP2531159 B2 JP 2531159B2 JP 61295295 A JP61295295 A JP 61295295A JP 29529586 A JP29529586 A JP 29529586A JP 2531159 B2 JP2531159 B2 JP 2531159B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はVTR、テープレコーダ等の種々の電子機器等
に使用されるブラシレスモータに関し、特にその駆動回
路に関するものである。
〔発明の概要〕
本発明は回転子の位置を検出する感磁性素子の出力信
号の傾斜波形に基いてこの傾斜波形と同様のエッジ部を
有する駆動電圧を形成し、この駆動電圧を固定子コイル
に供給すると共に各相の駆動電圧の上記傾斜波形が隣の
相の傾斜波形とオーバラップするようにしたブラシレス
モータにおいて、上記傾斜波形の交叉する点の電圧を駆
動電圧のピーク値の略70%となるように制御することに
より、音響ノイズを低減すると共にモータの効率を高
め、さらにトルクリップルを常に最小に改善するように
したものである。
〔従来の技術〕
従来のブラシレスモータの駆動方式の一つとして、ス
イッチングトランジスタにより、各相の固定子コイルに
対する通電の切り替えを行うようにしたスイッチング方
式が知られている。このようなスイッチング方式では、
相切り替え時の急峻な電流変化、特に、電流の立ち上が
りによって、固定子及び回転子に高い周波数の振動が発
生し、この振動によって、大きな音響ノイズが発生す
る。
この音響ノイズの発生を防止するために、従来では、各
相の固定子コイルに電解コンデンサのような比較的容量
が大きいコンデンサを並列に接続することにより、電流
波形をなまらせるようにしていた。
このように、コンデンサを用いる方法は、モータの回
転数が低い時には効果的でなく、また、モータの回転数
が高い時には、通電電流の位相遅れが生じて無効電流が
流れ、モータの効率が低下する欠点があった。また電解
コンデンサを用いるため回路が大形化していた。
上記の問題を解決するために、本出願人は特願昭60−
208148号において、回転子の位置を検出するためのホー
ル素子の出力信号の傾斜波形を取り出して、この傾斜波
形と同様のエッジ部を有する駆動電圧を形成し、この駆
動電圧を固定子コイルに供給することにより、上記音響
ノイズを軽減するようにしたブラシレスモータを提案し
ている。
このブラシレスモータでは例えば3個のホール素子よ
り第7図Aに示すような120°(電気角)づつの位相差
を有する出力信号A、B、Cを得、これらの信号A、
B、Cを所定の方法で処理することにより、同図Bに示
すような各相の固定子コイルを通電する駆動電圧a、
b、cを形成するようにしている。
これらの駆動電圧a、b、cは、同図のように駆動電
源電圧Vsの1/2を中心に変化すると共に、それらのエッ
ジ部が、上記出力信号A、B、Cのエッジ部の傾斜波形
と同様の傾斜波形に形成され、且つ1相の駆動電圧の傾
斜波形が隣の相の駆動電圧の傾斜波形と交叉しており、
これによって通電期間がオーバラップしたものとなって
いる。
このような駆動電圧a、b、cによれば、相切り換え
が徐々に行われるため相切り換え時の急峻な電流変化が
なくなり、従って、音響ノイズを軽減することができ
る。また120度毎の相切り換え時点で通電区間がオーバ
ラップすることにより、相切り換えに伴うトルクの落ち
込みをキャンセルすることができる。さらに駆動電圧
a、b、cの波形が1/2Vsの一定レベルとなる区間で
は、固定子コイルのいずれか1相の固定子コイルに全く
電流が流れず、このためモータの効率を向上させること
ができると共にトルクむらの発生を軽減することができ
る。
尚、このようなブラシレスモータにおいては、上記駆
動電源電圧Vsの電圧値を制御することにより回転速度を
制御するようにしている。その場合トルクリップル改善
