JP2530806B2 - 相補型論理構造 - Google Patents

相補型論理構造

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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は一般に相補型論理構造に関し、特に変調ドー
プ・ヘテロ接合を用いて製造した該構造に関する。
〔従来技術〕
多種の論理回路が考案され半導体を用いて製造されて
来たけれども、現在の工業技術において特別な関心を引
くものの1つは相補対称型であり、当業者によりCMOSデ
バイスと称されている。CMOSデバイスの本質的特徴は1
つがpチャネルデバイスで他の1つがnチャネルデバイ
スである2つの電解効果トランジスタ(FET)から成る
ことである。最も簡単な回路動作の場合このトランジス
タは同様の動作特性を持っていなければならない。従っ
て「相補型」という用語は適切である。この2つのトラ
ンジスタは典型的には共通基板上に互いに隣接して製造
される。CMOSデバイスは論理ゲート例えば反転器として
機能するように配線することができる。勿論、反転器以
外の論理ゲートを製造することもできる。
CMOSには他の論理回路技術に比べて電力消費が比較的
小さいという有利な特徴がある。FETの1つが典型的に
はOFFとなりこのFETにより取り込まれる電流が名目的に
はゼロとなるからこのことは正しいと言える。他の論理
回路に対する他の利点には、立上り及び立下り時間特性
がよりよいことと伝達時間がより短いことがある。
シリコンでCMOS構造を製造することは今では当業者に
はよく知られているけれども、シリコン以外の材料例え
ばIII−V族化合物半導体で相補型対称構造を製造する
ことが多くの場合望ましいと思われる。通常このような
半導体におけるキャリアの移動度はシリコンの場合より
もはるかに大きいからである。移動度が大きくなると例
えば動作速度が大きくなるというようにデバイス特性を
望ましいものにする。そのようなIII−V族半導体の一
例はGaAsである。
しかし、GaAsで相補対称構造を製造することはいくつ
かの理由により困難であった。電子移動度はGaAsの場合
よりシリコンの場合の方がはるかに大きいが、ホール
(正孔)移動度は大まかに云えば両者ともに同じであ
る。その結果、pチャネルトランジスタはnチャネルト
ランジスタに比べて速度が小さく電流−電圧特性が悪
い。従って相補型構造の潜在的利点のうちの多くが実現
されていない。さらに、pチャネルデバイス用のゲート
構造は典型的にはショットキーバリアーにより形成され
ているのでMESFET(metal semicondutou FET)を形成
することになる。不幸にもこのバリアーは比較的低い。
さらに、デバイス効率を改善するための他の試みは材
料よりむしろ構造を思慮深く選択することに向けられて
いる。そのような試みの一例は変調ドープ(modulation
doping)と呼ばれている。変調ドープ・ヘテロ構造で
はキャリアはイオン化された親不純物から分離される。
これはバンドギャップの広い半導体をドープし、そして
隣接する、バンドギャップの狭い、真性伝導度を有する
半導体を残すことにより行われる。次に二次元キャリア
系が形成されるが、これはドーパントに依存し、電子ま
たはホールから成る。変調ドープ・ヘテロ構造は今まで
のところCMOS構造には有効に用いられていない。
〔発明の概要〕
本発明を具現する相補型構造は基板、nチャネルFET
及びpチャネルMODFET(変調ドープFET)を含んでお
り、III−V族化合物半導体を用いて製造することがで
きる。さらにIV族或いはII−VI族半導体を用いることも
できる。各トランジスタはソース、ゲート及びドレイン
電極を有しており、nチャネルトランジスタの少なくと
も1つの電極はpチャネルトランジスタの少なくとも1
つのトランジスタに接続される。一実施例においては、
pチャネルトランジスタはp型AlGaAs層に隣接する真性
伝導度のGaAs層を含む。nチャネルトランジスタには、
さらにp型AlGaAs層に隣接するn型GaAs層を含むMESFET
である。電極はMESFET及びMODFETにおいてそれぞれn型
及びp型層と接触する。好ましい実施例の1つにおいて
は、MESFETのp型AlGaAs層は平衡時に空乏化し、一方p
チャネルMODFETのp型AlGaAs層は空乏化しない。さらに
他の実施例では、nチャネルトランジスタはMODFETであ
る。AlxGa1−xA以外のIII−V族化合物半導体を使用す
ることもできる。該構造は全エピタキシャル層を成長さ
せ、マスキングを行い、1つあるいは複数の層の一部分
を除去し、電極を装着することにより形成される。層の
