JP2527525B2 - 新規な新症候出血熱ワクチンおよびその製造方法 - Google Patents

新規な新症候出血熱ワクチンおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なハンタウィルス
ワクチンの製造方法およびそれから製造されるワクチン
に関する。更に具体的には、本発明は新症候出血熱の予
防に優れた効果を現すハンタウィルス(漢灘ウィルス、
ソウルウィルス、プロスペクトヒルウィルスおよびプマ
ルラウィルス)ワクチンを、ヒト正常二倍体細胞株を用
いて製造する新規な製造方法およびその方法によって製
造されるワクチンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】流行性出血熱の病原体を見付ける努力は
1930年代の末から始まった。この病原体は、日本と
ソ連の学者等によってある種のウィルスであると主張さ
れたが、単離されていなかった。1976年、李鎬旺等
によって、京畿道東豆川邑松内里において採集された背
条ネズミ(Stripped field mouse : Apodemus agrariu
s) の肺組織から、快復期の出血熱患者の血清と特異的
な免疫蛍光反応を現す病原体が初めて発見され、この抗
原は“コリア抗原(Korean antigen) ”と臨時命名され
た〔李鎬旺等、大韓内科学会誌、19 : 371-383, 197
6〕。
【0003】1978年、同じ研究者によってコリア抗
原が流行性出血熱の病原体であることが立証された〔Le
e et al., J. Infec. Dis., 137 : 298-308, 1978 〕。
その後1980年に、更に、コリア抗原がウィルスであ
ることが確認され、ウィルスを分離した背条ネズミが採
集された場所である漢灘江の名称にちなんで漢灘ウィル
ス(Hantaan virus)〔Information Exchange Sulicommi
ttee, American Committee on Arthropod-borne Viruse
s 〈Karabastos, ed. 〉Ft. Collins, Colo.,80522, 19
80 〕と命名されて、米国のアルボウィルスカタログ(A
rbovirus Catalogue )に登録された。
【0004】最近では、韓国のみならず、日本、中国お
よびスカンジナビア等の地においても類似する症状を現
す出血熱患者が多く発生しているため、その原因となる
ウィルスが分離同定されており、これらウィルスが抗原
構造上漢灘ウィルスと大変類似していることが明らかに
された〔Gajdusek., J. Pediatr., 60: 841-857, 1962;
Lee and Lee, Lancet, i:186-187, 1979 ; Svedmyr et
al., Lancet, i:100,1979 ; Lee et al., Lancet, i:8
19-820, 1980 ; Lee et al., Lancet, i:1025-1026, 19
80 ; Gavrilovskaya, Lancet, i:1050, 1981 ; Kitamur
a et al., Jap. J. Med. Sci. Biol., 36:17-25, 1983
; Song et al., J. Infec. Dis., 150:889-894, 1984
; Sugiyama et al., J. Infec. Dis., 152:126-136, 1
985〕。
【0005】ここに至って、1982年に世界保健機構
は韓国の流行性出血熱と日本、中国の流行性出血熱、ソ
連の新症性腎炎(hemorrhagis nephrosonephritis)およ
びスカンジナビアの流行性腎臓炎(nephrophatia epide
mica) 等を‘新症候出血熱(hemorrhagic fever with r
enal syndrome:HFRS)’と言う名前に統一して呼ぶよう
に決定した〔WHO Report, 1982, Tokyo, WHO/WPR/RPD/W
G/82,16 〕。
【0006】新症候出血熱の病原体等はブンヤウィルス
科(Bunyaviridae family)の新しい属であるハンタウィ
ルス(Hanta virus)に属しており、このハンタウィルス
の亜属として韓国型出血熱の原因である漢灘ウィルス