のために駆動電圧a、b、cのエッジ部の傾斜波形も駆
動電源電圧Vsに応じて変える必要があり、このためにホ
ール素子の電源電圧を変えるようにしている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ブラシレスモータの上述した駆動方式では、第7図の
駆動電源電圧のVsのピーク値をXとし、駆動電圧a、
b、cの交叉点の電圧値をYとしたとき、Y/Xの大きさ
の選び方によってはトルクリップルが大巾に悪化するこ
とがあった。特にホール素子等の感磁性素子は、その入
出力特性が非線形であるので、このホール素子の電源電
圧を駆動電源電圧Vsに応じて変化させても、上記Y/Xが
最適でなくなることがあった。
またホール素子のダイナミックレンジが限られている
ため、駆動電源電圧Vsに応じて変えられる範囲が狭く、
ホール素子の電源電圧を変えてもトルクリップルの改善
にならないことがあった。
従って、本発明は上述したブラシレスモータにおい
て、回転速度の変動があってもトルクリップルを常に最
適にすることができるようにすることを目的とするもの
である。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明においては、上記Y/Xの大きさを略70%に選ぶ
ようにしている。
〔作用〕
第5図及び第6図に示すように、トルクリップルを常
に最適にすることができる。
〔実施例〕
第1図は、ホール素子の出力信号の利得制御回路を示
し、1a、1b、1cは、回転子マグネットからの磁束に比例
した出力電圧を発生するホール素子を示す。ホール素子
1a、1b、1cには、電源端子2から一定の電源電圧Vcc
共通に供給される。
ホール素子1a、1b、1cの夫々の出力信号が差動増幅器
4a、4b、4c(但し4b、4cは図示せず)を通じてa、b、
c点(但し、b、c点は図示せず)に第3図Aに示すよ
うな検出信号A、B、Cとして出力される。これらの信
号A、B、CはVs/2を中心レベルとする台形波状のもの
で、電気角で120°づつ位相が異なる信号である。ま
た、これらの信号A、B、Cのエッジ部の傾斜波形は、
回転子マグネットの無着磁領域の大きさや、回転子マグ
ネットとホール素子とのギャップ等に対応した波形とな
る。上記検出信号A、B、Cは第2図に示す駆動回路に
おける、、点に加えられる。
第2図において上記信号A、B、Cは演算増巾器5
a1、5b1、5c1に加えられると共に、インバータ6a、6b、
6cで反転され信号、、となって演算増巾器5a2、5
b2、5c2に加えられる。演算増巾器5a1、5b1、5c1より上
記信号A、B、Cと相似波形を有する信号a1、b1、c1
得られ、演算増巾器5a2、5b2、5c2より上記信号a1
b1、c1を反転した信号▲▼、▲▼、▲▼が
得られる。
これらの検出信号a1、b1、c1及び▲▼、▲
▼、▲▼から固定子コイルの通電波形が生成され
る。
この第2図の実施例は、3相両方向通電の構成であっ
て、固定子コイルL1、L2、L3の夫々の一端が互いに接続
され、夫々の他端が出力端子17a、17b、17cと接続され
ている。この3個の固定子コイルL1、L2、L3の夫々の通
電波形を生成するための回路構成が3組設けられてい
る。次に固定子コイルL1の通電波形を生成するための回
路構成について説明する。
上記信号▲▼及び上記信号b1がダイオード及び電
流源からなる最小値検出回路7a1に供給される。この最
小検出回路7a1からは信号▲▼及び信号b1に関して
より小さなレベルの方の第3図Bに示す信号a2が出力さ
れる。この出力信号a2がDCレベルシフト用の演算増巾器
8a1に供給される。
上記信号a1及び信号▲▼の夫々がダイオード及び
電流源からなる最小値検出回路7a2に供給される。この
最小値検出回路7a2から信号a1及び信号▲▼に関し
てより小さなレベルの方の第3図Cに示す信号▲▼
が出力される。この出力信号▲▼がDCレベルシフト
