JP2530312Y2 - 転動ピン式減速機 - Google Patents

転動ピン式減速機

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JP2530312Y2
JP2530312Y2 JP5793791U JP5793791U JP2530312Y2 JP 2530312 Y2 JP2530312 Y2 JP 2530312Y2 JP 5793791 U JP5793791 U JP 5793791U JP 5793791 U JP5793791 U JP 5793791U JP 2530312 Y2 JP2530312 Y2 JP 2530312Y2
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rolling
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暁弘 細川
均 大原
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Tsubakimoto Chain Co
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Tsubakimoto Chain Co
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、回転速度を減速するた
めの減速機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、減速機として、図13、図14に
示すように、ボールを用いた減速機20がある。この減
速機20は、外周にインボリュート歯形の外歯歯車21
が形成され一端に出力軸22が具えられた弾性体からな
る中空円筒23と、内歯歯車24が形成され中空円筒2
3を収納した剛性の大きいサーキュラスプライン25
と、長円形状の駆動円板26を有する入力軸27と、駆
動円板26と中空円筒23との間に介在する複数のボー
ル28とを有している。中空円筒23内には、ボール2
8を保持しながら中空円筒23と一体になって撓むボー
ルホルダー29が設けられている。外歯歯車21の歯数
は、内歯歯車24の歯数より偶数枚少ない。入力軸27
を回転させると、中空円筒23は駆動円板26によって
撓み変形しながら回転する。駆動円板26を1回転させ
ると、外歯歯車21は内歯歯車24上を噛合しながら前
記偶数枚少ないところまで転動する。これによって、出
力軸22は入力軸27より少ない回転数で回転する。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところが、このような
減速機20は、次の問題点を有している。 (1)中空円筒23は、撓んだ後、徐々に円形に戻る必要
があり、軸方向に長くしなければならない。 (2)中空円筒23は、撓むため、肉厚を薄くしなければ
ならず、伝達力が肉厚によって左右される。 (3)内歯歯車24と外歯歯車21との歯数の差が大きい
と、中空円筒23の撓み量が多くなる。このため、強度
面で低減速比が得られない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本考案は、長円形状の駆
動円板と、波状のサイクロイド曲線の曲面を内側に具え
たケーシングと、前記駆動円板の外周と前記曲面との間
に直接的又は間接的に挟まれ且つ前記曲面の波の数より
偶数個少ない転動ピンと、前記転動ピンと一体の偏心円
板と、前記偏心円板を回転自在に保持する保持孔が円上
に複数形成された従動円板とを有する減速機により、前
記の課題を解決したものである。
【0005】
【作用】減速機は、2通りの使い方がある。第1の使い
方は、駆動円板を駆動装置に連結し、ケーシングを固定
し、従動円板を従動装置に連結して使う使い方である。
第2の使い方は、駆動円板を駆動装置に連結し、従動円
板を固定し、ケーシングを従動装置に連結して使う使い
方である。先ず、ケーシングを固定し、従動円板を従動
装置に連結して使用する場合について説明する。駆動円
板を回転させると、転動ピンは駆動円板とサイクロイド
曲線の曲面と間に直接的或いは間接的に挟まれた状態
で、曲面に沿って駆動円板の回転方向とは逆方向に転が
る。転動ピンは転がりながら一体の偏心円板を介して従
