JP2527108Y2 - い草移植機における植付アーム - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本案は、い草移植機における植付アームに関するもの
である。

（従来の技術） クランクアームと従動アームとによって上下に回動す
る植付アームの植付爪には、固定爪とこれに沿って往復
動する可動爪がある。可動爪はプッシュロッドに設けら
れ、このプッシュロッドは、クランクアームのカムで揺
動するレバーで往復動するようになっている。

（考案が解決しようとする課題） 以上のような装置によると、い草の場合、い草の苗
は、稲の苗より長いところから、植付アームと植付後の
苗との干渉により腰が折れ茎の姿勢が乱れるし、クラン
クアームへのい草苗の巻きつけを生ずることもある。

これを防止するため、チェーンケース部よりガイド棒
を取付けることが考えられるが、干渉部が多いためガイ
ド形状が複雑になる。

又、ガイド位置が勢い低くなるため、苗を傾け過ぎる
欠点があり、ガイド棒と苗との摩擦により苗を傷つける
恐れもある。

本案は以上のような欠点を解消するため考案されたも
ので、その目的とするところは、植付アーム側に簡単な
構造の苗ガイドを設けることによって、上記のような欠
点を回避するにある。

（課題を解決するための手段） 本案は以上のような目的を達成するため、次のような
構成のい草移植機における植付アームを提供するもので
ある。

すなわち、本考案のい草移植機における植付アーム
は、苗植付用固定爪と可動爪とを前後に対設すると共
に、苗植付時において固定爪により切断挟持した苗ブロ
ックを、可動爪の押動により土中に強制的に植付けるよ
うに構成したものにおいて、植付アームのアームケース
のチェーンケース側の外面下方に、チェーンケース側と
反対側の機体外方に向かって傾斜したい草苗誘導部を延
設した構成をとっている。

（作用） 本案のものによれば、植付アームのアームケースのチ
ェーンケース側の外面下方に、チェーンケース側と反対
側の機体外方に向かって傾斜したい草苗誘導部を延設し
てあるから、これが植付時苗のガイドとなって苗を機体
外方に寄せるようになる。

これにより、植付い草の腰が折れ、茎の姿勢が乱れる
ことなく、クランクアームに巻きつくおそれはない。

（実施例） 以下、図面に示す実施例について説明する。先ず、い
草移植機の作動原理から説明する。すなわち、第４図に
おいて（１）はフォークシャッターであり、（２）が苗
載台であってこのフォークシャッター（１）は苗載台
（２）と共に苗載台の横移動のストロークエンド、すな
わち苗取り終了工程まで一体的に移動するものであり、
苗載台の横移動のストロークエンドに達すると、次のよ
うな動作を行うもので、この動作の終了で再び苗載台を
前と逆方向の横移動を行わしめて、植付爪で次回の苗取
り作業が順次行われるものである。

第４図（イ）の状態は、苗載台（２）がフォークシャ
ッター（１）と共に横移動のストロークエンドに達した
ところを示すもので、フォークシャッター（１）が苗取
り口に対向していて、苗取りの終わったところを示して
いる。

次に、第４図（ロ）のようにフォークシャッター
（１）が苗載台（２）から引き上げられ、苗からフォー
クシャッター（１）が引き抜かれる。この場合、苗押え
板（３）で後続の苗を押えており、フォークシャッター
（１）は苗を持ち上げない方向に向かって引き上げられ
る。

以上はいわゆるリフト動作の上昇動作である。

次に第４図（ハ）のように、フォークシャッター
（１）が苗と接触しない上方位置で苗を苗取り口に向か
って引き寄せる方向と、逆な方向に戻すいわゆるスナッ
プ動作を戻す動作が行われる。

次に第４図（ニ）のように、苗の中へフォークシャッ
ター（１）を差し込むいわゆるリフトの下降動作が行わ
れる。

次に第４図（ホ）のように、苗を苗取り口に向かって
引き寄せるいわゆるスナップ動作が行われる。

以上の動作は第４図（ヘ）のような軌跡を描く。

したがって、苗取り列に向かって苗を送り苗を確実に
保持して植付爪による苗とり作業がフォークシャッター
の爪の間で行われる。

以上のようなフォークシャッターの動作により、苗取
り列にい草苗を確実に送り保持するため、欠株や植付本
数のバラツキが大巾に減少する。

以上のような動作を行う操作を第５図乃至第８図をも
とにして説明すると、フォークシャッター（１）は軸
（13）に取付けられており、フォークシャッター（１）
のスナップ動作は三角形板（７）に枢支された第２シリ
ンダー（５）のピストンロッド（10）が軸（13）に固定
されたリンク（12）に枢支（11）されていることにより
なされる。軸（13）はカムプレート（19）のスリット溝
（20）中を摺動する。

フォークシャッター（１）のリフト動作を行わしめる
機枠に枢支（34）された第１シリンダー（４）はそのピ
ストンロッド（９）が三角形板（７）に枢支（８）され
ており、三角形板（７）のガイド軸（22）がカムプレー
ト（19）のスリット溝（21）中を摺動する。

