JPH02163911A - 軟磁性合金膜及びその製造方法 - Google Patents

軟磁性合金膜及びその製造方法

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JPH02163911A
JPH02163911A JP31908988A JP31908988A JPH02163911A JP H02163911 A JPH02163911 A JP H02163911A JP 31908988 A JP31908988 A JP 31908988A JP 31908988 A JP31908988 A JP 31908988A JP H02163911 A JPH02163911 A JP H02163911A
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JP
Japan
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film
composition
soft magnetic
modulated
nitrogen
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JP31908988A
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English (en)
Inventor
Keita Ihara
井原 慶太
Koichi Osano
浩一 小佐野
Hiroshi Sakakima
博 榊間
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は磁気ヘッド等のコア材料として適したものであ
り、窒素を含有するFe系の軟磁性合金膜に関する。
従来の技術 近年、磁気記録等の高密度化に伴い、磁気ヘッド等のコ
ア材料として用いられる軟磁性合金においては、益々高
い飽和磁化と良好な軟質磁気特性が必要とされている。
一方、磁気ヘッド等を作製する際は熱的安定性に優れた
軟磁性合金膜が必要である。この点は、磁気ヘッド等の
信頼性を考慮した場合、磁気ギャップ部等に接着ガラス
等による強固な接着を行っておくことが重要であり、接
着強度の強い接着ガラスは一般に融点が高いことに起因
する。
高い飽和磁化と良好な軟質磁気特性を併せもつ代表的な
軟磁性合金として、Co系非晶質合金等がある。Co系
非晶質合金等は、零磁歪組成を有し、しかも磁気異方性
が小さいため、優れた軟質磁気特性を示す。しかし、C
o系非晶質合金は、高飽和磁化になるほど結晶化温度が
低下して熱的な安定性が損なわれるものであり、Fe−
8t−B系等に代表されるFe系非晶質合金等よりも飽
和磁化が低く、しかも経済的な面においてもC。
元素はFe元素と比較してかなり高価となるなどの問題
点を有しているため、新しいFe系の軟磁性合金が求め
られていた。
Fe系の低磁歪軟磁性合金としては、本発明者らが既に
飽和磁歪定数I X 10−6のFe−Nb−B系合金
、および飽和磁歪定数3 X 10−6のFe−Nb−
Cu−B系合金を発見している(特願昭55−1649
78号)。これらの合金は、Fe−Si−B系合金と比
較して、Nbの添加により耐摩耗性および耐蝕性等の点
は改善されている。しかし、これらは現在VTR用の磁
気ヘッド等に使用されているCo−Nb−Zr系等の金
属−金属系非晶質合金(特願昭56−181723号、
特願昭56−212873号)と比較すると熱的安定性
、耐摩耗性および耐蝕性等の点でやや劣るものであった
。単に、これらのFe系合金の耐摩耗性や耐蝕性の改善
を図る手法としては、合金の窒化が考えられ、Fe、C
o、NiとB、Si、AI、P、C等の組み合わせによ
りなる合金の窒化膜に関する研究(特開昭54−944
28号公報)やFeの窒化物の研究(h−+k  H7
