JP3532602B2 - 針検出装置 - Google Patents

針検出装置

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JP3532602B2
JP3532602B2 JP34698493A JP34698493A JP3532602B2 JP 3532602 B2 JP3532602 B2 JP 3532602B2 JP 34698493 A JP34698493 A JP 34698493A JP 34698493 A JP34698493 A JP 34698493A JP 3532602 B2 JP3532602 B2 JP 3532602B2
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正夫 金澤
正 大宮
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Nissin Electronics Co Ltd
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Nissin Electronics Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、交流磁界の擾乱を利用
して検出するのに適した構造を有する縫い針や待ち針を
検出するために好適な針検出装置に関する。
【0002】縫製に使用した縫い針や待ち針が、作業中
に折れて縫製品中に紛れ込んだり、または縫製品中にお
き忘れられて残留する場合があって、製品の出荷後にこ
れが発見されて問題となることがあり、従って、これを
事前に検知することが、縫製業界において、大きな課題
となっている。
【0003】そこで、このような折れ針や忘れ針を確実
に検知して、製品の安全性を確保することが必要であ
り、そのためには、容易に検出可能な針と、このような
針を確実に検知するための検出装置とが求められてい
る。
【0004】
【従来の技術】従来、縫製品中における折れ針や忘れ針
を検知する目的に、通常の電磁式金属検出機が使用され
ている。図18は、従来の電磁式金属検出機の概略構成
を示したものである。
【0005】図18において、1は励振部であって、一
定周波数の高周波電力を発生する。2は検知部であっ
て、送信コイル3と、2個のコイル41、42からなる受
信コイル4とを備えている。送信コイル3は、その端子
A,Bに励振部1から高周波電力を印加されることによ
って、交流磁界を発生する。受信コイル4は差動接続さ
れていて、送信コイル3に対して平衡して配置され、交
流磁界に不平衡を生じたとき、その端子C,Dに励振周
波数の検出信号を発生するようになっている。検知部2
は、これを貫く図示されないベルトコンベア等によっ
て、被検体を通過させることができるように構成されて
いる。
【0006】5は高周波増幅部であって、端子C,Dに
おける検知部2の検出信号を増幅する。6は位相検波部
であって、励振部1からの励振周波数の信号によって、
高周波増幅部5の出力信号を位相検波して、検波出力を
発生する。7はフィルタ部であって、位相検波部6の検
波出力から高周波分を除去して、低周波信号を出力す
る。8は低周波増幅部であって、フィルタ部7から出力
された低周波信号を増幅する。9は比較部であって、低
周波増幅部8からの低周波信号の振幅を一定閾値と比較
して、閾値を超えたとき、被検体の存在を示す警報出力
を発生する。
【0007】図18に示された装置においては、送信コ
イルによって形成される交流磁界中における、金属片の
存在に基づく磁界の擾乱を、受信コイルにおいて磁束の
不平衡成分によって検出する。この検出信号は励振周波
数からなっており、これを位相検波することによって、
金属片の移動に伴って変化する低周波信号が得られるの
で、その大きさを識別することによって、金属片からな
る被検体の存在(通過)を検知することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の電磁式金属検出
機を、縫製品中の折れ針や忘れ針の検知に適用する場合
の問題点は、縫製品に付属品として使用されている他の
金属製品、例えばボタン,バックル,ファスナ等を同時
に検出することであり、これらのものの形状が大きい場
