JP2528161B2 - 証券検査装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は磁気的性質を有する例えば銀行券（banknot
e）、小切手、利札および類似の証券のような証券を検
査するための装置に関する。本装置は証券供給経路沿い
に証券を供給して磁気検査機を通過せしめる証券輸送手
段を含んでいる。

〔従来の技術〕

支払いの手段、例えば通貨、代用通貨およびその他の
信用証書あるいは証券を検査し管理することを特に意図
した装置は公知である。このような装置の例は例えばス
ウェーデン国レイアウトプリント（Lay-Out Print）第4
48037号にみられ、そこでは支払い手段は磁性粒子を含
んでおり一次磁場内を通過させられる。一次磁場の存在
により誘起された二次あるいは誘導磁場の存在が別に検
出され、一次磁場内に置かれた支払い手段が二次磁場を
発生しない時誤り信号が出力される。

〔発明が解決しようとする課題〕

この公知の装置の欠点は、低い信号／雑音比の結果と
しておよび誘導二次磁場の絶対値を検出しているため
に、二次誘導磁場の検出結果は減じられがちであること
である。

本発明の目的は、特に、このようなリスクを著しく減
らし、一次磁場発生源と検出器を一つのそして同一の機
能に集積することにある。

〔課題を解決するための手段および作用〕

本発明の装置は磁気的性質を有する証券が証券供給経
路に沿って磁場内に入る際に磁気回路内に変化を引き起
こすように該経路との関係において充分近接して位置し
た一次磁場発生装置を具備している。このような装置は
特に外部の撹乱に対して鈍感であるが、磁気的性質を有
する通過証券の存在に敏感であり、そのため磁場発生回
路に接続された検出手段を介して相互に異なる証券の異
なる磁気的性質に高度に依存する信号を得ることができ
る。これらの信号の相互に異なる「輪郭」により本物の
証券と本物でない証券との区別（本物の銀行券とコピー
された偽造の銀行券との区別）さらにはある種の本物の
証券と別の種類の本物の証券との区別（スウェーデン国
の100クローネ札とスウェーデン国の1,000クローネ札と
の区別、等々）を明確に迅速に区別することが可能とな
る。

〔実施例〕

第１図に示された装置は磁場内に起こる変化を検出す
ることを意図した成形したコイルを有する検出装置14の
対称な磁気回路内に永久的な一次磁場を発生する装置12
を具備する磁気検査機12〜14を含んでいる。

装置12は円形の永久磁石を具備し、その上面はＮ極で
あり、底面はＳ極である。永久磁場内の磁力線のいくつ
かは点線で示され参照番号121,122,123が付されてい
る。

磁気回路13は２つの同一の形状の腕132,133の間で定
まる空隙を有し、腕132,133はヨークでつながれ、その
上には検出あるいは検知手段の役をする巻線14が巻かれ
ている。

磁気回路13に対する永久磁石12の相対的位置は磁場の
磁力線121,122,123が空隙内およびその近傍においてギ
ャップを通る１つの平面上にあり、この平面が磁気回路
の対称面を構成するような位置である。この平面はまた
輸送経路０−０に垂直であり、それに沿って銀行券を通
過せしめ銀行券が本物であるか及び／または銀行券の種
類を検査する目的で検査機を通過せしめる。

銀行券は第１図に示され参照番号15が付されている。
銀行券内には多数の磁性粒子が含まれており、銀行券の
形式あるいはその種類に特徴的な特殊なパターンで配置
されている。これらの粒子は通常肉眼では見ることがで
きないが、記述の理解を助けるために図では強く強調さ
れている。この様な粒子の１つ150は銀行券の下に大き
く拡大して図示されている。銀行券の右にあり０−０方
向を指している矢印は銀行券輸送経路の０−０方向にお
ける銀行券の動きを表わしている。銀行券の輸送のため
の銀行券輸送手段11は２つの相互に共働するローラの形
でシンボル的に表わされている。多数のローラの組が実
際には設けられることは理解されるであろう。

第２図は検査機12〜14を通過し初める銀行券15を表わ
している。この時磁性粒子は永久磁束の影響を受け、永
久磁石12の反対方向に磁化される。このことは破線の磁
力線と拡大した粒子のＮ−Ｓ方向とで図解的に示されて
いる。

