JP2528475B2 - 2−アミノ−3−アロイル−γ−オキソベンゼンブタン酸およびエステル - Google Patents

2−アミノ−3−アロイル−γ−オキソベンゼンブタン酸およびエステル

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JP2528475B2 JP62212640A JP21264087A JP2528475B2 JP 2528475 B2 JP2528475 B2 JP 2528475B2 JP 62212640 A JP62212640 A JP 62212640A JP 21264087 A JP21264087 A JP 21264087A JP 2528475 B2 JP2528475 B2 JP 2528475B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は新規な2−アミノ−3−アロイル−γ−オキ
ソベンゼンブタン酸、ならびに当該化合物を有効成分と
して含有する生存動物の炎症および痛みを治療する薬剤
に関する。
(従来技術) 2−アミノ−3−アロイル−ベンゼン酢酸、それらの
エステルおよび金属塩が抗炎症活性をもつことは米国特
許第4,045,576号明細書に、また抗炎症活性および鎮痛
活性をもつことはエル・エフ・サンシリオらにより“試
薬と作用”、7/1巻(1977年)(ビルカウエル・フエル
ラーク、スイス国バーゼル)に示されている。これらの
化合物はアルカン酸鎖上にケト基をもたない。
3−アロイル−γ−オキソベンゼンブタン酸は抗炎症
および鎮痛活性をもつことが米国特許第3,784,701号明
細書に示されている。これらの化合物は本発明の化合物
がもつような第1ベンゼン環上の2−アミノ基をもたな
い。
(発明の構成) 本発明の新規な2−アミノ−3−アロイル−γ−オキ
ソベンゼンブタン酸は次式の構造をもつ。
式中、Xは水素原子、またはハロゲン原子から選ば
れ;Yは水素原子、またはハロゲン原子から選ばれ;nは1
であり;そしてRは水素原子、低級アルキル基、または
薬剤学的に受容できる陽イオンである。
各記号の詳細な定義およびその式において、またそれ
らが本明細書および特許請求の範囲のいずれかに現れる
際、各語は下記の意味をもつ。
ここで用いる“低級アルキル”という語は特に指示し
ない限り8個までの炭素原子を含む直鎖および分枝鎖の
基を含み、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、アミル、イソアミ
ル、ヘキシル、ヘプチル、およびオクチル基などにより
例示される。
ここで用いる“ハロ”または“ハロゲン”という語は
フツ素、塩素、臭素およびヨウ素を含む。好ましくはハ
ロゲンは塩素または臭素である。
“薬剤学的に受容できる陽イオン”という語にはたと
えばナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウ
ム、亜鉛、アルミニウム、銅、およびこれらが現れる場
合にこれらと共に形成される塩の水化物が含まれる。
本発明の化合物は炎症および痛みの抑制、ならびに血
小板凝集の阻止に有用である。
本発明の新規化合物の抗炎症薬としての有用性はエバ
ンスブルー−カラギーナン胸膜拡散アツセイ法(エル・
エフ・サンシリオ、ジエイ、フアルマコロ.エクス.テ
ラ(J.PHARMACOL.EXP.THER.)168、199−204(1969))
の変法、およびアジユバント誘発関節炎法(デイー・テ
イー・ワルツら、ジエイ.フアルマコロ.エクス.テ
ラ.(J.PHARMAC.EXP.THER.)178、223−231(1971))
の変法により測定された。試験法の記述については下記
の薬理の部分を参照されたい。
