JP2528143Y2 - 作業車両の原動機制御装置 - Google Patents

作業車両の原動機制御装置

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JP2528143Y2
JP2528143Y2 JP12715690U JP12715690U JP2528143Y2 JP 2528143 Y2 JP2528143 Y2 JP 2528143Y2 JP 12715690 U JP12715690 U JP 12715690U JP 12715690 U JP12715690 U JP 12715690U JP 2528143 Y2 JP2528143 Y2 JP 2528143Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えばホイール式油圧ショベル等の作業車
両に設けられ、原動機の回転数を制御するのに用いて好
適な作業車両の原動機制御装置に関する。
〔従来の技術〕
第8図ないし第10図に従来技術による作業車両の原動
機制御装置として、ホイール式油圧ショベルの制御回路
を例に挙げて示す。
図において、1はディーゼルエンジン等によって構成
された原動機、2は該原動機1によって駆動される油圧
ポンプを示し、該油圧ポンプ2はタンク3内の作業油を
高圧油(以下、圧油という)として管路4内に吐出させ
る。5は一対の管路6A,6Bを介して油圧ポンプ2、タン
ク3と接続される走行用の油圧モータを示し、該油圧モ
ータ5は前,後の車輪(いずれも図示せず)等と共に走
行装置を構成し、油圧ポンプ2からの圧油が給排される
ときに、前,後の車輪を回転させることによって車両を
走行させるようになっている。
7は一対の管路8A,8Bを介して油圧ポンプ2、タンク
3と接続される作業用アクチュエータとしてのシリンダ
装置を示し、該シリンダ装置7はブーム、アーム、バケ
ット等によって構成される作業装置のうち、例えばブー
ムを作業させるブームシリンダを構成し、油圧ポンプ2
からの圧油を油室7A,7Bを給排することによって、ロッ
ド7Cをチューブ7Dから伸縮させるようになっている。
9,10は管路4等の途中に設けられた作業用、走行用の
制御弁を示し、該制御弁9,10は中立位置(イ)から左,
右の切換位置(ロ),(ハ)に切換えられたときに、油
圧ポンプ2からの圧油を管路4から管路6A,8Aまたは6B,
8B内に供給し、油圧モータ5、シリンダ装置7を作動さ
せるようになっている。ここで、制御弁9は操作レバー
9Aによって操作される6ポート3位置の方向切換弁によ
り構成され、制御弁10は8ポート3位置の油圧パイロッ
ト式方向切換弁により構成されている。そして、該制御
弁10は油圧パイロット部10A,10Bに後述のパイロット圧
を供給することにより中立位置(イ)から切換位置
(ロ),(ハ)に切換えられる。
11は油圧ポンプ2と共に原動機1によって駆動される
パイロットポンプ、12は減圧弁型のパイロット弁を示
し、該パイロット弁12は走行用の操作手段を構成する走
行ペダル12Aによって操作され、パイロットポンプ11か
らのパイロット圧をその操作量に応じて減圧制御し、制
御弁10のストローク量を調整することによって油圧モー
タ5の回転速度(作業車両の走行速度)を制御するよう
になっている。13は前後進用の操作手段を構成る前後進
切換弁を示し、該切換弁13は後述の操作レバー25によっ
て中立位置(N)から前進位置(F)、後進位置(R)
に切換えられ、中立位置(N)では車両を停止させ、前
進位置(F)、後進位置(R)では車両を前進、後進さ
せるようになっている。14は絞り14Aを有した調速弁と
してのスローリターン弁を示している。
15は管路6A,6Bの途中に設けられたカウンタバランス
弁、16A,16Bは該カウンタバランス弁15と油圧モータ5
との間に位置して管路6A,6B間に設けられた一対のオー
バロードリリーフ弁を示し、該オーバロードリリーフ弁
