JP2509951Y2 - い草移植機におけるフォ―クシャッタ―装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本案はい草移植機におけるフォークシャッター装置に
関するものである。

（従来の技術） 植付体の動作と連動して苗載台の上方から苗載台上に
載置された苗を突差して苗載台に押付けるようにして苗
取出し口側に移動させる上部苗送り爪いわゆるフォーク
シャッターを設けたい草移植機は実公昭63-14578号公報
で知られている。

（考案が解決しようとする課題） 以上のような従来のい草移植機によると、フォークシ
ャッターすなわち、上部苗送り爪は揺動軸を中心に前後
に往復動するが、上部苗送り爪の移動軌跡は大きい円弧
を描いて移動し、その移動軌跡の中心である揺動軸が低
い位置にあって、苗載台と同時に左右に移動するもので
あるため、植付済み苗に揺動軸が干渉したり、畦等に当
って破損するという欠点がある。

したがって、本案は植付済み苗に干渉しない、い草移
植機におけるフォークシャッター装置をうることを目的
とするものである。

（課題を解決するための手段） 本案は以上のような目的を達成するため、次のような
い草移植機のフォークシャッター装置を提供するもので
ある。

すなわち、苗載台の上方から苗載台上に載置された苗を
突差して苗取出は口側に移動させるフォークシャッター
を具えたい草移植機において、シリンダーでスナップ動
作を行なうフォークシャッター軸とこれを枢支し、かつ
シリンダーで往復する揺動部材のガイド軸とをカムプレ
ート２本の平行でないスリット溝内に、スライド自在に
嵌装し、各軸のスリット溝中の移動による合成運動でフ
ォークシャッターのリフト動作を行なわしめることを特
徴とするい草移植機におけるフォークシャッター装置で
ある。

（作用） シリンダーでスナップ動作を行なうフォークシャッタ
ー軸と、これが枢支されシリンダーで往復動する揺動部
材のガイド軸とが、カムプレートの２本の平行でないス
リット溝中をスライドすることにより、その合成運動で
フォークシャッターのリフト動作が行なわれる。

（実施例） 以下図面に示す実施例について説明する。

先ずい草移植機の作動原理は次のようである。すなわ
ち、第２図において（１）はフォークシャッターであ
り、（２）は苗載台であってこのフォークシャッター
（１）は苗載台（２）と共に苗載台の横移動のストロー
クエンドすなわち苗取り最終工程まで一体的に移動する
ものであり、苗載台の横移動のストロークエンドに達す
ると、次のように動作を行なうもので、この動作の終了
で再び苗載台を前と逆方向の横移動を行なわしめて植付
爪で次回の苗取り作業が順次行なわれるものである。

第２図（イ）の状態は、苗載台（２）がフォークシャ
ッター（１）と共に横移動のストロークエンドに達した
ところを示すもので、フォークシャッター（１）が苗取
り口に対向していて、苗取りの終わったところを示して
いる。

次に第２図（ロ）のようにフォークシャッター（１）が
苗載台（２）から引き上げられ、苗からフォークシャッ
ター（１）が引き抜かれる。この場合苗押え板（３）で
後続の苗を押えており、フォークシャッター（１）が苗
を持ち上げない方向に向かって引き上げられる。

以上はいわゆるリフト動作の上昇動作である。

次に第２図（ハ）のように、フォークシャッター
（１）が苗と接触しない上方位置で苗を苗取り口に向か
って引き寄せる方向と、逆な方向に戻すいわゆるスナッ
プ動作を戻す動作がおこなわれる。

次に第２図（ニ）のように、苗の中へフォークシャッ
ター（１）を差し込むいわゆるリフトの下降動作が行な
われる。

次に第２図（ホ）のように、苗を苗取り口に向かって
引き寄せるいわゆるスナップ動作が行なわれる。

第２図（ヘ）は以上の軌跡を示す。

したがって、苗取り列に向かって苗を送り苗を確実に保
持して植付爪による苗取り作業がフォークシャッターの
爪の間で行なわれる。

以上のようなフォークシャッターの動作により苗取り
列にい草苗を確実に送り保持するため、欠株や植付本数
のバラツキが大巾に減少する。以上のような動作を行な
う装置について次に説明する。