動円板を牽引し回転させる。駆動円板が1回転すると、
転動ピンは、曲面の波の数と転動ピンの数との差の波の
数だけ移動する。これによって、従動円板は、駆動円板
より遅く、且つ駆動円板とは逆方向に回転する。減速比
は、サイクロイド曲線の曲面の波の数をZ1、転動ピン
の数をZ2とすると、[(Z1−Z2)/Z1]であ
る。
【0006】次に、駆動円板を駆動装置に連結し、従動
円板を固定し、ケーシングを従動装置に連結して使用す
る場合について説明する。駆動円板を回転させると、転
動ピンは駆動円板とサイクロイド曲線の曲面と間に直接
的或いは間接的に挟まれた状態で、曲面に沿って駆動円
板の回転方向とは逆方向に転がろうとする。しかし、転
動ピンと一体の偏心円板を保持している従動円板が固定
されているため、転動ピンは転がることができない。こ
のため、転動ピンは保持孔内で自転しながら公転するこ
とになる。転動ピンが自転しながら公転すると、転動ピ
ンに接触しているサイクロイド曲線の曲面に回転力が伝
達されケーシングは従動回転する。駆動円板が1回転す
ると、ケーシングは、曲面の波の数と転動ピンの数との
差の波の数だけ回転する。これによって、ケーシング
は、駆動円板より遅く、且つ駆動円板と同一方向に回転
する。減速比は、サイクロイド曲線の曲面の波の数をZ
1、転動ピンの数をZ2とすると、[(Z2−Z1)/
Z2]である。なお、(Z2−Z1)の値は負の値にな
るが、これは、ケーシングが駆動円板と同一方向に回転
することを示すものである。
【0007】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。減速機40は、公知の遊星歯車機構と同じような
機構をしており、太陽歯車に相当する駆動円板41と、
内歯歯車に相当するハイポ(内転)サイクロイド曲線の
曲面42を内側に具えたケーシング43と、遊星歯車に
相当する複数の転動ピン44と、偏心円板45と、遊星
キャリヤに相当する従動円板46とを有している。
【0008】駆動円板41は、外形が長円形になってお
り、側面に入力軸孔47が形成されている。長円形の長
径の半径はRy、短径の半径はRxである。又、長径と
なす角度θのところにおける半径Rは、 R=[(Ry+Rx)/2]+[(Ry−Rx)cos
2θ/2]である。 即ち、駆動円板41は上記の式で表わされる長円形状に
なっている。駆動円板41の外周には、内リング48と
中間ピン49と外リング50とが設けられている。中間
ピン49の数は20である。内リング48は駆動円板4
1と一体であり、外リング50は可撓性を有している。
【0009】ケーシング43は、ハイポサイクロイド曲
線の曲面42が内側に形成されたリング51を一体に具
えている。このハイポサイクロイド曲線は、後述する半
径Rsの円52(図4参照)を基準円とし、Rc=Rs
+F(但し、F=Ry−Rxである。)の関係を有する
半径Rcの円(図示省略)の内側に沿って半径Fの円
(図示省略)を転動して得られる曲線である。ハイポサ
イクロイド曲線の波の数は22である。
【0010】転動ピン44は、外リング50と曲面42
との間に介在している。転動ピン44の数は、曲線の波
の数より2つ少ない20である。転動ピン44の両端に
は、図3に示すように、偏心距離Eの偏心円板45,4
5が圧入されて一体構造になっている。転動ピン44の
半径はRp、偏心円板45の半径はRqである。転動ピ
ン44と偏心円板45は転動子53を構成している。転
動子53の両端は、駆動円板41に回転自在に設けられ
た支持板54と、後述する従動円板46とによって支持
されている。
【0011】従動円板46は、偏心円板45を保持する
複数の貫通孔(保持孔)55と、出力軸56とを有して
いる。貫通孔55は、図4に示すように、半径Rs=
{[(Ry+Rx)/2]+Rp+A}の円上に配設さ
れている。但し、Rpは転動ピン44の半径、Aは図2
に示すように内リング48と外リング50の両方の厚み
と中間ピン49の直径との合計寸法である。又、貫通孔
55の半径は偏心円板45の半径Rqと略々同一であ
る。支持板54にも、同様に貫通孔57が形成されてい
る。偏心円板55と貫通孔55,57との間には、相対
回転を円滑にするためベアリング(図示省略)を設けて
もよい。
【0012】次に動作を説明する。減速機40は、2通
りの使い方がある。第1の使い方は、駆動円板41を駆