式Iの化合物の鎮痛薬としての有用性はコリエルらの
方法(ジエイ.ブル.フアルマシ.ケモテラ.(J.BR.P
HARMAC.CHEMOTHER.)32、295−310(1968))の変法に
より測定された。
式Iの化合物の製造に用いられる新規な中間体は下記
の式II、IIIおよびIVの化合物である。
これらの式中XおよびYは先きに式Iにおいて定義さ
れたものであり;R1およびR2は低級アルキル基から選ば
れるか、あるいは隣接する窒素原子と一緒になつた場合
は1−ピロリジニル基、1−ピペリジニル基または4−
モルホリニル基から選ばれる複素環式アミンを形成して
もよく;R4は水素原子、低級アルキル基、またはナトリ
ウム、カリウム、バリウムもしくはカルシウムから選ば
れる金属陽イオンから選ばれる。
式Iの化合物は米国特許第4,045,576号明細書に記載
された2−アミノ−3−ベンゾイル−ベンゼン酢酸の薬
理学的に活性な抗炎症鎮痛性前駆薬物であり、それ自体
が上記ベンゼン酢酸よりも遅延した時点で生存動物にお
いて炎症および痛みの抑制に効果を与えることができ
る。3−ベンゾイル−ベンゼン酢酸(AHR−5850)の抗
炎症薬および鎮痛薬としての有効性はエル・エフ・サン
シリオらにより“試薬と作用”(前掲の文献を参照され
たい)に記載されている。
従って本発明の目的は、炎症および痛みの制御に有用
な新規化合物(新規中間体を経由)および当該化合物を
有効成分として含有する薬剤を提供することである。
他の目的は生存動物に投与したのち分解して薬理活性
に主として関与する2−アミノ−3−ベンゾイル−ベン
ゼン酢酸となり、従つて2−アミノ−3−ベンゾイル−
ベンゼン酢酸の投与によつて得られるよりも緩徐なかつ
より持続性の効果を与える前駆薬物を提供することであ
る。
他の目的は当業者に明らかであり、他の目的は以下か
ら明らかであろう。
式Iの化合物は、反応経路Iに示した式により表わさ
れる反応によつて製造される。
反応経路Iの脚注: a)R1およびR2が低級アルキルであるか、あるいは複素
環たとえば1−ピロリジニル、1−ピペリジニルまたは
4−モルホリニルを形成する場合、いかなる第二アミン
HNR1R2も満足すべきものである。
b)R3がエステルを形成するナトリウムマロネート(た
とえばR3=低級アルキル)はいずれも使用できる。
c)より濃厚なアルコール溶液は酸よりもむしろエステ
ルを与える傾向がある。
2−アミノ−3−アロイル−γ−オキソベンゼンブタ
ン酸およびエステルは下記の一連の工程からなる新規な
方法により製造される。
工程1.次式 (式中、X、Yおよびnは式Iにおいて定義されたもの
である)のインドールをホルムアルデヒドおよび次式 (式中、R1およびR2は低級アルキル基から選ばれるか、
あるいば窒素原子と一緒になつた場合、複素環式アミ
ン、たとえば1−ピロリジニル基、1−ピペリジニル基
または4−モルホリニル基を形成してもよい)のアミン
と反応させて、次式 (式中、X、Y、n、R1およびR2は出発時の意味をも
つ)の化合物を得る。
工程2.工程1で製造した化合物を次式 MCH(COOR3 (式中、Mはアルカリ金属であり、R3は低級アルキル基
である)のマロン酸ジ低級アルキルエステルのアルカリ
金属塩と反応させて、次式 (式中、X、Y、nおよびR3は前記の意味をもつ)の化
合物を得る。
工程3.工程2で製造した化合物を塩基性水溶液中で加熱
し、次いで酸を添加することによつて脱エステル化し
て、次式 (式中、X、Yおよびnは前記の意味をもつ)の化合物
を得る。
工程4.工程3で製造した化合物を加熱により脱カルボキ
シル化して二酸化炭素を遊離させ、次式 (式中、X、Yおよびnは前記の意味をもつ)の化合物
を得る。
工程5.工程4で製造した化合物をオゾンで酸化して、次