(Hantaan virus)、ソウルウィルス(Seoul virus)、プ
ロスペクトヒルウィルス(Prospect Hill virus)および
プマルラウィルス(Puumala virus)が含まれており、こ
れらは血清学的に分類が可能であるものとして知られて
いる〔Schmaljohn, Science, 227:1041-1044, 1985〕。
【0007】培養細胞で新症候出血熱を惹き起こすウィ
ルスを増殖させる実験は、1981年フレンチ(Frenc
h)等が漢灘ウィルスを用いてヒトの肺癌由来細胞A5
49細胞(ATCC, 寄託番号 CCL 185)において最初に増
殖に成功し〔French et al., Science, 211:1040-1048,
1981 〕、続いて1982年にはアフリカザルの腎臓細
胞の一つのクローンであるVero E6 細胞(ATCC, 寄託番
号 C1008, CRL 1586)においても培養に成功した〔McCo
rmick et al., Lancet. i:765-768, 1982 〕。
【0008】一方、他のある種のハンタウィルス(ソウ
ルウィルス、プロスペクトヒルウィルスおよびプマルラ
ウィルス等)は、漢灘ウィルスの宿主細胞のVero E6 細
胞における増殖が可能であることの報告があり〔Lee, e
t al., Manual of Hemorrhagic Fever with Renal Synd
rome, Ryo Moon Gak Press, 1989〕、1989年には犬
の腎臓細胞であるMDCK細胞(ATCC, 寄託番号 CCL 34 )
についても漢灘ウィルスに対する感受性が報告された
〔鄭相仁、中大医大誌、第14巻、第2号、1989〕。
【0009】更に、中国のSong Gan等は、1991年第
2次韓・中ウィルス学会において、新症候出血熱に対す
るワクチンを、ハムスター腎臓細胞(Golden hamster K
idney cell. GH-KC )とマウス腎臓細胞(Mongolian Ge
rbils Kidney cell. MGKC )を用いて不活化して製造し
たことを発表した〔Song Gan等、大韓ウィルス学会誌、
第21巻 2号、 抄録、222-223, 1991 〕。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】一般的に人体に用いら
れるウィルスワクチンは、ヒトから分離されたウィルス
株が望ましく、更にそのウィルスをヒト由来の正常二倍
体細胞において増殖させてワクチンを製造すれば、ワク
チン接種に伴う外来蛋白質(foreign proteins)による
副作用を減少可能なため、ヒト正常二倍体細胞であるMR
C-5 細胞(ATCC,寄託番号 CCL 171) や WI-38細胞(ATC
C, 寄託番号 CCL 75)は既にワクチン生産に適合するも
のと推薦されている。一方、既存の漢灘ウィルスの増殖
が報告された細胞は、ヒトの肺癌由来の細胞(形質転換
された細胞)であったり、イヌとサルの腎臓細胞および
初代培養のハムスターとマウスの腎臓細胞等であり、ヒ
トと異なる異種細胞であるため、ヒト正常二倍体細胞と
比較してワクチン生産に適合しないことが知られて来
た。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、新症候出
血熱を惹き起こすハンタウィルス株等を、ヒトの胎児か
ら初代培養により確立されたヒト正常二倍体細胞株(no
rmal human diploid cell)において増殖するよう適応さ
せた。これら細胞等は肺と腎臓、皮膚筋肉および甲状腺
由来の次のような細胞等であり、全て国際寄託機関であ
る韓国科学技術院付設遺伝工学研究所(KCTC)に寄託さ
れた:肺組織由来の細胞株はLuMA(寄託番号:KCTC 003
5BP, 寄託日:1992.3.12 )、腎臓由来の細胞株はKiMA
(寄託番号: KCTC 0036BP, 寄託日: 1992.3.12 ) 、皮
膚筋肉由来の細胞株はSMMA(寄託番号:KCTC 0037BP,
寄託日:1992.3.12 )、甲状腺由来の細胞株はThyMA
(寄託番号:KCTC 0038BP, 寄託日:1992.3.12 )であ
る。
【0012】ヒト正常二倍体細胞株は、ヒトの各臓器や
組織由来の細胞であって、その細胞の形態および生物学
