JP2528300B2 - 窒化アルミニウム質焼結体 - Google Patents

窒化アルミニウム質焼結体

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JP2528300B2 JP62017515A JP1751587A JP2528300B2 JP 2528300 B2 JP2528300 B2 JP 2528300B2 JP 62017515 A JP62017515 A JP 62017515A JP 1751587 A JP1751587 A JP 1751587A JP 2528300 B2 JP2528300 B2 JP 2528300B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、窒化アルミニウム質焼結体、特に金属アル
ミニウムの直接窒化により得られた窒化アルミニウム原
料粉末から製造された、熱伝導性の高い窒化アルミニウ
ム質焼結体に関する。
(従来の技術及び発明が解決しようとする問題点) 近年、LSIの発達に伴い、高集積回路、パワートラン
ジスタ、レーザーダイオードなどの発熱量の大きい半導
体素子を実装するために熱伝導率の高い絶縁材料が必要
とされてきている。
このような熱伝導率の高いセラミツク材料としては、
従来酸化ベリリウム(BeO)系焼結体が用いられてきた
が、その毒性のために使用範囲が限定されている。
そこで酸化ベリリウムに代える高熱伝導性基板材料と
して、熱伝導率が高く、しかも安定で、高温強度も高
く、電気絶縁性のよい窒化アルミニウム(AlN)が使用
されるようになってきている。
窒化アルミニウムは、上記のように半導体基板に適し
た特性を有し、その熱伝導率の理論値は約300W/m・kと
非常に高いものの、現状では、熱伝導率が一般に約100W
/m・k以下と低い窒化アルミニウム質焼結体しか得られ
ておらず、窒化アルミニウム質焼結体の熱伝導率の向上
が待望されている。
窒化アルミニウム粉末は難焼結性であって、単味では
焼結し難いため、窒化アルミニウム原料粉末に焼結助剤
を添加して焼結体を製造することが行なわれており、適
当な焼結助剤としては、周期率表のII a族金属(アルカ
リ土類金属)もしくはIII a族金属(Y及び希土類金
属)の化合物、例えばY2O3、CaO、CaC2などが提案され
ている。(特開昭59−207814号公報、特開昭60−60910
号公報、特開昭60−71575号公報、参照) 窒化アルミニウム粉末の代表的な製造法としては、
(1)金属アルミニウム粉末を窒素又はアンモニアガス
で直接窒化する方法(直接窒化法)と、(2)アルミナ
粉末を炭素粉末と混合し、窒素又はアンモニアガス中で
焼成して、炭素によりアルミナを還元する方法(炭素還
元法)とが知られている。このうち、直接窒化法におい
ては、窒化効率を上げるために原料の金属アルミニウム
を粉砕する工程や、生成した窒化アルミニウム粉末を焼
結原料に適した粒度まで微粉砕する工程において、粉砕
容器や粉砕メディアから通常数重量%の陽イオン不純物
が不可避的に混入し、さらに上記の微粉砕工程において
粉末表面が酸化を受けて、直接窒化法による窒化アルミ
ニウム原料粉末中の酸素含有量は2重量%以上、通常は
3重量%以上に達する。こうした酸素及び陽イオン不純
物を多量に含有する窒化アルミニウム粉末は、高品質の
窒化アルミニウム質焼結体を得るための原料として適当
ではなく、事実、従来は直接窒化法により得られた原料
粉末から焼結助剤を使用して高熱伝導率を有する焼結体
を製造することは、一般に行なわれていなかった。
一方、炭素還元法においては、予めアルミナを所望の
粒度まで粉砕してから炭素還元と窒化を行なうため、生
成した窒化アルミニウム粉末中の陽イオン不純物含有量
は0.5重量%以下と少なく、また酸素含有量も通常約3
%以下と比較的少なく、しかも平均粒子径2μm以下の
高純度の微粉末が容易に得られる。この微粉末は、更に
粉砕処理することなく焼結用の原料として使用すること
ができるため、窒化アルミニウム質焼結体の製造におい
ては、炭素還元法により得られた窒化アルミニウム微粉
末を用いて焼結助剤と共に焼結する方法が普及してい
る。
しかし、かかる微粉末を用いても、得られた窒化アル
ミニウム質焼結体の熱伝導率はやはり100W/m・k以下が
ほとんどであり、理論値の約300W/m・kと比べて著しく
低かった。
なお、イットリウム化合物を焼結助剤として100W/m・
k以上の高い熱伝導率を有する窒化アルミニウム質焼結