合には、これによる検出信号も大きい。
【0009】そこで、縫製品中の折れ針や忘れ針に対す
る電磁式金属検出機の検出感度は、このような他の金属
製品による検出信号に基づく雑音との相対レベル差によ
って決定されることとなり、他の金属製品による検出出
力が大きいときは、目的とする折れ針や忘れ針を検出す
ることができない場合が生じる。また、検出が可能であ
っても、S/Nを十分確保することができず、頻繁に誤
検出を起こすことを避けられない。
【0010】また検出対象である針は、その形状が細長
いため、検知部における交流磁界との相互の向きによっ
て、検出感度が低下する場合があり、そのため一層、検
出の困難さを増すという問題がある。
【0011】本発明は、このような従来技術の課題を解
決しようとするものであって、縫製品中における折れ針
や忘れ針の検出を容易に行うことができるようにするた
めの、交流磁界の擾乱を利用して検出するのに適した構
造を有する縫い針や待ち針を、誤検出を起こすことなく
確実に検知するための針検出装置を提案することを目的
としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】1.本発明の針検出装置
は、躯体部の一部もしくは全部が軟磁性材料からなる縫
い針または摘子部の一部もしくは全部が軟磁性材料から
なる待ち針であって、上記軟磁性材料の透磁率が1×1
2以上であるとともに保持力が数エルステッド程度以
下であって角形ヒステリシス特性を有する被検体に対し
て、送信コイル(3)と、該送信コイルに対して被検体
検出領域を挟んで反対側に2個のコイルを平衡配置して
なる差動接続型の受信コイル(4)とを設け、上記被検
体検出領域を上記被検体が通過するとき、上記送信コイ
ルによって被検体検出領域に形成されている交流磁界に
基づいて受信コイルに誘起される励振波の特定の高調波
を選択的に検出することによって上記被検体を検知する
ものである。
【0013】2.本発明の針検出装置は、躯体部の一部
もしくは全部が軟磁性材料からなる縫い針または摘子部
の一部もしくは全部が軟磁性材料からなる待ち針であっ
て、上記軟磁性材料の透磁率が1×102以上であると
ともに保持力が数エルステッド程度以下であって角形ヒ
ステリシス特性を有する被検体に対して、送信コイル
(3)と、該送信コイルと同一軸上の前後に2個のコイ
ルを平衡配置してなる差動接続型の受信コイル(4)と
を設け、上記送信コイルと受信コイルとを貫く被検体検
出領域を上記被検体が通過するとき、上記送信コイルに
よって被検体検出領域に形成されている交流磁界に基づ
いて受信コイルに誘起される励振波の特定の高調波を選
択的に検出することによって上記被検体を検知するもの
である。
【0014】3.本発明の針検出装置は、請求項1また
は2記載の針検出装置において、上記送信コイル(3)
と受信コイル(4)とをそれぞれ2分割するとともに、
分割されたそれぞれの送信コイルと受信コイルとからな
る2組のコイルを、被検体の通過方向に対して互いに逆
方向に傾けて配置したものである。
【0015】4.本発明の針検出装置は請求項1ないし
3のいずれか1記載の針検出装置において、上記送信コ
イル(3)および受信コイル(4)の被検体通過方向の
前部に消磁装置(34)を設けて、被検体が該消磁装置
の消磁領域を通過することによって、その残留磁気を予
め消磁されたのちに、上記送信コイルおよび受信コイル
を通過するようにしたものである。
【0016】
【作用】図1は、本発明の針検出装置の検知対象である
磁気検出針の構造を例示したものである。図1に示す磁
気検出針は、通常の縫製用針と同一の形状に構成され、
その全部または一部が軟磁性材料からなっているもので
あって、図1においては、鋼鉄からなる縫い針の形態を
有する針体15の表面に、軟磁性材料からなるメッキ層
16を有する場合が例示されている。本発明の場合にお
ける軟磁性材料とは、透磁率が1×102以上であっ
て、保磁力が数エルステッド(Oe)程度以下(好まし
くは1Oe以下)の磁性材料をいい、さらに、角形ヒス
テリシス特性を有するものであることが必要である。こ
のような軟磁性材料の例としては、例えば、ニッケル
(Ni)−鉄(Fe)−硼素(B)系,コバルト(C
o)−鉄−ニッケル−硼素−珪素(Si)系,鉄−ニッ
ケル−モリブデン(Mo)−硼素系,コバルト−鉄−ニ