以上のような動作を行なう装置を第３図乃至第６図を
もとにして説明すると、 フォークシャッター（１）は軸（13）に取付けられてお
り、フォークシャッター（１）のスナップ動作は三角形
板（７）すなわち、揺動板に枢支（６）された第２シリ
ンダー（５）のピストンロッド（10）が軸（13）に固定
されたリンク（12）に枢支（11）されていることにより
される。

軸（13）はカムプレート（19）のスリット溝（20）中を
スライドする。

フォークシャッター（１）のリフト動作を行なわしめる
機枠に枢支（32）された第１シリンダー（４）は、その
ピストンロッド（９）が揺動板（７）に枢支（８）され
ており、揺動板（７）のガイド軸（22）がカムプレート
（19）のスリット溝（21）中をスライドする。

縦送り軸（18）のリンク（17）は、ロッド（14）に枢支
（16）され、ロッド（14）の先端は揺動板（７）に枢支
（５）されている。

そこで、各図の作動について説明すると、第３図はフォ
ークシャッター（１）のリフト上げ動作と、苗の縦送り
動作を示すもので、第１シリンダー（４）が作動して、
そのピストンロッド（９）が揺動板（７）を押すので、
ガイド軸（22）がスリット溝（21）中をスライドするこ
とと、フォークシャッター軸（13）がスリット溝（20）
中をスライドすることにより、フォークシャッター
（１）はリフト上げされる。

そして、揺動板（７）が押されることによりロッド（1
4）はリンク（17）を牽引し、縦送り軸（18）を図上で
時計方向に作動せしめ苗の縦送りが行なわれる。

第４図はフォークシャッターのスナップ上げ動作を示
すもので、第２シリンダー（５）が作動してそのピスト
ンロッド（10）でリンク（12）を時計方向に回動せしめ
て、軸（13）を回動せしめ、軸（13）に取付けられたフ
ォークシャッター（１）を時計方向に回動せしめてスナ
ップ上げ動作が行なわれる。

第５図はフォークシャッターのリフト下げと縦送り空
戻り動作を示すもので、第１シリンダー（４）が作動し
てピストンロッド（９）を矢印方向に牽引するので、揺
動板（７）のガイド軸（22）は、スリット溝（21）を、
又軸（13）はスリット溝（20）中をスライドし、２つの
スリット溝の合成方向に揺動板（７）は傾倒し、軸（1
3）の位置が下がるのでフォークシャッター（１）のリ
フト下げが行なわれる。

一方、揺動板（７）に枢支（15）されたロッド（14）は
左方に押され、リンク（17）は反時計方向に回るが、ワ
ンウェイクラッチによって縦送りは空戻りすることとな
る。

第６図はフォークシャッターのスナップ下げ後の通常
作業状態を示すもので、第２シリンダー（５）が作動し
てピストンロッド（10）でリンク（12）を反時計方向に
回動せしめて軸（13）を反時計方向に回動せしめ、フォ
ークシャッターのスナップ下げが行なわれるものであ
る。

何れにしても以上のような動作が苗載台の横移動のス
トロークエンドに達すると行なうもので、その際苗縦送
りは第３図のとき行なわれ、第５図のとき縦送り空戻り
が行なわれるものである。

そして、フォークシャッター（１）の櫛状フォーク爪
は以上のような動作を行なうため、２つのシリンダー
（４）（５）を用い、カムプレート（19）の２つのスリ
ット溝（20）（21）により第１シリンダー（４）て２つ
の方向の合成運動を行なって、フォークシャッター
（１）のリフト動作を行なわしめ、更に第２シリンダー
（５）によりスナップ動作を行なわしめるものである。

又、苗載台（２）の縦送りベルト（23）は以上のよう
なリフト動作を利用して縦送りするようになっている
が、第１図において（24）はチェーンケースであり、
（25）は植付アームであり（26）は植付爪である。

植付アームはチェーンケース（24）に基端を軸支した
クランクアーム（27）と縦動アーム（28）とで上下回動
自在に支持されており、植付アーム（25）の植付ケース
内に往復動自在に装置したプッシュロッド（30）の先端
に可動爪（31）があって、固定爪（29）に対向してい
る。

以上のような装置で苗からフォークシャッターを引抜
く動作と、苗に向って差し込む動作のいわゆるリフト動
作と、フォークシャッターを苗載台の苗取り口に向って
苗を引き寄せる方向の動作のいわゆるスナップ動作と、
フォークシャッターの上昇位置で、そのスナップ動作の
戻り動作とを苗取最終工程と、次回苗取工程との間で行
なわしめるものである。