体を製造する方法が特開昭60−178688号公報及び同61−
91068号公報に開示されているが、いずれの方法におい
ても直接窒化法により得た原料粉末を使用することは示
唆されておらず、また特開昭61−91068号公報記載の方
法は、焼結体の酸素含有量を低下させて熱伝導性を向上
させるために、焼結時に窒化アルミニウム原料粉末と焼
結助剤の他に遊離炭素もしくは炭素質物質を存在させて
脱酸を図るという、面倒な製造方法を採用している。
直接窒化法と炭素還元法の窒化アルミニウム製造工程
を比較すると、直接窒化法の製造工程は単純で、金属ア
ルミニウム粉末を窒素又はアンモニアガス中で加熱する
だけの工程であるのに対し、炭素還元法は、(1)アル
ミナ粉末と炭素粉末との混合、(2)混合粉末の窒素又
はアンモニアガス中での加熱、(3)残留している未反
応炭素の酸化による除去という多数工程が必要である。
その結果、製造コストが、直接窒化法による窒化アルミ
ニウム粉末の製造の方が、炭素還元法に比べて1/4〜1/6
程度と非常に低くなる。
したがって、直接窒化法により得られた窒化アルミニ
ウム原料粉末を使用して高熱伝導性でかつ高強度の窒化
アルミニウム質焼結体が製造できれば、窒化アルミニウ
ム質焼結体のコスト低減に大きく寄与することとなる。
しかし、上述したように、直接窒化法により製造された
微細な窒化アルミニウム原料粉末は純度が高いために、
従来高熱伝導性焼結体の製造には利用されていないのが
実情であった。なお、第2図には炭素還元法により得ら
れた窒化アルミニウム粉末の電子顕微鏡写真を、第3図
には直接窒化法により得られた窒化アルミニウム粉末の
電子顕微鏡写真を、各々示した。(問題点を解決するた
めの手段) 本発明の目的は、直接窒化法により得た窒化アルミニ
ウム原料粉末から低コストで製造された、熱伝導性の高
い窒化アルミニウム質焼結体を提供することである。
本発明者は、直接窒化法による窒化アルミニウム微粉
末の製造において、純度低下の大きな原因は、原料金属
アルミニウムの純度のほかに、製造後の窒化アルミニウ
ムの微粉砕中における粉砕容器及びメディアの摩損によ
る不純物の混入が大きな原料の一つであるあることに着
目し、これらの原因による不純物混入を排除することに
よって高純度の窒化アルミニウム微粉末を低コストで製
造でき、これを原料粉末として使用して熱伝導性の高い
窒化アルミニウム質焼結体が製造できることを見出だし
た。
直接窒化法による高純度、すなわち陽イオン不純物及
び酸素含有量の少ない窒化アルミニウム微粉末を製造す
るには、原料として高純度の金属アルミニウム粉末を使
用し、得られた窒化アルミニウム粉末の微粉砕を、酸素
の存在を排除するように非酸化性雰囲気中、特に有機溶
剤中において行うことにより、容易に実施できることが
判った。
また、かかる高純度窒化アルミニウム原料粉末から高
熱伝導性窒化アルミニウム質焼結体を製造するには、陽
イオン不純物に対してバランスを取った一定範囲の量の
酸化イットリウム(Y2O3)もしくはその前駆物質を焼結
助剤として混合して焼結することが重要であることを知
見した。
すなわち本発明は、下記に示す窒化アルミニウム質焼
結体である。
(1)金属アルミニウムの直接窒化により得られた窒化
アルミニウム原料粉末にY2O3又はその前駆物質からなる
焼結助剤が添加された混合粉末を生成後焼成して得られ
た窒化アルミニウム質焼結体において、焼結体が、焼結
体のY含有量をY2O3として換算した換算Y2O3含有量(重
量%)に対して、焼結体の全酸素含有量から前記換算Y2
O3含有量中の酸素量を差し引いた残りの酸素量(重量
%)をプロットした点が、第1図の線分I−J−K−N
−Iで囲まれる範囲内にあり、140W/m・k以上の熱伝導
率を有し、相対密度が95%以上であることを特徴とする
窒化アルミニウム質焼結体。
(2)前記(1)項記載の窒化アルミニウム質焼結体に
おいて、焼結体のY含有量(重量%)に対して、焼結体
の全酸素含有量から前記換算Y2O3含有量中の酸素量を差
し引いた残りの酸素量(重量%)をプロットした点が、
第1図の線分O−P−L−M−Oで囲まれる範囲内にあ
り、160W/m・k以上の熱伝導率を有することを特徴とす
る窒化アルミニウム質焼結体。
以下、本発明を更に詳しく説明する。
本発明による窒化アルミニウム質焼結体は、上述のよ
うに、直接窒化法により得られた窒化アルミニウム原料
粉末から、Y2O3もしくはその前駆物質を焼結助剤として
使用して製造されたものであって、AlN層とY含有粒界
相とから構成され、熱伝導率が少なくとも140W/m・k以