ッケル−モリブデン−硼素−珪素系等のアモルファス材
料中の所要の特性を有するものが好適である。また、パ
ーマロイ,ミューメタル,スーパーマロイ等の磁性合金
材料中における所要の特性を有するものを使用すること
もできる。軟磁性材料の使用方法はメッキの形態に限ら
ないが、メッキ可能な場合であって、メッキして使用す
る場合のメッキ層16の厚さは、例えば5μmないし2
μm、メッキ後の針の保磁力は3Oe程度である。
【0017】図2は、縫製品に対する検知部の出力周波
数特性を例示したものであって、電磁式金属検出機によ
って、縫製品の検査を行った場合を示している。横軸に
出力周波数(kHz)、縦軸に出力レベル(dB)を示
し、(a)は金属片の混入がない場合、(b)は図1に
例示された磁気検出針が混入している場合、(c)は図
1に例示された磁気検出針以外の金属片が混入している
場合である。なお、この場合の励振周波数は1kHzであ
る。図3は、図1に示された磁気検出針以外の金属片を
例示したものであって、アルミ合金からなる装飾品を示
している。
【0018】図2(a)においては、励振波の不平衡成
分のみが出力されている。(a)の場合と(b)の場合
とを比較すると、基本波(励振波)の出力振幅は同様で
あるが、図1に示す磁気検出針が混入した(b)の場合
には、第3高調波がかなりの大きさで出力されているこ
とがわかる。一方、(c)の場合は、基本波の振幅は同
じであるが、第3高調波のレベルは小さい。
【0019】図2(b)の場合に第3高調波の出力振幅
が大きいのは、針体15の表面に施されたメッキ層16
を構成する軟磁性材料の角形ヒステリシス特性に基づい
て、検出信号に歪みが生じているためであって、実験結
果から、第2高調波と第3高調波とが、検出可能なレベ
ルで発生することが認められている。この際、なるべく
小さい励振電力を用いて、高調波の検出感度を向上させ
るためには、軟磁性材料の保磁力が小さいことが必要で
ある。
【0020】そこで、このような場合における高調波を
検出することによって、図1に例示されたような磁気検
出針からなる被検体が金属検出機を通過したときの、交
流磁界の不平衡成分の変化を、低周波信号として捕捉す
ることができる。
【0021】図4は、金属検出機の低周波出力信号波形
を例示したものであって、(a),(b),(c)は、
それぞれ図2における(a),(b),(c)の場合に
対応し、横軸は時間(Sec)、縦軸は出力電圧(V)
である。
【0022】図4(a)に示されるように、金属片の混
入がない場合は、低周波出力は発生しない。(b)に示
す図1に例示された磁気検出針が混入している場合は低
周波出力信号のレベルが大きいが、(c)に示す図1に
例示された磁気検出針以外の金属片が混入している場合
の低周波出力信号レベルは小さいので、両者の場合を識
別して、磁気検出針を検知したことを示す警報信号を出
力することができる。
【0023】本発明においては、このような原理に基づ
いて縫製品に混入した針を検知する。従ってこれに使用
する検出装置は、図18に示されたような金属検出機に
おいて、特定の高調波を選択的に検出できるようにすれ
ばよい。そのためには、励振部の励振波出力から特定の
高調波を発生して、これによって、検知部の出力信号を
位相検波する等の方法で、容易に所望の検出を行うこと
ができる。
【0024】
【実施例】図5は、本発明の針検出装置の検出対象であ
る磁気検出針の構成例(1)を示したものである。本構
成例の磁気検出縫い針は、通常の縫製用縫い針と同様の
形状を有し、細長い躯体部21に対して、布を穿刺する
ための鋭い先端部22と、糸を通すための穴23を有す
る頭部24とを備えている。本構成例の場合、少なくと
も躯体部21が軟磁性材料から構成されていることが必
要である。先端部22,頭部24は躯体部21と同じ材
質でもよく、または、通常の鋼鉄等のような異なる材質
であってもよい。
【0025】図6は、本発明の針検出装置の検出対象で
ある磁気検出針の構成例(2)を示したものである。本
構成例の磁気検出縫い針は、図5に示された構成例と同
様の形状を有し、同じ部分を同じ番号によって示されて
いる。図6に示された構成例においては、躯体部21の
内部に、軟磁性材料細線からなる芯部25を有している
点が異なっている。なお芯部25は、先端部22および
/または頭部24の部分に及んでいてもよい。
