JP2528245Y2 - エンジン停止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、エンジン停止装置に関し、特に、エンジン
のアフタランや筒外爆発の発生を防止できるようにした
エンジン停止装置に関する。

〈従来の技術〉 従来、ガソリンエンジンのエンジン停止装置として
は、点火電源をアースして火花の発生を停止することに
よりエンジンを停止させるもの、気化器への燃料供給を
停止して、燃焼用空気への燃料の混入を停止することに
よりエンジンを停止させるもの、点火電源のアースと気
化器への燃料供給の停止とを併用するもの等がある。

〈考案が解決しようとする課題〉 点火電源のアースによりエンジンを停止する場合に
は、エンジンの停止操作後にも吸気が吸入され続け、気
化器から燃料が吸入されて、アフタランが発生したり、
着火しなかった生ガスがマフラに流入して筒外爆発を発
生することがある。

また、気化器への燃料供給を停止してエンジンを停止
させる場合には、燃料の供給を停止した後にも気化器内
の燃料が吸気管に吸入され、アフタランが発生すること
になるうえ、次回の再始動時に燃料を気化器内に所定量
充填するまでに時間がかかり、始動性が損なわれるとい
う問題がある。

点火電源のアースと気化器への燃料供給の停止とを併
用する場合には、燃料の供給を停止した後に気化器から
吸気中に吸入された燃料によって筒外爆発が発生したり
する上、次回の再始動時に燃料を気化器内に所定量充填
するまでに時間がかかり、始動性が損なわれる。

本考案は上記の事情を鑑みてなされたものであり、エ
ンジンのアフタランや筒外爆発の発生を防止できるよう
にするうえ、混合気遮断弁の操作レバーを外部に大きく
出張ることなく、コンパクトに配置できるようにするエ
ンジン停止装置を提供することを目的とするものであ
る。

〈課題を解決するための手段〉 本考案に係るエンジン停止装置は、上記の目的を達成
するため、例えば第１図ないし第３図に示すように、エ
ンジン本体１に連結された吸気管２の始端部に気化器３
を接続し、気化器３の下流側で吸気管２にこれを開閉す
る混合気遮断弁４を設け、 エンジン本体１の前側に冷却ファン５と、この冷却フ
ァン５からエンジン本体１の前面に冷却風を案内するフ
ァンカバー６とを設け、 エンジン本体１の前面上半部からその前面に沿って横
側方に延長された吸気管２をファンカバー６の側面外に
突出させて設け、吸気管２の横外側端に気化器３を接続
し、 エンジン本体１、ファンカバー６及び気化器３の上側
に亘って燃料タンク７を設け、 混合気遮断弁４の弁軸4aを前向きに、吸気管２の前側
に突出するように設け、この弁軸4aの前端に混合気遮断
弁４の操作レバー9bを上向きに延出し、 ファンカバー６と、気化器３と、燃料タンク７との間
に形成された３角状空間８内で操作レバー9bを左右方向
に揺動可能に構成した事を特徴とする。

〈作用〉 本考案においては、エンジンの停止操作を行うと、気
化器３の下流側で混合気遮断弁４によって吸気管２が遮
断され、エンジン本体１への燃料の吸入が確実に停止さ
れる。

また、エンジン本体１の前側に冷却ファン５と、この
冷却ファン５からエンジン本体の前面に冷却風を案内す
るファンカバー６とを設け、エンジン本体１の前面上半
部からその前面に沿って横側方に延長された吸気管２を
ファンカバー６の側面外に突出させて設け、吸気管２の
横外側端に気化器３を接続し、 エンジン本体１、ファンカバー６及び気化器３の上側
にわたって燃料タンク７を設け、吸気管２のファンカバ
ー６外に突出する部分の内部に混合気遮断弁４を設け、 混合気遮断弁４の弁軸4aを前後向きに、吸気管２の前
側に突出するように設け、この弁軸4aの前端から混合気
遮断弁４の操作レバー9bを上向きに延出し、ファンカバ
ー６と、気化器３と、燃料タンク７のとの間に形成され
た３角状空間８内で操作レバー9bを左右方向に揺動可能
に構成する。これにより、デッドスペースとなっている
上記３角状空間８を混合気遮断弁４の操作レバー9bの配
置空間として有効に利用できる。