組成が異なるので、層の除去を正確に制御するために選
択的エッチング技術を用いることができる。
〔実施例〕
本発明に従う相補構造の一実施例を第1図に断面で示
す。他のいくつかの実施例も後に示す。またそのほかの
実施例も当業者には明らかになるであろう。明確を期す
ため、該構造の各素子は等尺で画かれてはいない。該構
造は、nチャネルMESFET(番号1で示す)とpチャネル
MODFET(番号3で示す)を含み、両者とも共通基板5上
に設けられている。nチャネルMESFET1はさらに真性伝
導度層7、p型層9及びn型層11を含む。層9は層7及
び11の間に位置している。「真性伝導度」という用語は
名目上、ノンドープであることを意味する。p型MODFET
3は真性伝導度層13とp型層15とを含む。真性伝導度層
は基板に最も近い位置に置かれる。MESFETとMODFETはそ
れぞれ層11及び15にソース電極21及び31、ゲート電極23
及び33、ドレイン電極25及び35を含む。MESFETの少なく
とも1つの電極はMODFETの少なくとも1つの電極に接続
されている。典型的にはドレイン電極どうしが接続され
ている。点線101で示される二次元ホールガスが、真性
伝導度層の、真性伝導度層とp型層で形成されるヘテロ
接合に形成される。真性伝導度層の一部分はホールガス
が二個のトランジスタに対して共通には形成されないよ
うに除去してあることに注意されたい。
例として層厚及びドープ濃度は以下の通りである。
層7及び13、1μm及びノンドープ、 層9及び15、45nm及び2×1018cm-3、 層11、300nm及び1×1017cm-3、 本実施例及び他の実施例において、これらの層はIII
−V族化合物半導体から成る。IV族及びII−VI族半導体
もまた使用できることを認識されたい。一例において真
性伝導度層はGaAs、p型層はAlGaAs、n型層はGaAsであ
る。基板はCrをドープしたGaAsあるいはノンドーブのLE
CGaAsであって半絶縁型である。これらの層及び基板は
格子整合されあるいは互いに格子整合されている。よく
知られているようにp型層のバンドギャップは真性伝導
度層のそれよりも大きくすべきであり、その結果二次元
ホールガスが真性伝導度層内に形成されることになる。
さらにp及びn型層のドープ濃度と厚さは、nチャネル
MESFET内でp型層が熱平衡の時に完全に空乏するように
選ぶのが望ましい。そのような濃度と厚さの選択は当業
者にあっては容易になし得ることであろう。ソース及び
ドレイン電極は従来型のものであり、n及びp型領域と
の接触にはそれぞれAuBe及びAuBeのようなよく知られた
接触を用いることができる。ゲート電極はTi/Auのよう
なよく知られたメタライゼーションにより形成される。
明らかに真性伝導度層を含むように記述しているけれど
も、いくつかの実施例ではこの層は別々に成長させるの
でなく基板の一部として良いことを理解されたい。
MESFET内のp型層はn型チャネル内を移動する電子に
対する制限を設けるバリアー層として作用し、一方p型
MODFET層としても作用することに注意されたい。n及び
p型層について層厚と共にドープ濃度が当業者に可能な
限り正確に選択されればp−n接合においては、p型層
及びMESFET内のp型と真性伝導度層の間のヘテロ接合で
形成されるホールガスが消耗するであろう。この状態が
生じるのはn/p及び真空/p接合でポテンシャル・バリア
の差があるからである。MESFET内で二次元ホールガスが
消耗することはこれらのキャリアがデバイス容量を増加
させる結果を招くと思われるので望ましいことである。
容量が増大すると、デバイスの動作を妨げることはない
が速度を落とさせてしまう。
n型伝導度層の上に配置されたp型伝導度層を有する
実施例も考えられる。この場合、真性伝導度層はp型及
びn型層の間にはさまれており、p−真性伝導度層間に
形成されたホールガスはp型MODFETのpチャネルとして
作用する。MESFETp−n接合を持つ必要はなく簡単なn
チャネルデバイスでも良いことに注意されたい。
デバイス製造は当業者によく知られた技術を用いて行
われる。エピタキシャル層は分子ビームエピタキシーの
ように従来型の、よく知られた結晶成長技術によって半
絶縁性基板上に成長させる。これは少なくとも現時点で
は好ましい成長技術であると思われる。組成、ドープ濃
度及び層厚を正確に制御できるからである。エピタキシ
ャル層が成長した後、n型層はよく知られたエッチング
技術により除去される。過酸化水素−水酸化アンモニウ
ムのような選択的化学的エッチングあるいは選択的ドラ
イエッチング技術を用いるのが望ましい。といのはこれ
らの技術によると所望の層を正確に形成できるからであ
る。その後、メサを形成するために化学的エッチングの
ような従来技術によって活性デバイス領域が形成され隔
