JP2528764Y2 - 列車制御用通信装置 - Google Patents

列車制御用通信装置

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JP2528764Y2
JP2528764Y2 JP1993033138U JP3313893U JP2528764Y2 JP 2528764 Y2 JP2528764 Y2 JP 2528764Y2 JP 1993033138 U JP1993033138 U JP 1993033138U JP 3313893 U JP3313893 U JP 3313893U JP 2528764 Y2 JP2528764 Y2 JP 2528764Y2
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博 徳橋
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は点制御方式の列車制御
用通信装置、特に地上と車上間における情報の授受範囲
の拡大に関するものである。
【0002】
【従来の技術】列車制御用通信装置においては、従来、
同じ線路を走行する性能の異なる列車に対して少ない情
報量で一律に同じ制御情報を与えるシステムが採用され
ていた。これに対して近年、鉄道の高速化、快適性等の
追及と積極的なME化導入が背景となり、列車毎の性能
を考慮し、多くの情報量で柔軟性に富む最適制御情報を
与えるシステムへと移行が求められ、自動列車停止装置
(ATS装置)においてもアナログ信号により制御する
システムに代って電文制御によるデジタル符号伝送シス
テムが実用化されてきた。
【0003】ATS装置は列車が停止信号に接近すると
列車を自動的に停止させるものであり、地上設備と車上
装置から成り立っている。地上設備は信号機の現示状態
などを符号化して伝送する通信制御装置と、通信制御装
置から送られる各種情報を地上子に伝える中継器と、車
上に情報を送信する地上子とを有する。車上装置は地上
からの情報を受信する車上子と、車上子で受信した情報
の検定と解読を行う受信器と、受信器からの情報と速度
発電機の情報によりブレ−キを制御する制御器とを有す
る。このATS装置は点制御方式であるため、地上と車
上間の情報伝送は車上子が地上子と電磁的に結合してい
る間だけが有効である。一方、列車制御用として十分な
信頼性を得るために、車上側では同じ情報を一定回数以
上受信し、これらが一致したことを確認した後に処理を
行う。したがって車上子が地上子と電磁的に結合してい
る時間としては情報を一定回数以上伝送できるだけの時
間を確保しなければならない。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】上記のような点制御方
式の列車制御用通信装置は、地上子と車上子が電磁的に
結合している間だけ情報伝送が行われるため、列車が高
速になると地上子と車上子が電磁的に結合している時間
が短くなり、情報を送受信する回数が減少して一定回数
まで達しなくなり、地上と車上間で情報の授受ができな
くなってしまうという短所があった。
【0005】このような短所は地上子と車上子のいづれ
かの形状を大きくして地上と車上間で情報授受をする距
離を拡大したり、送受信する情報の伝送速度を速くすれ
ば解消することができる。
【0006】しかしながら送信側の形状を大きくした場
合、受信側に一定のレベルの信号を受信させようとする
と送信側の形状が大きくなるにしたがって送信電力を上
げる必要があるが、送信電力は電波法で定められた電界
強度の上限により制限されており、一定限度の大きさ以
上に送信側を大きくすることはできない。また送信電力
を一定限度に抑えたまま送信側を大きくすると受信側で
受信する信号レベルが低下し、受信信号のS/Nが悪化
してしまう。逆に受信側の形状を大きくすると雑音を受
け易くなり、受信信号のS/Nが悪化してしまう。
【0007】また送受信する情報の伝送速度を速くする
と、従来使用している列車制御用通信装置の地上装置や
車上装置が使用できなくなり、全ての装置を新規に置き
換える必要があり、設備の無駄が生じるとともに莫大な
費用がかかってしまう。
【0008】この考案はかかる短所を改善するためにな
されたものであり、従来の設備を使用したままで列車の
高速化に対処した多くの情報量を送受信することができ
る列車制御用通信装置を得ることを目的とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係る列車制御
用通信装置は、地上に設置された地上子と車上に搭載さ
れた車上子との間で各種情報を送受信する列車制御用通
信装置において、地上には列車に各種制御情報を送信す
る地上の各地点毎に同一の制御情報を送信する複数の地
上子を一定距離内に配置し、車上には同一地点の複数の
地上子から送信され車上子で受信した受信情報を合成
し、合成した受信回数があらかじめ定められた一定回数
に達したときに合成した情報を出力する情報合成部と、
情報合成部から出力された情報を解読する解読部とを備
えたことを特徴とする。
【0010】
【作用】この考案においては、地上の同一地点に設けた
複数の地上子から同一の情報を車上に送信する。走行す
る列車に搭載された車上子は列車の走行にしたがい順次
複数の地上子と電磁的に結合して各地上子で送信してい
る情報を受信する。この車上子で各地上子からの情報を
受信するときに、列車の速度が速くなると車上子が個々
の地上子と結合する時間が短くなり、個々の地上子から
受信する情報量が少なくなるが、複数の地上子を同一地
点に設け、同一地点における車上子の地上子と結合する
全時間を長くする。車上子の情報合成部は列車が一定距
離を走行するうちに複数の地上子から逐次送られる各情
報を連結し、一定回数分の情報を含む受信情報を作成し
て、正確な受信情報を解読部に送る。
【0011】
【実施例】図1はこの考案の一実施例を示す構成図であ
る。図に示すように、列車制御用通信装置は地上装置1
と車上装置2とを有する。地上装置1は軌道3に沿って
設置され、列車4に各種情報を含むデ−タを送信する複
数の地上子5a〜5c,6a〜6cと無電源地上子7a
