JP2527270Y2 - シャワー装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は高水圧地域と低水圧地域とを切換えて使用
するシャワー装置に関する。

（従来技術） 従来のシャワー装置には、例えばオーバーヘッドシャ
ワー，ボディシャワー，ハンドシャワー，ミクロシャワ
ーの様に、複数種類のシャワー吐水口を備え、混合栓に
よって混合した湯水を上記各シャワー吐水口から吐水す
るものがある。そして、そのシャワー装置の中にも各シ
ャワーより吐水を行なう際に、制御部により動作制御に
より各種類のシャワー吐水口の中から１種類ずつ代わる
吐水を行なうものと、複数種類のシャワー吐水口から同
時に吐水を行ない、その同時吐水を行なうシャワーの種
類の組み合わせを次々と変えながら吐水を行なうものと
の２つのタイプがある。

（考案が解決しようとする課題） 前者のものは各シャワー吐水口の中から１種類ずつ吐
水を行なうので給水圧及び給湯圧は比較的低圧で済み、
また、後者のものは複数類のシャワー吐水口から同時吐
水を行なう為に高圧を確保しなければならない。

そして、同時吐水を行なう機能を備える後者のシャワ
ー装置は、同時吐水を必ず行なうことを前提として設計
されているので、加圧装置を介して給水，給湯を行なっ
ているが、それでも低水圧地域で使用する場合や、シャ
ワー装置の設置場所が高い場合には給水及び給湯圧力が
低下して十分な圧力にて同時吐水を行なうことはできな
かった。

従って、このシャワー装置を低水圧地域で使用する際
には、同時吐水を十分に行なえないにもかかわらず、十
分な水圧により同時吐水を行なうことができることを前
提として同時吐水を中心とした使用条件に基づいて構成
してある制御部（操作パネルに内臓）を操作しながら使
用することになり、不合理があった。

本考案の課題は複数種類のシャワー吐水口を備えるシ
ャワー装置に対し、同時吐水を行なうことのできる高水
圧地域と、同時吐水ができない低水圧地域との使用条件
に合理的に対応する機能を具備せしめることを目的とす
る。

（課題を解決する為の手段） 上記した課題を解決する為に、本考案のシャワー装置
は、複数種類のシャワー吐水口を備え、これらシャワー
吐水口から行なう吐水の制御を制御部により行なうシャ
ワー装置において、前記制御部に複数種類のシャワー吐
水口からの同時吐水を可能とする第１制御系と、各シャ
ワー吐水口の中から１種類ずつ吐水を行なう第２制御系
とを具備せしめると共に、シャワー装置の設置場所にお
ける給水圧力及び給湯圧力の高低に応じて上記両制御系
の使用を切換える切換え手段を設けたものである。

（作用） 以上の手段によれば、シャワー装置に設けられる複数
種類のシャワー吐水口からの吐水動作は、制御部の第１
制御系若しくは第２制御系のどちらか一方によって制御
され、これら第1,第２両制御系に使用はシャワー装置の
設置場所における給水圧力及び給湯圧力の高低に応じ
て、切換え手段によって切換える。

例えば、シャワー装置の設置場所における給水圧力及
び給湯圧力が所定値よりも高い場合においては切換え手
段により第１制御系を使用して種類の異なるシャワー吐
水口からの同時吐水を可能とし、反対に、給水圧力，給
湯圧力が低い時には第２制御系に切換えて１種類ずつ各
シャワー吐水口からの吐水を行なう様に吐水動作を制御
する。

（考案の効果） 本考案は以上の様に、複数種類のシャワー吐水口から
の吐水動作を制御する制御部に第１制御系と第２制御系
とを具備せしめ、シャワー装置設置場所における給水圧
力，給湯圧力の高低に応じて同時吐水が可能な第１制御
系と、１種類ずつ各シャワー吐水口からの吐水を行なう
第２制御系とを切換えて使用するものである。

従って、給水，給湯圧力が十分に高い設置場所おいて
は上記第１制御系を使用して各シャワー吐水口からの同
時吐水を通常通りに利用できると共に、給水，給湯圧力
が低く十分な同時吐水を行なうことができない設置場所
にて使用する場合には切換え手段によって制御を第２制
御系に切換えることにより、単独吐水専用の吐水動作に
よってシャワーを使用することができる。よって高水圧
地域から低水圧地域まで幅広く対応でき、且又、同時吐
水使用でも単独吐水使用でも合理的な吐水動作を実現す
ることができる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図乃至第３図にて示すシャワー装置Ａは浴室の壁
面Ｂに対して取付け設置するものであり、背面を開口さ
せて縦長状に形成される本体パネルA₁の内部に給水系及
び給湯系の配管類A₂を配設し、上記本体パネルA₁正面の
各部位に設けたシャワー吐水口a₁〜a₅と、本体パネルA₁
最下部に設けたスパウトa₆からの吐水を本体パネルA₁中
央に設けた操作パネル1aからの操作によって行なう様に
構成してある。

