JP2527999Y2 - 目覚し時計 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、設定した角度内で指針
を往復させることにより時刻を表示する時計に関するも
のであり、特に正確なアラーム時刻やアラームのオン・
オフを表示する機能を有する目覚し時計に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の時計としては、本願出願
人が開発したもので、マイクロコンピュータを用い、基
準信号のパルス数をカウントして現時刻の値を記憶する
現時刻記憶手段としてのランダムアクセスメモリと、こ
の現時刻記憶手段に記憶した値を指針の表示角度の値に
換算して記憶する目標位置記憶手段としてのランダムア
クセスメモリと、指針の表示位置を記憶する表示位置記
憶手段としてのランダムアクセスメモリとを有し、表示
位置記憶手段に記憶した指針の表示値と目標位置記憶手
段に記憶した指針を移動させる目標値とを読み出して一
致検出を行ない、目標値と表示値とが一致しない場合に
モータ駆動回路からステップモータに歩進信号を出力さ
せることによりステップモータにより駆動される指針の
表示位置を制御するものがあった。

【０００３】この時計においては、時刻を指針の角度に
換算して記憶・設定すると共に、その算出値に基づいて
指針を正逆転駆動することにより、例えば１２０度、１
８０度、２４０度等の予め決められた角度の表示部内に
おいて時刻を指針で表示するものであった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】この種の時計において
は、指針が従来にない新しい動きをすると共に表示部の
形状を扇形等の新しい形状にすることができるので、趣
味性を向上させたり、デザインや内部機構の配置の自由
度を向上させることができる。しかしながら、この時計
に一般の目覚し時計におけるアラーム機能を付加する
と、アラームのオン・オフを設定・確認するための鳴り
止めスイッチを見易い位置に配置したり、目安針を表示
部内に設けることが必要となるが、これにより趣味性や
デザインの自由度が低下してしまい、この時計本来の特
徴が発揮されなくなるという課題があった。

【０００５】また、上記課題を解消するため、鳴り止め
スイッチを目立たなくすると、アラームのオン・オフが
確認しにくくなるという課題もあった。

【０００６】更に、この種の時計では、指針の動きや表
示部の形状が目新しいため、表示部の中に目安針が常時
現れていると、時刻が読み取りにくくなるという課題も
あった。

【０００７】また、一般の目覚し時計の目安針では正確
なアラーム時刻の設定ができないため、アラーム時刻の
みを示す時分針を設けることも考えられるが、このよう
にすると時刻が読み取りにくくなるという課題があっ
た。

【０００８】本考案は、上記課題に鑑みなされたもの
で、その目的は、アラームのオン・オフを外観を損なう
ことなく一目で確認することができると共に、時刻もよ
り読み取り易くし、更に正確なアラーム時刻を設定する
ことができるようにした目覚し時計を提供することにあ
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本考案の目覚し時計は、
アラーム時刻修正スイッチと、時刻修正スイッチと、鳴
り止めスイッチと、基準信号を出力する基準信号発生手
段と、前記基準信号に応答して現時刻をカウントして記
憶する現時刻記憶手段と、前記アラーム時刻修正スイッ
チがオン状態のときに前記時刻修正スイッチの操作に応
じてアラーム時刻データを変更及び記憶するアラーム時
刻記憶手段と、前記アラーム時刻修正スイッチがオフ状
態のときには前記現時刻記憶手段からの時刻データを出
力しオン状態になるとその時刻データに代えて前記アラ
ーム時刻記憶手段からのアラーム時刻データを出力する
第１の切換手段と、該第１の切換手段からの時刻データ
又はアラーム時刻データを指針の移動目標位置として記
憶する第１の目標位置記憶手段と、現在の指針の表示位
置を記憶する指針位置記憶手段と、該指針位置記憶手段
と前記第１の目標位置記憶手段がそれぞれ記憶する表示
位置と目標位置とを比較して一致しない場合には一致す
るまで方向信号と歩進信号を出力する第１の比較・一致
検出手段と、該第１の比較・一致検出手段からの方向信
号と歩進信号に応答して第１のモータ駆動信号を出力す
る第１のモータ駆動回路手段と、前記第１のモータ駆動
信号に応答して指針を駆動する指針用モータと、表示外
位置データを記憶する表示外位置データ記憶手段と、前
記鳴り止めスイッチがオフ状態のときに前記表示外位置
データを出力しオン状態になるとその表示外位置データ
に代えて前記アラーム時刻データを出力する第２の切換
手段と、該第２の切換手段からの表示外位置データ又は
アラーム時刻データを目安針の移動目標位置として記憶
する第２の目標位置記憶手段と、現在の目安針の表示位
置を記憶する目安針位置記憶手段と、該目安針位置記憶
手段と前記第２の目標位置記憶手段がそれぞれ記憶する
表示位置と目標位置とを比較して一致しない場合には一
致するまで方向信号と歩進信号を出力する第２の比較・
一致検出手段と、該第２の比較・一致検出手段からの方
向信号と歩進信号に応答して第２のモータ駆動信号を出
力する第２のモータ駆動回路手段と、前記第２のモータ
駆動信号に応答して目安針を駆動する目安針用モータ
と、からなるものである。

