JPH0351934B2 - - Google Patents

Description

１ 入力軸２ 第１組のレースがステータレース１６を含んで
いる第１組と第２組の共役レース１２〜１５、 前記各第１組と第２組の共役レースの１つ１
２，１４を軌道に乗せるために前記入力軸に取付
けられるカム４、 前記第１組の共役レースの前記１つのレースが
軌道を描くときに前記第１組の共役レースのレー
ス１２，１３間でトルクを伝達する第１組の転動
要素２０、 前記第２組の共役レースの一方のレース１４が
軌道に乗せられるときに前記第２組の共役レース
１４，１５間でトルクを伝達する第２組の転動要
素２１からなり、前記カム４は前記第１組と第２
組の転動要素に負荷を与え、 前記第１組の転動要素２０と前記第１組の共役
レース１２，１３は両者間で第１の半径方向クリ
ヤランスが得られる大きさに形成され、前記第２
組の転動要素２１と前記第２組の共役レース１
４，１５は両者間で第２の半径方向クリヤランス
が得られる大きさに形成され、前記第１の半径方
向クリヤランスを前記第２の半径方向クリヤラン
スよりも大きくすることによつて、前記カム４が
前記第２組の共役レースに負荷をかけた場合に、
前記第２組の前記共役レースの少なくとも１つの
レースの撓みを補償し得ることを特徴とするエピ
サイクリツク式減速装置。

２ 特許請求の範囲第１項記載のエピサイクリツ
ク式減速装置において、半径方向クリヤランスが
増大する方向に関する前記すべての共役レースの
理論的トロコイド輪郭は実質的に等しく形成さ
れ、前記第１組の転動要素の理論的直径が前記第
２組の転動要素の直径よりも短くされることを特
徴とするエピサイクリツク式減速装置。

３ 特許請求の範囲第１項記載のエピサイクリツ
ク式減速装置において、前記第１組と第２組の転
動要素は各々に予想される理論的直径から実質的
に等しく減少された直径を有し、前記第１組の共
役レース１２，１３の半径方向クリヤランスが増
大する方向に関する理論的輪郭は、前記第２組の
共役レース１４，１５の半径方向クリヤランスが
増大する方向に関する理論的輪郭よりも大きくさ
れることを特徴とするエピサイクリツク式減速装
置。

４ 特許請求の範囲第２項記載のエピサイクリツ
ク式減速装置において、前記第１組と第２組の転
動要素は第１組と第２組の円柱コロ２０，２１か
らなることを特徴とするエピサイクリツク式減速
装置。

５ 特許請求の範囲第３項記載のエピサイクリツ
ク式減速装置において、前記第１組と第２組の転
動要素２０，２１は第１組及び第２組の円柱コロ
からなることを特徴とするエピサイクリツク式減
速装置。

【発明の詳細な説明】

本発明は、エピサイクリツク式減速装置に関
し、詳述すれば、第１組のエピトロコイド状とハ
イポトロコイド状に形成された共役レース、及び
第１減速を達成し得るように第１組の共役レース
間でトルクを伝達するために第１組の共役レース
間に配置された第１組のコロ、及び第２組のエピ
トロコイド状とハイポトロコイド状に形成された
共役レース、第２減速を達成し得るように第２組
の共役レース間でトルクを伝達するためめに第２
組の共役レース間に配置された第２組のコロを有
するエピサイクリツク式減速装置に関する。第１
組のレースの一方は回転せず、従つてステータレ
ースを形成する。

