JP2529274C - - Google Patents

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JP2529274C
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heat treatment
film
4πms
alloy film
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は磁気ヘッドコア材等に適した軟磁性窒化合金膜の熱処理方法に関する
ものである。 従来の技術 軟磁性窒化合金膜の研究は少なく、Coの窒化膜が作成条件によっては保磁力
Hcが5〜6Oeのものが得られたという報告(電子通信学会技術研究報告MR8
5−52−66)があるがこの場合、窒化により飽和磁化が減少し、約300℃
以上の熱処理により窒素が解離してしまう事が報告されている。 発明が解決しようとする問題点 本発明者らは特定な組成の窒化超構造膜が軟磁性を示す事を見い出した(日本
特出願61−54054、61−199631)、又この窒化合金膜をある特定
の温度で熱処理する事により、その飽和磁化4πMsを更に大幅に幅加させる事
が可能である事を見い出した。従来の窒化合金の場合は窒化して4πMsが減少
したものが熱処理により窒素が解離して4πMsが増加したり、膣化して4πMs
が微増しても熱処理により窒素が解離して4πMsが減少する事があったが、本
発明の場合においては、窒化により4πMsが増加し、更に特定の温度の熱処理
により窒素が解離することなく大幅な4πMsの増加が得られるといった従来の
常識では考えられない特異な現象を見い出したものである。 問題を解決するための手段 上述のような特異な効果は次式で示した組成より成る強磁性合金膜 TxMyNz を熱処理温度をTaとして 300℃<Ta<650℃ で熱処理を行う事により得られる。 ただし T=Co、Feのうちの1種以上の金属 M=Nb、Zr、Ti、Ta、Hf、Cr、W、Moのう ちの1種以上の金属 N=N(窒素) であってx,y,zは原子パーセントでそれぞれ 65≦x≦94 5≦y≦25 0.1≦z≦20 x+y+z=100 である。 作用 本発明はある特定な組成の合金膜の4πMsを増加させかつその軟磁気特性を
改良する事を可能にする熱処理法に関するものである。 実施例 TxMyNz(65≦x≦94、5≦y≦25、0.1≦z≦20、x+y+z
=100)で示された窒化合金膜を300℃から650℃の間の熱処理温度で真
空中熱処理を行ったところ、合金膜の飽和磁化4πMsが増加する事がわかった
。 ここでTはCo、Feのうちの1種以上の金属、MはNb、Zr、Ti、Ta、Hf
、Cr、W、Moのうちの1種以上の金属、Nは窒素である。 なおより優れた軟磁気特性を得るにはこの窒化合金膜が組成変調合金膜 Tx'My'Nz' ・・・・・・・・・・・(1) である事が望ましい事が実験よりわかった。ただしT,M,Nはものと同じでx',
y',z'は膜の平均組成(原子パーセント)で 65≦x'≦94 5≦y'≦25 0.1≦z'≦20 ・・・・・・・・・・・(2) x'+y'+z'=100 である。 x,x'>64 及び ・・・・・・・・・・・(3) y,y'≦25 は合金膜が十分に高い4πMsを有するのに必要な条件であり x,x'≦94 y,y'≧ 5 ・・・・・・・・・・・(4) は合金膜が軟磁性を示すのに必要な条件である。 Tは強磁性元素で主成分はCoもしくはFeであり、Mは窒素との結合の強い元素
でかつ軟磁気特性を得るのに有効な元素である。 又窒素Nは合金の硬度、耐蝕性を向上させ、かつ4πMsを増加させる働きをし
、 z,z'≧0.1 ・・・・・・・・・・・(5) である事が少なくとも必要で、 z,z'≦20 ・・・・・・・・・・・(6) である事が膜の基板への付着強度上好ましい。 又熱処理温度も軟磁気特性を得る為には望ましくは 480℃<Ta<620℃ ・・・・・・・・・・・(7) であり、磁界中熱処理等を用いる事により、熱処理によって4πMsを増加させ
るのと同時に更に軟磁性を改良する事が可能である。 以下具体例により本発明の効果を説明する事とする。 〔実施例1〕 ターゲットにCo81Nb12Zn5Ta2を用い、Arガス中にN2ガスを10%混合した
反応スパッターにより窒化合金膜Co−Nb−Zr−Ta−Nを作成した、得られた
膜の作成時の室温での飽和磁化4πMsは約8.6KGであった。又同じターゲ
ットを用い、N2ガスを混合しないでArガスのみを用いたスパッター法により形