的特性を殆ど保っており、形質転換の生じない細胞であ
って、殆どの細胞において染色体の数が2n=46でな
ければならない。本発明に初代培養されて用いられたヒ
ト正常二倍体細胞株は、染色体数の検査においてMRC-5
或いはWI-38 細胞より統計学的に正常値2n=46によ
り近いことが確認されており、更に外来性微生物に感染
していないことも確認された〔朴松用等、大韓ウィルス
学会誌、第21巻、 第1号:1-9, 1991〕。
【0013】細胞培養には、増殖用培地として90 (v/
v)%イーグル(Eagle)培地(Gibco,USA, カタログ番号
430-2100 )に10 (v/v)%ウシ胎児血清(Fetal bovin
e serum, FBS)を添加したものを、保持用培地として9
8(v/v)% Eagle培地に2 (v/v)%ウシ胎児血清を添加
したものを用いており、5%CO2 の培養器において3
7℃で増殖および維持させた。ハンタウィルス亜属の漢
灘ウィルス、ソウルウィルス、プロスペクトヒルウィル
スおよびプマルラウィルスを培養中のヒト正常二倍体細
胞株に各々接種した後、10日以上増殖させ、接種細胞
の一部を収去し、ウィルス抗原が細胞内において増加す
ることを間接蛍光抗体法等を用いて確認した。
【0014】本発明は、ハンタウィルス株をヒト正常二
倍体細胞から大量生産可能にする方法とこの細胞株等か
ら増殖させたウィルスの精製および不活化方法を提供す
る。本発明によれば、一例として、漢灘ウィルスをヒト
正常二倍体細胞のうち肺由来の細胞において増殖させ、
増殖したウィルスを収穫すれば、150cm2 の面積を有
する組織培養容器当たり酵素免疫分析法(EIA法)に
より10,000の抗原価を得る(大韓民国特許登録第
39291号)。
【0015】本発明者等は、上記条件下に漢灘ウィルス
に対して広範な研究を行った結果、本発明による漢灘ウ
ィルスワクチンが、マウスやラットの脳組織で増殖させ
たウィルスを用いて製造した従来のワクチンより少ない
抗原量でも抗体の形成が卓越していることを発見し、李
鎬旺等が漢灘ウィルスを組織培養細胞に増殖させて製造
したワクチンは免疫原性が非常に低いとした内容〔Lee
et al., Arch. Virol., [suppl.1] : 35-47, 1990 〕と
相反することを確認した。
【0016】本発明は、更にヒト胎児由来の培養ヒト正
常二倍体細胞株等にハンタウィルスを増殖、培養および
不活化させ製造したハンタウィルスワクチンを提供す
る。即ち、本発明のハンタウィルスワクチンは、ヒト胎
児由来のヒト正常二倍体細胞を用いてウィルスを増殖さ
せた後、培養容器から細胞をトリプシンやEDTAを用
いて収穫し、この細胞を凍結および融解を繰返したり、
超音波処理して細胞を破壊することによって培養細胞か
らウィルスを収穫し、そのウィルスを遠心分離する。回
収したウィルス含有液を、熱処理やホルムアルデヒド、
或いは紫外線を用いて不活化した後、Al(OH)3等の
アジュバント或いは次の表1のような組成の安定剤を添
加してワクチンを製造する。
【0017】
【表1】
【0018】ハンタウィルスの不活化条件は、熱処理の
場合、60℃において20分以上処理した際ウィルスが
完全に不活化されたが、30分以上2時間まで処理して
も抗原価には大した変化がなく;ホルムアルデヒドで処
理する場合、0.05 (v/v)%の懸濁液濃度において7
日間処理したときウィルスが100%不活化され、0.
05 (v/v)%の濃度で14日以上処理しても、抗原価に
大した変化無しに完全に不活化された。また、紫外線を
用いて不活化する場合、356nmの紫外線を5.4×1
4 J/m2以上を照射すれば完全に不活化された。ホルム
アルデヒド或いは紫外線を用いて不活化する際の温度
は、4℃以下に保つのが望ましい。
【0019】
【実施例】本発明を次の実施例に基づいてより詳しく説
明する。本実施例は本発明を説明するためのものであっ
て、本発明の範囲を制限するものではない。殊に、本発
明のウィルス株は、本発明の要旨に基づいて実施例に例
示したウィルス株および細胞株に限られるものでないと
言う事は、本発明が属する分野において通常の知識を有
する者には自明なことである。
【0020】実施例1:ハンタウィルスに対する感受性
細胞の確認 初代培養等で確立された胎児組織由来のヒト正常二倍体
細胞および対照群としてVero E6 細胞を単層培養し、哺