【0026】図7は、本発明の針検出装置の検出対象で
ある磁気検出針の構成例(3)を示したものである。本
構成例の磁気検出縫い針は、図5に示された構成例と同
様の形状を有し、同じ部分を同じ番号によって示されて
いる。図7に示された構成例においては、躯体部21と
先端部22の表面に、軟磁性材料からなるメッキ層26
を設けた点が異なっている。メッキ層26は、躯体部2
1のみ、または頭部24を含む全面に施されていてもよ
い。
【0027】図8は、本発明の針検出装置の検出対象で
ある磁気検出針の構成例(4)を示したものである。本
構成例の磁気検出待ち針は、通常の縫製用待ち針と同様
の形状を有し、細長い躯体部21に対して、布を穿刺す
るための鋭い先端部22と、頭部に設けられた、標識と
つまみとを兼ねた摘子部27とを備えている。本構成例
の場合、摘子部27が軟磁性材料から構成されているも
のとする。摘子部27の形状は、図示の球状に限らず任
意である。
【0028】図9は、本発明の針検出装置の検出対象で
ある磁気検出針の構成例(5)を示したものである。本
構成例の磁気検出待ち針は、図8に示された構成例と同
様の形状を有し、同じ部分を同じ番号によって示されて
いる。図9に示された構成例においては、摘子部27が
その表面に軟磁性材料からなるメッキ層28を有する点
が異なっている。この場合、摘子部27自体は、通常の
待ち針と同様のガラス球であってもよく、または他の金
属やプラスチック等からなるものであってもよい。また
形状も必ずしも球状に限らず、任意の形状であってもよ
い。
【0029】図10は、本発明の針検出装置の一実施例
の構成を示したものであって、図18におけると同じも
のを同じ番号で示している。10は高調波発生部であっ
て、励振部1の基本波信号から特定の高調波出力を発生
する。11は高周波フィルタ部であって、帯域消去フィ
ルタまたは帯域通過フィルタからなり、検知部2の検知
信号中における励振周波数の成分を除去し、特定の高調
波成分を通過させる。位相検波部6は、高調波発生部1
0の高調波信号によって、高周波フィルタ部11の出力
信号を位相検波する。
【0030】図10に示された装置においては、送信コ
イルによって形成される励振波磁界で磁気検出針を励磁
し、このとき受信コイルと鎖交する磁束の不平衡成分中
に含まれる高調波成分を抽出して位相検波することによ
って、針の移動に伴って変化する低周波信号が得られる
ので、その大きさを識別することによって、磁気検出針
からなる被検体の存在(通過)を検知することができ
る。この際、高周波増幅部5の入力側に高周波フィルタ
部11を挿入したことによって、大きな金属製装飾品等
が検知部を通過した場合に、受信コイルにおいて大きな
磁束の不平衡が発生するために、励振周波数の出力が大
きくなって後段が飽和することを防止して、図5ないし
図9に示されたような磁気検出針を常に高感度で検知す
ることができる。
【0031】従って、図10に示された針検出装置によ
れば、図5ないし図9に示されたような磁気検出針が縫
製品に含まれて検知部を通過したとき、確実に、これを
示す警報出力を発生することができる。
【0032】図11は、本発明の針検出装置における検
知部の構成例(1)を示したものであって、図10にお
けると同じものを同じ番号で示し、31は検知部の筐
体、32は筐体31に設けられた被検体通過間口(アパ
ーチュア)である。
【0033】送信コイル3は、ロ字状をなす遮蔽用の金
属筐体31の一方の辺に収容されており、受信コイルを
形成するコイル41、42は、筐体31の、被検体通過間
口32を挟んで対向する辺に収容されている。コイル4
1、42は送信コイル3と平行に前後に並べて配置され、
送信コイル3の発生する交流磁界に対して、差動接続さ
れて平衡がとられているので、通常は端子C,Dに検出
信号が発生しない。
【0034】被検体通過間口32内に形成される被検体
検出領域を、磁気検出針が通過するとき、コイル41
2の間における交流磁界の平衡が破れて、受信コイル
の端子C,Dに検出信号が発生するが、図10に示され
た針検出装置は、この検出信号から励振周波数の高調波
成分を選択的に検出して、警報出力を発生する。一方、
磁気検出針以外の被検体が通過したときは、高調波成分
からなる検出信号が生じないので、警報出力は発生しな
い。
【0035】図12は、本発明の針検出装置における検