16A,16Bはカウンタバランス弁15と共にブレーキ弁を構
成し、制御弁10が中立位置(イ)に復帰したときに、管
路6A,6B内に制動圧力を発生させ、油圧モータ5を徐々
に停止させるようになっている。
17は原動機1に付設され、該原動機1の回転数を制御
するガバナを示し、該ガバナ17はガバナレバー17Aを有
し、該ガバナレバー17Aの回動角に応じて原動機1の回
転数(エンジン回転数N)を増減させるようになってい
る。18はガバナ17と共に原動機1の回転数を制御する回
転数制御手段を構成した電動モータを示し、該電導モー
タ18はステッピングモータ等からなり、駆動レバー18A
によってガバナレバー17Aを回動させ、原動機1の回転
数を後述の目標回転数Nroに基づいて制御するようにな
っている。
19は原動機1の回転数を設定する第1の回転数設定手
段としての燃料レバー装置を示し、該燃料レバー装置19
は、例えばシリンダ装置7を作動させるときに運転者が
燃料レバー19Aを手動操作することにより、その傾転操
作量に対応した設定信号NLを後述のコントローラ22に出
力するようになっている。20は走行ペダル12Aに連動し
て原動機1の回転数を設定する第2の回転数設定手段と
してのペダルセンサを示し、該ペダルセンサ20は、例え
ば油圧モータ5を駆動して車両を走行させるときに走行
ペダル12Aを踏込み操作することにより、その踏込み量
に対応した設定信号NPをコントローラ22に出力するよう
になっている。
21は電動モータ18の駆動レバー18Aに連結され、該駆
動レバー18の回動角をガバナレバー17Aの回動角として
検出する回動角センサを示し、該回動角センサ21はガバ
ナレバー17Aの回動角に基づいて原動機1の回転数を検
出し、その回転数検出値Nrpをコントローラ22に出力す
ることによって後述の如く回転数のサーボ制御を行わせ
るようになっている。22はマイクロコンピュータ等によ
って構成されたコントローラを示し、該コントローラ22
の入力側は燃料レバー装置19、ペダルセンサ20および回
動角センサ21等と接続され、その出力側は電動モータ18
等と接続されている。そして、該コントローラ22はその
記憶回路内に第10図に示すプログラム等を格納し、サー
ボ制御処理を含む原動機1の回転数制御処理を行うよう
になっている。
さらに、23は前記前後進切換弁13と共に前後進用の操
作手段を構成する操作レバー装置を示し、該操作レバー
装置23は第9図に示すごとく、前面側に窓部24Aが形成
されたレバーケース24と、一端側が該レバーケース24内
に回動可能に取付けられ、他端側が該レバーケース24外
に窓部24Aを介して突出した操作レバー25とからなり、
該操作レバー25は軸線O−Oを中心にして矢印の方向に
揺動されるることにより、前記前後進切換弁13を中立位
置(N)から前進位置(F)、後進位置(R)に切換操
作するようになっている。
このように構成されるホイール式油圧ショベルの制御
回路では、例えばシリンダ装置7を作動させる場合に燃
料レバー19Aを手動操作して、燃料レバー装置19から原
動機1の回転数を設定する設定信号NLを出力し、走行用
の油圧モータ5を作動させる場合には走行ペダル12Aを
踏込み操作して、ペダルセンサ20から原動機1の回転数
を設定する設定信号NPを出力する。そして、コントロー
ラ22はこれらの設定信号NL,NPに対応する目標回転数N
r1,Nr2を、例えば第4図,第5図に示す目標回転数マ
ップ等から読み出し、これらの目標回転数Nr1,Nr2のう
ち値が大きい方を目標回転数Nr0(Nr1またはNr2)とし
て設定し、これに基づいて第10図に示すサーボ制御処理
を行う。
即ち、サーボ制御処理では、ステップ1で目標回転数
Nr0を読み出し、ステップ2で回転数検出値Nrpを読み込
み、ステップ3に移って回転数差nを n=Nrp−Nr0…(1) として演算し、ステップ4で回転数差nの絶対値|n|が