苗送り軸（18）のリンク（17）はロッド（14）に枢支
（16）されロッド（14）の先端は三角形板（７）に枢支
（15）されている。

そこで各図の作動について説明すると、第５図はフォ
ークシャッター（１）のリフト上げ動作と苗の縦送り動
作を示すもので、第１シリンダー（４）が作動してその
ピストンロッド（９）が三角形板（７）を押すので、ガ
イド軸（22）がスリット溝（21）中を摺動することと軸
（13）がスリット溝（20）中を摺動することによりフォ
ークシャッター（１）はリフト上げされる。三角形板
（７）が押されることによりロッド（14）はリンク（1
7）を牽引し、縦送ローラ（18a）の縦送り軸（18）を図
上で時計方向に作動せしめ、縦送りベルト（23）にて苗
の縦送りが行われる。

第６図はフォークシャッターのスナップ上げ動作を示
すもので、第２シリンダー（５）が作動してそのピスト
ンロッド（10）でリンク（12）を時計方向に回動せし
め、軸（13）を回動せしめ、軸（13）に取付けられたフ
ォークシャッター（１）を時計方向に回動せしめてスナ
ップ上げ動作が行われる。

第７図はフォークシャッター（１）のリフト下げと縦
送り空戻りの動作を示すもので、第１シリンダー（４）
が作動してピストンロッド（９）を矢印方向に牽引する
ので、三角形板（７）のガイド軸（22）はスリット溝
（21）を、又軸（13）はスリット溝（20）中を摺動し、
２つのスリット溝の合成方向に三角形板（７）は傾倒
し、軸（13）の位置が下がるのでフォークシャッター
（１）のリフト下げ行われる。一方、三角形板（７）に
枢支（15）されたロッド（14）は左方に押され、リンク
（17）は反時計方向に回るが、ワンウェイクラッチによ
って縦送りは空戻りすることとなる。

第８図はフォークシャッター（１）のスナップ下げ後
の通常作業状態を示すもので、第２シリンダー（５）が
作動してピストンロッド（10）でリンク（12）を反時計
方向に回動せしめて軸（13）を反時計方向に回動せしめ
フォークシャッター（１）のスナップ下げが行われるも
のである。

何れにしても以上のような動作が苗載台（２）の横移
動のストロークエンドに達すると行うもので、その際苗
縦送りは第５図のとき行われ、第７図のとき縦送り空戻
りが行われるものである。

そして、フォークシャッター（１）の櫛状フォーク爪
は以上のような動作を行うため、２つのシリンダー
（４）（５）を用い、カムプレート（19）の２つのスリ
ット溝（20）（21）により第１シリンダー（４）で２つ
の方向の合成運動を行って、フォークシャッター（１）
のリフト動作を行わしめ、更に第２シリンダー（５）に
よりスナップ動作を行わしめるものである。

又、苗載台（２）の縦送りベルト（23）は以上のよう
なリフト動作を利用して縦送りするようになっている
が、第１図において（24）はチェーンケースであり、
（25）は植付アームであり、（26）は植付爪である。

さて以上のようない草移植機の植付部には、第１図の
ようにチェーンケース（24）に基端を軸支したクランク
アーム（27）と従動アーム（28）とで上下回動自在に支
持した植付アーム（25）がある。この植付アーム（25）
のアームケース（25a）には固定爪（29）があり、アー
ムケース（25a）内に往復動自在に装置したプッシュロ
ッド（30）の先端に可動爪（31）がある。プッシュロッ
ド（30）がクランクアーム（27）のカムと第３図に示す
押動レバー（32）との関連によって往復動する。

以上のような植付アーム（25）において本案では、第
２図に示すように植付アーム（25）のアームケース（25
a）の、チェーンケース（24）側（第２図において左
側）の外面下方に、チェーンケース（24）側と反対の機
体外方（第２図において右側）に向って傾斜したい草苗
誘導部（33）を延設した構成を有している。

以上のように植付アーム（25）のアームケース（25
a）の下面に機体の外方に向うい草苗誘導部（33）を延
設することにより、植付時にい草苗誘導部（33）の面が
苗（Ａ）のガイドになって植付が行われ、この誘導面で
長いい草の苗（Ａ）は支えられるから、内側すなわち機
体側に倒れることはない。

（考案の効果） 本案のものによれば、植付アームのアームケースのチ
ェーンケース側の外面下方に、チェーンケース側と反対
側の機体外方に向かって傾斜したい草苗誘導部を延設し
たので、苗植付時に植付アームの運動軌跡と同じような
軌跡を描いて運動し、苗植付後はこの誘導部の外面で苗
（Ａ）を外方に寄せながら上昇するので、植付後の苗
（Ａ）を植付アーム側に巻き込んで傷めるようなことは
ないし、長いい草苗（Ａ）の植付において簡単な構造で
確実な苗ガイドとなり、また植付アームの強度もアップ
するという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案植付アームを示す正面図、 第２図は同上Ａ−Ａ断面図、 第３図は植付爪部分図、 第４図（イ）〜（へ）はい草移植機の作動原理図、 第５図乃至第８図は以上の動作を行うフォークシャッタ
ーの動作説明図である。 第９図は、い草苗誘導部と植付けられたい草との関係を
示す図面である。 （24）……チェーンケース （25）……植付アーム （25a）……アームケース （26）……植付爪 （33）……い草苗誘導面 （Ａ）……い草苗

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】苗植付用の固定爪と可動爪とを前後に対設
   すると共に、苗植付時において固定爪により切断挟持し
   た苗ブロックを、可動爪の押動により土中に強制的に植
   付けるように構成したものにおいて、植付アームのアー
   ムケースのチェーンケース側の外面下方に、チェーンケ
   ース側と反対側の機体外方に向かって傾斜したい草苗誘
   導部を延設したことを特徴とするい草移植機における植
   付アーム。