(式中Rは水素原子または低級アルキル基であり、X、
Y、およびnは前記の意味をもつ)となし、次いで過剰
のオゾンを分解する。
工程6.工程5で製造した化合物を低級アルカノール(R
がHである)でエステル化してRが低級アルキル基であ
る化合物を得る。
工程7.工程5で製造した化合物(Rが低級アルキル基で
ある)を塩基水溶液中で加水分解し、強酸で中和するこ
とによつて脱エステル化する。
式I、II、IIIおよびIVの化合物の製造に適用するも
のとして以上に要約した工程に関連して、さらに下記の
記述が適用される。
中間体1および5の製造例により説明した工程1にお
いては、アミンHNR1R2の水溶液およびホルムアルデヒド
溶液を低温(約0〜10℃)で反応させ、酢酸中の7−ベ
ンゾイル−1H−インドールの混合物に添加する。混合物
にエタノールを添加し、次いで加温する。好ましいアミ
ンはジメチルアミンである。過剰のアミンを容易に蒸発
除去しうるからである。
生成物を塩基水溶液および溶剤(たとえば塩化メチレ
ン)の混合物の有機層中に分配し、溶剤を蒸発させ、再
結晶することにより分離する。
中間体2および6の製造例により説明した工程2にお
いては、3−アミノアルキル−インドロ−フエニルメタ
ノンとマロン酸ジ低級アルキル−アルカリ金属(たとえ
ば水素化ナトリウムおよびマロン酸ジ低級アルキルエス
テルにより生成)を非プロトン溶剤(たとえばキシレ
ン)中で反応が起こるまで還流することによつて反応さ
せる。生成物は常法により、たとえば溶剤の蒸発および
再結晶によつて、あるいは高圧液体クロマトグラフイー
(HPLC)によつて単離される。
中間体3および7の製造例により説明した工程3にお
いては、プロパンジ酸エチルエステル誘導体を中程度の
強さの塩基、たとえば3N水酸化ナトリウム中で加熱す
る。適切な他の塩基(MOH)はたとえば水酸化カリウ
ム、−カルシウムおよび−バリウムである。この時点で
遊離したプロパンジ酸は用いた塩基に対応するその金属
塩の形である。強酸、たとえば塩酸を添加して遊離プロ
パンジ酸誘導体となし、生成物を一般の沈澱および過
により分離する。
中間体4および8の製造例により説明した工程4にお
いては、プロパンジ酸誘導体を減圧下で、二酸化炭素の
遊離が停止するまで約180〜210℃に加熱する。生成物は
生じた溶融物を冷却することによつて得られる。
実施例1および2により説明した工程5においては、
プロパン酸誘導体をエタノールと酢酸エチルの混合物中
でオゾンにより酸化する。ヨウ化カリウム水溶液を添加
する。遊離したヨウ素をチオ硫酸ナトリウム溶液で洗浄
することにより除去し、有機層を濃縮する。残渣を適切
な溶剤(たとえばエタノール)に溶解し、6N塩酸と共に
加熱還流する。再び溶液を濃縮し、残渣を希塩基水溶液
と塩化メチレンの間で分配し、生成物を常法により単離
する。この工程においては、最初の溶液が濃厚なほどエ
ステルが生成しやすい。
工程6および7は一般のエステル化工程および脱エス
テル化工程であり、工程5で酸が得られ、エステルを目
的とするか、あるいは工程5でエステルが得られ、酸を
目的とするかに応じて採用される。
工程5または7で得られる酸の金属塩は常法により得
られる。
出発インドール誘導体の合成法は米国特許第4221716
号明細書の記載に従う。その経路はインドリン類→7−
ベンゾイルインドリン類→7−ベンゾイルインドール類
である。
以下の中間体1〜8の製造例は式II、IIIおよびIVの
化合物の合成法を示し、実施例1〜3は式Iの化合物の
合成法を示すものであり、これらを限定と解すべきでは
ない。限定する要素は式I、II、IIIおよびIVに示した
定義のみである。XおよびYの変更は対応する適宜なイ
ンドールから出発することによりもたらされ、当業者が
容易になしうるものである。
