JP2530282Y2 - 光コード移動時の曲げ半径確保機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は光配線盤内に成端されている光線路の保守、
点検時に光配線盤からコネクタ収納箱を引出す際、光コ
ードの移動に併って光コードが規定の曲げ半径以下に曲
がらないように規制するための曲げ半径確保機構に関す
るものである。

（従来の技術） 光配線盤は光線路と局内装置間を光コードを用いて、
任意に接続展開する装置である。第４図は従来の光配線
盤構造の一例で、その一部分を示した斜視図である。第
４図において、光コード固定部52は光コード固定部支持
板40に固定され、光コード固定部52の後側にはコネクタ
収納箱取付け棚47にコネクタ収納箱上部に固着している
取付け部品45により、コネクタ収納箱48が装着してい
る。

コネクタ収納箱48はコネクタ収納箱取付け棚47からは
容易に取りはずせる構造となっている。さらに、コネク
タ収納箱48の下部側には光コード43を積載する成端棚44
が設置されている。また、成端棚44には多数の光コード
43が積載されるため、光コード43が成端棚44から脱落し
ないよう適正な高さの縁部54が設けられている。光コー
ド固定部支柱板40、コネクタ収納箱取付け棚47、成端棚
44は支柱46にそれぞれ固定された構造となっている。

光コード固定部52の上部に接続されている光コード53
は局内装置に結線されている。また、コネクタ収納箱後
側に接続されている光コード43は光線路に接続されてい
る。光線路を保守、点検する時はコネクタ収納48を光配
線盤支柱46の外側まで、手作業により引出して、コネク
タ41、42から保守、点検作業を行う。光コード固定部52
の光コード引出し部51とコネクタ収納箱48の光コード引
留め部49間の光コード50はコネクタ収納箱48を引出すた
めの余長である。

第５図は従来構造の一例で光コード50が通常の状態で
布設されている側面図。第６図は従来構造の一例で、コ
ネクタ収納箱48を引出し途中の光コード50の状態を示し
た側面図。第７図は従来構造の一例でコネクタ収納箱54
を引出した後の光コード50の状態を示した側面図であ
る。光コード50はコネクタ収納箱48の引出し途中及び引
出し後においても伝送損失増加や、折損を防止するため
規定の曲げ半径条件を満足しなければならない。

（考案が解決しようとする課題） 第６図において、コネクタ収納箱48の引出し途中の光
コード50の状態は成端棚縁部54で急激に曲げられるため
規定の曲げ半径条件を満足できない欠点がある。さら
に、第７図において、コネクタ収納箱48の引出し後に光
コード50は光コード固定部52の光コード引出し部51で急
激に引き曲げられるため規定の曲げ半径条件を満足でき
ない欠点がある。

（課題を解決するための手段） コネクタ収納箱の引出し途中及び引出し後においても
光コードが規定の曲げ半径条件を満足できるように、曲
げ半径確保機構を有するものである。すなわち、本考案
は、コネクタ収納箱を引出す途中及び引出し後におい
て、光コード固定部の光コード引出し部と成端棚の縁部
で光コードが急激に曲げられるのを規制するため、光コ
ード固定部とコネクタ収納箱の空間に、断面形状が円分
で、その弧度を60°以上とし、コネクタ収納箱の配列数
に対応する長さを持つ光コード引下げ用曲げ半径確保部
材と光コード引上げ用半径確保部材の２個で形成し、光
コード引下げ用曲げ半径確保部材は光コード固定部から
垂下する光コードが引き出されたときの曲げ半径を確保
するものであり、通常は光コードの余長さのために光コ
ードはこの光コード引下げ用曲げ半径確保部材には接触
しておらず、光コード引上げ用曲げ半径確保部材は成端
棚の縁部で光コードが急激に曲げられるのを規制するた
めのものである。両者の部材を平行配置し、一体構成に
して光配線盤に設置したことを主要な特徴とする。

（作用） 光コード引上げ用曲げ半径確保部材及び光コード引下
げ用曲げ半径確保部材で一体構成化した光コード移動時
の曲げ半径確保機構を設置することにより、保守点検の
ために光コードを引き出しても、この光コードは規定の
曲げ半径条件を確保できる。

（実施例） 第１図、第２図及び第３図は本考案の一つの実施例を
示す図であって、第１図は光コード移動時の曲げ半径確
保機構を設置した斜視図、第２図は光コード移動時の曲
げ半径確保機構を設置し、コネクタ収納箱引出し途中
の、余長のある光コードの状態を示した側面図、第３図
は光コード移動時の曲げ半径確保機構を設置し、コネク
タ収納箱引出し後の余長のある光コードの状態を示した
側面図である。

第１図において、光コード固定部５は光コード固定部
支持板１に固定され、光コード固定部５の下部には光コ
ード引下げ用曲げ半径確保部材３が光コードに非接触に
配置され、光コード引下げ用曲げ半径確保部材３の後側
には光コード４が通過できる間隔を有して、それに平行
に光コード引上げ用曲げ半径確保部材17を配置して一体
構造化した曲げ半径確保機構が取付けられている。さら
に、コネクタ収納箱取付け棚９にコネクタ収納箱10の上
部に固着している取付け部品11により、コネクタ収納箱
10が装着している。また、コネクタ収納箱10はコネクタ
収納箱取付け棚９からは容易に取りはずせる構造になっ
ている。コネクタ収納箱10の下部側には光コード８を積
載する成端棚12が設置されている。また、成端棚12には
多数の光コード８が積載されるため、光コード８が成端
棚12から脱落しないように適正な高さの縁部16が設けら
れている。

光コード固定部支持板１、コネクタ収納箱取付け棚
９、成端棚12、および光コード引下げ用半径確保部材３
と光コード引上げ用曲げ半径確保部材17は一体構造化し
て、それらは支柱７にそれぞれ固定されている。