j54F  1tジッ9ス、、  Vol、53(11
)、  pp8332〜34  (1982))等があ
る。しかし、前者においては、例えばFe−B系合金を
窒化したFe−B−N系合金で、垂直磁気異方性の増大
により軟質磁気特性が損なわれ、しかも飽和磁化が減少
することが知られている。また後者においても、Feの
窒化により合金の保磁力が増加して軟質磁気特性を示さ
ないことが報告されている。
発明が解決しようとする課題 以上述べたように、Feを主成分とする合金の窒化物は
、実用化されているCo−Nb−Zr系合金と同等の耐
摩耗性と耐蝕性を有し、CO系合金よりも高い飽和磁化
と経済的に安価な点が期待できるものであるが、良好な
軟質磁気特性を示し難いものであった。
本発明は上述の問題点に鑑み発明されたものであって、
単なる窒化合金としてではなく、窒素による組成変調構
造をFe系の合金膜に適用して、低保磁力、低磁歪およ
び高飽和磁化等の優れた磁気特性と良好な熱安定性を有
し、しかも耐触性および耐摩耗性にも優れたFe系の磁
気ヘッド用軟磁性合金膜を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 上記の目的を達成するため、本発明の請求項1の発明は
、少なくとも作成時に膜厚方向の組成が変調されており
、膜中の平均組成が次式%式%(1) (ただし式中のMはFe)TはNb、Nb−Taおよび
Taよりなる群から選択された金属元素、XはBおよび
5t−Bよりなる群選択された半金属元素、Nは窒素で
あり、 A,b,c,dは原子%を表し、それぞれ である。) で示された組成よりなり、膜厚方向の組成変調波長が次
式 %式%(2) (ただし、λは組成変調波長である。)で示され、りな
(とも作成時における窒化層の層厚が組成変調波長に対
して次式 %式%(3) (ただし、dnは窒化層の層厚、λは組成変調波長であ
る。) で示されることを特徴とする請求項2の発明は膜厚方向
に少なくとも窒素元素の組成が変調されていることを特
徴とし、膜中の平均組成が式(1)で示された組成より
なり膜厚方向の組成変調波長が式(2)で示され、少な
くとも窒素含有量が多い高窒化層と窒素含有量が少ない
低窒化層の層厚比が式(3)で示される軟磁性膜を用い
る。
更に請求項3の発明は、スパッタ法により、次式%式%
(4) (ただし式中のMはFe)Ti′!Nb、Nb−Taお
よびTaよりなる群から選択された金属元素。
XはBおよびSi−Bよりなる群より選択された半金属
であって、a’、b’、c’は原子%を表し、それぞれ である。) で示される合金をターゲットとして用い、Ar等の不活
性スパッタガス中に周期的に窒素ガスを次式 %式%(5) (ただし、P riはスパッタ時の全スパッタガス圧に
対する窒素ガス圧の割合を百分率で表したものである。
) で示される割合で混合することにより、膜厚方向の組成
変調波長が次式 %式%(6) (ただし、λは組成変調波長である。)で示され、窒化
層の層厚が組成変調波長に対して次式 %式%(7) (ただし、dn  は窒化層の厚み、λは組成変調波長
である。) で示される合金膜を作成した後、この合金膜に熱処理を
施すことを特徴とする。
作用 本発明の軟磁性合金膜は、Fe系合金中に少なくともN
bもしくはNb−TaもしくはTaを含む窒化膜である
。しかし、本発明の軟磁性合金膜は、少なくともスパッ
タ法による合金膜作成後においては、少なくとも窒素(
N)元素が膜厚方向に組成変調された明薙な組成変調構
造、即ち窒化層と非窒化層よりなる積層構造を有してお
り、その−肩当たりの層厚はスパッタ時のN2ガスの混
合周期を変化させることにより制御されている。
これらのスパッタ直後の合金膜(as−sput、膜)
における組成変調構造は、熱処理により異なった組成変
調構造へと移行する。”このように合金膜の構造が変化
した後、本発明の軟磁性合金膜は優れた軟質磁気特性と