中間体 1. 〔3−〔(ジメチルアミノ)メチル〕−1H−インドール
−7−イル〕フエニルメタノン 40%ジメチルアミン水溶液18.0g(0.16モル)を5℃
に冷却し、氷酢酸24g(0.4モル)を添加した。5℃に保
持したこの混合物に37%ホルマリン12.2g(0.15モル)
を添加した。この水性混合物を7−ベンゾイル−1H−イ
ンドール33.1g(0.15モル)および酢酸20mlの混合物に
添加した。無水エタノール100mlを混合物に添加したの
ち、これを水蒸気浴上で1/2時間加温した。生成物の単
離は混合物を減圧下に濃縮し、希水酸化ナトリウムと塩
化メチレンの間で分配し、有機溶液を濃縮することによ
り行われた。残渣をイソプロピルアルコールから再結晶
して淡黄色結晶29g(70%)を得た。融点111.0−113.5
℃。
元素分析: 計算値(C18H18N2O) : C,77.67;H,6.52; N,10.06 実測値 :C,78.07;H,6.49; N,10.07 中間体 2. 2−〔(7−ベンゾイル−1H−インドール−3−イル)
メチル〕プロパンジ酸ジエチルエステル〔3−〔(ジメ
チルアミノ)メチル〕−1H−インドール−7−イル〕フ
エニルメタノン19.4g(0.07モル)およびナトリウムマ
ロン酸ジエチル〔油中の57%水素化ナトリウム0.85g
(0.2モル)およびマロン酸ジエチル32g(0.2モル)か
ら製造〕32.5g(0.2モル)の混合物(キシレン50ml中)
を17時間加熱還流した。混合物を冷却し、ジエチルエー
テルで希釈し、水洗した。溶剤および過剰の試薬を高真
空下での蒸留により除去した。残残渣をまずイソプロピ
ルアルコールから、次いでイソプロピルエーテルから結
晶化して淡黄色粉末12.6g(46%)を得た。融点86.0−8
8.0℃。
元素分析: 計算値(C23H23NO5) : C,70.22;H,5.89;N,3.56 実測値 : C,70.50;H,5.93;N,3.61 中間体 3. 2−〔7−ベンゾイル−1H−インドール−3−イル)メ
チル〕プロパンジ酸 3N水酸化ナトリウム150ml中の2−〔(7−ベンゾイ
ル−1H−インドール−3−イル)メチル〕プロパンジ酸
ジエチルエステル10.0g(0.025モル)の混合物を18時間
加熱還流し、次いで木炭で処理し、冷却し、過した。
暗黄色の液を濃塩酸50mlの滴加により酸性化した。塩
化メチレン20mlの添加により沈澱が生じ、これを採取
し、クロロホルム−メタノールから再結晶して灰白色の
結晶6.0g(70%)を得た。融点188〜189℃。
元素分析: 計算値(C19H15NO5) : C,67.65;H,4.48;N,4.15 実測値 : C,67.91;H,4.50;N,4.20 中間体 4. 7−ベンゾイル−1H−インドール−3−プロパン酸 2−〔(7−ベンゾイル−1H−インドール−3−イ
ル)メチル〕プロパンジ酸の試料2.4g(0.07モル)を真
空下に、二酸化炭素の発生が停止するまで(1/2時
間)、190℃に加熱した。シロツプを冷却して黄色固体
2.1g(100%)を得た。融点166.5〜168.5℃。
元素分析: 計算値(C18H15NO3) : C,73.71;H,5.16;N,4.78 実測値 : C,73.76;H,5.11;N,4.84 中間体 5. (4−クロルフエニル)−〔3−〔(ジメチルアミノ)
メチル〕−1H−インドール−7−イル〕メタノン この化合物は中間体1の化合物の合成に用いた方法に
より製造された。40%ジメチルアミン水溶液13.5g(0.1
2モル)、酢酸16.5g(0.275モル)、37%ホルマリン9.3
g(0.115モル)、および(4−クロルフエニル)(1H−
インドール−7−イル)メタノン28.1g(0.11モル)の