所定のヒステリシス値K以上であるか否かを判定し、
「NO」と判定したときには回転数検出値Nrpが目標回転
数Nr0に実質的に対応しているから、ステップ5で電動
モータ18を停止させて駆動レバー18Aをその回動角に保
持するように指令信号を出力する。
また、ステップ4で「YES」と判定したときには、ス
テップ6に移って回転数差nが正の値であるか否かを判
定し、「NO」と判定したときには回転数検出値Nrpが目
標回転数Nr0よりも小さい値となっているから、ステッ
プ7で電動モータ18に正転指令信号を出力し、実際の回
転数としての回転数検出値Nrpを目標回転数Nr0に近付け
るように制御する。そして、ステップ6で「YES」と判
定したときには、ステップ8に移って電動モータ18を逆
転させるべく、逆転指令信号を出力し、原動機1の回転
数を目標回転数Nr0に基づき制御する。
これにより、油圧ポンプ2からの圧油の吐出量は原動
機1の回転数に応じて増大し、例えば掘削作業等を行う
ときには操作レバー9Aによって制御弁9を中立位置
(イ)から切換位置(ロ),(ハ)に切換え、油圧ポン
プ2からの油圧をシリンダ装置7に給排して作動させ
る。また、車両を走行させるときには前後進切換弁13を
中立位置(N)から前進位置(F)または後進位置
(R)に切換え、走行ペダル12Aでパイロット弁12を操
作することにより、制御弁10を中立位置(イ)から切換
位置(ロ),(ハ)に切換え、油圧ポンプ2からの圧油
を油圧モータ5に給排して該油圧モータ5を正,逆転さ
せ、路上走行を行う。
〔考案が解決しようとする課題〕
ところで、上述した従来技術では、燃料レバー装置19
による目標回転数Nr1(設定信号NLに対応する)と走行
ペダル12Aによる目標回転数Nr2(設定信号NPに対応す
る)とのうち、大きい方(最大値)を目標回転数Nr0
して、これに基づき原動機1の回転数を制御しているか
ら、作業中に車両を移動させる場合、燃料レバー19Aを
下げて、原動機1をアイドル回転数に設定すると共に、
前後進切換弁13を中立位置(N)から前,後進位置
(F),(R)に切換えて、走行ペダル12Aを踏込みつ
つ、原動機1の回転数を徐々に上げて車両を走行させる
という手順を踏まなければならず、特に作業中の移動が
多い現場等では燃料レバー19Aを毎回下げる必要があ
り、非常に手間がかかるという問題がある。
また、燃料レバー19Aを下げた状態にして、走行ペダ
ル12Aをフル操作して原動機1の回転数を上げつつ、作
業時には操作レバー9Aで制御弁9を切換えてシリンダ装
置7を作動させれば、車両を移動させる度毎に燃料レバ
ー19Aを下げるという手間を省くことができる。しか
し、この場合には運転室内の振動や運転者の不注意等に
より前後進切換弁13が中立位置(N)から前,後進位置
(F),(R)に切換えられてしまうと、制御弁10が中
立位置(イ)から切換位置(ロ),(ハ)に切換えられ
て、車両が突然走り出すことがあり、暴走の危険があ
る。そして、走行ペダル12Aから少しでも足が離れる
と、原動機1の回転数が下がってしまい、掘削作業等を
行えなくなるという問題がある。
本考案は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもの
で、本考案は、例えば作業途中等に前後進用の操作手段
が不用意に中立位置から前、後進位置に切換わるのを防
止でき、暴走の危険性をなくすことができる上に、作業
途中で車両を移動させるとき等に、例えば燃料レバー等
を下げる手間を省くことができ、操作性や作業性等を向
上できるようにした作業車両の原動機制御装置を提供す
ることを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
上述した課題を解決するために本考案が採用する構成
の特徴は、前後進用の操作手段に、該操作手段を中立位
置にロックすべく、前進位置、後進位置、中立位置に加
えて中立ロック位置を設け、さらに、前記前後進用の操