知部の構成例(2)を示したものであって、図11にお
けると同じものを同じ番号で示している。この場合は、
図11の例と異なり、送信コイル3と、受信コイルを形
成するコイル41、42は筐体31の内部において、被検
体通過間口32を囲んで同一軸上に設けられており、か
つ受信コイル41、42は、送信コイル3を挟んで前後に
配置され、差動接続されて送信コイル3の交流磁界に対
して平衡がとられている。
【0036】この場合も、図11の場合と同様に、送信
コイル3によって、被検体通過間口32内に形成される
被検体検出領域を磁気検出針が通過するとき、コイル4
1、42の間における交流磁界の平衡が破れて、受信コイ
ルの端子C,Dに励振周波数の高調波を含む検出信号が
発生するので、図10に示された針検出装置によって、
これを検出して警報出力を発生することができる。
【0037】図13は、本発明の針検出装置における検
知部の構成例(3)を示したものである。この場合は、
図11の場合と同様に配置された、送信コイル31と受
信コイルを形成するコイル41、42とからなる第1の検
知コイルと、送信コイル32と受信コイルを形成するコ
イル43、44とからなる第2の検知コイルとが、被検体
通過間口32内に、被検体の通過方向に沿って配置され
ている。第1の検知コイルと第2の検知コイルとは、被
検体の通過方向に対して、それぞれ+θおよび−θ傾け
て配置されている。
【0038】図14は、送信コイルと受信コイルとを分
割した場合の接続方法を示したものである。図示のよう
に、送信コイル31、32は直列に端子A,B間に接続さ
れ、受信コイルを形成するコイル41、42と43、44
は、直列に端子C,D間に接続される。
【0039】図13に示された構成例の場合は、送信コ
イル31と受信コイル41、42とからなる第1の検知コ
イルと、送信コイル32と受信コイル43、44とからな
る第2の検知コイルとによって、それぞれ図11の場合
と同様にして、磁気検出針の通過に基づく検出信号を発
生することができる。
【0040】磁気検出針は、その形状が細長いため、そ
の向きが検知コイルに対して平行な場合と直交する場合
とでは、検出感度が著しく変化し、そのため検知不可能
になる場合があるが、図13に示された検知部の構成に
よれば、いかなる場合でも、いずれか一方の検知コイル
では検知可能であり、従って、不検知を確実に防止する
ことができる。
【0041】図15は、本発明の針検出装置における検
知部の構成例(4)を示したものである。この場合は、
図12の場合と同様に配置された、送信コイル31と受
信コイルを形成するコイル41、42とからなる第1の検
知コイルと、送信コイル32と受信コイルを形成するコ
イル43、44とからなる第2の検知コイルとが、被検体
通過間口32内に、被検体の通過方向に沿って配置され
ている。第1の検知コイルと第2の検知コイルとは、被
検体の通過方向に対して、それぞれ+θおよび−θ傾け
て配置されている。この場合における送信コイルと受信
コイルの接続は、図14の場合と同じである。
【0042】図15に示された構成例の場合も、第1の
検知コイルと、第2の検知コイルとによって、それぞれ
図12の場合と同様にして、磁気検出針に基づく検出信
号を発生することができ、従って、針の向きのいかんに
かかわらず、これを検知することができる。
【0043】図16は、本発明の針検出装置における検
知部の構成例(5)を示したものである。この場合は、
図13または図15に示された2組の検知コイルを、そ
れぞれ別個の遮蔽筐体311、312に収容して、被検体
の搬送用ベルトコンベア33に対して,それぞれ+θお
よび−θ傾けて配置したことが示されている。
【0044】図16に示された構成例では、向きのいか
んにかかわらず磁気検出針を検出できるとともに、検知
部の筐体を2個に分割したので、小型軽量化されて、運
搬,設置が容易になるという利点がある。
【0045】図17は、本発明の針検出装置の他の実施
例を示したものであって、消磁装置を併用した場合を示
している。被検体の搬送用ベルトコンベア33に対し
て、検知部の筐体31を設置した針検出装置において、
同一のベルトコンベア上に、検知部の筐体31の前部に
消磁装置34を設けたことが示されている。なお、図中
においては、針検出装置における、検知部筐体以外の電
子回路部分は、省略して示されている。