組合わせにより粗製の表題化合物35.3g(99%)を得
た。少量の試料を2−プロパノールから2回再結晶して
白色結晶を得た。融点95〜99℃。
元素分析: 計算値(C18H17ClN2O) : C,69.12;H,5.48;N,8.96 実測値 : C,69.27;H,5.51;N,8.82 中間体 6. 2−〔〔7−(4−クロルベンゾイル)−1H−インドー
ル−3−イル〕メチル〕プロパンジ酸ジエチルエステル この化合物は中間体2の化合物を合成するのに用いた
方法により、溶剤としてのキシレンの代わりにジメチル
スルホキシドを用いて製造された。57%水素化ナトリウ
ム4.2g(0.1モル)、ジメチルスルホキシド30ml、マロ
ン酸ジエチル80g(0.5モル)、および(4−クロルフエ
ニル)−〔3−〔(ジメチルアミノ)メチル〕−1H−イ
ンドール−7−イル〕メタノン31.2g(0.1モル)の組合
わせにより粗製の表題化合物45gを得た。少量の試料をH
PLCにより精製し、90%水性エタノールから再結晶した
のち、黄色結晶2.0g(67%)を得た。融点102.0〜102.5
℃。
元素分析: 計算値(C23H22ClNO5) : C,64.56;H,5.18;N,3.27 実測値 : C,64.71;H,5.21;N,3.38 中間体 7. 2−〔〔7−(4−クロルベンゾイル)−1H−インドー
ル−3−イル〕メチル〕プロパンジ酸 この化合物は中間体3の化合物の合成に用いた方法に
より製造された。2−〔〔7−(4−クロルベンゾイ
ル)−1H−インドール−3−イル〕メチル〕プロパンジ
酸ジエチルエステル28.8g(0.067モル)および3N水酸化
ナトリウム600mlのバツチにより、クロロホルム−メタ
ノールから再結晶したのち淡黄色結晶19.5g(79%)を
得た。融点197〜201℃(分解) 元素分析: 計算値(C19H14ClNO5) : C,61.38;H,3.80;N,3.77 実測値 : C,61.58;H,3.81;N,3.83 中間体 8. 7−(4−クロルベンゾイル)−1H−インドール−3−
プロパン酸 この化合物は中間体4の化合物の合成に用いた方法に
より製造された。2−〔〔7−(4−クロルベンゾイ
ル)−1H−インドール−3−イル〕メチル〕プロパンジ
酸18.9g(0.51モル)のバツチを200℃に加熱して、暗黄
色固体16.6g(100%)を得た。融点190〜202℃。
元素分析: 計算値(C18H14ClNO3) : C,65.96;H,4.31;N,4.27 実測値 : C,66.13;H,4.25;N,4.28 実施例 1. 2−アミノ−3−ベンゾイル−γ−オキソベンゼンブタ
ン酸 酢酸エチル300mlおよび無水エタノール100ml中の7−
ベンゾイル−1H−インドール−3−プロパン酸8.7g(.0
3モル)の溶液を、溶液上にオゾンが存在する状態まで
オゾン処理した。次いでこの黄色溶液を酢酸30mlおよび
水30ml中のヨウ化カリウム16.6g(0.1モル)で処理し
た。1時間撹拌したのち、遊離したヨウ素を15%チオ硫
酸ナトリウム溶液で洗浄し、黄色の有機層を濃縮した。
残渣をエタノール100mlおよび6N塩酸20mlに溶解し、16
時間加熱還流した。暗赤色の溶液を濃縮し、残渣を希水
酸化ナトリウムと塩化メチレンの間で分配した。塩基性
の水層を酸性となし、希水酸化ナトリウムの添加により
pHを2〜3に調整した。固体を採取し、乾燥させ、次い
でベンゼンイソプロピルエーテルから再結晶して黄色粉
末5.9g(67%)を得た。融点161.0−2.5℃。
元素分析: 計算値(C17H15NO4) : C,68.68;H,5.09;N,4.71 実測値 : C,68.82;H,5.11;N,4.67 実施例 2. 2−アミノ−3−(4−クロルベンゾイル)−γ−オキ