動装置(図示省略)に連結し、ケーシング43を固定
し、従動円板46を従動装置(図示省略)に連結して使
う使い方である。第2の使い方は、駆動円板41を駆動
装置に連結し、従動円板46を固定し、ケーシング43
を従動装置に連結して使う使い方である。
【0013】先ず、ケーシング43を固定し、従動円板
46を従動装置に連結して使用する場合を図5乃至図1
0に基づいて説明する。なお、回転前の駆動円板41の
長径に対応する位置にある転動ピン441に注目して説
明する。図5乃至図10において、直線C1は従動円板
46のスタート位置、直線C2は従動円板46の回転位
置を示している。
【0014】駆動円板41を右回転させると、外リング
50は左回転する(図5参照)。転動ピン441は外リ
ング50とサイクロイド曲線の曲面42と間に挟まれた
状態で、曲面42に沿って左方向に転がる。駆動円板4
1は右回転に伴って転動ピン441に接触する部分が長
径の部分から短径の部分に移行する。これに伴って、転
動ピン441は駆動円板41、従動円板46の中心B
1、B2に接近し、凹状部58から凸状部59へと移行
する(図5乃至図10参照)。
【0015】駆動円板41が略々45度回転すると、転
動ピン441は凸状部59の略々先端まで移動する(図
10参照)。転動ピン441は一体の偏心円板451に
よって従動円板46と支持板54とに連結しているた
め、左方向に転がりながら、従動円板46と支持板54
を左方向に牽引し回転させる。転動ピン441が転がる
とき、偏心円板451は貫通孔55内で回転する。その
後、駆動円板41はなおも回転し、転動ピン441に接
触する部分が短径の部分から長径の部分に移行する(図
示省略)。これに伴って、転動ピン441は駆動円板4
1、従動円板46の中心B1、B2から離れ、凸状部5
9から凹状部58へと移行する。
【0016】駆動円板41が1回転すると、転動ピン4
41は曲面42の波の数と転動ピン44の数との差の波
の数だけ移動する。これによって、従動円板46は駆動
円板41より遅く回転する。このようにして、減速機4
0は、{[(22−20)/22]=(1/11)}の
減速比をもって回転力を伝達する。
【0017】次に、駆動円板41を駆動装置に連結し、
従動円板46を固定し、ケーシング43を従動装置に連
結して使用する場合について説明する。ケーシング43
と従動装置は、ベルト機構、歯車機構(図示省略)等に
よって連結されている。駆動円板41を回転させると、
外リング50は逆方向に回転する。転動ピン44は外リ
ング50とサイクロイド曲線の曲面42と間に挟まれた
状態で、曲面42に沿って外リング50と同方向に転が
ろうとする。しかし、転動ピン44と一体の偏心円板4
5を保持している従動円板46が固定されているため、
転動ピン44は転がることができない。このため、転動
ピン44は保持孔内で自転しながら公転する。この公転
の半径は上記Eである。転動ピン44が自転しながら公
転すると、転動ピン44に接触しているサイクロイド曲
線の曲面42に回転力が伝達されケーシング43は駆動
円板41と同方向に回転する。
【0018】駆動円板41が1回転すると、ケーシング
43は、曲面42の波の数と転動ピン44の数との差の
波の数だけ移動する。これによって、ケーシング43
は、駆動円板41より遅く、且つ駆動円板41と同一方
向に回転する。このようにして、減速機40は、
{[(20−22)/20]=−(1/10)}の減速
比をもって回転力を伝達する。なお、値が負の値になる
が、これは、ケーシング43が駆動円板41と同一方向
に回転することを示す。
【0019】次に、他の実施例の減速機について説明す
る。図11、図12の減速機140は、中間ピン170
以外の部分は図1乃至図3の構造と同一であるので、同
一部分には、図1乃至図3の符号の先頭に1を付して示
し、その構造の説明は省略する。この減速機140も、
公知の遊星歯車機構と同じような機構をしており、太陽
歯車に相当する駆動円板141と、内歯歯車に相当する
ハイポ(内転)サイクロイド曲線の曲面142を内側に
具えたケーシング143と、遊星歯車に相当する複数の
転動ピン144と、偏心円板145と、遊星キャリヤに
相当する従動円板146とを有している。駆動円板14
1には、駆動円板141の長円形状に沿って複数の中間