【0046】本発明の磁気検出針を使用して縫製作業中
に、なんらかの原因によって、磁気検出針が着磁するこ
とがあり得る。着磁した磁気検出針は、軟磁性材料に基
づく角形ヒステリシス特性が消失し、殆ど直線に近い磁
化特性になることが、このような磁気検出針のB−H特
性の測定結果から判明している。
【0047】着磁した磁気検出針は、これを図10に示
されたような本発明の針検出装置において検出しようと
しても、ヒステリシス特性の違いから、検知部通過時の
高調波のレベルが著しく小さくなり、そのため、磁気検
出針の検出感度が低下する。
【0048】図17に示された実施例においては、針検
出装置の検知部の筐体31に対して、同一のベルトコン
ベア33上に、矢印で示すベルトコンベアの進行方向手
前に消磁装置34を設けて、搬送される縫製品を予め消
磁するようにしている。着磁した磁気検出針を消磁する
ことによって、もとの角形ヒステリシス特性に復帰する
ことが確認されており、従って、図17の実施例によれ
ば、着磁した磁気検出針が縫製品中に含まれていた場合
でも、検知部を通過する際には消磁されているため、着
磁に基づく検出感度の低下を防止することができる。
【0049】この場合に使用する消磁装置は、例えば商
用電源で励磁されたコイル中を対象物が通過するように
なった周知の構造のものでよく、ベルトコンベア33の
ベルトをこのようなコイルを貫いて設けることによっ
て、縫製品等が検知部筐体31を通過する以前に、消磁
装置34を通過するようにすればよい。
【0050】なお、本発明の針検出装置においては、単
一周波数からなる励振信号の高調波によって、磁気検出
針の検出を行う代わりに、一または複数の送信コイルに
よって、異なる周波数(f1、f2)の複数の励振信号に
よって重畳して被検体を励磁し、被検体を構成する軟磁
性材料の非線形特性に基づく混変調によって受信コイル
に発生する、歪みの周波数成分f1+f2,f1−f2,f
1+2f2,2f1+f2等を選択的に検出することによっ
て、同一の目的を達成することも可能である。すなわち
この場合も、励振周波数と検出周波数とが異なるもので
あるため、通常の金属体からなる装飾品等の影響を除去
して、角形ヒステリシス特性を有する軟磁性材料を一部
に有する磁気検出針の検知を行うことができる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明の針検出装置
によれば、縫製品等に付された他の金属製品の影響を受
けることなく、縫製品中における、縫い針と待ち針の形
態を含む磁気検出針からなる折れ針や忘れ針の存在を選
択的に確実に検出することができる。
【0052】これによって、縫製品に対する検針作業が
容易になるとともに、検出感度の向上によって、複数の
製品を一括して検査することに可能となるので、作業能
率の向上,作業時間の短縮の上で果たす効果は極めて大
きいものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の針検出装置の検出対象である磁気検出
針の構造を例示する図である。
【図2】縫製品に対する検知部の出力周波数特性を例示
する図であって、(a)は金属片の混入がない場合、
(b)は図1に例示された磁気検出針が混入している場
合、(c)は磁気検出針以外の金属片が混入している場
合である。
【図3】磁気検出針以外の金属片を例示する図である。
【図4】金属検出機の低周波出力信号波形を例示する図
であって、(a)は金属片の混入がない場合、(b)は
図1に例示された磁気検出針が混入している場合、
(c)は磁気検出針以外の金属片が混入している場合で
ある。
【図5】本発明の針検出装置の検出対象である磁気検出
針の構成例(1)を示す図である。
【図6】本発明の針検出装置の検出対象である磁気検出
針の構成例(2)を示す図である。
【図7】本発明の針検出装置の検出対象である磁気検出
針の構成例(3)を示す図である。
【図8】本発明の針検出装置の検出対象である磁気検出
針の構成例(4)を示す図である。
【図9】本発明の針検出装置の検出対象である磁気検出
針の構成例(5)を示す図である。
【図10】本発明の針検出装置の一実施例の構成を示す
図である。
【図11】本発明の針検出装置における検知部の構成例
(1)を示す図である。
【図12】本発明の針検出装置における検知部の構成例