光コード固定部５の上部に接続されている光コード６
は局内装置に結線されている。また、コネクタ収納箱後
側に接続されている光コード８は光線路に結線されてい
る。

光線路を保守、点検する時はコネクタ収納箱10を光配
線盤支柱７の外側まで手作業により引出して、コネクタ
14、13から保守、点検作業を行う。光コード固定部５の
光コード引出し部２とコネクタ収納箱10の光コード引留
め部15間の光コード４はコネクタ収納箱10を引出すため
の余長である。

第２図において、コネクタ収納箱10を引出す途中の光
コード４の状態は、光コード固定部５の光コード引出し
部２からほぼ鉛直に垂下し、Ｕターンして成端棚12の上
方に延びていく。この時、光コード引上げ用曲げ半径確
保部材17は成端棚12の縁部16で光コード４が急激に曲げ
られるのを規制するためのものである。光コード引上げ
用曲げ半径確保部材17は光コード４の移動方向に対応し
て規定の曲げ半径条件を確保できるような曲率を有した
構造となっている。第３図はコネクタ収納箱10を引出し
た後の余長のある光コード４の状態を示した図であり、
光コード引下げ用曲げ半径確保部材３を設置することに
より、光コード固定部５の光コード引出し部２で余長の
ある光コード４が急激に曲げられるのを規制している。
光コード引下げ用曲げ半径確保部材３は余長のある光コ
ード４の移動方向に対応して規定の曲げ半径条件を確保
できるような曲率を有しているので光コードの引張りに
対して急激な曲げが加わらないように規制している。

さらに、コネクタ収納箱10引出しは手作業のため一定
方向に引出されないで、上方や下方に引出されることが
あるが、このような状況に対しても、光コード引上げ用
曲げ半径確保部材17及び光コード引下げ用曲げ半径確保
部材３により、光コード４が規定の曲げ半径条件を確保
できる作用がある。

また、第３図において、光コード４が光コード固定部
５上部から引出された場合には、光コード引下げ用曲げ
半径確保部３と光コード引上げ用曲げ半径確保部材17を
それぞれ180°反転させて設置すれば、上記と同様の作
用が得られる。

以上のように、光コード引上げ用曲げ半径確保部材17
及び光コード引下げ用曲げ半径確保部材３で一体構成化
した光コード移動時の曲げ半径確保機構を設置すること
により、光コード４は規定の曲げ半径条件を確保できる
作用があるため、伝送損失増加や折損を防止する効果が
ある。

（考案の効果） 以上説明したように、光コード引上げ用曲げ半径確保
部材と光コード引下げ用曲げ半径確保部材とからなる光
コード移動時の曲げ半径確保機構を用いることにより、
光コネクタ収納箱の引出し途中及び引出し後において光
コード固定部の光コード引出し部及び成端棚の縁部で光
コードが規定の曲げ半径条件を確保できるので光コード
自体での伝送損失増加や折損を防止できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は光コード移動時の曲げ半径確保機構を設置した
斜視図、第２図は光コード移動時の曲げ半径確保機構を
設置し、コネクタ収納箱引出し途中の余長のある光コー
ドの状態を示した側面図、第３図は光コード移動時の曲
げ半径確保機構を設置し、コネクタ収納箱引出し後の余
長のある光コードの状態を示した側面図、第４図は従来
の光配線盤構造の一例で、その一部分を示した斜視図、
第５図は従来構造の一例で光コードが通常の状態で布設
されている側面図、第６図は従来構造の一例でコネクタ
収納箱引出し途中の光コードの状態を示した側面図、第
７図は従来構造の一例でコネクタ収納箱引出し後の光コ
ード状態を示した側面図である。 １……光コード固定部支持板、２……光コード引出し
部、３……光コード引下げ用曲げ半径確保部材、５……
光コード固定部、４、６、８……光コード、７……支
柱、９……コネクタ収納箱取付け棚、10……コネクタ収
納箱、11……取付け部品、12……成端棚、13、14……コ
ネクタ、15……光コード引留め部、16……成端棚縁部、
17……光コード引上げ用曲げ半径確保部材、40……光コ
ード固定部支持部、41、42……コネクタ、44……成端
棚、45……取付け部品、46……支柱、47……コネクタ収
納箱取付け棚、48……コネクタ収納箱、49……光コード
引留め部、50、53、43……光コード、51……光コード引
出し部、52……光コード固部、54……成端棚縁部、

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数のコネクタ収納箱とそれと同数の光コ
   ード固定部を備え、複数のコネクタ収納箱が一つのコネ
   クタ収納箱取付け棚に取外し自由に係着され、各コネク
   タ収納箱と各光コード固定部との間が保守点検余長を有
   する光コードで接続された光配線盤の曲げ半径確保機構
   であって、 断面形状が下に凸の円弧状で長さが前記コネクタ収納箱
   取付け棚に相当する光コード引下げ用曲げ半径確保部材
   を、前記複数の光コード固定部の下方の光コード垂下位
   置に設け、 断面形状が上に凸の円弧状で長さが前記コネクタ収納箱
   取付け棚に相当する光コード引上げ用曲げ半径確保部材
   を、前記複数の光コード固定部と前記複数のコネクタ収
   納箱の空間の、前記コネクタ収納箱の近傍に設け、 光コードの前記保守点検用余長は、保守点検のために前
   記コネクタ収納箱を前記コネクタ収納箱取付け棚から取
   り出し、引き出した時のみに前記光コード引下げ用曲げ
   半径確保部材と前記光コード引上げ用曲げ半径確保部材
   に接触する長さであることを特徴とする光コード移動時
   の曲げ半径確保機構。