【００１０】

【作用】本考案の目覚し時計においては、鳴り止めスイ
ッチのオン・オフにより第２の切換手段からアラーム時
刻データと表示外位置データが切換出力される。アラー
ム時刻データが出力された場合には、目安針が設定され
たアラーム時刻を示す位置まで移動され、表示外位置デ
ータが出力された場合には、表示部の外側、即ち表示部
の角度を越える角度の所定位置まで移動される。また、
アラーム時刻修正スイッチがオン状態になると、第１の
切換手段から時刻データに代えてアラーム時刻データが
出力される。これにより、指針がアラーム時刻を正確に
示す位置に移動し、これを見ながらアラーム時刻の変更
・確認を行なう。

【００１１】

【実施例】図１は本考案の一実施例に係る目覚し時計の
構成を示す機能ブロック図である。２は発振器４と分周
器６からなる基準信号発生手段であり、各種の制御用ク
ロック信号を含む基準信号を出力する。

【００１２】８は基準信号に応答して現時刻をカウント
して記憶するランダムアクセスメモリからなる現時刻記
憶手段である。

【００１３】１０は現時刻修正スイッチであり、これを
オン状態にすると現時刻記憶手段８をその内容の修正が
可能な状態にすることができる。

【００１４】１２、１４はそれぞれ時修正スイッチと分
修正スイッチであり、それぞれプッシュボタン１６、１
８とその出力信号に応答して１パルスずつ修正信号を現
時刻記憶手段８に印加するワンショット回路２０、２２
とから構成されている。

【００１５】２４、２６はそれぞれアラーム時刻修正ス
イッチと鳴り止めスイッチである。

【００１６】２８はアラーム時刻データを設定・記憶す
るランダムアクセスメモリからなるアラーム時刻記憶手
段である。このアラーム時刻記憶手段２８は、アラーム
時刻修正スイッチ２４がオン状態になるとその内容の修
正が可能な状態になり、時修正スイッチ１２及び分修正
スイッチ１４からの修正信号に応じてアラーム時刻を設
定・記憶するものである。

【００１７】２９は一致回路手段であり、現時刻記憶手
段８とアラーム時刻記憶手段がそれぞれ記憶する現時刻
データとアラーム時刻データの一致を検出するものであ
る。また、３１は発音回路手段であり、一致回路手段２
９からの一致信号を入力するとアラーム音を発生するも
のであり、鳴り止めスイッチ２６の操作に応じて音の発
生を停止するものである。

【００１８】３０は第１の切換手段であり、アラーム時
刻修正スイッチ２４のオン・オフ操作に応じてアラーム
時刻記憶手段２８からのアラーム時刻データと現時刻記
憶手段８からの現時刻データを切換出力するものであ
る。

【００１９】３２は指針を移動させる目標位置を記憶す
る第１の目標位置記憶手段であり、第１の切換手段３０
からの現時刻データ又はアラーム時刻データを表示部上
の角度に変換する変換手段３４と、その変換した値を指
針を移動させる目標位置として記憶するランダムアクセ
スメモリからなる指針目標記憶手段３６とから構成され
ている。

【００２０】３８は指針の現在位置を記憶するランダム
アクセスメモリからなる指針位置記憶手段である。この
指針位置記憶手段３８の記憶内容は、後述する第１の比
較・一致検出手段から方向信号と歩進信号が出力される
と指針の移動に伴って更新される。

【００２１】４０は第１の比較・一致検出手段であり、
第１の目標位置記憶手段３２が記憶する目標位置と指針
位置記憶手段３８が記憶する現在の指針の表示位置とを
比較して一致しない場合には一致するまで方向信号と歩
進信号を出力するものである。