(2)を示す図である。
【図13】本発明の針検出装置における検知部の構成例
(3)を示す図である。
【図14】送信コイルと受信コイルとを分割した場合の
接続方法を示す図である。
【図15】本発明の針検出装置における検知部の構成例
(4)を示す図である。
【図16】本発明の針検出装置における検知部の構成例
(5)を示す図である。
【図17】本発明の針検知装置の他の実施例を示す図で
ある。
【図18】従来の電磁式金属検出機の概略構成を示す図
である。
【符号の説明】
3 送信コイル 4 受信コイル 21 躯体部 25 芯部 26 メッキ層 27 摘子部 28 メッキ層 34 消磁装置
フロントページの続き (72)発明者 末永 渉 埼玉県上尾市小敷谷77−1−3−18− 206 (56)参考文献 特開 平3−8864(JP,A) 特開 平1−111063(JP,A) 特開 平3−6483(JP,A) 特開 昭59−160787(JP,A) 実開 平2−140922(JP,U) 実開 平3−1919(JP,U) 実開 平3−81319(JP,U) 実開 平2−98875(JP,U) 実開 平5−6383(JP,U) 実公 平3−42012(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06H 3/14 G01V 3/10 D05B 83/00 - 85/14 A41H 15/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 躯体部の一部もしくは全部が軟磁性材料
    からなる縫い針または摘子部の一部もしくは全部が軟磁
    性材料からなる待ち針であって、前記軟磁性材料の透磁
    率が1×102以上であるとともに保持力が数エルステ
    ッド程度以下であって角形ヒステリシス特性を有する被
    検体に対して、 送信コイル(3)と、該送信コイルに対して被検体検出
    領域を挟んで反対側に2個のコイルを平衡配置してなる
    差動接続型の受信コイル(4)とを設け、 前記被検体検出領域を前記被検体が通過するとき、前記
    送信コイルによって被検体検出領域に形成されている交
    流磁界に基づいて受信コイルに誘起される励振波の特定
    の高調波を選択的に検出することによって前記被検体を
    検知することを特徴とする針検出装置。
  2. 【請求項2】 躯体部の一部もしくは全部が軟磁性材料
    からなる縫い針または摘子部の一部もしくは全部が軟磁
    性材料からなる待ち針であって、前記軟磁性材料の透磁
    率が1×102以上であるとともに保持力が数エルステ
    ッド程度以下であって角形ヒステリシス特性を有する被
    検体に対して、 送信コイル(3)と、該送信コイルと同一軸上の前後に
    2個のコイルを平衡配置してなる差動接続型の受信コイ
    ル(4)とを設け、 前記送信コイルと受信コイルとを貫く被検体検出領域を
    前記被検体が通過するとき、前記送信コイルによって被
    検体検出領域に形成されている交流磁界に基づいて受信
    コイルに誘起される励振波の特定の高調波を選択的に検
    出することによって前記被検体を検知することを特徴と
    する針検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の針検出装置にお
    いて、前記送信コイル(3)と受信コイル(4)とをそ
    れぞれ2分割するとともに、分割されたそれぞれの送信
    コイルと受信コイルとからなる2組のコイルを、被検体
    の通過方向に対して互いに逆方向に傾けて配置したこと
    を特徴とする針検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1記載の針
    検出装置において、前記送信コイル(3)および受信コ
    イル(4)の被検体通過方向の前部に消磁装置(34)
    を設けて、被検体が該消磁装置の消磁領域を通過するこ
    とによって、その残留磁気を予め消磁されたのちに、前
    記送信コイルおよび受信コイルを通過するようにしたこ
    とを特徴とする針検出装置。
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