作手段が中立ロック位置から他の切換位置に切換えられ
たか否かを検出する検出器と、該検出器からの検出信号
に基づき前記前後進用の操作手段が中立ロック位置から
他の切換位置に切換えられたと判定したときに、回転数
設定手段から出力される設定信号を所定の低レベルに低
下させ、回転数制御手段により原動機の回転数を所定の
低回転数に制御させる判定制御手段とを設けたことにあ
る。
また、前記回転数設定手段は、アクチュエータの作動
時に前記原動機の回転数を設定すべく、設定信号を出力
する第1の回転数設定手段と、走行用の操作手段の操作
量に応じて前記原動機の回転数を設定すべく、設定信号
を出力する第2の回転数設定手段とを含んでなる構成と
するのが好ましい。
〔作用〕
上記構成により、例えば前後進用の操作手段を中立ロ
ック位置に切換えておけば、該操作手段をこの位置にロ
ックしておくことができ、該操作手段が不用意に前進位
置または後進位置に切換わるのを防止できる。また、作
業車両を走行させるべく、前後進用の操作手段を中立ロ
ック位置から前進位置または後進位置に切換えたときに
は、原動機の回転数を所定の低回転数まで自動的に下げ
ることができ、その後は、例えば走行用の操作手段の操
作量に応じて原動機の回転数を設定できる。そして、前
後進用の操作手段を中立位置を介して前進位置または後
進位置に切換えたとしても、該操作手段を中立ロック位
置に切換えない限りは、原動機の回転数が所定の低回転
数まで下がるのを防止することができる。
〔実施例〕
以下、本考案の実施例を第1図ないし第7図に基づい
て説明する。なお、実施例では前述した第8図に示す従
来技術と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明
を省略するものとする。
図中、31は前後進切換弁13と共に前後進用の操作手段
を構成する操作レバー装置を示し、該操作レバー装置31
は従来技術で述べた操作レバー装置23とほぼ同様に、レ
バーケース32および操作レバー33から構成されているも
のの、レバーケース32の前面側には、周方向に伸びる窓
部32Aと、該窓部32Aの長さ方向中間部から下向きに伸び
る略U字形状の切欠き部32Bとが形成されている。そし
て、該操作レバー装置31は運転者が操作レバー33を軸線
O−Oを中心にして窓部32Aに沿って矢印の方向に揺動
させることにより、中立位置N′から前進位置Fまたは
後進位置Rに切換えられ、このときに、前後進切換弁13
を中立位置(N)から前進位置(F)または後進位置
(R)に切換えさせる。また、該操作レバー装置31は運
転者が操作レバー33から手を放すと、該操作レバー33が
ばね(図示せず)により中立位置N′から軸線O1−O1
中心として下向きに押下げられ、切欠き部32B内に配置
されることによって中立ロック位置Nとなり、このとき
に前後進切換弁13は中立位置(N)にロックされるよう
になっている。
34は操作レバー装置31のレバーケース32内に付設され
た検出器としての切換スイッチを示し、該切換スイッチ
34は操作レバー33が中立ロック位置Nとなったときに閉
成され、このときに検出信号としての切換信号FAをFA
0として後述のコントローラ36に出力し、操作レバー33
が中立位置N′、前進位置Fまたは後進位置Rに切換え
られたときに開成され、このときに切換信号FAをFA=1
としてコントローラ36に出力するようになっている。こ
れによって、該切換スイッチ34は操作レバー33が中立ロ
ック位置Nから他の切換位置となる中立位置N′、前進
位置Fまたは後進位置Rに切換えられたか否かを検出す
るようになっている。
35は作業時等に原動機1の回転数を設定する第1の回
転数設定手段としてのアップダウンスイッチを示し、該
アップダウンスイッチ35は従来技術で述べた燃料レバー
装置19に替えて用いられ、例えばシリンダ装置7を作動
させるときに運転者によってアップ側またはダウン側に