上、最も好ましくは160W/m・k以上であり、相対密度が
95%以上、更に好ましくは97%以上、特に好ましくは9
8.5%以上であることを特徴とする。
イットリウム化合物を使用した場合は、Y2O3として換
算された量が焼結体全体の3.9〜7.0重量%、特に好まし
くは約4.5〜6.0重量%を占めるような範囲内がよい。
焼結助剤を使用して製造した窒化アルミニウム焼結体
の相組織は、AlN粒子とこの粒子相を結合している粒界
相とからなる。
粒界相に存在する結晶相の組成は、焼結助剤の種類の
みならず、原料粉末の純度や、焼成温度および雰囲気の
ような製造条件によっても変動するが、窒化アルミニウ
ム質焼結体の熱伝導性はこの粒界相の組成に大きく依存
する。Y2O3を焼結助剤として添加した場合、その粒界生
成相は、YAG(Y3Al5O12)、YAlO3、Y4Al2O9、Y2O3、AlN
・Al2O3スピネル、YN、不明相、および27R−ポリタイプ
(SIALONの一種)等となる。
本発明者は、実験の結果、これらの粒界生成相のう
ち、YAlO3とY4Al2O9の一方もしくは両方、特にY4Al2O9
が粒界に主な相として存在している場合に、窒化アルミ
ニウム質焼結体の熱伝導率が非常に高くなることを見出
だした。その理由は十分に解明されていないが、恐らく
YAlO3及び/又はY4Al2O9が主に存在していると、窒化ア
ルミニウム粒子間の辺の平滑性または整合性が高まるこ
とに加えて、これらの粒界生成相自体の熱伝導性が良い
こともあって、粒界を通る熱拡散が促進され、高い熱伝
導性が得られるのではないかと考えられる。その他の結
晶相が多く粒界に生成すると、窒化アルミニウム粒子間
の辺の平滑性または整合性が得られにくく、例えばYAG
(Y3Al5O12)は熱伝導率が約12W/m・k、Y2O3は熱伝導
率が約27W/m・kとそれぞれ低いため、粒界での熱拡散
性が悪化する。
上記の好ましい粒界生成相であるYAlO3とY4Al2O9は、
焼成中にAlNと焼結助剤のY2O3、その前駆物質もしく
は、窒化アルミニウム原料粉末中に不純物として不可避
的に存在する酸素とが反応して生成するものであるが、
粒界生成相が主にこのような結晶相から構成されるため
には、焼結体の粒界相においてY原子とAl原子との比率
がある一定範囲内にあればよい。
焼結体中において、イットリウムはほとんどの場合酸
化物として存在しているため、測定されたイットリウム
量はそれに1.27倍してY2O3量に変換、換算できる。
また、窒化アルミニウム質焼結体において、焼結体中
の全酸素のほとんどが粒界において酸化物として存在し
ており、その他はAlN格子中に固溶しているものもある
と考えられる。前記粒界に存在する酸素の一部は焼結助
剤のY2O3もしくはその前駆物質からできたものであり、
残りは窒化アルミニウム原料粉末中もしくは製造工程で
混入してきた陽イオン不純物に結合して存在している酸
素である。本発明においては焼結体中の全酸素量とY含
有量を測定し、測定されたY含有量をY2O3として換算し
た量を求め、全酸素量からY含有量をY2O3として換算し
た量中の酸素量を差し引いた残りを残りの酸素量として
いる。すなわち、残りの酸素量=全酸素量−(換算Y2O3
量)×0.212となる。
本発明者は、直接窒化法により得られた窒化アルミニ
ウム原料粉末を使用して多数の窒化アルミニウム質焼結
体の試料を調製し、上記のようにして焼結体のY含有量
をY2O3として換算した値(換算Y2O3含有量という)と焼
結体の全酸素量からこの換算Y2O3含有量中の酸素量を差
し引いた残りの量(残りの酸素量という)との関係とし
て熱伝導性の傾向を調べたところ、熱伝導性の高い焼結
体を得るにはこれらの値が一定の範囲内にあることが必
要であることを見出だした。
すなわち、第1図は、横軸に窒化アルミニウム質焼結
体の換算Y2O3含有量(重量%)を、縦軸に上記残りの酸
素量(重量%)をとった組成図であるが、熱伝導率が10
0W/m・k以上の窒化アルミニウム質焼結体は、焼結体の
換算Y2O3量に対して残りの酸素量をプロットした点が、
この図において破線で示した線分Q−R−S−T−Qで
囲まれる範囲内にある(但し、線上は含まず)場合に得
られる。
120W/m・k以上の熱伝導率を示す焼結体は、線分A−
B−C−D−E−F−G−H−Aで囲まれる範囲内(線
上を含む、ただし点Cは含まず)にある場合に得ること
ができる。
本発明の140W/m・k以上の熱伝導率を示す窒化アルミ
ニウム質焼結体は、プロットが線分I−J−K−N−I
で囲まれる範囲内にある場合に得ることができる。さら