用の演算増巾器8a2に供給される。尚、上記最小値検出
回路7a1、7a2には端子9よりクランプ電圧Vs1が加えら
れている。また演算増巾器8a1、8a2には端子10よりバイ
アス電圧Vs2が加えられている。また上記演算増巾器8
a1、8a2は、上記信号a2、▲▼をDCレベルシフトす
ることにより、実質的に位相をずらせるためのものであ
る。
上記演算増巾器8a1の出力信号が、演算増巾器12a1
通じて出力トランジスタ13a1のベースに加えられて、こ
のトランジスタ13a1の通電を制御すると共に、コンパレ
ータ14a1で上記信号a2とレベル比較される。このコンパ
レータ14a1の出力信号はスッチングトランジスタ15a1
ベースに加えられて、このトランジスタ15a1をオン・オ
フ制御する。
上記演算増巾器8a2の出力信号がインバータ18aで反転
された後、演算増巾器12a2を通じて出力トランジスタ13
a2のベースに加えられて、このトランジスタ13a2の通電
を制御すると共に、コンパレータ14a2で上記信号▲
▼とレベル比較される。このコンパレータ14a2の出力信
号はスイッチングトランジスタ15a2のベースに加えられ
て、このトランジスタ15a2をオン・オフ制御する。尚、
上記演算増巾器12a2には、図示のようにコンデンサ、抵
抗から成る位相補償回路が設けられている。
また上記トランジスタ13a1のコレクタには端子16より
回転速度に応じた駆動電源電圧Vsが供給され、エミッタ
は上記トランジスタ13a2のコレクタと接続されている。
そしてこの接続点が前記出力端子17aに接続されてい
る。
また上記トランジスタ15a1のエミッタには端子19より
前記一定電圧Vccが加えられ、コレクタは、出力端子17a
に得られる駆動電圧a0を分割する抵抗に接続されてお
り、この分割された電圧は演算増巾器12a1に帰還される
ように成されている。
さらに上記トランジスタ15a2のコレクタは演算増巾器
12a2の出力端に接続され、エミッタは接地されている。
またさらに上記駆動電圧a0を別の抵抗で分割した電圧が
演算増巾器12a2に帰還されるように成されている。
以上によれば、演算増巾器12a1、12a2、からは第3図
D、Eに示す出力信号が得られ、コンパレータ14a1、14
a2からは同図F、Gに示すスイッチングパルスが得られ
る。従って、上記出力信号が上記スイッチングパルスで
スイッチングされることにより、トランジスタ13a1、13
a2が制御され、この結果、固定子コイルL1に同図Hに示
す駆動電圧a0が供給される。
以上は出力端子17aに駆動電圧a0を得る回路構成及び
その動作について説明したが、出力端子17b、17cに駆動
電圧b0、c0を得るための回路構成及びその動作も上述と
同様にして行われる。その結果、固定子コイルL1、L2
L3には第4図に示すような駆動電圧a0、b0、c0が供給さ
れる。
この駆動電圧a0、b0、c0は、そのエッジ部にホール素
子1a、1b、1cの検出信号A、B、Cの傾斜波形と同様の
傾斜波形を有し且つ隣りの相の傾斜波形と交叉すること
によりオーバーラップしている。
本実施例においては、第4図の駆動電圧a0、b0、c0
ピーク値の電圧Xと交叉点の電圧Yとの比Y/Xを最適に
制御することにより、トルクリップルが最小になるよう
にしている。上記Y/Xを制御するために第1図の利得制
御回路が設けられている。この利得制御回路により、駆
動電圧a0、b0、c0の傾斜と交叉点の電圧を変えてY/Xを
制御するようにしている。
第1図において、端子21に加えられる電圧Vccを抵抗
とダイオードとで分圧して基準電圧V0を得、この電圧V0
を演算増巾器22を通じて演算増巾器23、24、25に供給し
ている。上記演算増巾器23には端子26より上記電圧Vs
抵抗を介して加えられている。この演算増巾器23の出力
電圧は可変抵抗器27で調整された後、演算増巾器28及び
カレントミラー回路で構成される電流制御回路29を通じ