本発明は米国特許第4643047号、及び同第
4584904号に関連しているので、本明細書では必
要程度にこれらの特徴を説明する。

このような減速機は入力軸に固定的に連結され
た偏心カムを用い、偏心カムは入力軸が回転する
と、各組の共役レースの１つを軌道に乗せる。偏
心カムは第１組のコロと第２組のコロに対して、
特にカムの頂部死点位置にいずれかの側のコロに
対して通常負荷を与え得るように一定の大きさに
作られる。偏心カムがレースを軌道に乗せると
き、回転可能に支持されている第１組の共役レー
スのレースは、第１減速を達成するために第１組
のコロによつて伝達されたトルクによつて回転さ
せられる。第２組のレースの１つは第１組のレー
スの回転レースに結合されて同回転レースととも
に回転し、第２組のレースの他のレースは第２組
のコロによつて第２組のレース間で伝達されたト
ルクによつて第２減速速度で回転する。共役トロ
コイドレース、それらに対応する組のコロ、入力
軸、及び偏心カムをそれらの理論的寸法に形成し
たとするなら、組み立てられたときにはこれらの
諸要素間にクリヤランスは存在しない。もしコロ
の組、又は共役トロコイドレースの輪郭を、これ
らの諸要素の半径方向のクリヤランスが増大する
ように理論的寸法とは異なつた寸法に形成すると
すれば、エピトロコイド状の内方レースはそのク
リヤランスが存在することによつて、ハイポトロ
コイド状の固定レースに関して半径方向に動くこ
とができるようになる。半径方向のクリヤランス
とは、コロがエピトロコイド状レース、ハイポト
ロコイド状レース、及びコロからなる共役組に関
して特定位置において半径方向に移動し得る全体
の距離を意味する。

このような変速機では、第１の半径方向クリヤ
ランス（第１組のコロと第１組の共役レースとの
間の）を第２の半径方向クリヤランス（第２組の
コロと第２組のレースとの間の）に等しく維持す
るのが一般的であつた。しかしこのような減速機
はしばしば所望通りに滑らかには作動しない。

従つて、本発明の目的は、従来のエピサイクリ
ツク式減速装置よりも滑らかにかつ有効に作動す
るエピサイクリツク式減速装置を提供することに
ある。

上記の目的、及び他の目的は、第１組と第２組
のトロコイド状に成形された共役レースを有し、
第１組と第２組のレースのレース間に入れられる
第１組と第２組のコロを有し、第２組のコロと第
２組のレース間の半径方向クリヤランスに比較し
てより大きい半径方向クリヤランスが得られるよ
うに一定の大きさに作られている第１組のコロ、
及びステータを含む第１組のレースを有し、第２
組のレースに含まれている出力レースを有するエ
ピサイクリツク式減速装置によつて達成される。

第１図を参照すると、本発明の原理によつて構
成されるエピサイクリツク式減速装置は、偏心カ
ム４が固定される入力軸２を有し、入力軸は１組
のテーパ付きコロ軸受６を介して該装置の中心軸
線１０の周りでアイドラ８を軌道に乗せるように
作動する。アイドラ８はその半径方向外面に形成
されたエピトロコイド状に形成されたレース１
２，１４を有し、これらのレース１２，１４はそ
れぞれステータリング部材１６、及び出力リング
部材１８に形成されるハイポトロコイド状に形成
された各共役レース１３，１５に対向し、従つて
トロコイド状に形成された第１組の共役レース１
２，１３、及び第２組の共役レース１４，１５が
得られる。

レース１２〜１５の特別な形状、及びそれらを
製造する方法は上述した米国特許第4643047号、
同第4584904号に記載されているので、その説明
はここでは繰り返さない。しかし、留意すべきこ
とは、エピトロコイド状に形成したレース１２，
１４はステータ１６に及び／又は出力リング部材
１８に形成することもでき、対応するハイポトロ
コイド状に形成したレース１３，１５は第１組の
レース１２，１３、及び第２組のレース１４，１
５が各々トロコイド状に形成したレースの共役組
からなる限り、アイドラ８に形成し得るというこ
とである。第１組の円柱コロ２０と第２組の円柱
コロ２１は各組の共役レースのレース相互間でト
ルクを転動伝達するために、それぞれ第１組の共
役レース１２，１３及び第２組の共役レース１
４，１５間に配置される。再び留意すべきこと
は、共役レース組間でトルクを伝達するためには
共役レース組間にコロに代えてボールを用い得る
ということであり、本発明はこのような実施例に
も同等に適用し得る。