に、本発明の最も好ましい態様においては、上記のプロ
ットは線分O−P−L−M−Oで囲まれる範囲内(線上
を含む)にあり、この場合には焼結体は160W/m・k以上
という非常に高い熱伝導率を示す。なお、第1図におい
て、実線で示した線分は線上を含むことを、破線は線上
を含まないことを意味する。
第1図において、点A〜Tの横軸(換算Y2O3含有量、
重量%)と縦軸(残りの酸素量、重量%)の値は次の通
りである。
本発明の別の好適態様において、高い熱伝導性に加え
高い抗折強度を示す窒化アルミニウム質焼結体が提供さ
れる。抗折強度の高い焼結体は、上記残りの酸素量(す
なわち、全酸素量から換算Y2O3量中の酸素量を差し引い
た酸素量)をAl2O3として換算した量(重量%)(以
下、換算Al2O3量という)と換算Y2O3量の各値、および
これらの比率がそれぞれ一定範囲内にある場合に得るこ
とができることを見出だした。すなわち、上記換算Al2O
3量と換算Y2O3量(いずれも重量%)が、 0.2≦Al2O3/Y2O3≦2.4, 1.1≦Al2O3≦12.0, 2.0<Y2O3≦12.0 の関係を満足すると、熱伝導率が100W/m・k以上で、抗
折強度(3点曲げ試験、以下同じ)が30kg/mm2以上の窒
化アルミニウム質焼結体を得ることができる。
上記換算Al2O3量と換算Y2O3量が、 0.2≦Al2O3/Y2O3≦1.7, 1.1≦Al2O3≦11.0, 3.9≦Y2O3≦9.0 の関係を満足する場合には窒化アルミニウム質焼結体は
120W/m・k以上の熱伝導率と、35kg/mm2以上の抗折強度
を示すことができる。さらに本発明の焼結体は、上記換
算Al2O3量の換算Y2O3量が、 0.6≦Al2O3/Y2O3≦1.4, 3.2≦Al2O3≦7.0, 3.9≦Y2O3≦7.0 の関係を満足する場合には焼結体は140W/m・k以上の熱
伝導率と、40kg/mm2以上の抗折強度を示す。
特に、上記換算Al2O3量と換算Y2O3量が、 0.6≦Al2O3/Y2O3≦1.2, 3.2≦Al2O3≦6.0, 4.5≦Y2O3≦6.0 の関係を満足する場合には焼結体の熱伝導率は160W/m・
k以上、抗折強度は40kg/mm2以上となり、いずれも非常
に高い値を示すことができる。
粒界相は、上述のように主にYおよびAlが焼成時の高
温加熱を受けて生成した結晶相からなるが、窒化アルミ
ニウム質焼結体に存在し得る不可避的陽イオン不純物と
して次いで多量に存在するのは一般的に珪素(Si)であ
る。珪素は、不可避的に混入するが、窒化アルミニウム
質焼結体中においてYに対するSiの割合が高すぎると、
酸素量を低く抑えても、熱伝導率の向上が得られにく
い。後述のようにSiはAlN粒子中に固溶もしくはAlNと反
応して焼結体の熱伝導率の劣化を招くが、焼結助剤とし
て存在させたY成分はこのSiの固溶もしくはAlNとの反
応を抑制すると考えられる。しかし、Yに対するSiの割
合が大きすぎると、Yのこの効果が十分に発揮されず、
そのため熱伝導率の向上が得られないと考えられる。本
発明の窒化アルミニウム質焼結体の好適態様において、
焼結体中に含まれるY原子とSi原子の含有量(重量%)
が、 Si/Y≦1.32, Si≦1.3, 1.6<Y<9.4 (最後の式はY2O3として表すと、2.0<Y2O3<12.0に相
当する) を満足すると、焼結体は100W/m・k以上の熱伝導率を示
すことができる。
また、Y原子とSi原子の含有量(重量%)が Si/Y≦0.21, Si≦0.9, 3.1≦Y≦7.1 (最後の式はY2O3として表すと、3.9≦Y2O3≦9.0に相当
する)を満足すると、焼結体は120W/m・k以上の熱伝導
率を示す。
さらに、Y原子とSi原子の含有量(重量%)が、 Si/Y≦0.12, Si≦0.5, 3.1≦Y≦5.5 (最後の式はY2O3として表すと、3.9≦Y2O3≦7.0に相当
する)を満足すると、焼結体は140W/m・k以上の熱伝導
率を示す、本発明の焼結体となる。
そして最も好ましくは、Y原子とSi原子の含有量(重
量%)が、 Si/Y≦0.05, Si≦0.2, 3.5≦Y≦4.7 (4.5≦Y2O3≦0.6に相当) を満足すると、焼結体は160W/m・k以上と非常に高い熱
伝導率を示すことができる。
粒界相の組成を金属元素成分の組成割合として検討す
ると、高い熱伝導性を示す窒化アルミニウム質焼結体
は、特定範囲内の金属元素成分の組成割合を有している
ことが判明した。すなわち、本発明の窒化アルミニウム
質焼結体の好適態様において、粒界相に存在する金属元