乳マウス(suckling mouse) 、哺乳ラット(suckling ra
t)で増殖させたハンタウィルス(漢灘ウィルス、ソウル
ウィルス、プロスペクトヒルウィルスおよびプマルラウ
ィルス)懸濁液を維持培地で10倍希釈した後、濾過機
(pore size: 0.22 μm)を用いて濾過した。培養した単
層細胞株に上記の濾過したウィルス液を接種して、培地
を入れた後5%CO2 培養器において37℃で培養し、
3〜4日間隔に間接免疫蛍光抗体法等でウィルスの感染
を確認した。
【0021】ハンタウィルス株のうち漢灘ウィルスに対
して本発明に用いたヒト正常二倍体細胞および対照群と
して MRC-5、WI-38 およびVero E6 の各宿主細胞の感受
性、および培養期間に伴う感染率の比較を表2と図1に
現し、その他のウィルス株は、接種後14日目に間接免
疫蛍光抗体法で検査し、下記表3に示したように感染を
確認した。
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】以上の結果から、漢灘ウィルスの宿主細胞
は全てハンタウィルスに対して感受性があることを確認
し、ハンタウィルスに感受性のある細胞株のうち肺由来
の細胞株(LuMA)に漢灘ウィルスを大量培養してワクチ
ン製造に用いた。
【0025】実施例2:ウィルスの大量培養 ヒト正常二倍体細胞株を用いて、漢灘ウィルスに感染し
た細胞と漢灘ウィルスに感染していない細胞とを1:1
0〜1:50の比率で同時培養するとか、感染した宿主
細胞を単層培養した非感染細胞上に直接培養するとか、
或いは感染した細胞を物理的方法で粉砕して、単層培養
した非感染細胞上にモイ(MOI: multiplicity of infec
tion,細胞当たり感染粒子数)が0.1〜0.02とな
るよう接種した。これを37℃の5%CO2 培養器にお
いて30分以上吸着させて維持用培地を添加し、10日
間ウィルスを増殖させた後、培養したウィルス感染細胞
を全て収穫した。
【0026】実施例3:ウィルスの抽出 実施例2のウィルス感染細胞を、−70℃での凍結およ
び室温での融解を1回以上繰返して粉砕するか、または
上記細胞を20kHz で90秒間超音波処理して粉砕し、
粉砕したウィルス浮遊液を3,500rpm で30分間遠
心して上清を用いた。上清と沈殿物のEIA値を測定し
て、その結果を表4に示した。
【0027】
【表4】
【0028】以上のEIA値は、大韓民国特許登録第3
9291号明細書に記載の方法で測定した。
【0029】実施例4:不活化工程 実施例3のウィルス液を、熱処理、ホルムアルデヒド処
理または紫外線照射を用いて不活化した。熱処理、ホル
ムアルデヒド処理および紫外線照射に伴うウィルスの抗
原力価と不活化の程度を図2〜4および表5に示した。
【0030】
【表5】
【0031】表5と図2〜4から、漢灘ウィルスを60
℃において20分以上熱処理した試料、0.05(v/v)
%のホルムアルデヒドで7日間以上処理した試料、そし
て365nmの紫外線の5.4×104 J/m2以上を照射し
た試料を宿主細胞に感染させた時、ウィルスによる感染
状態の細胞を発見することができなかったため、完全に
不活化されたものと確認した。
【0032】実施例5:ワクチンの製造および力価確認 本発明の漢灘ウィルスワクチンは、0.5ml当たり25
0 EIA力価の漢灘ウィルスを60℃で30分不活化した
り;或いは0.05 (v/v)%のホルムアルデヒドで4℃
において14日間反応させ不活化したり;1×105 J/
m2の紫外線を照射して不活化した後、安定剤を添加して
製造した。このように製造したワクチンを、ラットに1
匹当たり0.5ml筋肉接種した。接種後、本発明による
ワクチンの免疫原性を間接免疫蛍光抗体法で測定し、そ
の結果を表6に示した。
【0033】
【表6】
【0034】上記結果から、漢灘ウィルスを不活化した
後、安定剤を添加した本発明のワクチンの抗体生成率が
良好であることを確認することができた。
【0035】実施例6:ラットにおける接種抗原量によ
る抗体価の比較 漢灘ウィルスワクチンをいろいろな抗原価でラットに接
種した後、日数により生成する抗体の力価を測定した。
漢灘ウィルスワクチンを10日間隔で3回ラットに筋肉
注射した後、測定した免疫蛍光抗体価を表7に示した。
【0036】
【表7】
【0037】上記結果から、本発明のワクチンはEIA