飽和磁化の増加を示す。また、この熱処理後の軟質磁気
特性は熱的に安定なものとなっている。これに対して、
−様に窒化された単層の窒化合金膜は、軟質磁気特性を
示し難く、熱処理によっても磁気特性は改善されない。
したがって、スパッタ法による合金膜作成時に少なくと
も窒素(N)元素が組成変調されていることが優れた軟
磁性合金膜を得るために必要な条件である。ただし、窒
素(N)元素が組成変調されることにより合金膜中の他
の構成元素も相対的に組成変調される。
また本発明の軟磁性合金膜の場合、Fe元素のように窒
素(N)元素との親和性が弱いものと、Nb元素やTa
元素のように窒素(N)元素との親和性が強いものとが
合金膜中に共存している。
つまり、合金膜中では選択的にNb元素等が窒素(N)
元素と化学的に強く結合しており、このことが良好な軟
質磁気特性を得る上で重要であると考えられる。したが
って、本発明の軟磁性合金膜においては、Nb、Nb−
TaもしくはTaより選択された金属元素を少なくとも
3原子%以上含有することが必要であり、逆に飽和磁化
をできるだけ高くするためにはこれらの金属元素を15
原子%以下とすることが望ましい。
式(1)の軟磁性合金膜において、高い飽和磁化を得る
には、11g中の平均組成でMの含有量aをa≧60(
原子%))Tの含有量b を b≦15(原子%)、X
の含有量CをC≦25(原子%)、Nの含有量dをd≦
15<原子%)とする必要がある。また良好な軟質磁気
特性を得るには、 a≦90(原子%)、b≧3(原子
%)、O<c≦25(原子%)、1≦d≦15(原子%
)とする必要がある。さらに良好な耐摩耗性および耐蝕
性を有し、かつ低磁歪の軟磁性合金膜を得るには1式(
1)における構成元素T、X、Hの含有量す、 c、 
dをそれぞれb≧3(原子%)、d≧1(原子%)とす
る必要がある。
この場合、合金膜中における窒素(N)元素の含有量は
、少なくとも1原子%以上でなければ耐蝕性改善等の効
果が得られず、逆に含有量が多くなると合金膜の剥離を
生じ易(なる。この剥離と窒素(N)含有量の関係は合
金膜に対して施される熱処理温度にも依存しており一層
に窒素含有量の上限を決定することはできないが、熱処
理温度を700 (’C)付近までと考えた場合d≦1
5(原子%)であれば剥離を生じない。以上の組成限定
範囲をまとめたものが式(1゛)で示されている。
合金膜中の平均組成が式(1)で示される組成変調膜を
用いて、良好な軟質磁気特性と高い飽和磁化を得るため
には、適当な組成変調波長、および適当な窒化層と非窒
化層の層厚比が必要になる。
組成変調波長λは、−層の窒化層の層厚dnと一層の非
窒化層の層厚厚との和、もしくは−層の高窒化層の層厚
d’nと一層の低窒化層の層厚の和として表現できる。
本発明のFe系組成変調膜の場合、良好な軟質磁気特性
が得られる組成変調波長λは、熱処理温度によっても異
なってくるが、熱処理温度が300〜700℃において
、400A以下であれば良好な軟質磁気特性と高飽和磁
化を有する軟磁性合金膜を得ることができる。この場合
、−波長の組成変調波長λに対する一肩当たりの窒化層
厚dnの比dn/λ、もしくは−肩当たりの高窒化層厚
d’nの比d ’n/λを0.15〜0.7とする必要
がある。以上の組成変調構造をまとめたものが式(2)
および式(3)である。
一方、これらの平均組成で示される軟磁性合金膜をスパ
ッタ法により得るためには、式(4)および式く4′)
で示される合金ターゲットが必要となる。この合金ター
ゲット組成は作成される軟磁性合金膜の組成とは異なる
が、スパッタ時に窒素(N)元素が合金膜中に混合され
るためである。
式(4)のターゲットを用いて本発明の軟磁性合金膜を
作成するためには、スパッタ時に用いられるアルゴン(
Ar)等の不活性スパッタガス中に周期的に窒素ガス(
N2)を導入する必要がある。窒素ガスの導入割合は、
式(5)に示すようにガス圧による比を基準にとって、