検査機に対する銀行券の運動の結果として磁気回路13
内に変化が生じ銀行券15の出力信号特性が検知コイル14
を介して得られる。

コイル14によって捕獲された信号は信号処理手段へ供
給され、第３図のその具体例は直列に接続された増幅度
10⁴の直流または交流形の入力アンプ30と、範囲１〜10k
Hzの中間的な周波数の帯域フィルタ31と、整流およびピ
ーク検出回路32と、約0.7〜1.5ボルトの閾値を有する閾
値回路33と、出力アンプ34とを含んでいる。これらの要
素はその構成や機能の面で標準的な結果を与えるのでこ
こでは詳細に述べない。

主力アンプ34の出力側は登録手段と偽の銀行券または
間違ったタイプの銀行券が検出されたときに誤り信号を
出力する信号手段とに接続される。検査機を通過する２
枚の相互に異なった銀行券ＡおよびＢから得られる相互
に異なった特性の信号が第４図に示されている。第４図
に明らかなように、２つの信号のそれぞれの要素の或る
ものは互いに非常に異なっており、様々な種別あるいは
種類の銀行券について仮にそれがひどく汚れていたり、
折れ曲がっていたり、しわが寄る等していても高度な正
確さで同定することを可能とする。

図示された具体例は永久磁束を発生するために永久磁
石を含んでいるが、この磁束はその替わりにソレノイド
によって発生しても良いことは理解されよう。

本発明の本質的な特徴は、磁束が磁気回路を撹乱ある
いは飽和させないような方向を向いていること、すなわ
ち、磁束は巻線14が搭載されている磁気回路の伸長方向
の広がりに対して垂直な方向を向いていることにある。
さらに、処理回路は非線形の増幅作用を呈し、撹乱信号
を抑制するようにそして検査機からの独特の信号パター
ンを強調するように構成されている。

第５図から明らかなように検査機12〜14を通過する間
は銀行券15は磁気回路13と永久磁石12の近傍を通過す
る。

〔発明の効果〕

以上述べてきたように本発明によれば、一次磁場発生
源と検出器とが一体に集積された検査機によって、本物
の証券と偽物の証券との区別、あるいは証券の種類の判
別を明確に迅速に行なうことが可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は銀行券輸送経路に沿って位置する磁気検査機を
表わす図、 第２図は検査機を通過し始める銀行券と共に第１図の装
置を表わす図、 第３図は検査機に接続される信号処理手段のブロック
図、 第４図は検査機を通過する２枚の相互に異なる銀行券か
ら得られる信号の概略を表わす図、 第５図は第２図の装置を輸送方向の一方向から直視した
状態を表わす図である。 図において、 11……銀行券輸送手段、12……永久磁場発生装置、13…
…磁気回路、14……検知コイル、15……銀行券。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】銀行券、小切手、利札および同様物の如き
   磁気的性質を呈する証券の検査装置であって、該装置は
   輸送経路（０−０）に沿って磁気検査機（12〜14）を通
   して証券を輸送する輸送手段（11）を含み、該磁気検査
   機（12〜14）は磁気回路（13）に永久磁場を発生する手
   段（12）を含み輸送される証券を該回路（13）に通過せ
   しめそれとともに該証券の磁気的性質に応じて磁場に変
   化を生ぜしめるように輸送手段（12）に関して位置する
   装置において、 磁気回路（13）は輸送経路（０−０）に近接して位置す
   る狭い空隙（131）を含み、空隙を通る平面は輸送経路
   （０−０）と該経路に本質的に垂直に交差し、さらに磁
   場内に生じる任意の変化を検出することを意図する検出
   手段（14）を含み、 空隙に近接して位置する磁場発生手段（12）のNS方向は
   該平面と通過する証券との交線と同じ方向に伸び、空隙
   （131）に近接して位置する永久磁場は空隙を通る平面
   内で空隙（131）に近接する輸送経路（０−０）の方向
   に対して直角の方向であり、 該検出手段（14）の出力側は該証券の磁気的性質に依存
   した信号を発生する信号処理手段（30〜34）に接続され
   ることを特徴とする証券検査装置。
2. 【請求項２】前記信号処理手段（30〜34）は非線形増幅
   器（30）を含み、それによって攪乱信号は抑制され、前
   記証券の磁気的性質に依存する信号が強調される請求項
   １記載の装置。