押圧操作され、その押圧時間に対応した設定信号NSを後
述のコントローラ36に出力するようになっている。即
ち、該アップダウンスイッチ35は押ボタン式のアップ側
スイッチ、ダウン側スイッチ(いずれも図示せず)等に
よって構成され、該スイッチ35はアップ側に押圧操作さ
れると、その押圧時間に対応して設定信号NSを第4図に
示す如く増大させ、ダウン側に押圧操作されると、その
押圧時間に対応して設定信号NSを減少させるようになっ
ている。そして、コントローラ36はこの設定信号NSに基
づいて目標回転数Nr1をステップ状に増大させ、操作レ
バー33を中立ロック位置Nから他の位置に切換えたとき
には後述の如く設定信号NS=0として零リセットさせ
る。
36はマイクロコンピュータ等によって構成されたコン
トローラを示し、該コントローラ36はその入力側にアッ
プダウンスイッチ35、ペダルセンサ20、切換スイッチ34
および回動角センサ21等が接続され、その出力側に電動
モータ18等が接続され、電源としては直流電源としての
バッテリ(図示せず)と接続されている。そして、該コ
ントローラ36はその記憶回路内に第6図、第10図に示す
プログラム等が格納され、原動機1の回転数制御処理等
を行うようになっている。また、該コントローラ36の記
憶回路にはその記憶エリア36A内に、アップダウンスイ
ッチ35から出力される設定信号NSに基づき目標回転数N
r1を設定する第4図に示す目標回転数マップと、ペダル
センサ20から出力される設定信号NPに基づき目標回転数
Nr2を設定する第5図に示す目標回転数マップと、第10
図に示した所定のヒステリシス値Kと、切換フラグFB
とがそれぞれ格納され、該切換フラグFBは操作レバー33
が中立ロック位置Nに切換えられ、切換スイッチ34から
の切換信号FAがFA=0のときに、FB=1として設定さ
れ、操作レバー33が中立ロック位置Nから他の切換位置
に切換えられ、FA=1,FB=1となったときにはFB=0と
して設定される。
本実施例によるホイール式油圧ショベルの原動機制御
装置は上述の如き構成を有するもので、その基本的作動
については従来技術によるものと格別差異はない。
そこで、コントローラ36による原動機1の回転数制御
処理について第4図ないし第6図を参照して説明する。
まず、処理動作をスタートさせると、ステップ11でア
ップダウンスイッチ35から設定信号NSを読み込み、ステ
ップ12でこの設定信号NSに基づき第4図に示す目標回転
数マップから目標回転数Nr1を読み出す。そして、ステ
ップ13でペダルセンサ20から走行ペダル12Aの踏込み操
作量に応じた設定信号NPを読み込み、ステップ14でこの
設定信号NPに基づき第5図に示す目標回転数マップから
目標回転数Nr2を読み出す。
次に、ステップ15で切換スイッチ34から切換信号FA
読み込み、ステップ16で切換信号FAがFA=1であるか否
かを判定する。そして、ステップ16で「YES」と判定さ
れたときには前後進用の操作レバー装置31が中立ロック
位置Nにあり、車両が走行することはないから、ステッ
プ17に移って切換フラグFBをFB=1とし、ステップ18で
アップダウンスイッチ35による目標回転数Nr1が走行ペ
ダル12Aによる目標回転数Nr2よりも大きいか否かを判定
し、「YES」と判定したときにはアップダウンスイッチ3
5をアップ側に所望時間押圧操作して、シリンダ装置7
による掘削作業等を行なうときであるから、ステップ19
に移ってアップダウンスイッチ35からの設定信号NSに基
づいた目標回転数Nr1を目標回転数Nr0とし、ステップ20
で前述した第10図に示すサーボ制御処理を行ない、目標
回転数Nr1に基づき原動機1の回転数を制御する。
この場合、シリンダ装置7によって掘削作業等を行な
うから、安定した出力馬力で原動機1を駆動する必要が
あり、原動機1はアップダウンスイッチ35による目標回
転数Nr1に基づき、比較的高い回転数領域に設定され