〜7cと、信号機の現示状態や地点情報等を符号化して
伝送する通信制御装置8と、通信制御装置8から送られ
る各種情報を地上子5a〜5c,6a〜6cに伝える中
継器9a,9bとを有する。
【0012】地上子5a〜5cは軌道3の地点Aを基準
とした一定距離内に配置され、それぞれ中継器9aを介
して通信制御装置8に接続され、同一情報のデータを列
車4に送信する。地上子6a〜6cは軌道3の地点Bを
基準とした一定距離内に配置され、それぞれ中継器9b
を介して通信制御装置8に接続され、同一情報のデータ
を列車4に送信する。無電源地上子7a〜7cは固定情
報を列車4に送信するものであり、軌道3の地点Bを基
準とした一定距離内に配置されている。
【0013】列車4に搭載された車上装置2は地上子5
a〜5c,6a〜6cや有電源地上子7a〜7cからの
情報を受信する車上子10と受信部11及び制御器12
を有する。受信部11は情報合成部13と解読部14を
有する。情報合成部13は車上子10から順次送られる
情報を合成する。解読部14は合成された情報を検定し
解読する。制御器12は受信器11から送られる情報に
よりブレ−キ制御等を行い列車4の運行を制御する。
【0014】上記のように構成された列車制御用通信装
置により地上から列車4に各種情報を送信するときの動
作を図2の動作説明図を参照して説明する。
【0015】列車4が軌道3の地点Aに近接すると、車
上子10は列車4の走行にしたがい地点Aに設けられ同
一情報を送信している地上子5a,5b,5cと順次電
磁的に結合し、各地上子5a,5b,5cから送信して
いる地点Aの地点情報を含む各種情報を受信する。この
車上子10が各地上子5a,5b,5cから情報を受信
しているとき、列車4が高速で走行している場合には、
図2に示すように車上子10と個々の地上子5a,5
b,5cとが電磁的に結合している時間Tが短くなる。
そこで、車上子10と地上子5aとが結合している時間
Tの間に車上子10は地上子5aが送信している情報を
例えば図2に示すように2回受信し、車上子10と地上
子5bが結合している時間Tの間に車上子10は地上子
5bが送信している情報を2回受信し、車上子10と地
上子5cとが結合している時間Tの間に車上子10は地
上子5cが送信している情報を2回受信する。この列車
3が走行中に各地上子5a,5b,5cから受信した情
報21a,21b,21cは受信部4に送られる。
【0016】受信部11の情報合成部13は列車4が一
定距離を走行するうちに逐次送られる各情報21a,2
1b,21cを連結し、一定回数例えば6回分の情報を
含む受信情報22を作成して解読部14に送る。解読部
14は送られた受信情報22を検定,解読して制御器1
2に送る。制御器12は送られた受信情報によりブレ−
キ制御等を行い列車4の運行を制御する。
【0017】このように列車4が高速で走行していても
各地上子5a,5b,5cで送信している情報を受信
し、受信した情報を合成するから列車4は正確な情報を
受信することができる。
【0018】列車4が走行して地点B、Cに達したとき
も、上記と同様に地上子6a〜6cと有電源地上子7a
〜7cが送信している情報を車上子10で受信し、受信
した情報を情報合成部13で合成する。
【0019】なお、上記実施例は列車4が高速で走行し
ている場合について説明したが、列車4が普通の速度で
走行している場合は、車上子10と各地上子5a,5
b,5cとが結合している時間Tが長くなり、車上子1
0は地上子5a,5b,5cが送信している情報を各地
上子5a,5b,5c毎に全て受信する。この場合は同
じ情報を複数回ずつ繰り返して受信するだけであり、地
上からの情報を正確に受信することができる。
【0020】また、上記実施例は地上から送信している
情報を車上で受信する場合について説明したが、車上か
ら送信している情報を地上で受信する場合にも、送信情
報を時系列に分割して受信することにより、列車4が高
速で走行しても正確な情報を受信することができる。
【0021】
【考案の効果】この考案は以上説明したように、地上の
同一地点に設けた複数の地上子から同一の情報を車上に
送信し、列車に搭載された車上子は列車の走行にしたが
い順次複数の地上子と電磁的に結合して各地上子で送信
している情報を受信することにより、車上子が地上子と
電磁的に結合している時間を実質的に長くすることがで
き、地上と車上でデ−タが授受できる応動距離が長くす
るから、列車が高速で走行しても地上子を大きくしたり
情報の伝送速度を高めずに完全な情報を受信することが
できる。
【0022】また、情報の伝送速度を高めずに情報を伝
送するから、既設の地上子や通信制御装置をそのまま使
用することができ、列車の高速化のための設備を簡単か
つ低価格で製作し設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の実施例を示す構成図である。
【図2】上記実施例の動作説明図である。
【符号の説明】
4 列車 5a〜5c 地上子 6a〜6c 地上子 7a〜7c 無電源地上子 8 通信制御装置 9a,9b 中継器 10 車上子 11 受信部 12 制御器 13 情報合成部 14 解読部

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地上に設置された地上子と車上に搭載さ
    れた車上子との間で各種情報を送受信する列車制御用通
    信装置において、地上には列車に各種制御情報を送信す
    る地上の各地点毎に同一の制御情報を送信する複数の地
    上子を一定距離内に配置し、車上には同一地点の複数の
    地上子から送信され車上子で受信した受信情報を合成
    し、合成した受信回数があらかじめ定められた一定回数
    に達したときに合成した情報を出力する情報合成部と、
    情報合成部から出力された情報を解読する解読部とを備
    えたことを特徴とする列車制御用通信装置。
JP1993033138U 1993-05-28 1993-05-28 列車制御用通信装置 Expired - Fee Related JP2528764Y2 (ja)

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