て、前記差動増幅器4a、4b、4cを制御する。この構成に
よれば上記可変抵抗器27を調整することにより、駆動電
圧a0、b0、c0の傾斜の度合を調整することができる。
上記演算増巾器24には、端子30より電圧Vs/4が加えら
れている。この演算増巾器24の出力電圧は端子9からク
ランプ電圧Vs1として取り出され、第2図の端子9に加
えられる。
上記演算増巾器23の出力電圧はまた可変抵抗器31で調
整され演算増巾器35を通じて演算増巾器25に供給され
る。この演算増巾器25には端子32より電圧Vcc/2が加え
られると共に、端子33に加えられる電圧Vccを抵抗及び
ダイオードで分圧した電圧が演算増巾器34を通じて供給
されている。
上記演算増巾器25の端子10に得られる出力電圧は第2
図の端子10にバイアス電圧Vs2として供給される。この
構成によれば、可変抵抗器31を調整することにより、上
記Yの電圧を調整することができる。
第5図は駆動電圧a0、b0、c0の傾斜部が24%の時にお
ける駆動電圧a0、b0、c0の交叉によるオーバーラップ量
(Y/X)に対する始動トルクリップルを示す特性図であ
る。上記傾斜部24%とは、駆動電圧a0、b0、c0の波形全
体に占める傾斜部の割合が時間軸に関して24%となるこ
とである。尚、この傾斜部は略0〜35%程度を限度とす
るもので、他のモータ特性により制約されない限り傾斜
は緩いほどよい。
この第5図によれば、Y/Xが略70%のときに始動トル
クリップルが最も小さくなることが判る。
第6図A、B、Cは、傾斜部35%のときにおけるオー
バーラップ量が夫々65%、70%、75%の場合における駆
動電圧a0、b0、c0とトルクTとを示す特性図であり、オ
ーバーラップ量70%のときトルクTが最小になってい
る。
〔発明の効果〕
本発明によれば、相切り替え時の電流変化が緩やかに
成され、スイッチング方式における音響ノイズの発生を
軽減することができると共に、モータの効率を高めるこ
とができ、さらに回転速度の変動があってもトルクリッ
プルを常に最小にすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を示す利得制御回路の回路図、
第2図は駆動回路の実施例を示す回路図、第3図は駆動
電圧及びスイッチングパルス発生動作の説明に用いる波
形図、第4図は駆動電圧の波形図、第5図は駆動電圧の
オーバーラップ量とトルクリップルとの関係を示す特性
図、第6図は駆動電圧波形及びトルク波形を示す特性
図、第7図は従来のブラシレスモータのホール素子の出
力信号から駆動電圧を生成する動作の説明に用いる波形
図である。 なお図面に用いた符号において、 L1,L2,L3……固定子コイル 1a、1b、1c……ホール素子 27,31……可変抵抗 29……電流制御回路 である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転子の位置を検出する感磁性素子の出力
    信号の傾斜波形に基いてこの傾斜波形と同様のエッジ部
    を有する駆動電圧を形成し、 上記駆動電圧を固定子コイルに供給すると共に、各相の
    駆動電圧の上記傾斜波形が隣の相の傾斜波形と交叉する
    ように成されたブラシレスモータにおいて、 傾斜の度合いが設定自在な基準電源と、 この基準電源の出力に基づいて利得が制御されると共
    に、上記感磁性素子の出力信号を増幅する利得制御回路
    とを備え、 上記利得制御回路は、上記傾斜波形の交叉する点の電圧
    が上記駆動波形のピーク値の略70%となるようにその利
    得が制御されることを特徴とするブラシレスモータ。
JP61295295A 1986-12-11 1986-12-11 ブラシレスモ−タ Expired - Lifetime JP2531159B2 (ja)

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