る。また、ステップ18で「NO」と判定されたときには走
行ペダル12Aによる目標回転数Nr2がアップダウンスイッ
チ35による目標回転数Nr1より大となっているから、ス
テップ21で目標回転数Nr2=Nr0としてステップ20による
サーボ制御処理を行ない、目標回転数Nr2に基づき原動
機1の回転数を制御する。
また、ステップ16で「NO」と判定されたときには前後
進用の操作レバー装置31が中立ロック位置Nから前,後
進位置F,Rに切換えられて、切換スイッチ34か出力され
る切換信号FAがFA=1となり、例えば掘削作業等の途中
で車両を走行(移動)させようとしているときであるか
ら、ステップ22に移って切換フラグFBを読み出し、ステ
ップ23で切換信号FA=1であり、かつ切換フラグFBがFB
=1となっているか否かを判定する。この場合、切換フ
ラグFBは原動機1の始動後、車両を走行させるまでは必
ずステップ1〜21の処理を繰返すことになるから、車両
を走行させようとするときにはステップ17で設定された
切換フラグFB=1により、ステップ23で「YES」と判定
され、ステップ24に移って切換フラグFBをFB=0に切換
える。
そして、ステップ25では車両を走行させようとすると
きに、原動機1の回転数が高回転数になっていると、車
両が暴走する等の危険性がさるから、アップダウンスイ
ッチ35からの設定信号NSを所定の低レベルに低下させる
べく、NS=0として零リセットさせると共に、ベダルセ
ンサ20からの設定信号NPもNP=0として所定の低レベル
としての初期値に戻し、ステップ26で目標回転数Nr1,N
r2を第4図,第5図に示す目標回転数マップに基づき所
定の低回転数としてのアイドル回転数NAに、Nr1=NA,N
r2=NAとして設定し、ステップ27ではこのアイドル回転
数NAを目標回転数Nr0として、ステップ20でサーボ制御
処理を行なう。これにより、車両の走行時には原動機1
の回転数がアイドル回転数NAとなるように制御すること
ができ、暴走等の発生を防止できる上に、燃費や騒音等
を低減でき、走行時の走行ペダル12A等の操作性を向上
できる。
また、走行時に原動機1の回転数をアイドル回転数NA
まで下げた後には、ステップ24で切換フラグFBがFB=0
となっているから、ステップ1〜16およびステップ22を
経て、ステップ23では「NO」と判定されるようになり、
この場合には前述したステップ18,21の処理により、走
行ペダル12Aの操作量に応じて増大する目標回転数Nr2
目標回転数Nr0として、ステップ20でサーボ制御処理を
行なわせることができ、走行ペダル12Aの操作量い応じ
て原動機1の回転数を増大させて、車両をスムーズに発
進させることができ、操作フィーリング等を向上させる
ことができる。
また、走行ペダル12Aは運転者による踏込み操作が解
除されたときには、リターンスプリング等によって自動
的に初期位置に戻されるから、ペダルセンサ20から出力
される設定信号NPも自動的にNP=0となって初期値に戻
る。そして、操作レバー装置31を再び中立ロック位置N
に戻して掘削作業等を行なう場合には、アップダウンス
イッチ35をアップ側に押圧操作することにより、設定信
号NSがNS=0から漸増し、第4図に示す目標回転数マッ
プから目標回転数Nr1がステップ状に高回転数域に設定
され、ステップ11〜20の処理で原動機1の回転数を作業
内容に応じて高回転数に制御でき、安定した出力馬力を
得ることができる。
かくして本実施例では、車両を走行させるべく、前後
進用の操作レバー装置31を中立ロック位置Nから前,後
進位置F,Rに切換えたときには、まず原動機1の回転数
をアイドル回転数NAまで下げて、車両が暴走するのを防
止でき、燃費や騒音等を低減できる上に、その後、走行
ペダル12Aを操作して車両を走行させるときには、走行
ペダル12Aの操作量に応じて原動機の回転数をアイドル
回転数NAから徐々に増大させて、車両をスムーズに発進