スパッタ時の全スパッタガスのガス圧に対する窒素ガス
のガス圧の割合が2〜20(%)の範囲となるようにす
れば良い。このようにしてスパッタガス中に混合された
窒素が軟磁性合金膜中に残留するのであるが、得られる
軟磁性合金膜中においては、外部からの窒素ガス導入中
に形成される窒化層ばかりでな(、窒素ガスの導入を停
止している非窒化層においてもわずかに窒素が含有され
る部分が生じる。しかし、本発明の軟磁性合金膜は、こ
のような状態にあっても問題ないものである。この場合
の軟磁性合金膜中に含有される窒素元素(N)の量は膜
中の平均組成で表される。ただし、同じ割合で窒素ガス
を混合しても、窒化層の層厚等の1成変調構造が膜中の
平均組成に影響を与える。
また1式(2)および式(3)に示した本発明の軟磁性
合金膜の組成変調構造を得るためには、式(6に示した
組成変調波長と、式(7)に示した組成変調波長に対す
る窒化膜の層厚比を有する合金膜をあらかじめスパッタ
時に形成しておく必要かある。ただし、本発明の軟磁性
合金膜の軟質磁気特性は、スパッタ直後の組成変調膜即
ちas−91)Llt、膜の状態では不十分であり、こ
のas−sput、膜に対して適当な温度の熱処理を施
してやることにより良好なものとなる 以上のようにして得られた本発明の組成変調軟磁性合金
膜は、窒化により耐摩耗性および耐蝕性が改善されてお
り、しかも組成変調構造により優れた軟質磁気特性と良
好な熱安定性を示し、高飽和磁化かつ経済的に優れたF
e元素を主成分として構成されるものである。
実施例 (第1実施例) 本発明の第1実施例を説明する。
FeteNbtss i 3Bl! (原子%)なる組
成のターゲットを用い、1.2X10−3Tor rの
ガス圧を有するスパッタガス中に1.2X10−”To
rrの分圧を有するN2ガスを周期的に混合し、スパッ
タを行った。この場合、全スパッタガス圧に対する窒素
ガス圧の分圧比Pnは10%である。このようにして、
セラミック製の基板上に一肩当たり100 Aの窒化層
と一肩当たり100 Aの非窒化層が膜厚方向に周期的
に積層された多層膜、即ち組成変調波長λが20OAの
組成変調膜を形成した。この組成変調膜が本発明の第1
実施例の軟磁性合金膜である。また比較のため、同じタ
ーゲットを用いて、スパッタ時にN2ガスを用いずにA
rガスだけを用いて非窒化単層非晶質膜即ち非窒化膜と
、組成変調構造を用いずに常にN2ガスを10%の割合
で混合し続けた単層窒化膜を作成した。各種合金膜の膜
厚は1〜2μmである。
以上のようにして作成された合金膜に対して回転磁界中
で熱処理を行った。単層窒化膜は熱処理を施した後で6
10(Oe)以上の高保磁力を示して軟質磁気特性を示
さないが、他の合金膜は熱処理により低保磁力を示した
。第1図は熱処理温度T a(’C)とその1門度で1
時間の熱処理により得られた合金膜の保磁力)1 c(
Oe)との関係を示す。
第1図において非窒化膜の保磁力は400℃付近の熱処
理で低(なり、500℃以上の熱処理では増加する。こ
れに対して組成変調膜の保磁力は、熱処理温度Taが4
00℃〜600℃の範囲で非常に良好な低い値を示す。
したがって、本発明の組成変調膜に対しては、非窒化膜
と比較して、高温かつ・広い湿度範囲の熱処理を施すこ
とが可能であり、またその熱処理により優れた軟質磁気
特性を得ることができる。また、磁歪に関しても、第1
実施例の組成変調膜は、非窒化膜と比較して低磁歪とな
り、500℃熱処理後で+5 X 10−’の仮い値を
示す。
第1実施例の組成変調膜における保磁力の熱処理1度依
存性は膜中の構造変化と深くかかわっていると考えられ
る。第2図および第3図は、第1実施例の組成変調膜の
膜表面から膜厚方向へかけて、オージェ分光分析を用い
て測定したFe元素とN(窒素)元素の含有量に関する
デプスプロファイルである。第2図はas−sput、