値で10以上を接種した場合に抗体が生成されることを
確認した。
【0038】実施例7:マウス脳由来の漢灘ウィルスワ
クチンとヒト正常二倍体細胞株由来の漢灘ウィルスワク
チンの免疫原性の比較 マウス脳由来の漢灘ウィルスワクチンとヒト正常二倍体
細胞株由来の漢灘ウィルスワクチン(ホルムアルデヒド
処理で不活化させた材料)の免疫原性を比較するため、
本発明の漢灘ウィルスワクチンと大韓民国特許登録第3
9291号明細書に記載の方法で製造したマウス脳由来
の漢灘ウィルスワクチンを種々の抗原価でラットに接種
し、免疫原性を比較した。各々の漢灘ウィルスワクチン
をラットに筋肉接種した後、測定した抗体価を表8に示
した。
【0039】
【表8】
【0040】上記結果から、本発明の漢灘ウィルスワク
チンは、マウス脳由来の漢灘ウィルスワクチンより少な
い抗原量で抗体の生成が良好であることを確認すること
ができた。
【0041】実施例8:腎臓由来の細胞株(KiMA)、皮
膚筋肉由来の細胞株(SMMA)および甲状腺由来の細胞株
(ThyMA)を用いた漢灘ウィルスの培養およびワクチンの
製造 腎臓由来の細胞株(KiMA)、皮膚筋肉由来の細胞株(SM
MA)および甲状腺由来の細胞株(ThyMA)についても、実
施例2、3(超音波粉砕法利用)および4(ホルムアル
デヒド処理法利用:最終濃度0.05%のホルムアルデ
ヒドで4℃において14日間処理)に記載の方法で、同
様にウィルスを大量培養して不活化し、ワクチンを製造
した後、各々製造したワクチンの免疫原性を調べた。
【0042】肺由来の細胞株の場合、上記実施例3に表
したように、組織培養容器150cm2 基準で超音波粉砕
上清から10,000 EIA力価のウィルスを得たことに
比較して、腎臓由来の細胞株は8,500 EIA力価、皮
膚筋肉由来の細胞株は6,000EIA 力価、そして甲状
腺由来の細胞株は5,200 EIA力価のウィルスを各々
得ることができた。ホルムアルデヒドを用いた不活化実
験において、上記条件下にすべて不活性であることが確
認され、免疫実験においては、接種したウィルスのEI
A力価による抗体力価が肺由来の細胞株(LuMA)を用い
た実験におけるのと同様な程度に上昇することを知るこ
とができた。
【0043】
【発明の効果】以上において詳しく説明し立証したよう
に、本発明のヒト肺由来の細胞株(LuMA)、腎臓由来の
細胞株(KiMA)、皮膚筋肉由来の細胞株(SMMA)および
甲状腺由来の細胞株(ThyMA)等ヒト正常二倍体細胞株を
用いたハンタウィルスの増殖工程を含むハンタウィルス
ワクチンの製造方法は、ワクチン製造に適することが明
らかになった。また、この製造方法によって製造したワ
クチンは、抗体の形成が優れていて高力価を示すことに
より、新症候出血熱の予防に広範囲に使用可能であるこ
とが確認された。
【図面の簡単な説明】
図1は、宿主細胞による漢灘ウィルスの経時的感染率の
比較を示すグラフ。 図2は、熱処理(60℃)時間によるEIA値の比較を
示すグラフ。 図3は、ホルムアルデヒド処理時間によるEIA値の比
較を示すグラフ。 図4は、紫外線照射量によるEIA値の比較を示すグラ
フ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 文 洪 模 大韓民国京畿道水原市勸善区遠川洞(番 地なし) 遠川住公アパートメント105 −406

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 漢灘ウィルスを、LuMA (KCTC 0035BP)、
    KiMA (KCTC 0036BP)、SMMA (KCTC 0037BP)およびThyMA
    (KCTC 0038BP) よりなる群から選択されるヒト正常二倍
    細胞株を用いて増殖させる工程を含むことを特徴とす
    る、新症候出血熱ワクチンの製造方法。
JP5049381A 1992-03-27 1993-03-10 新規な新症候出血熱ワクチンおよびその製造方法 Expired - Fee Related JP2527525B2 (ja)

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KR920005099 1992-03-27
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