素成分は、金属元素の合計重量に基づいて、Y:60〜91重
量%、Al:8〜35重量%、Si:10重量%以下からなる。か
かる焼結体は、140W/m・k以上の高い熱伝導率を示すこ
とができる。また、この金属元素成分割合が、Y:70〜91
重量%、Al:8〜25重量%、Si:3重量%以下からなる焼結
体が特に好ましく、かかる焼結体は160W/m・k以上と非
常に高い熱伝導率を示すことができる。Yが60重量%に
達しないと、熱伝導率の低下の他に、抗折強度も低下す
る傾向がある。Alが8重量%より少ないと、焼結体の抗
折強度が低下し、35重量%を越えると、熱伝導率と抗折
強度が共に低下し、粒界相にはALON(AlN・Al2O3スピネ
ル)が生成する。
一方、Siが10重量%を越えると、熱伝導率の低下が著
しく、この場合には粒界相にはSIALONや不明微結晶が生
成している。
本発明の窒化アルミニウム質焼結体の理論密度に対す
る相対密度は、少なくとも95%であり、好ましくは少な
くとも97%、特に好ましくは少なくとも98.5%である。
本発明の窒化アルミニウム質焼結体は、直接窒化法に
より得られた原料粉末から製造される。使用する窒化ア
ルミニウム原料粉末は、酸素含有量が1.8重量%未満、
平均粒径1〜3μm、Si含有量0.2重量%以下、純度99
%以上のものである。
ここで、窒化アルミニウム原料粉末の「酸素含有量」
は、酸化物などの化合物として、または酸素として原料
粉末中に含まれる酸素原子の合計量である。
また、原料粉末の「純度」とは、窒化アルミニウム原
料粉末から、Al、N、O、および吸着水分を差し引いた
残りを陽イオン不純物の合計量(重量%)と見なし、10
0%からこの陽イオン不純物合計量を差し引くことによ
り得た値である。すなわち、純度99%以上とは、このよ
うな陽イオン不純物合計量が1重量%以下であることを
意味する。かかる不純物としては、Fe、C、Si、Ti、
V、Cr、Mn、Ca、Mg、Co、Ni、などが挙げられる。これ
ら陽イオン不純物がICP(プラズマ発光分析)、原子吸
光分析法により測定される。好ましくは、かかる各不純
物の含有量(重量%)はそれぞれ次の範囲内である。
Fe:0.001〜0.08%, C:0.01〜0.07%, Si:0.2%以下、 Ti、V、Cr、Mn、Ca、Mg:各0.01%以下, Co、Ni:各0.001%以下。
本発明の窒化アルミニウム質焼結体の製造において使
用する原料粉末の純度は好ましくは99.5%以上、より好
ましくは99.7%以上である。原料粉末の純度が99%未満
であると、原料粉末中の主な不純物はSiであり、これが
多くなると熱伝導率が劣化する。
上記陽イオン不純物のうち、Siは焼成中にAlN中に固
溶するかもしくはAlNと反応して、AlNポリタイプ(SIAL
ON、Al−Si−O−N)を生成すると考えられる。このAl
Nポリタイプは、焼結時に粒成長を助長するため、繊維
状組成を形成し易く、熱伝導性の劣化を招くことが知ら
れているので、原料粉末中のSiの含有量を上記のように
0.2%以下にすることは本発明の窒化アルミニウム質焼
結体の熱伝導率の一層の向上にとって重要である。
原料粉末の酸素含有量が1.8重量%を越えると、一般
にY2O3と混合して焼成した焼結体の酸素含有量が高くな
りすぎ、目的とするような高い熱伝導率を示す焼結体を
得ることが困難となる。
したがって、このような高純度の窒化アルミニウム原
料粉末は、高純度の金属アルミニウム(好ましくは純度
98.5%以上)粉末をアンモニアもしくは窒素中で加熱す
る直接窒化法を用いて行なわれる、そして得られた窒化
アルミニウムの粉末を、非酸化性雰囲気(例、窒素、ア
ルゴン、ヘリウム、一酸化炭素、水素ガス雰囲気)中、
あるいは有機溶媒中で所望の粒度まで微粉砕することに
より得られる。高純度金属アルミニウムの直接窒化によ
り製造された窒化アルミニウム粉末は市販品も利用でき
る。
窒化アルミニウム粉末の微粉末の微粉砕は、有機溶媒
中で行う方が、陽イオン不純物の混入がより少なくなる
傾向があるので好ましい。使用できる有機溶媒は、極
性、非極性を問わず、任意のものでよく、例えばアルコ
ール類、ケトン類、アルデヒド類、芳香族炭化水素類、
パラフィン系炭化水素類などが使用できる。なお、微粉
砕工程は、焼結助剤と混合した後、すなわち混合粉末に
対して行うこともできる。
原料粉末の平均粒径は、1〜3μmが適当である。こ
れより平均粒径が大きくなると、得られた焼結体の熱伝
導率、相対密度、および光折強度がいずれも低下する。
本発明の窒化アルミニウム質焼結体は、上記原料粉末