の組成変調膜ものであり、第3図は500℃で1時間の
熱処理を施したものである。第2図と第3図を比較する
と。
窒化層と非窒化層もしくは高窒化層と低窒化層の境界領
域ではN(窒素)元素の含有量が徐々に変化している点
は同様である。しかし、500℃の熱処理後の組成変m
膜は、Fe元素がN(窒素)元素に対して逆位相に、N
b元素がN元素に対して同位相に変調されておりas−
sput、の状態とは異なった構造になっている。さら
に、この第1実施例の組成変調膜に関しては、400℃
付近以上の熱処理で高キュリー点を有する状態に変化す
る。したがって、第1実施例の組成変調膜は熱処理によ
り構造変化を生じ、変化後に良好な軟質磁気特性を示す
と考えられる。
一方、飽和磁化に関しては、as−sput、の状態で
非窒化膜が7.4(k Gauss)、単層窒化膜が8
.3(k Gauss)、組成変調膜が10(k Ga
uss)であり、500℃で1時間の熱処理後において
は非窒化膜が7 、2(k Gauss>、単層窒化膜
が9.6(k Gauss)、第1実施例の組成変調膜
が12.4(k Gauss)であった。したがって、
第1実施例の組成変調膜は、as−sput、の状態に
おいても熱処理後においても、非窒化膜および単層窒化
膜よりも高い飽和磁化を有している。
第1実施例の組成変調窒化膜は、磁気特性ばかりでなく
、耐蝕性および耐摩耗性にも優れたものである。これら
の点は、第1実施例の組成変調膜を純水中に24)v間
浸した後にさびを生じないこと、VTRの走行系を用い
てメタルテープに対する組成変調膜の摩耗量を測定した
場合に摩耗体積が少ないこと等に基づく。
以上述べたように本発明の第1実施例における軟磁性合
金膜、即ちFe系の窒化組成変調膜は、良好な軟質磁気
特性、高い飽和磁化および高温の熱処理によっても軟質
磁気特性を損なわないという優れた熱安定性を有し、し
かも耐蝕性、耐摩耗性に優れたものである。
(第2実施例) 本発明の第2実施例の軟磁性合金膜として各種の組成変
調構造もしくは組成変調条件が興なる組成変調膜を作成
した。試料の作成に際しては、第1実施例で述べたFe
7eNbss i 3B+sを合金ターゲットとして用
い、組成変調波長λ(A)、スパッタ時の全スパッタガ
ス圧に対する窒素ガス(N2)の分圧比Pn(%)、お
よび組成変調波長λに対する窒化層もしくは高窒化層の
層厚dn(A)の比dn/λを変えて合金膜を形成し、
この合金膜に回転磁界中で熱処理を施した。
第4図は、熱処理温度をパラメーターにとり、Pn=1
0(%)、dn/λ=0.5の条件下で作成した組成変
調膜における組成変調波長λと保磁力Heの関係を示す
。図中でλ≦400 (A)における組成変調膜が本発
明の第2実施例である。
第4図は、各熱処理1j1度によって最適な組成変調波
長は興なるが、低い保磁力を得るには少なくともλ≦4
00(A)とすべきことを示している。また第5図に示
すように、この第2実施例の飽和磁化4πMsはas−
sput、の膜よりも熱処理後の膜が高くなり、500
℃で1時間の熱処理後では、本発明におけるλ≦400
(A)の範囲で一様に高い値を示す。
第6図は、Pn=10(%)、λ=200(A )の条
件下で作成した組成変調膜において、組成変調波長λ=
200(A )と窒化層もしくは高窒化層の一層あたり
の膜厚dnの比であるdn/λと、それに対する保磁力
Hcの関係を示す。図中においては0.15≦dn/λ
≦0.7の範囲にある組成変調膜が第2実施例である。
第6図は、本発明の組成変調膜において低保磁力を得る
ためには適当なdn/λが存在しており、この範囲が0
.15≦dn/λ≦0.7であることを示している。た
だし第8図においてdn/λ=1の保磁力Heは10(
Oe)以上の高い値であった。また第7図に示すように
、この第2実施例の飽和磁化4πMsはas−sput
、の膜よりも熱処理後の膜が高(なり、500℃で1時