入力軸２が減速装置の中心軸線１０の周りに偏
心カム４を回転させるように回転すると、エピト
ロコイド状に形成されたレース１２，１４は軌道
に乗せられ、第１組のコロ２０は各レース１２，
１３上のローブと凹所の数の差によつて決定され
た第１減速度でエピトロコイド状に形成されたレ
ース１２，１４を一体に回転する。加えて、出力
側のハイポトロコイド状に形成されたレース１５
もレース１４，１５間のコロ係合によつて第２減
速速度で回転し、出力がレース１５に伝達され
る。第１減速速度と第２減速速度は第１組のコロ
２０と第２組のコロ２１によつて伝達されたトル
クによつて発生される。

上述の型の従来のエピサイクリツク式減速装置
では、第１組の共役レース１２，１３と第１組の
コロ２０との間の第１の半径方向クリヤランスは
第２組の共役レース１４，１５と第２組のコロ２
１との間の第２の半径方向クリヤランスに等しく
設定され、このような減速装置では代表的には
0.1mm（4/1000インチ）のクリヤランスが使用さ
れる。加えて、偏心カム４の大きさを僅かに大き
くして、テーパ付きコロ軸受６が上述した第１ク
リヤランスと第２クリヤランスを頂部死点でゼロ
に減じるように頂部死点カム位置の一側、又は他
側の近傍に半径方向外方にアイドラ８を押圧し、
カムの近傍で第１組のコロ２０と第２組のコロ２
１に対して負荷を与えるようになつている。

入力側のハイポトロコイド状に形成されたレー
ス１３は減速装置のハウジング２２に固定的に支
持されるステータ１６からなるので、レース１３
はテーパ付きコロ軸受７からずらされかつそれに
回転可能に支持される出力側のハイポトロコイド
状に形成されたレース１５に比して比較的堅くか
つ弾力がない傾向がある。詳述すれば、出力レー
ス１５は入力レース１３よりも柔軟でかつ弾力的
に支持される。従つて、出力レースは、同レース
に偏心カム４が負荷を加えると入力レース１３よ
りも撓みやすくなつている。なぜなら、出力レー
スはその外周面で固定的に支持されるのではな
く、比較的柔軟な１対の軸受によつて回転し得る
ように内周面で支持されているからである。エピ
トロコイド状に形成されたレース１２，１４の柔
軟性と弾力性は実質的に互いに等しい傾向がある
ので、コロ２０，２１が偏心カム４によつて負荷
されるとき、第２組のコロ２１は入力レース１３
に比して出力レース１５の比較的大きな柔軟性に
よつて頂部死点カム位置の近傍で無負荷になる傾
向を持つ。従つて偏心カム４によつて付与される
全負荷の大部分は第１組のコロ２０が受ける。第
２組のコロ２１が無負荷、又は非負荷状態になる
と、コロ２１が第２組のレース１４，１５間でト
ルクを伝達する際に、コロ２１が最適設計位置か
ら逸脱することになる。そうすると減速装置は円
滑に運動されず、効率も比較的に低下する。

特に、運転中、第２図に見て垂直最上方位置に
ある偏心カム４の頂部死点に最も近接しているコ
ロ２１′（第２図参照）は対向凹所２４間で安定
位置を保つが、第２図の最下方位置にある偏心カ
ム４の底部死点に最も近接しているコロ２１″は
対向ローブ２６間で不安定な位置を占めている。
これらのコロはリテーナによつて所定位置に保持
され、コロ２１′はこれらのコロが負荷されかつ
本来安定した位置に配置されるので、リテーナを
回転させようとするが、リテーナは本来不安定な
位置に配置されて負荷が加えられないローラ２
１″を位置決めする。しかし、十分な負荷が偏心
カム４によつてコロ２１′上に与えられないなら、
該コロ２１′は、それらの半分以上が対向レース
のローブ上、又は近傍に一般に不安定な位置を占
めることになるから、コロ２１′は適正位置に達
し得ず、リテーナの位置も不正確になるので、す
べてのコロ２１′の位置を正確に決定できなくな
る。

更に、出力レース１５が撓むと、コロ２１′の
負荷をなくすようにするので、第１組のコロ２０
は、偏心カム４によつて付与される全負荷の相当
部分に必然的に耐えなければならず、そうすると
第１組のコロ２０と第１組のレース１２，１３に
過度に応力が加えられることになる。