ソベンゼンブタン酸エチルエステル 酢酸エチル450mlおよび無水エタノール150ml中の7−
(4−クロルベンゾイル)−1H−インドール−3−プロ
パン酸13.1g(0.04モル)の溶液を、溶液上にオゾンが
存在する状態までオゾン処理した。次いで溶液をヨウ化
カリウム水溶液と共に撹拌したのち、チオ硫酸ナトリウ
ム水溶液で洗浄した。有機画分を濃縮し、残渣を190プ
ルーフエタノール250mlに溶解した。溶液を加熱還流
し、6N塩酸150mlを添加し、18時間加熱を続けた。混合
物を水400mlで希釈し、ゴム状固体を分離した。このゴ
ム状物を希水酸化ナトリウム溶液と塩化メチレンの間で
分配した。塩基性の水性画分は酸性化した際に少量の酸
性物質を含有していたにすぎないので廃棄した。塩化メ
チレン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、シリカゲル
のカラムに導通した。黄色の溶出液を濃縮し、結晶質の
残渣をシクロヘキサンから再結晶して明かるい黄色の粉
末3.5g(26%)を得た。融点112〜115℃。
元素分析: 計算値(C19H18ClNO4) : C,63.43;H,5.04;N,3.89 実測値 : C,63.52;H,5.04;N,3.92 実施例 3. 2−アミノ−3−(4−クロルベンゾイル)−γ−オキ
ソベンゼンブタン酸 高温の190プルーフエタノール70ml中の2−アミノ−
3−(4−クロルベンゾイル)−γ−オキソベンゼンブ
タン酸エチルエステル3.3g(.0092モル)の溶液を4N水
酸化ナトリウム水溶液40mlで処理し、混合物を18時間加
熱還流した。高温の混合物を過し、不溶性物質を廃棄
した。液を冷却し、沈殿を取した。この沈殿を希塩
酸と塩化メチレンの間で分配した。有機層を分離し、硫
酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して明かるい黄色の結
晶2.7g(89%)を得た。融点172〜177℃。
元素分析: 計算値(C17H14ClNO4) : C,61.55; H,4.25 ;N,4.22 実測値 : C,61.43; H,4.24 ;N,4.24 薬 理 急性抗炎症試験−エバンスブルー−カラゲーニン胸膜滲
出アツセイ法 この方法はサンシリオおよびフイツシユマン、トキシ
コロ.アプラ.フアルマシ.(TOXICOL.APPL.PHARMA
C.)26、575−584(1973)の方法である。断食したスプ
ラーク−ドーレイ雄ラツト(体重250〜500g)を6匹ず
つの対照群および実験群に無作為に分けた。化合物(た
とえば式Iの化合物、またはインドメタシン)を投与し
て1時間後にラツトをエーテル処理し、緩和な刺激物質
溶液(0.075%エバンスブルーおよび0.5%カラゲーニン
7型)5mlを胸膜内投与した。5時間後に動物を二酸化
炭素で屠殺し、検量した遠心管中に胸膜液を採取し、測
定した。結果を対照群からの胸膜液の容量の平均減少率
(%)として表わす。キヤリヤーは蒸留水中の0.5%ツ
ウイーン80であり、対照品も同様であつた。インドメタ
シンと比較し効力はシー・ブリス(1951)“ビタミン
法"2巻、445−610頁、ジヨルジイ編(ニユーヨーク、ア
カデミツク−プレス)の方法による回帰分析法によつて
測定された。この方法を用いて、実施例1の化合物はイ
ンドメタシンの効力の1.73(0.78−3.62)倍であると判
定された。すなわち信頼限界の重複を考慮すると、これ
は上記の胸膜滲出抗炎症アツセイ法において0.16〜4.0m
g/kg・体重にわたつてインドメタシンとほぼ同程度の効
力をもつ。
慢性抗炎症試験−アジユバント誘発性関節炎アツセイ法 ワルツら、ジエイ.フアルマシ.エクス.テラ.(J.