【００２２】４２は第１の比較・一致検出手段４０から
の方向信号と歩進信号に応答して指針用モータ４８を駆
動する第１のモータ駆動回路手段であり、本実施例にお
いては時針用モータ駆動回路４４と分針用モータ駆動回
路４６とからなる。また、指針用モータ４８は、時針用
モータ駆動回路４４と分針用モータ駆動回路４６からの
駆動信号によりそれぞれ駆動される時針用モータ５０と
分針用モータ５２を含んでいる。

【００２３】５４は目安針を時刻を表示する表示部の外
に移動させる際に必要な表示部の外側の位置データを記
憶する表示外位置データ記憶手段である。

【００２４】５６は第２の切換手段であり、鳴り止めス
イッチ２６のオン・オフ操作に応じてアラーム時刻記憶
手段２８と表示外位置データ記憶手段５４からのアラー
ム時刻データと表示外位置データとを切換出力するもの
である。

【００２５】５８は目安針を移動させる目標位置を記憶
する第２の目標位置記憶手段であり、第２の切換手段５
６からの時刻データ又は表示外位置データを表示部上の
角度に変換する変換手段６０と、その変換した値を目安
針を移動させる目標位置として記憶するランダムアクセ
スメモリからなる目安針目標記憶手段６２と、から構成
されている。

【００２６】６４は現在の目安針の位置を記憶するラン
ダムアクセスメモリからなる目安針位置記憶手段であ
る。この目安針位置記憶手段６４の記憶内容は、後述す
る第２の比較・一致検出手段から方向信号と歩進信号が
出力されると目安針の移動に伴って更新される。

【００２７】６６は第２の比較・一致検出手段であり、
第２の目標位置記憶手段５８が記憶する目標位置と目安
位置記憶手段６４が記憶する現在位置とを比較して一致
しない場合には一致するまで方向信号と歩進信号を出力
する。

【００２８】６８は第２の比較・一致検出手段６６から
の方向信号と歩進信号に応答して目安針用モータ７０を
駆動する第２のモータ駆動回路手段である。

【００２９】上記構成からなる目覚し時計において、ア
ラーム時刻修正スイッチ２４をオン状態にすると、アラ
ーム時刻記憶手段２８が修正可能状態になり、これと同
時に第１の切換手段３０が現時刻データに代えてアラー
ム時刻データを出力する状態になる。この状態のときに
時修正スイッチ１２及び分修正スイッチ１４を操作する
とアラーム時刻記憶手段２８が記憶するアラーム時刻デ
ータを修正・変更することができる。

【００３０】このときに、第１の切換手段３０から出力
されるアラーム時刻データは、変換手段３４にて角度を
示すデータに変換され、その値が指針を移動させる目標
位置として指針目標記憶手段３６に記憶される。この目
標位置は指針位置記憶手段３８が記憶する現在の指針の
表示位置と第１の一致・比較検出手段４０にて比較さ
れ、不一致の場合には、これが一致するまで方向信号と
歩進信号が出力される。そして、この方向信号とその歩
進信号に基づいて時針用モータ駆動回路４４と分針用モ
ータ駆動回路４６が時針用モータ５０と分針用モータ５
２をそれぞれ駆動して、アラーム時刻を表示する位置ま
で時針と分針を移動させる。

【００３１】尚、アラーム時刻修正が終了してアラーム
時刻修正スイッチ２４をオフ状態にすると、アラーム時
刻記憶手段２８はその内容修正ができない状態になり、
また第１の切換手段３０からは再び現時刻データが出力
され、上記動作と同様にして、今度は指針が現時刻を表
示する位置まで移動される。

【００３２】一方、鳴り止めスイッチ２６がオフ状態で
あると、第２の切換手段５６は表示位置データ記憶手段
５４が記憶する表示外位置データを出力している。この
表示外位置データは変換手段６０にて目安針の表示角度
に変換され、その値が目安針目標記憶手段６２に記憶さ
れる。このときに、目安針がアラーム時刻を示す位置に
あり、目安針位置記憶手段６４にその表示位置が記憶さ
れていたとすると、第２の比較・一致検出手段６６にて
その表示位置と表示外位置データとが比較され、それら
が一致するまで方向信号と歩進信号が出力される。そし
て、この方向信号と歩進信号に応答して第２のモータ駆
動回路手段６８は目安針用モータ７０を駆動し、目安針
を表示外の所定位置まで移動させる。その後、鳴り止め
スイッチ２６がオン状態になるまで目安針は表示外に位
置することになる。