させることができる。また、走行時にアップダウンスイ
ッチ35を手動操作する必要がなく、設定信号NSを自動的
に零リセットでき、手間のかかる操作を不要にできる。
ところで、作業内容に応じては第7図に示す如く作業
と前進、後進とを繰返して行なう場合がある。この場
合、操作レバー装置31の操作レバー33を中立位置N′か
ら前、後進位置F,Rに切換えたときに、原動機1の回転
数をアイドル回転数NAまで低下させるようにすると、操
作レバー33を前進位置Fから後進位置Rへと切換えると
きに、必ず中立位置N′を経由するようになるから、第
7図(イ)に示す如く原動機1の回転数はその度毎にア
イドル回転数NAまで低下してしまい、前進、後進の間で
作業を繰返す場合にアップダウンスイッチ35を必ず操作
して、原動機1の回転数を高回転数に設定し直す必要が
生じ、逆に操作性が低下してしまうことがある。
そこで、本実施例では、前後進用の操作レバー装置31
に中立ロック位置Nを設け、操作レバー33が中立ロック
位置Nから他の切換位置に切換えられたときに、原動機
1の回転数をアイドル回転数NAまで低下させるようにし
ている。このため、操作レバー33を前進位置F,後進位置
Rに中立位置N′を経由して切換え、前進と後進の間で
作業を繰返すような場合でも、操作レバー33を中立ロッ
ク位置Nから前,後進位置F,Rに切換えない限り、第7
図(ロ)に示す如く原動機1の回転数を高回転数に保持
することができ、例えば操作ペダル12Aを微操作するこ
とによって前進、後進を行なうことができ、作業の度毎
にアップダウンスイッチ35を操作し直す必要がなくな
る。
従って、本実施例によれば、作業と前進、後進とが頻
繁に行なわれる場合に、操作レバー装置31の操作レバー
33を中立位置N′、前進位置F、後進位置Rのいずれか
に切換えることにより、原動機1の回転数をアップダウ
ンスイッチ35で設定し直す必要がなくなり、操作性を向
上させることができる。また、作業を比較的長く続ける
場合には、運転者が操作レバー33から手を放すことによ
り、該操作レバー33がばねにより中立ロック位置Nに自
動的に切換わるようになり、該操作レバー33が不用意に
他の切換位置に切換わるのを防止でき、暴走の危険性を
なくすことができ、安全性を向上できる。
さらに、操作レバー33を中立ロック位置Nから前進位
置Fまたは後進位置Rに切換えたときには、原動機1の
回転数をアイドル回転数NAまで自動的に下げることがで
き、手動操作等によって原動機1の回転数を下げる必要
がなくなり、走行ペダル12Aの操作によって車両をスム
ーズに発進でき、操作性や作業性等を効果的に向上でき
る。
なお、前記実施例では、第6図に示すプログラム中
で、ステップ16、ステップ22〜27を本考案の構成要件で
ある判定制御手段の具体例を示している。
また、前記実施例では、第1の回転数設定手段として
アップダウンスイッチ35を用いるものとして述べたが、
これに替えて、従来技術で述べた燃料レバー装置19を用
いてもよく、この場合には燃料レバー19Aをコントロー
ラ36からの作動信号で強制的に初期位置に戻すように構
成すればよい。
また、前記実施例では、前後進切換弁13を操作レバー
装置31の操作レバー33により切換操作するものとして述
べたが、前後進切換弁13は電磁弁等の種々の方向切換弁
によって構成してもよく、電磁弁を用いる場合に操作レ
バー装置31から操作レバー33の切換位置に応じた電気信
号を出力するようにすればよい。
さらに、前記実施例では、作業車両としてのホイール
式油圧ショベルを例に挙げて説明したが、本考案はこれ
に限らず、油圧クレーン等の他の油圧駆動車両に適用し
てもよく、さらには原動機1によって直接的に車輪等の
走行装置を駆動する作業車両にも適用できるものであ
る。
〔考案の効果〕
以上詳述した通り本考案によれば、前後進用の操作手
段に中立ロック位置を設け、該操作手段を中立ロック位
置から他の切換位置に切換えたときに、原動機の回転数