従つて、従来の減速装置の上述した欠点を解決
するために、本発明の教示によれば、第１組のコ
ロ２０の大きさとステータレース１６を含む第１
組の共役レース１２，１３の大きさは、コロ２０
とレース１２，１３との間の半径方向クリヤラン
スが第２組のコロ２１と出力レース１５を含んで
いる第２組の共役レース１４，１５との間の半径
方向クリヤランスよりも大きいように設定され
る。代表的には、第２組のコロ２１と第２組の共
役レース１４，１５との間の半径方向クリヤラン
スは0.15mm（6/1000インチ）よりも大きくなくか
つ好ましくは0.1mm（4/1000インチ）よりも大き
くない。第１組のコロ２０と第１組の共役レース
１２，１３間の半径方向クリヤランスは、0.05mm
（2/1000インチ）以下だけ第２組のレースと第２
組のコロとの間のクリヤランスよりも大きい。ク
リヤランス差の正確な量は、第１組のコロ２０と
第２組のコロ２１に対して偏心カム４が負荷を加
えた場合に、これらのコロ２０，２１が同量の負
荷を受け、もつてこれらのすべてのコロ２０，２
１を所望の位置に配置することによつて、減速装
置が滑らかにかつ効率的に作動し得るようにする
観点から決定される。

本発明の一実施例によれば、半径方向のクリヤ
ランスの程度のすべてのレース１２〜１５の理論
的トロコイド輪郭を第１組の共役レースと、第２
組の共役レースに関して等しくし、コロと共役レ
ース間の半径方向のクリヤランスを共役レースの
輪郭によつて同一にしておく。続いてコロ２０を
コロ２１よりも各共役レースについて予想される
理論的大きさよりも小さく形成する。すなわち、
共役レース１２，１３について予想される理論的
直径よりもコロ２０は小さく形成され、その小さ
くされた程度は共役レース１４，１５について予
想される理論的直径よりもコロ２１の大きさを小
さくした程度よりも大きい。コロ２０の直径が僅
かに小さくされると、コロ２０とレース１２，１
３との間の半径方向クリヤランスは、所望程度に
コロ２１とレース１４，１５間の半径方向クリヤ
ランスよりも大きくなる。

又、別の実施例によれば、コロ２０，２１は各
組の共役レース１２，１３，１４，１５の予想さ
れる理論的直径から実質的に等しい距離だけ小さ
く形成される。半径方向クリヤランスを増大する
方向の理論的トロコイド輪郭１２，１３，１４，
１５は、第１組の共役レース１２，１３の方が第
２組の共役レース１４，１５よりも若干大きくし
ておくと、コロ２１と第２組の共役レース１４，
１５間の半径方向クリヤランスよりも、コロ２０
と第１組の共役レース１２，１３間の半径方向ク
リヤランスに所望程度に大きいクリヤランスを与
えることができる。

以上説明したように、すべての実施例によれ
ば、レース１２〜１５、及びコロ２０，２１は、
コロ２０とレース１２，１３間の半径方向クリヤ
ランスとコロ２１とレース１４，１５との間の半
径方向クリヤランスとの間の差が、減速装置の作
動中に偏心カム４によつて及ぼされるアイドラ８
に対する負荷がコロ２０とコロ２１に等しく加え
られるように形成される。

本発明の範囲および精神から逸脱することなく
第１図に示す減速装置に種々の変更を加えて上述
の目的を達成し得ることは容易である。このよう
な変更は特許請求の範囲に含まれるものと思われ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１組のコロとレースとの間に設けら
れた半径方向クリヤランスが第２組のコロとレー
スとの間に設けられた半径方向クリヤランスより
も大きい本発明によるエピサイクリツク式減速装
置を示す断面図、及び第２図はエピ及びハイポト
ロコイド状共役レースに転動係合される１組のコ
ロを示す概略平面図である。 ２……入力軸、１２，１３……第１組共役レー
ス、１４，１５……第２組共役レース、１６……
ステータレース、２０，２１……転動要素。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】