離される。あるいは絶縁領域を形成するためにイオン打
込みが行われる。次に所望の電極が従来のメタライゼー
ション技術により形成される。他の実施例の場合の正確
な製造過程は当業者にあっては容易に理解されるであろ
う。上述の過程は再成長工程を必要としないので用いら
れたものである。
有用な論理ゲートは二個のFETに適切に電極を接続す
ることにより形成される。例えば、もし二個のFETのド
レイン接点が電気的に接続されると第2図に示すような
CMES(相補型金属半導体)反転器が得られる。ドレイン
接点は第1図に示すFETの両方に共通なドレイン・メタ
ライゼーションにより電気的に接続しても良い。ゲート
電極も互いに電気的に接続される。
第1図に示した実施例を更に改良すること考えられ
る。そのような一例を第3図に示す。第1図の同じ数字
は同じ素子を示す。この場合はp型層は両方のFETに共
通である。即ち、エッチングによりp型層9の一部が除
去されて二個のFETを物理的に隔離することはない。ま
た電極はMESFET及びMODFETに対してそれぞれn型及びp
型層と接触する。結果的に出来上がるデバイスは第4図
に示されるが、ダイオードで分離された二個のドレイン
電極を含んでいる。このダイオードはいくつかの有用な
機能を果たす。例えば光検出器として機能しても良い。
またレベル・シフト・ダイオードあるいは基準電圧ダイ
オードとして用いることもできる。
他の改良について当業者には容易に考えられるであろ
う。例えば、第1図のMESFETの層9と層11の間にP+GaAs
層を挿入しても良い。この結果は、第1図のヘテロ接合
の代わりにホモ接合となりこれで得られるチャネル中の
電子を制限することになる。
さらに他の改良も可能である。その一つは第5図に示
されるが、pチャネルデバイスと同様nチャネルデバイ
スに対してMODFETを使用している。図示されているのは
pチャネルMODFET300とnチャネルMODFET310及び320で
ある。実際はこのnチャネルMODFETのうちのただ一つが
存在するのが普通である。しかし、様々な可能な実施例
がこの構造を記述することで説明されるであろう。該構
造は基板400、真性伝導度を有する第1エピタキシャル
層402、n型伝導度を有する第2エピタキシャル層404、
真性伝導度を有する第3エピタキシャル層406及びp型
伝導度を有する第4エピタキシャル層408を含む。n型
及びp型層は近接する真性伝導度層のバンドギャップよ
りも大きいバンドギャップを有する。トランジスタ30
0、310及び320の上部層にそれぞれソース電直421、431
及び431、ゲート電極423、433及び433、ドレイン電極42
5、435及び435が設けられている。点線412で示される二
次元電子ガスはnチャネルMODFET310の層404と層406の
間に生じる。点線414で知される二次元電子ガスはnチ
ャネルMODFET320の層402と層404の間に生じる。くり返
すが、pチャネルトランジスタの少なくとも1つの電極
がnチャネルトランジスタの少なくとも1つの電極に接
続される。トランジスタ310は基板に最も近いn型層を
含み、一方トランジスタ320は基板に最も近い真性伝導
度層を含むことに注意されたい。全ての層が全ての実施
例について必ずしも必要な訳ではない。例えば、もしト
ランジスタ300及び310を形成するのであれば層402は省
略しても良い。明確を期するため二次元ガス412大び414
の全領域は示されていない。
nチャネル及びpチャネルMODFETの両方を用いる他の
実施例は当業者には容易に考えられるであろう。例えば
第5図の層のバンドギャップを適切に選べばnチャネル
MESFETが形成されることは容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による相補型構造の断面図、 第2図は第1図の構造を用いた、本発明によるCMES反転
器の回路図、 第3図は本発明による相補型構造の他の実施例の断面
図、 第4図は第3図の構造の回路図、そして 第5図は本発明による相補型構造の他の実施例の断面図
である。 〔主要部分の符号の説明〕 基板……5,400 nチャネルFET……1 ソース電極……21,31,421,431 ゲート電極……23,33,423,433 ドレイン電極……25,35,425,435 pチャネルMODFET……3
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−147167(JP,A) 特開 昭58−130574(JP,A) 特開 昭57−208174(JP,A) 特開 昭57−193067(JP,A)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、該基板上に配設されたnチャネル