に適量の焼結助剤を混合し、この混合粉末を常法により
成形および焼成することにより製造される。
焼結助剤がY2O3またはその前駆物質のみからなるもの
か、または主としてY2O3またはその前駆物質と他の焼結
助剤からなる混合物がより好ましいが、場合によっては
他の焼結助剤などをさらに添加してもよい。Y2O3の前駆
物質は、焼成温度においてY2O3に熱分解するものであれ
ばよく、例示すれば炭酸イットリウム[2CO3]、酢酸イ
ットリウム[Y(CH3CO2]、硝酸イットリウム[Y
(NO3]、修酸イットリウム[Y(C2O4]など
である。
焼結助剤がY2O3もしくはその前駆物質からなるとき、
焼結体中の換算Y2O3量が第1図の所定の範囲内になるよ
うにして添加すべき配合量を選択する。すなわちY原子
は焼成中に成形体から実質的に逃散しないと考えられる
ので、窒化アルミニウム原料粉末と焼結助剤との混合粉
末の重量に対するY2O3の重量割合が第1図に規定する範
囲内になるようにすればよい。具体的には、混合粉末に
対する換算Y2O3が3.9〜7.0重量%(第1図のK点〜N
点)、最も好ましくは4.5〜6.0重量%(L点〜M点)と
なる配合量にY2O3もしくはその前駆物質を調整して使用
する。
また、窒化アルミニウム原料粉末および焼結助剤の酸
素含有量を考慮して、焼結体中の上記「残りの酸素含有
量」も第1図に規定の範囲内に入るように焼結助剤の種
類および配合量を選択する。焼成は後述のように非酸化
性雰囲気中(真空中も含む)で行うので、窒化アルミニ
ウム原料粉末と焼結助剤の混合粉末中の酸素含有量は、
ほとんど増大せず、焼結体中の酸素含有量と実質的にほ
ぼ同じと考えることができる。したがって、混合粉末中
の全酸素含有量から配合したY2O3量(もしくはその前駆
物質)中の酸素量を差し引いた残りの酸素含有量が第1
図で規定した範囲内に入るようにすればよい。具体的に
は、残りの酸素含有量の範囲はY2O3の配合量によっても
変動するが、0.38〜6.69重量%(第1図のS点〜Q
点)、好ましくは0.38〜4.92重量%(C点〜A点)、よ
り好ましくは1.28〜3.67重量%(K点〜I点)、最も好
ましくは1.41〜3.15重量%(L点〜O点)である。
上記の残りの酸素含有量の範囲は、残りの不純物がす
べてAl2O3であると仮定して、Al2O3の量に換算すると
(すなわち、換算Al2O3含有量で表すと)、2.72〜7.80
重量%、最も好ましくは3.00〜6.69重量%に相当する。
なお、焼結体の高い抗折強度を確保するには、上述し
たように、その換算Al2O3含有量/換算Y2O3含有量の
比、ならびAl2O3およびY2O3の各換算含有量が一定範囲
にあることが好ましいので、その場合には原料粉末と焼
結助剤との混合粉末中において、換算Al2O3含有量/換
算Y2O3含有量の比、ならびにAl2O3およびY2O3の各換算
含有量が所定範囲内となるように原料粉末純度および焼
結助剤の配合量を選択する。
さらに、前述したように、混合粉末中のSi量も焼結体
の熱伝導率に大きく影響するので、混合粉末中のSi原子
/Y原子の重量比、ならびにこれらの原子の各含有量が先
に焼結体について述べた範囲内になるようにすることが
好ましい。
焼結助剤は、平均粒径0.5〜3μm程度のものを使用
するのが好ましい。
窒化アルミニウム原料粉末と焼結助剤との混合は、非
酸化性雰囲気中での乾式混合、あるいは有機溶媒を使用
した湿式混合により行う。芳香族炭化水素、ケトン、ア
ルコール類などの有機溶媒を使用した湿式混合が好まし
い。また、混合粉末の平均粒径が大きすぎる場合には、
上述のように、この混合中に混合粉末の微粉砕を同時に
行うこともできる。混合粉末の焼成は、混合粉末に更に
少量の適当なバインダー(例えば、パラフィンワック
ス、ステアリン酸、ポリビニールブチラール、エチルセ
ルロース、メチルメタアクリレートとエチルアクリレー
トとの共重合体などの1種以上)を添加して、適当な成
形手段、例えば乾式プレス法、ラバープレス法、押出
法、射出法、ドクターブレードシート成形法、鋳込成形
法などによって所定の形状に成形した後、これを真空下
で、あるいは大気圧ないし加圧下の非酸化性雰囲気(例
えば、窒素、アルゴン、ヘリウムガスなどの不活性雰囲
気、あるいはさらに水素を含有する不活性雰囲気)中に
おいて高温で焼成することにより実施できる。または、
成形と焼成とをホットプレス法により同時に行うことが
できる。
焼成温度は、焼成法によって異なるが、一般に1500〜
2100℃の範囲内が好ましく、1500℃より低温であると十