本体パネルA₁はFRPを用いて成形し、上方部位にシャ
ワー吐水口と支持する突出部11を形成すると共に、パネ
ル正面には収納凹部12と前記操作パネル13を設け、さら
に最下部にはスパウトa₆をカバーする膨出部13が形成し
てあり、下部のスパウトa₆が床面から適当な高さになる
様、壁面Ｂに対して取付け固定してある。

尚、上記シャワー装置Ａは、スパウトa₆の他に突出部
11に設けるオーバーヘッドシャワーa₁、うたせシャワー
a₂、ミクロシャワーa₃と、パネル中央に設ける２個のボ
ディシャワーa₄、ハンドシャワーa₅の合計５種類のシャ
ワー吐水口を備えている。

上記本体パネルA₁の内部空間に収納される給水系及び
給湯系の配管類A₂は、給水源及び給湯源から導入される
水と湯を混合する混合栓20と、各シャワー吐水口a₁〜a₅
及びスパウト２に対応して１個ずつ設けられ、上記混合
栓20から供給される混合水を各シャワー吐水口a₁〜a₅及
びスパウトa₆に対して供給する電磁弁b₁〜b₆とを連絡管
21により連絡して構成され、混合栓20の温度調節ハンド
ルや流量調節ハンドル20a,20bは本体パネルA₁の正面に
突出せしめてある。

操作パネルは本体パネルA₁中央に設けられるメインの
操作パネル1aと、本体パネルA₁下部に設けられる操作パ
ネル1bとに分割される。

第４図にて示す様に、メインとなる上方の操作パネル
1aには電源スイッチ31の外に各シャワー吐水口a₁〜a₅の
吐水を行なう吐水ボタンc₁〜c₅と止水ボタン32、及び後
述する切換え手段37の切換えスイッチ33が設けてあり、
これらの各ボタンスイッチ類は該操作パネルA₁に内蔵さ
れる制御部Ｃに連絡してある。

また、下方の操作パネル1bは使用者が座りながら操作
する為のものであり、うたせシャワーa₂とハンドシャワ
ーa₅及びスパウトa₆用の吐水ボタンと止水ボタン（図示
せず）が設けてあり、上記した操作パネル1aと連絡して
いる。

操作パネル1aに内蔵される制御部Ｃはマイクロコンピ
ュータにより構成され、大別すれば第５図にて示す様に
演算回路34a、解読・実行回路34bを備える中央処理装置
34と、記憶回路部36とをデータバス35にて連絡してあ
る。記憶回路部36は基本制御プログラムとなる第１制御
系と第２制御系の両プログラム記憶回路36a,36bと、こ
の両記憶回路36a,36bの使用の切換える切換え手段37
と、データの書込みと読出しを行なうデータ記憶回路38
とからなる。

また、データバス35には入力ポート39と出力ポート40
とが接続される。入力ポート39には上記中央処理装置34
に対して各シャワーの吐水，止水等の入力操作を行なう
操作パネル1a,1bと検出信号変換器41が接続され、一
方、出力ポート40には動作信号変換器41が接続してあ
る。

例えば操作パネル13aの吐水ボタンc₁〜c₅が押される
ことによって入力ポート39に吐水命令の信号が入力され
ると、中央処理装置34はその信号データを基準にして第
１制御系か第２制御系のどちらか一方のプログラム記憶
回路36a,36bに基づき解読・演算を繰り返して実行し、
結果として必要時に出力ポート40へ向けて動作信号を出
力する。出力ポート40にデジタル値として出力された動
作信号は動作信号変換器41にてアナログ値に変換され、
さらに増幅してから該変換器41と連絡する所定の電磁弁
b₁〜b₆に対して印加される。

前記した第１制御系プログラム記憶回路36aは、吐水
ボタンc₁〜c₅が押されたことに対応して各シャワー吐水
口a₁〜a₅の中から１種類ずつ吐水させる他に、例えばオ
ーバーヘッドシャワーa₁とボディシャワーa₄、又はボデ
ィシャワーa₄とハンドシャワーa₅の様に組み合わせで２
個の吐水ボタンc₁〜c₅が押された時に、対応する２種類
のシャワー吐水口から同時に吐水を行なう様に吐水動作
を制御するものであり、シャワー装置Ａの設置場所が高
水圧地域である場合に使用する制御系である。