成した膜Co−Nb−Zr−Taの4πMsは約7.4KGであった。これにより窒
化膜の方が非窒化膜より4πMsが大である事がわかった。次にこの窒化膜を真
空中熱処理してその4πMsの変化を測定した。結果を第1図に示す、興味ある
事には4πMsは300℃以上の熱処理により更に増加し、560〜580℃で
極大を示し4πMs 10.2KGとなる事がわかった。 又650℃以上では4πMsの減少が大きくなる事がわかった。窒化していない
Co−Nb−Zr−Ta膜の4πMsが7.4KGであったのに対し、熱処理により
Co−Nb−Zr−Ta膜の4πMsは10.2KGにも高める事が出来、実用上極
めて有効な傾向を示す事がわかった。 〔実施例2〕 実施例1と同じターゲットを用い、Arガス中に分圧で10%のN2ガスを周期
的に混合する事により1層の層厚が約200Åの窒化層と非窒化層より成る超構
造膜を形成した、得られた膜の窒温での4πMsは約8.1KGであった。この
超構造膜を真空中かつ回転磁界中で熱処理し、4πMsの熱処理温度依存性を調
べた。第2図に結果を示した。4πMsは300℃以上の熱処理により急増し、
560〜580℃での熱処理により約10KGまで増大する事がわかった。第3
図は同じ熱処理後におけるこの膜の測定磁界20Oeでの磁束密度B20(Ta)を
作成時の値のB20(U)でノーマライズしてプロットしたものである。300〜3
50℃での熱処理によりB20(Ta)/B20(U)の値が減少するのは膜の保磁力Hc
が大きくなって測定磁界20Oeでの飽和が悪くなる為であり、約450℃以上
での熱処理によりHcは減少し始めその値は1より大となり、熱処理温度Taが4
80℃以上620℃以下の時、B20(Ta)/B20(U)は大きな値をとり熱処理に
より4πMsが増加すると同時にHcも減少しその値は約0.4Oeであって、膜
は優れた軟磁性を示す事がわかった。 〔実施例3〕 ターゲットにCo86Nb9Hf5,Co87Nb9Zr4を用いて実施例2と同様の実験を
行った。前者の場合約540℃での熱処理により4πMsは約12KGまで増加
する事がわかった。なお、Co−Mo−Zr-N,Co−Ta−Zr−N,Co−Nb−
Ti−N,Co−Cr−Zr−N,Co−W−Zr−N,Co−Ta−Hf−N等につい
ても同様の結果が得られた。 発明の効果 以上のように本発明熱処理法によりある特定の組成の膜の4πMsを大幅に増
加させ磁気ヘッド等に適した軟磁性合金膜を得る事が可能な事がわかった。
【図面の簡単な説明】 第1図はCo−Nb−Zr−Ta−N合金膜の4πMsの熱処理温度依存特性図、
第2図は(Co−Nb−Zr−N/Co−Nb−Zr−Ta)超構造膜の4πMsの処理
温度依存特性図、第3図は同上の膜のB20(Ta)/B20(U)の熱処理温度依存特
性図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)次式で示された組成より成る磁気ヘッド用磁性合金膜 TxMyNz を480℃<Ta<620℃の温度で熱処理を行う事を特徴とする窒化合金膜
    の熱処理方法。 ただしTはCo、Feより成る群から選択された少なくとも1種の金属、MはN
    b、Zr、Ti、Ta、Hf、Cr、W、Moより成る群から選択された少なくとも1
    種の金属、NはN(窒素)であって、x、y、zは原子パーセントを表わし、 それぞれ 65≦x≦94 5≦y≦25 0.1≦z≦20 x+y+z=100 である。 (2)熱処理される合金膜が、膜厚方向に組成変調されており次式で示された平
    均組成 Tx’My’Nz’ を有する事を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の窒化合金膜の熱処理方法
    。 ただしTはCo、Feより成る群から選択された少くとも、1種の金属、MはN
    b、Zr、Ti、Ta、Hf、Cr、W、Moより成る群から選択された少くとも1種
    の金属、NはN(窒素)であって、膜全体の平均組成としてx',y',z' は原
    子パーセントを表し、 それぞれ 65≦x'≦94 5≦y'≦25 0.1≦z'≦20 x'+y'+z'=100 である。 (3)熱処理を磁界中で行う事を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の窒化合
    金膜の熱処理方法。

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