分な緻密化が達成されず、2100℃を越えると窒化アルミ
ニウムの昇華分解が生じ易くなる。常圧焼成を採用する
場合に好ましい焼成温度は1750〜1950℃、より好ましく
は1860℃以下、最も好ましくは1840℃である。
ホットプレスによる焼成は、1600〜1800℃で行うこと
が好ましい。また加圧下(すなわち、1気圧以上のガス
圧)で焼成を行う場合には、焼成温度は1880〜1970℃の
範囲内が好ましい。熱間静水圧プレス(HIP)の焼成
は、1500〜2000℃の範囲内の温度で行うことが好まし
い。
(実施例) 実施例1: 焼結体を製造するための原料粉末として、金属アルミ
ニウムの直接窒化により得られた窒化アルミニウム粉末
で各種の窒化アルミニウム原料粉末を調製した。得られ
た窒化アルミニウム原料粉末の酸素含有量、Si含有量、
純度、及び平均粒径を次の第1表に示す。
これらの窒化アルミニウム原料粉末に、下記第2表
(A−1),(A−2)に示す割合でY2O3粉末(平均粒
径1.3μm)を焼結助剤として添加し、さらに場合によ
りAl2O3粉末(平均粒径1.5μm)又はSi3N4(平均粒径
0.9μm)を添加し、この混合物を、メタノール又はト
ルエン中で湿式ボールミル粉砕することにより混合及び
微粉砕して混合粉末を得た。
窒化アルミニウム原料粉末と添加成分の組成は第2表
(A−1),(A−2)に示す。
No1〜13、8″、14〜50の各試料の混合粉末にバイン
ダとしてパラフィンワックス6重量%とステアリン酸13
重量%とを加えた混合物を、成形圧1000kg/cm2でプレス
して、直径12mmの圧粉体を形成した。この圧粉体を、窒
素雰囲気中において温度1600〜1800℃で0.5時間焼成し
て、窒化アルミニウム質焼結体の試料を得た。
上記混合粉末にAl2O3又はSi3N4粉末を添加したものが
あるけれどもその理由は、これらは不純物として原料粉
末からあるいは微粉砕工程などの製造工程中で混入して
くる成分であるが、これらの不純物の存在が熱伝導率に
及ぼす影響を評価するために意図的に添加したものであ
る。
かくして得られた試料について、熱伝導率(レーザー
フラッシュ法による測定:測定試料の厚みによる誤差は
補正した。)、相対密度(アルキメデス法)、及び抗折
強度(3点曲げ抗折試験、JISR1601)を測定し、第2表
(B−1),(B−2)に示す試験結果を得た。
第2表(A−1),(A−2)にはまた、混合粉末中
における窒化アルミニウム原料粉末及び粉末混合物の調
製に用いられた添加物混合粉末の平均粒径、成形体の焼
成温度、そして第2表(B−1),(B−2)には得ら
れた焼結体におけるY元素含有量およびこれをY2O3とし
て換算した換算Y2O3含有量、焼結体の全酸素含有量から
換算したY2O3含有量の酸素量を差し引いた残りの酸素含
有量、およびこれをAl2O3として換算した換算Al2O3含有
量、焼結体のSi元素含有量(以下、いずれも重量%)、
換算Al2O3/換算Y2O3の重量比、Si/Yの元素重量比も併せ
て示す。
なお、窒化アルミニウム原料粉末および焼結体試料の
酸素含有量は、赤外吸収分析(LECO社製TC−136)によ
り、またSi含有量はICP(発光分光分析、セイコー電子
工業製)によりそれぞれ測定した。なお、原料混合粉末
のY2O3含有量、残りの酸素量、Al2O3換算量、Si元素含
有量等を測定した結果、ほとんど焼結体中の組成と同一
であった。
第4図は、第2表(B−1),(B−2)の各焼結体
試料における換算Y2O3量と、残りの酸素量とを第1図と
同じ組成図上にプロットしたものであり、試料No.の横
のカッコの数値は焼結体試料の熱伝導率(単位、W/m・
k)である。第4図から、線分Q−R−S−T−Qで成
形される四辺形の線上では熱伝導率が100W/m・kに達し
ないが、この四辺形の内部では100W/m・k以上になるこ
と、また線分A−B−C−D−E−F−G−Aで囲まれ
る範囲内(線分を含む)では、焼結体の熱伝導率が120W
/m・k以上となり、本発明の焼結体である、線分I−J
−K−N−Iで囲まれる範囲内(線上を含む)では熱伝
導率が140W/m・k以上、さらに線分O−P−L−M−O
で囲まれる範囲内(線上を含む)では160W/m・k以上の
非常に高い熱伝導率が得られることがわかる。
第4図において、試料No.7、12、13は残りの酸素量が
不明であるためプロットしていない。試料No.8〜11およ
び30〜34は、他の試料と非常に近い点にプロットされる
ため省略したが、これらはいずれも線分O−P−L−M