PHARMAC.EXP.THER.)178、223−31頁(1971)の方法の
変法を採用した。これは予防的投与による養生よりもむ
しろ治療的なものからなる。
雌レビス・ウイスターラツト(体重150〜235g)を用
いた。ゼロ日目に、それぞれの足のアキレス腱が腓腹筋
(gastrocnemius muscle)に侵入する地点においていれ
ずみを施した。これはその足の体積をプレチスモグラフ
イーにより測定するための参照地点として用いられる。
数時間後に鉱油中の1.5%マイコバクテリウム・ブチリ
クム(Mycobacterium butyricum)懸濁液0.05mlを右後
足の足底表面下に注入した。18日目に後両足の体積を測
定した。注射しなかつた足に有意の腫脹を示した動物を
ブロツクデザインにより7群または8群に無作為に分け
た。これらに18日目に開始して5日/週経口投与し、最
後の投与は28日目に行つた。最後の投与の24時間後に、
注射した足および注射しなかつた足の浮腫の差を測定し
た。結果は注射した足および注射しなかつた足の浮腫
(ml)として表わされる。
この試験において実施例3の化合物はインドメタシン
の0.86(0.47−1.7)倍の効力をもつことが認められ
た。
鎮痛試験−マウスにおけるアセチルコリン誘発性腹部狭
窄 この方法はエツチ・オー・ジエイ・コリエールら、ジ
エイ.ブル.フアルマシ.ケモテラ.(J.BR.PHARMAC.C
HEMOTHER.)32、295−310(1968)の方法の変法であ
る。給餌した雌マウスを無作為に10の群に分けた。第1
群には対照品(キヤリヤー)、すなわち蒸留水中の0.5
%ツウイーン(10ml/kg)を投与した。被験薬剤を10ml/
kgのキヤリヤーに懸濁し、強制飼養によりマウスに投与
し、180分後に0.06%食塩液中の臭化アセチルコリンを
腹腔内投与した。その直後にマウスをそれぞれ裏返した
1容ビーカーに入れ、腹部狭窄の有無につき3分間観
察した。実施例3の化合物は10ml/kgのキヤリヤー中で
4.0mg/kgにおいて投与された場合、70%のマウスにおい
て腹部狭窄を予防した。これは同一条件下で1.0mg/kgの
インドメタシンにより遮断された60%と対比された。
調合および投与 本発明は本発明化合物を有効成分として含む新規な治
療用組成物をも意図する。上記の薬理活性化合物の有効
量を生存動物体に各種方法のいずれかによつて、たとえ
ば経口的にカプセルまたは錠剤として、非経口的に無菌
の液剤または懸濁剤の形で、また場合により静脈内に無
菌液剤の形で投与することができる。本発明の新規組成
物を調製する際には、有効成分を適切なキヤリヤー(具
体的には薬剤用キヤリヤー)に含有させる。本発明の組
成物を調合する際に有用な適切な薬剤用キヤリヤーには
デンプン、ゼラチン、グルコース、炭酸マグネシウム、
ラクトース、麦芽などが含まれる。液状組成物も本発明
の範囲に含まれ、適切な液状の薬剤用キヤリヤーにはエ
チルアルコール、プロピレングリコール、グリセリン、
グルコールシロツプなどが含まれる。
上記の薬理活性化合物は有利には動物の大きさに応じ
て0.1〜250mgまたはそれ以上の単位用量で用いられる。
たとえばウマなどの大型動物は有効成分500〜1000mgの
錠剤を必要とするであろう。単位用量は1日量が0.3〜4
50mgとなるのに適した1日当たりの回数で投与すること
ができる。1回当たり5〜25mgが最適であると思われ
る。
必要なことは有効成分が有効量を構成すること、すな
わち用いる剤形に応じて適切な有効量が得られることに
すぎない。厳密な個々の用量および1日量はもちろん標
準的な医学的原則に従つて医師または獣医の指示のもと
に決定されるであろう。
本発明の有効成分は他の薬理活性薬剤と、または投与
のために緩衝液、抗酸剤などと組合わせることができ、
組成物中の有効薬剤の割合は広範に変えることができ
る。
以下は本発明により調製される組成物の例である。
1.カプセル剤 カプセル当たりの有効成分5mg、25mgおよび50mgのカ