ピン170が軸171によって回転自在に設けられてい
る。中間ピン170は外リング150の内側に接触して
いる。ハイポサイクロイド曲線の曲面42の波の数は2
2である。又、転動ピン144は数は20である。
【0020】ケーシング143を固定し、従動円板14
6を従動装置に連結した状態で、駆動円板141を図1
2において右方向に回転させると中間ピン170は右方
向に公転しながら、左方向に自転する。外リング150
は中間ピン170の自転によって左回転する。これ以後
の動作は図1乃至図10の実施例の減速機40の動作と
同一であるので省略する。駆動円板141が1回転する
と、転動ピン144は、サイクロイド曲線の波2つ分だ
け移動する。転動ピン144は回転移動しながら一体の
偏心円板145を介して従動円板146を左回転させ
る。このようにして、減速機140は、{[(22−2
0)/22]=(1/11)}の減速比をもって回転力
を伝達する。
【0021】駆動円板141を駆動装置に連結し、従動
円板146を固定し、ケーシング143を従動装置に連
結して使用した場合の減速比は、{[(20−22)/
20]=−(1/10)}である。なお、値が負の値に
なるが、これは、ケーシング143が駆動円板141と
同一方向に回転することを示す。
【0022】以上の駆動円板41,141は、中間ピン
49,170と外リング50,150を介して間接的に
転動ピン44,144に接触しているが、直接接触する
ようにしてもよい。
【0023】
【考案の効果】本考案の減速機は、次の効果を奏する。 (1)駆動円板とサイクロイド曲線の曲面との間に全部の
転動ピンが挟まれた状態で、回転力を伝達するため、減
速機全体の剛性を高くすることができる。 (2)転動ピンの転動によって回転力を伝達するため、伝
動効率を高めることができる。 (3)駆動円板とサイクロイド曲線の曲面とに全部の転動
ピンが挟まれているため、衝撃に強い構造にすることが
できる。 (4)転動ピンは駆動円板とサイクロイド曲線の曲面とに
挟まれて転がるため、振動や騒音を少なくすることがで
きる。 (5)転動ピンに滑りが殆ど生じないので摩耗が少なく、
長期間使用することができる。 (6)従来の中空円筒のように撓みながら回転力を伝達す
る部材がないため、従来より大きな伝達力を伝達するこ
とができる。 (7)従来とは異なって、撓む中空円筒と歯車を使用して
いないため、歯車の歯数による減速比の制限を受けるよ
うなことがなくなり、低い減速比を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の減速機の正面断面図である。
【図2】図1中2−2矢視断面図であり、ケーシングを
省略した図である。
【図3】転動ピンの斜視図である。
【図4】従動円板の側面図である。
【図5】動作説明図である。
【図6】動作説明図である。
【図7】動作説明図である。
【図8】動作説明図である。
【図9】動作説明図である。
【図10】動作説明図である。
【図11】他の実施例の減速機の正面断面図である。
【図12】図11中12−12矢視断面図であり、ケー
シングを省略した図である。
【図13】従来の減速機の正面断面図である。
【図14】従来の減速機において、内歯歯車と外歯歯車
との噛合状態を示す側面図である。
【符号の説明】
40,140 減速機 41,141 駆動円板 42,142 曲面 43,143 ケーシング 44,144,441 転動ピン 45,145 偏心円板 46,146 従動円板 52 円 55,155 貫通孔(保持孔)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長円形状の駆動円板と、波状のサイクロ
    イド曲線の曲面を内側に具えたケーシングと、前記駆動
    円板の外周と前記曲面との間に直接的又は間接的に挟ま
    れ且つ前記曲面の波の数より偶数個少ない転動ピンと、
    前記転動ピンと一体の偏心円板と、前記偏心円板を回転
    自在に保持する保持孔が円上に複数形成された従動円板
    とを有してなる、減速機。
JP5793791U 1991-06-28 1991-06-28 転動ピン式減速機 Expired - Lifetime JP2530312Y2 (ja)

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