また、第２制御系プログラム記憶回路36bは各シャワ
ー吐水口a₁〜a₅の中から１種類ずつ吐水を行なう様に吐
水動作を制御するものであり、シャワー装置Ａの設置場
所が十分な圧力で同時吐水を行なうことができない低水
圧地域である場合に上記第１制御系の代わりに使用する
ものであり、操作パネル1aの吐水ボタンc₁〜c₅によって
行なう同時吐水の操作は無効となる。

切換え手段37は上記した第1,第２両プログラム記憶回
路36a,36bのどちらか一方の記憶回路を選択して有効と
し、もう一方を無効とするものであり、操作パネル1aに
設けられる切換スイッチ33の切換え操作により使用する
記憶回路を切換える機能を備える。

例えば、シャワー装置Ａを設置する場所における水圧
が十分に高く、同時吐水が可能である場合には操作パネ
ル1aの切換えスイッチ33を高圧側にして第１制御系プロ
グラム記憶回路36aを使用することにより各シャワーヘ
ッドa₁〜a₅の中から１種類ずつ吐水すると共に、前記し
た組み合わせによる同時吐水を可能とした吐水動作を実
現する。尚、同時吐水が可能であるシャワー吐水口の組
み合わせは、操作パネル1aの吐水スイッチa₁〜a₅の隣り
に２個１組の色別信号42a,42bを書き込むことによって
使用者が一目で分かる様にしてある。

また、シャワー装置Ａの設置場所における水圧が低
く、同時吐水が十分な状態で行なうことができない場合
には上記切換えスイッチ33を低圧側に切換え吐水動作の
制御を第２制御系プログラム記憶回路36bに切換える。
これにより吐水スイッチa₁〜a₅によって行なう同時吐水
の操作は無効となり、ONにされた吐水ボタンc₁〜c₅に対
応するシャワー吐水口a₁〜a₅から１種類ずつ吐水が行な
われる様になる。

而して、上記の如く構成されるシャワー装置Ａによれ
ば、給水圧力が十分に高い設置場所においては吐水動作
の制御を第１制御系36aを使用して設定されたシャワー
吐水口からの同時吐水を通常通りに行なうことができ、
また、給水圧力が低い設置場所においては第２制御系36
bに切換えることにより単独吐水専用の吐水動作を行な
うことができ、これにより、高水圧地域から低水圧地域
まで幅広く対応し、且又、同時吐水使用でも単独吐水使
用でも合理的な吐水動作を実現することができる。また
夏場、冬場での給湯条件の違いにも対応できる。

なお、切換スイッチを操作パネル内部に隠して施工者
のみが扱えるようにしてもよい。

また給湯配管中に圧力センサを設け、給湯圧力によっ
て、自動的に切換るようにしてもよい。

また、周囲温度をサーミスタ等により検知して、温度
により自動的に切換るようにしてもよい。

尚、複数類のシャワー吐水口を備えるシャワー装置に
おいては、制御部によって種類の異なる各シャワー吐水
口を自動的に切換えながら効果的なシャワー浴を行なう
自動モード機能を備えるものがあるが、この機能を上記
シャワー装置Ａに取り入れる場合、第１制御系36aにお
いては同時吐水を主体とした吐水プログラムとなり、ま
た、第１制御系36bにおいては単独吐水の特徴を生かす
吐水プログラムを組めることになり、２系統の制御系を
有する意義が大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施したシャワー装置を示す縦断側面
図、第２図は同シャワー装置の切欠正面図、第３図は同
シャワー装置の設置状態を示す斜視図、第４図は操作パ
ネル表面の拡大図、第５図は制御部を示すブロック図で
ある。 図中、 A:シャワー装置 a₁〜a₅：シャワー吐水口 b₁〜b₆：電磁弁 c₁〜c₅：吐水スイッチ C:制御部 36a:第１制御系プログラム記憶回路 36b:第２制御系プログラム記憶回路 37:切換え手段

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数種類のシャワー吐水口を備え、これら
   シャワー吐水口から行なう吐水の制御を制御部により行
   なうシャワー装置において、前記制御部に複数種類のシ
   ャワー吐水口からの同時吐水を可能とする第１制御系
   と、各シャワー吐水口の中から１種類ずつ吐水を行なう
   第２制御系とを具備せしめると共に、シャワー装置の設
   置場所における給水圧力及び給湯圧力の高低に応じて上
   記両制御系の使用を切換える切換え手段を設けたシャワ
   ー装置。