上記混合気遮断弁４の操作方式は特に限定されず、例
えば、手動操作方式や電磁操作方式を採用することがで
きる。混合気遮断弁４の操作方式を電磁操作方式とする
場合には、例えばソレノイド9aからなる操作手段を、混
合気遮断弁４の操作方式を手動操作方式とする場合に
は、例えば操作レバー9b等の手動操作具からなる操作手
段を上記空間８に混合気遮断弁４の操作手段として配置
することができる。特に、手動操作方式を採用する場合
には、上記空間８が前方に開放されているので、前方か
ら容易にその操作レバー9b等の操作手段の操作ができ
る。

〈実施例〉 以下、本考案の実施例を図面に基づき説明する。

第１図は本考案の一実施例に係るエンジン停止装置の
正面図であり、第２図はその要部の平面図である。

このエンジンは、エンジン本体１の前側に冷却ファン
５と、この冷却ファン５からエンジン本体の前面に冷却
風を案内するファンカバー６とを設け、また、エンジン
本体１の前面上半部からその前面に沿って横側方に延長
された吸気管２がファンカバー６の側面外に突出させて
設けられる。また、この吸気管２の横外側端、すなわ
ち、始端には気化器３が接続され、更に気化器３の始端
にエアクリーナ13が接続される。

このエンジンを停止させるエンジン停止装置は、気化
器３よりも下流側の吸気管２のファンカバー６外に突出
する部分の内部に設けられ、この吸気管２を開閉する混
合気遮断弁４を備えている。この混合気遮断弁４の弁軸
4aは上下向きに、その上端部が吸気管２から突出するよ
うに設けられ、その上端に固定した混合気遮断レバー11
はソレノイド9aで閉弁方向に駆動されるとともに、ソレ
ノイド9aがオフになるときに戻しバネ12で開弁位置に復
帰させるように構成される。

なお、上記ソレノイド9aはファンカバー６と、エンジ
ン本体１の上側からファンカバー６の上側にわたって配
置された燃料タンク７との間に形成され、前方に開放さ
れた３角状空間８内に配置され、吸気管２の始端と気化
器３との間に挟持されたブラケット10に支持される。

このエンジン停止装置では、図示しないエンジン停止
スイッチを操作するとソレノイド9aへの通電が停止さ
れ、戻しバネ12の弾性復元力によって混合気遮断弁４が
閉弁位置に復帰される。これにより、気化器３からエン
ジン本体１に向かって流れる混合気がエンジン本体１の
上流側で瞬時に遮断されるので、エンジン本体１内で混
合気が燃焼するおそれがなくなり、アフタランを確実に
防止でき、また、エンジン本体１よりも更に下流側のマ
フラに混合気が流れるおそれは一層確実になくなり、筒
外着火を確実に防止できる。

第３図は本考案の他の実施例に係るエンジン停止装置
の正面図である。

この実施例では、吸気管２のファンカバー６外に突出
する部分の内部に混合気遮断弁４が設けられる。この混
合気遮断弁４の弁軸4aは前後向きに向けられ、その前端
部が吸気管２の前側に突出させてある。そして、この弁
軸4aの前端部から混合気遮断弁４の操作手段としての操
作レバー9bが上向きに延出され、ファンカバー６と、気
化器３と、燃料タンク７との間に形成された３角状空間
８内で上記操作レバー9bを左右方向に揺動操作できるよ
うに構成してある。

また、この混合気遮断弁の混合気遮断弁４の操作手段
として、吸気管2a及び気化器３の上側に配置されたロッ
ド9cが設けられる。このロッド9cは、その軸心方向に、
中立の運転位置（同図中、実線で示す）を中心にしてフ
ァンカバー６側の停止位置と、気化器３側のチョーク位
置とに変位可能に設けられ、操作レバー9bに気化器３側
から当接される遮断弁当接具9dと、気化器３のチョーク
レバー3aにファンカバー６側から当接されるチョーク弁
当接具9eとを備えている。そして、このロッド9cを運転
位置に位置させた時には、チョーク弁当接具9eがチョー
クレバー3aから離れて、チョーク弁3bが戻しバネ14の弾
性復元力によって開弁位置に復帰するとともに、遮断弁
当接具9dが操作レバー9bから離れて混合気遮断弁４が戻
しバネ12の弾性復元力によって開弁位置に復帰するよう
にしてある。また、このロッド9cを停止位置に位置させ
た時には、操作レバー9bが仮想線で示す位置に変位する
遮断弁当接具9dによって閉弁位置に押し込まれ、混合気
遮断弁４が閉弁される一方、チョーク弁当接具9eがチョ
ークレバー3aから離れ、チョーク弁3bが戻しバネ14によ
って開弁されるようにしてある。更に、このロッド9cを
チョーク位置に位置させた時には、仮想線で示すチョー
ク位置に変位するチョーク弁当接具9eによってチョーク
レバー3aが閉弁位置に引き出され、チョーク弁3bが閉弁
される一方、遮断弁当接具9dが操作レバー9bから離れ、
混合気遮断弁４が戻しバネ12によって開弁されるように
してある。