を所定の低回転数まで下げるようにしたから、手動操作
等で原動機の回転数を下げる必要がなくなる上に、例え
ば作業と前進、後進とを繰返して行なう場合に、前記操
作手段を中立位置を経由して前進位置、後進位置に切換
えても、原動機の回転数を設定し直す必要がなくなり操
作性や作業性を効果的に向上させることができ、作業時
の安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第7図は本考案の実施例を示し、第1図は
操作レバー装置の斜視図、第2図は操作レバー装置の正
面図、第3図は制御ブロック図、第4図はコントローラ
の記憶エリア内に格納された目標回転数マップを示す説
明図、第5図は他の目標回転数マップを示す説明図、第
6図は原動機の回転数制御処理を示す流れ図、第7図
(イ),(ロ)は作業と走行を繰返す場合のそれぞれ異
なる原動機の回転数特性を示す特性線図、第8図ないし
第10図は従来技術を示し、第8図はホイール式油圧ショ
ベルの制御回路図、第9図は操作レバー装置の斜視図、
第10図はサーボ制御処理を示す流れ図である。 1…原動機、2…油圧ポンプ、3…タンク、5…油圧モ
ータ(走行装置)、7…シリンダ装置(アクチュエー
タ)、9,10…制御弁、11…パイロットポンプ、12…パイ
ロット弁、12A…走行ペダル(走行用の操作手段)、13
…前後進切換弁、17…カバナ、18…電動モータ(回転数
制御手段)、20…ペダルセンサ(第2の回転数設定手
段)、21…回動角センサ、31…操作レバー装置(前後進
用の操作手段)、33…操作レバー、34…切換スイッチ
(検出器)、35…アップダウンスイッチ(第1の回転数
設定手段)、36…コントローラ、N′…中立位置、F…
前進位置、R…後進位置、N…中立ロック位置。

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】原動機と、少なくとも該原動機により駆動
    され、作業車両を走行させる走行装置と、該走行装置に
    よる作業車両の走行速度を制御すべく、前記作業車両に
    設けられた走行用の操作手段と、前記走行装置により作
    業車両を前進、後進または停止させるべく、前進位置、
    後進位置または中立位置に切換操作される前後進用の操
    作手段と、少なくとも前記原動機により駆動される作業
    用のアクチュエータと、前記原動機の回転数を設定すべ
    く、設定信号を出力する回転数設定手段と、該回転数設
    定手段から出力された設定信号に基づき前記原動機の回
    転数を制御する回転数制御手段とからなる作業車両の原
    動機制御装置において、前記前後進用の操作手段には、
    該操作手段を中立位置にロックすべく、前記前進位置、
    後進位置、中立位置に加えて中立ロック位置を設け、さ
    らに、前記前後進用の操作手段が中立ロック位置から他
    の切換位置に切換えられたか否かを検出する検出器と、
    該検出器からの検出信号に基づき前記前後進用の操作手
    段が中立ロック位置から他の切換位置に切換えられたと
    判定したときに、前記回転数設定手段から出力される設
    定信号を所定の低レベルに低下させ、前記回転数制御手
    段により原動機の回転数を所定の低回転数に制御させる
    判定制御手段とを設けたことを特徴とする作業車両の原
    動機制御装置。
  2. 【請求項2】前記回転数設定手段は、前記アクチュエー
    タの作動時に前記原動機の回転数を設定すべく、設定信
    号を出力する第1の回転数設定手段と、前記走行用の操
    作手段の操作量に応じて前記原動機の回転数を設定すべ
    く、設定信号を出力する第2の回転数設定手段とを含ん
    でなる請求項(1)に記載の作業車両の原動機制御装
    置。
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