しかして以上のような動作は、カムプレートの平行で
ないスリット溝（20）（21）中をフォークシャッター軸
（13）と揺動板（７）のガイド軸（22）とがスライドす
ることによってなされ、第１シリンダー（４）によって
リフト動作を第２シリンダー（５）でスナップ動作を行
なわしめるものであるから、リンク機構が必要でなく、
しかも以上のような装置は苗載台上の高い位置に装置さ
れるため、畦に対する衝突での破損を防止でき、植付済
み苗に干渉することはない。しかもスリット溝（20）
（21）の終端は、開口しているので、フォークシャッタ
ーの着脱が容易である。

従来のフォークシャッターの爪の軸に対する取付位置の
形状は、Ｌ形又はＵ形となってスペーサーに係合し、こ
れを上下から押板と受板とで固定する。又は各爪の基部
をフォークシャッターの取付板にカシメによって取付け
る。

又は受板を凹凸板で形成して、この凹部に爪基端を嵌合
し、その上から押板をスポット溶接で取付ける形式等が
ある。

第１、２の形式は部品が多くて製作が難しく、第３の
形式はピッチが小さいため、溶接が困難であり交換が仕
組ごとになる。

そこで第７、８図に示すように、フォークと溝付ガイド
板及びフォーク取付板で構成することにより、部分点数
を少なくし、かつフォークの寸法精度がよく組立てら
れ、着脱容易なものがえられる。

すなわち、（33）はフォークシャッター軸（13）に溶接
されたベース板で背面に起立部（33a）が形成しれ、ベ
ース板（33）に溝付ガイド板（34）が取付けられる。

この溝付ガイド板（34）の前面と後面に起立部（34b）
（34a）が形成され、この起立部間に溝が形成されて、
この溝にフォークの基部が嵌合する。

溝付ガイド板（34）の後面起立部（34a）とベース板（3
3）の起立部（33a）との間に、フォーク基部の輪状起立
部（1a）が嵌合する。

（35）はＬ字形のフォーク取付板で、この前面起立部
（35a）が溝付ガイド板（34）の起立部（34b）に係合す
る。

フォーク取付板（35）の上からボルト（36）がベース板
（33）に向って取付けられる。

以上のものによると、フォーク取付板（35）を取外ず
すと溝付ガイド板（34）に取付けられたフォークが一体
となってベース板（33）から取外ずされる。

以上のものによると、簡単な構造でフォークのピッチ
が精度よく組立られ着脱が容易である。

（考案の効果） 本案のものによれば、２本の平行でないカムプレート
のスリット溝に、シリンダーでスナップ動作を行なうシ
ャッター軸と、これを枢支し、かつシリンダーで往復す
る揺動部材のガイド軸が、スライドすることにより、フ
ォークシャッターのリフト動作を行なわしめる必要な軌
跡がリンク機構を用いないで容易にえられるのみなら
ず、これ等は苗載台の高い位置に取付けられるため、畦
等に当って破損するということがないし、スリット溝の
端部は開口しているので、フォークシャッターが容易に
取外ずせ、フォークシャッターの爪の交換が容易に行な
われる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本案装置を示す正面図 第２図（イ）〜（ヘ）はい草移植機の作動原理図 第３図乃至第６図はフォークシャッターの動作説明図 第７図はフォークシャッター取付部の平面図 第８図は同上断面図である。 （４）……第１シリンダー （５）……第２シリンダー （７）……揺動板 （13）……フォークシャッター軸 （19）……カムプレート （20）（21）……スリット溝 （22）……揺動板のガイド軸

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】苗載台の上方から苗載台上に載置された苗
   を突差して苗取出口側に移動させるフォークシャツター
   を具えたい草移植機において、シリンダーでスナップ動
   作を行なうフォークシャッター軸と、これを枢支し、か
   つシリンダーで往復する揺動部材のガイド軸とをカムプ
   レートの２本の平行でないスリット溝中にスライド自在
   に嵌装し、各軸のスリット溝中の移動による合成運動
   で、フォークシャッターのリフト動作を行なわしめるこ
   とを特徴とするい草移植機におけるフォークシャッター
   装置。