−Oで囲まれる範囲内にあり、160W/m・k以上の熱伝導
率を示している。
また、第2表(B−1),(B−2)の結果から、換
算Al2O3/換算Y2O3の比率および各換算Al2O3およびY2O3
量が、先に述べたように一定範囲内にあると、熱伝導率
の向上とともに抗折強度の向上も得られることも理解さ
れる。
さらに、第2表(B−1),(B−2)の試料No.1お
よび2と試料No.8〜11を比較すると、Y含有量が同じ
で、また残りの酸素含有量が試料No.1および2では1.93
〜2.30重量%、試料No.8〜11では1.95〜1.09重量%と略
同等かそれより低いにもかかわらず、試料No.8〜11の焼
結体はSi含有量が多いため熱伝導率が低下することがわ
かる。試料No.30〜34からも、熱伝導率は酸素含有量の
ほかにSi含有量によっても影響を受け、酸素含有量のみ
ならずSi含有量も低くすることが熱伝導率の向上に有効
であることがわかる。
また、第2表(B−1),(B−2)の結果から、Si
/Yの元素重量比、およびこれらの各元素の重量%が、先
に述べたように一定範囲内にあると、熱伝導率の向上が
得られることも判る。
試料No.49、50は第1表に示すごとく、原料粉末中の
酸素含有量が1.8%を越えるものであるが、これらは焼
結体の熱伝導率が100W/m・k以下を示している。
実施例2: 実施例1で得た試料No.1〜34について、粒界に生成し
た粒界結晶相を粉末X線回折法により確認した。結果は
次の第3表に示すとおりであった。第3表における数値
はX線強度のピーク高さが一番高い結晶相を100%とし
他の結晶相をそれに対する比率で調べた。
第2表(B−1),(B−2)、第3表の結果からみ
てAl2Y4O9を主相とするものは、試料No.10のSi量の多い
ものを除き、167W/m・k以上、AlYO3を主相とするもの
は約138W/m・k以上、Al5Y3O12を主相とするものは、試
料No.7の酸素量の多いものを除き、102W/m・k以上の熱
伝導率を有することが判る。
以上の焼結体は常圧法によったが、ホットプレス法に
よっても同様の傾向の試験結果が得られ、焼結体の密度
が一層高められるので熱伝導性も上昇する。
(発明の効果) 上記のとおり、従来高純度な窒化アルミニウム粉末原
料や種々の焼結助剤を使用しても高熱伝導性窒化アルミ
ニウム質焼結体が得られなかったところ、本発明によれ
ば従来品よりも非常に高い熱伝導率を有する窒化アルミ
ニウム質焼結体が容易、かつ確実に提供できるのであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の窒化アルミニウム質焼結体における換
算Y2O3量と残りの酸素量の好適範囲を示す組成図、第2
図はアルミナの炭素還元法により得られた窒化アルミニ
ウム原料粉末の電子顕微鏡写真、第3図は、金属アルミ
ニウムの直接窒化法により得られた窒化アルミニウム原
料粉末の電子顕微鏡写真、及び第4図は、実施例で得ら
れた窒化アルミニウム質焼結体試料の換算Y2O3量と残り
の酸素量を、第1図の組成図上にプロットした図面であ
る。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属アルミニウムの直接窒化により得られ
    た窒化アルミニウム原料粉末にY2O3又はその前駆物質か
    らなる焼結助剤が添加された混合粉末を成形後焼成して
    得られた窒化アルミニウム質焼結体において、焼結体
    が、焼結体のY含有量をY2O3として換算した換算Y2O3
    有量(重量%)に対して、焼結体の全酸素含有量から前
    記換算Y2O3含有量中の酸素量を差し引いた残りの酸素量
    (重量%)をプロットした点が、第1図の線分I−J−
    K−N−Iで囲まれる範囲内にあり、140W/m・k以上の
    熱伝導率を有し、相対密度が95%以上であることを特徴
    とする窒化アルミニウム質焼結体。
  2. 【請求項2】焼結体のY含有量(重量%)に対して、焼
    結体の全酸素含有量から前記換算Y2O3含有量中の酸素量
    を差し引いた残りの酸素量(重量%)をプロットした点
    が、第1図の線分O−P−L−M−Oで囲まれる範囲内
    にあり、160W/m・k以上の熱伝導率を有することを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の窒化アルミニウム質
    焼結体。
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