間の熱処理後では、本発明における0、15≦dn/λ
≦0.7の範囲で12(k GausS)前後の高い値
を示す。
第8図は、λ−200(A)、dn/λ=0.5の条件
下で作成した第2実施例の組成変調膜において、作成時
の全スパッタガス圧に対する窒素(N2)ガス圧の割合
即ち窒素ガスの分圧比Pnと保磁力Heの関係を示す。
図中で2≦Pn≦20(%)における組成変調膜が第2
実施例である。
また、図中の温度は熱処理温度を表しており、熱処理温
度により保磁力Hcはかなり異なった曲線を示す。しか
し、第8図は、本発明の組成変調膜において良好な低保
磁力を得るためには適当な窒素ガスの分圧比Pnがあり
、この範囲が700℃熱処理で2≦Pn≦9〈%)、5
00℃熱処理で7≦Pn≦20(%)であることを示し
ている。この場合も第9図に示すように、飽和磁化4π
M8はas−sput、の膜よりも熱処理後の膜が高く
なり、500℃で1時間の熱処理後では、本発明の2≦
Pn≦20(%)の範囲で12(k Gauss)前後
の高い値を示す。
以上までをまとめると、組成変調膜が熱処理により良好
な軟質磁気特性と高い飽和磁化を得るためには、第2実
施例として示したように、各種の組成変調構造もしくは
組成変調条件に関するパラメーターとして少なくともλ
、dn/λ、Pnを適当な値にしてお(必要がある。
本発明の組成変調膜においては、磁界中熱処理が磁気特
性の向上に有効であることが確認された。上述した第2
実施例の組成変調膜は回転磁界中で熱処理を施したもの
であったが、固定磁界中の熱処理を用いた場合において
も、その磁化困難軸方向の軟質磁気特性は極めて優れた
ものとなることがわかった。この固定磁界中熱処理を施
した組成変WARNも第2実施例として以下に述べる。
第10図は固定磁界中熱処理後の組成変調膜における組
成変調波長λと保磁力Heおよび初透磁率μの関係を示
す。この組成変調膜はPn=10(%)、dn/λ=0
.5の条件下で作成した後、固定磁界中で500℃、1
時間の熱処理を施したものであり、その磁化困難軸方向
に磁気測定が行われている。第10図の保磁力Heは、
第4図で示したものと比較して、λ≦300(A)の範
囲で極めて低い値を示す。これに対応して、第10図中
の初透磁率μが低保磁力側で極めて良好な値を示す。し
たがって、第2実施例の組成変調膜は磁界中熱処理の影
響を強く受けるものである。
以上述べてきた第2実施例の各種の組成変調膜は、磁気
特性ばかりでな(、耐触性、耐摩耗性および熱安定性に
おいても優れたものであった。
(第3実施例) 本発明の第3実施例として本発明の軟磁性合金膜即ちF
e系の窒化組成変調膜を下表に示す組成により本発明の
製造方法を用いて作成した。この場合の組成変調波長久
はすべて200Aであり、組成変調波長に対する窒化層
厚の比dn/λはすべて0.5である。また、第3実施
例における窒化組成変調膜は、耐蝕性および耐摩耗性に
優れたものであった。この時得られた第3実施例の窒化
組成変調膜の磁気特性を下表にまとめて示す。
第3の実施例 表で示されるように1本発明の第3実施例における窒化
組成変調膜は、すべて高い飽和磁化と低い保磁力を示し
、軟磁性合金膜として優れたものである。
本第3実施例において各種軟磁性合金膜の膜中平均組成
は、Fe、NbもしくはTa、BおよびNが必須になっ
ている。しかし、表に示されるように少なくともBの代
わりにSi−Bを用いてもよい。
以上第3実施例に示したように、本発明の軟磁性合金膜
、即ちFe系窒化組成変調膜は幅広い組成範囲で良好な
磁気特性を得ることができる。
発明の効果 本発明による軟磁性合金膜は、低保磁力、低磁歪および
高飽和磁化等の優れた磁気特性と良好な熱安定性を有し
、しかも耐蝕性および耐摩耗性にも優れ、磁気ヘッド用
軟磁性合金膜として極めて有効なものである。
したがって、本発明の軟磁性合金膜は産業上の利用価値