プセル剤を調製する。より高い量の有効成分については
乳糖の量において調節を行うことができる。
他のカプセル配合物は好ましくはより高い用量の有効
成分を含有する下記のものである。
それぞれの場合、選ばれた有効成分を乳糖、デンプン
およびステアリン酸マグネシウムとブレンドし、このブ
レンドをカプセル封入する。
2.錠剤 錠剤当たり5.0mgの有効成分を含有する錠剤について
の一般的配合物は下記のものである。この配合物はリン
酸二カルシウムの重量を調製することにより他の濃度の
有効成分について用いることもできる。
1、2、4および5を均一にブレンドする。3を水中
の10%ペーストとして調製する。ブレンドをスターチペ
ーストと共に顆粒化し、湿潤素材を8メツシユのスクリ
ーンに導通する。湿潤顆粒を乾燥させ、12メツシユのス
クリーンを通して分粒する。乾燥顆粒をステアリン酸カ
ルシウムとブレンドし、打錠する。
3.注射用2%無菌液剤 cc当たり 有効成分 20mg 防腐薬(たとえばクロルブタノール) 0.5%(w/v) 注射用水 適量 溶液を調製し、過により澄明化し、バイアルに充填
し、シールし、オートクレーブ処理する。
種々の変更および均等物が当業者に自明であり、これ
らを本発明の精神または範囲から逸脱することなく本発
明の化合物および薬剤組成物において行うことができ
る。従つて本発明は特許請求の範囲の記載によつてのみ
限定されると解される。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式 (式中、 Xは水素原子、またはハロゲン原子から選ばれ; Yは水素原子、またはハロゲン原子から選ばれ; nは1であり;そして Rは水素原子、低級アルキル基、または薬剤学的に受容
    できる陽イオンである) を有する群から選ばれる化合物。
  2. 【請求項2】2−アミノ−3−ベンゾイル−γ−オキソ
    ベンゼンブタン酸である、特許請求の範囲第1項に記載
    の化合物。
  3. 【請求項3】2−アミノ−3−(4−クロルベンゾイ
    ル)−γ−オキソベンゼンブタン酸エチルエステルであ
    る、特許請求の範囲第1項に記載の化合物。
  4. 【請求項4】2−アミノ−3−(4−クロルベンゾイ
    ル)−γ−オキソベンゼンブタン酸である、特許請求の
    範囲第1項に記載の化合物。
  5. 【請求項5】次式 (式中、 Xは水素原子、またはハロゲン原子から選ばれ; Yは水素原子、またはハロゲン原子から選ばれ; nは1であり;そして Rは水素原子、低級アルキル基、または薬剤学的に受容
    できる陽イオンである) を有する群から選ばれる化合物を有効成分として含有す
    ることを特徴とする、生存動物における炎症の治療剤。
  6. 【請求項6】化合物が2−アミノ−3−ベンゾイル−γ
    −オキソベンゼンブタン酸である、特許請求の範囲第5
    項に記載の治療剤。
  7. 【請求項7】化合物が2−アミノ−3−(4−クロルベ
    ンゾイル)−γ−オキソベンゼンブタン酸である、特許
    請求の範囲第5項に記載の治療剤。
  8. 【請求項8】次式 (式中、 Xは水素原子、またはハロゲン原子から選ばれ; Yは水素原子、またはハロゲン原子から選ばれ; nは1であり;そして Rは水素原子、低級アルキル基、または薬剤学的に受容
    できる陽イオンである) を有する群から選ばれる化合物を有効成分として含有す
    ることを特徴とする、生存動物における痛みの治療剤。
  9. 【請求項9】化合物が2−アミノ−3−ベンゾイル−γ
    −オキソベンゼンブタン酸である、特許請求の範囲第8
    項に記載の治療剤。
  10. 【請求項10】化合物が2−アミノ−3−(4−クロル
    ベンゾイル)−γ−オキソベンゼンブタン酸である、特
    許請求の範囲第8項に記載の治療剤。
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