    電界効果トランジスタと、該nチャネルトランジスタに
    接続されたソース、ゲート及びドレイン電極とを含む相
    補型論理構造において、 該構造はさらに該基板上に配設されたpチャネルMODFET
    トランジスタ及び該pチャネルトランジスタに接続され
    たソース、ゲート及びドレイン電極を含み、 該nチャネルトランジスタの該電極の少なくとも1つは
    該pチャネルトランジスタの該電極の少なくとも1つに
    接続されており、該nチャネルトランジスタはMESFETを
    含み、 (a) 該MESFETが、該基板から順に第1のバンドギャ
    ップを有する、ノンドープの第1の半導体層、該第1の
    バンドギャップより大きい第2のバンドギャップを有す
    るp型の第2の半導体層、及びn型の第3の半導体層を
    含む時、該MODFETは、該基板から順に該第1の半導体層
    及び該第2の半導体層を含むかまたは、 (b) 該MESFETFが、該基板から順に該第2の半導体
    層、該第1の半導体層、及び該第3の半導体層を含む
    時、該MODFETは、該基板から順に該第2の半導体層及び
    該第1の半導体層を含むことを特徴とする補型論理構
    造。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の相補型論理構
    造において、該ノンドープの層の一部は凹部を有し、そ
    れによって該nチャネルトランジスタ及び該pチャネル
    MODFETは互いに離隔していることを特徴とする相補型論
    理構造。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第2項記載の相補型論理構
    造において、該MESFETの該第2の層は熱平衡時に空乏化
    することを特徴とする相補型論理構造。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項記載の相補型論理構
    造において、該ドレイン電極は電気的に互いに接続され
    ていることを特徴とする相補型論理構造。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1項記載の相補型論理構
    造において、該nチャネルトランジスタは、ノンドープ
    の、第1のバンドギャップを有する第1の層と、その上
    に配設された、n型伝導度及び第2のバンドギャップを
    有する第2の層とを備えるMODFETを備え、該第1のバン
    ドギャップは該第2のバンドギャップより小さいことを
    特徴とする相補型論理構造。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第5項記載の相補型論理構
    造において、該第1の層が該基板に最も近いかまたは該
    第2の層が該基板に最も近いことを特徴とする相補型論
    理構造。
  7. 【請求項7】特許請求の範囲第5項記載の相補型論理構
    造において、該nチャネルMODFETはノンドープの第3の
    層とp型伝導度を有する第4の層とを備えることを特徴
    とする相補型論理構造。
  8. 【請求項8】特許請求の範囲第7項記載の相補型論理構
    造において、該第3の層が該第2の層に隣接するかまた
    は該第4の層が該第1の層に隣接することを特徴とする
    相補型論理構造。
JP60128411A 1984-06-15 1985-06-14 相補型論理構造 Expired - Lifetime JP2530806B2 (ja)

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JPS6110266A JPS6110266A (ja) 1986-01-17
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS57193067A (en) * 1981-05-22 1982-11-27 Fujitsu Ltd Semiconductor device
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JPS5861675A (ja) * 1981-10-09 1983-04-12 Hitachi Ltd 半導体装置
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FR2566185A1 (fr) 1985-12-20
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