が極めて高いものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の軟磁性合金膜と非窒化膜における保磁
力の熱処理温度依存性を比較したグラフ、第2図および
第3図は本発明の軟磁性合金膜の熱処理前後における各
元素含有量のデプスプロファイル、第4図〜第10図は
本発明の軟磁性合金膜の組成変調構造もしくは作成条件
と磁気特性の関係を示すグラフである。 代理人の氏名 弁理士 粟野重孝 ばか1名偽 図 第 2 図 第 3 ■ 5r(jTTEItlN(r TINε(Man]v tt (aす aの 5rυγTERIN6TIME (r’Tjn)萬 図 第 図 ?、25 ρS θ7S ′γ入 渠 図 第 図 2S θ5 6.75 d−γ人 第 図 υ O 第 図 f’tt (5′a)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)少なくとも作成時に膜厚方向の組成が変調されて
    おり、膜中の平均組成が次式 MaTbXcNd (ただし式中のMはFe)TはNb,Nb−Taおよび
    Taよりなる群から選択された金属元素、XはBおよび
    Si−Bよりなる群から選択された半金属元素、Nは窒
    素であり、A,b,c,dは原子%を表し、それぞれ 60≦a≦90 3≦b≦15 0<c≦25 1≦d≦15 a+b+c+d=100 である。) で示された組成よりなり、膜厚方向の組成変調波長が次
    式 λ≦400(Å) (ただし、λは組成変調波長である。) で示され、少なくとも作成時における窒化層の層厚が組
    成変調波長に対して次式 0.15≦dn/λ≦0.7 (ただし、dnは窒化層の厚み、λは組成変調波長であ
    る。) で示されることを特徴とする軟磁性合金膜。 (2)膜厚方向に少なくとも窒素元素の組成が変調され
    ていることを特徴とし、膜中の平均組成が次式 MaTbXcNd (ただし式中のMはFe、TはNb,Nb−Taおよび
    Taよりなる群から選択された金属元素、XはBおよび
    Si−Bよりなる群から選択された半金属元素、Nは窒
    素であり、a,b,c,dは原子%を表し、それぞれ 60≦a≦90 3≦b≦15 0<c≦25 1≦d≦15 a+b+c+d=100 である。) で示された組成よりなり、膜厚方向の組成変調波長が次
    式 λ≦400(A) (ただし、λは組成変調波長である。) で示され、少なくとも窒素含有量が多い高窒化層の層厚
    が組成変調波長に対して次式 0.15≦d’n/λ≦0.7 (ただし、d’nは高窒化層の厚み、λは組成変調波長
    である。) で示される軟磁性合金膜。 (3)スパッタ法により、次式 Ma’Tb’Xc’ (ただし式中のMはFe、TはNb,Nb−Taおよび
    Taよりなる群から選択された金属元素、XはBおよび
    Si−Bよりなる群より選択された半金属元素であって
    、a’,b’,c’は原子%を表し、それぞれ 70≦a’≦90 4≦b’≦15 0<c’≦25 である。) で示される合金をターゲットとして用い、 Ar等の不活性スパッタガス中に周期的に窒素ガスを次
    式 2(%)≦Pn≦20(%) (ただし、Pnはスパッタ時の全スパッタガス圧に対す
    る窒素ガス圧の割合を百分率で表したものである。) で示される割合で混合することにより、膜厚方向の組成
    変調波長が次式 λ≦400(A) (ただし、λは組成変調波長である。) で示され、窒化層の層厚が組成変調波長に対して次式 0.15≦dn/λ≦0.7 (ただし、dnは窒化層の厚み、λは組成変調波長であ
    る。) で示される合金膜を作成した後、前記合金膜に熱処理を
    施すことを特徴とする軟磁性合金膜の製造方法。
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