なお、上記ロッド9cはエアクリーナ13の外端面まで延
長されている。

この実施例においては、上記の一実施例と同様の効果
が得られる上、ファンカバー６と、気化器３と、燃料タ
ンク７との間に形成された３角状空間８を操作レバー9b
の操作空間として有効に利用できる。また、混合気遮断
弁４の閉弁操作がエンジン本体１の前面側から操作でき
る操作レバー9bとエンジンの横側から操作できるロッド
9cとの何れでも行うことができるので、操作性が高めら
れる。

〈考案の効果〉 以上のように、本考案によれば、停止操作時に吸気管
が気化器の下流側で混合気遮断弁により遮断されるよう
に構成してあるので、燃料を含んだ混合気がエンジン本
体の燃焼室やこれよりも下流のマフラに流れることを防
止でき、アフタランや筒外爆発が発生することを防止で
きる。

また、エンジン本体の前側に冷却ファンと、この冷却
ファンからエンジン本体の前面に冷却風を案内するファ
ンカバーとを設け、エンジン本体の前面上半部からその
前面に沿って横側方に延長された吸気管をファンカバー
の外側に突出させて設け、吸気管の横外側端に上記気化
器を接続し、エンジン本体、ファンカバー及び気化器の
上側にわたって燃料タンクを設け、吸気管のファンカバ
ー外に突出する部分の内部に混合気遮断弁を設け、混合
気遮断弁の弁軸を前後向きに、吸気管前側に突出するよ
うに設け、弁軸の前端部から上方に操作レバーを延出
し、ファンカバー、気化器及び燃料タンクの間に形成さ
れた３角状空間内で操作レバーを左右方向に揺動可能に
構成したことから、従来デッドスペースとなっている上
記３角状空間を混合気遮断弁の操作手段の配置空間とし
て有効に利用できるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るエンジン停止装置の正
面図、第２図はその要部の平面図、第３図は本考案の他
の実施例に係るエンジン停止装置の正面図である。 １……エンジン本体、２……吸気管、３……気化器、４
……混合気遮断弁、５……冷却ファン、６……ファンカ
バー、７……燃料タンク、８……３角状空間、9a……ソ
レノイド、9b……操作レバー。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】エンジン本体（１）に連結された吸気管
   （２）の始端部に気化器（３）を接続し、気化器（３）
   よりも下流側で吸気管（２）にこれを開閉する混合気遮
   断弁（４）を設け、 エンジン本体（１）の前側に冷却ファン（５）と、この
   冷却ファン（５）からエンジン本体（１）の前面に冷却
   風を案内するファンカバー（６）とを設け、 エンジン本体（１）の前面上半部からその前面に沿って
   横側方に延長された吸気管（２）をファンカバー（６）
   の側面外に突出させて設け、吸気管（２）の横外側端に
   気化器（３）を接続し、 エンジン本体（１）、ファンカバー（６）及び気化器
   （３）の上側に亘って燃料タンク（７）を設け、 混合気遮断弁（４）の弁軸（4a）を前向きに、吸気管
   （２）の前側に突出するように設け、この弁軸（4a）の
   前端に混合気遮断弁（４）の操作レバー（9b）を上向き
   に延出し、 ファンカバー（６）と、気化器（３）と、燃料タンク
   （７）との間に形成された３角状空間（８）内で操作レ
   バー（9b）を左右方向に揺動可能に構成した 事を特徴とするエンジン停止装置。