【００３３】ここで鳴り止めスイッチ２６がオン状態に
なると、第２の切換手段５６は表示外位置データに代え
てアラーム時刻データを出力する状態になる。このアラ
ーム時刻データも前述した動作と同様に表示角度に変換
されて記憶され、目安針の現在位置と比較される。この
ときに、目安針は表示外にあるため、第２の比較・一致
検出手段６６からは目標位置と現在位置とが一致するま
で方向信号と歩進信号が出力され、これに応答して第２
のモータ駆動回路手段６８が目安針用モータ７０を駆動
して目安針をアラーム時刻を表示する位置まで移動させ
る。その後、鳴り止めスイッチ２６がオフ状態になるま
で目安針はアラーム時刻を表示する。

【００３４】

【考案の効果】本考案によれば、アラームのセット状態
を目安針の位置で確認することができるので、鳴り止め
スイッチを目立つ位置に配置することなく容易にアラー
ムのセット状態を確認することができる。

【００３５】また、アラームがオフ状態のときには目安
針が時刻を表示する表示部の外に出ているので、時刻を
読み取り易くすることができる。

【００３６】更に、アラーム時刻の設定・修正時には、
指針でアラーム時刻が示されるので、おおよそのアラー
ム時刻を示す目安針を見ながら設定・修正する場合に比
べて、より正確なアラーム時刻を設定・修正することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る目覚し時計の構成を示
す機能ブロック図である。

【符号の説明】

２ 基準信号発生手段 ８ 現時刻記憶手段 １２ 時修正スイッチ １４ 分修正スイッチ ２４ アラーム時刻修正スイッチ ２６ 鳴り止めスイッチ ２８ アラーム時刻記憶手段 ３０ 第１の切換手段 ３２ 第１の目標位置記憶手段 ３８ 指針位置記憶手段 ４０ 第１の比較・一致検出手段 ４２ 第１のモータ駆動回路手段 ４８ 指針用モータ ５４ 表示外位置データ記憶手段 ５６ 第２の切換手段 ５８ 第２の目標位置記憶手段 ６４ 目安針位置記憶手段 ６６ 第２の比較・一致検出手段 ６８ 第２のモータ駆動回路手段 ７０ 目安針用モータ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 アラーム時刻修正スイッチと、時刻修正
   スイッチと、鳴り止めスイッチと、基準信号を出力する
   基準信号発生手段と、前記基準信号に応答して現時刻を
   カウントして記憶する現時刻記憶手段と、前記アラーム
   時刻修正スイッチがオン状態のときに前記時刻修正スイ
   ッチの操作に応じてアラーム時刻データを変更及び記憶
   するアラーム時刻記憶手段と、前記アラーム時刻修正ス
   イッチがオフ状態のときには前記現時刻記憶手段からの
   時刻データを出力しオン状態になるとその時刻データに
   代えて前記アラーム時刻記憶手段からのアラーム時刻デ
   ータを出力する第１の切換手段と、該第１の切換手段か
   らの時刻データ又はアラーム時刻データを指針の移動目
   標位置として記憶する第１の目標位置記憶手段と、現在
   の指針の表示位置を記憶する指針位置記憶手段と、該指
   針位置記憶手段と前記第１の目標位置記憶手段がそれぞ
   れ記憶する表示位置と目標位置とを比較して一致しない
   場合には一致するまで方向信号と歩進信号を出力する第
   １の比較・一致検出手段と、該第１の比較・一致検出手
   段からの方向信号と歩進信号に応答して第１のモータ駆
   動信号を出力する第１のモータ駆動回路手段と、前記第
   １のモータ駆動信号に応答して指針を駆動する指針用モ
   ータと、表示外位置データを記憶する表示外位置データ
   記憶手段と、前記鳴り止めスイッチがオフ状態のときに
   前記表示外位置データを出力しオン状態になるとその表
   示外位置データに代えて前記アラーム時刻データを出力
   する第２の切換手段と、該第２の切換手段からの表示外
   位置データ又はアラーム時刻データを目安針の移動目標
   位置として記憶する第２の目標位置記憶手段と、現在の
   目安針の表示位置を記憶する目安針位置記憶手段と、該
   目安針位置記憶手段と前記第２の目標位置記憶手段がそ
   れぞれ記憶する表示位置と目標位置とを比較して一致し
   ない場合には一致するまで方向信号と歩進信号を出力す
   る第２の比較・一致検出手段と、該第２の比較・一致検
   出手段からの方向信号と歩進信号に応答して第２のモー
   タ駆動信号を出力する第２のモータ駆動回路手段と、前
   記第２のモータ駆動信号に応答して目安針を駆動する目
   安針用モータと、からなることを特徴とする目覚し時
   計。