JP2526817Y2 - シールド工法用スクリューコンベア - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、シールド工法に使用す
る掘削装置のスクリューコンベアに関し、特にスクリュ
ーコンベア内での砂礫の詰まり（以下、ジャーミング）
を早期に解決するための手段を有するシールド工法用ス
クリューコンベアに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、シールド工法用の掘削装置のうち
泥土圧シールド工法用のものは、掘削した土砂を隔壁と
切羽の間に充填させ、シールドの推進力とスクリューコ
ンベアのしぼり効果により加圧し、切羽の安定を図りな
がら推進量に見合う土砂をスクリューコンベア等で排土
するものである。ところが、砂や砂礫等の砂質土地盤の
場合は、土の摩擦抵抗が大きく、スクリューコンベアの
スクリューとケーシング本体との間に砂礫が詰まり、ジ
ャーミングを起こしてスクリューが回転不能になること
が度々経験される。

【０００３】そこで、かかる事態を回避するためには、
スクリューのトルクを増大させるか、または加泥機によ
り掘削土砂に泥水等の添加材を注入し、掘削土を均質な
泥土状土砂として、これに流動性をもたせながら施工す
る泥土圧シールド工法などの手段が採られていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の方法によっても、さらにジャーミングの予防ができ
ず、スクリューが回転不能となった場合には、このトラ
ブルの解決は容易ではなく、工事の効率を低下させる問
題があった。

【０００５】本考案はこのような事態に鑑みてされたも
のであり、スクリューが回転不能の状態となったとき
に、早期にスクリューを原状に回復させることができる
装置を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案は前記課題を解決
するために以下の様な構成としている。即ち、前面にカ
ッターヘッドを備え、このカッターヘッドに取り付けた
カッターにより掘削した土砂を、隔壁と切羽の間のカッ
ターチャンバーに取り込み、このカッターチャンバー内
の土砂を排土する掘削装置の前記土砂の排土のために使
用され、駆動体に連結されて回転し先端を前記カッター
チャンバー内に臨ませたスクリューと、このスクリュー
の周囲に設けたケーシング本体とからなるシールド工法
用スクリューコンベアにおいて、前記ケーシング本体に
は、前記スクリューをケーシング本体内において軸方向
に前後動させるジャッキを取り付けると共に、ケーシン
グ本体を揺動させる手段を備えるものである。

【０００７】前記ケーシング本体を揺動させる手段とし
ては、例えばシールド内にジャッキを設置してこれをケ
ーシング本体と接続し、ケーシング本体を上下方向、ま
たは周方向に若干の動きを許容するように支持し、この
ジャッキの作動によりケーシング本体を上下方向、ある
いは周方向において往復動するように揺動させる構造と
することができる。前記ジャッキは一または二以上、シ
ールド内の任意の位置に設置する。

【０００８】またケーシング本体の外周に外側ケーシン
グを形成してケーシングを二重構造とし、内側のケーシ
ング本体を回動自在に支持し、外側ケーシングに駆動モ
ータを取り付け、歯車機構等の伝達機構を介して内側の
ケーシング本体を回動させ、ケーシング本体が周方向に
往復動して揺動する構成とすることが可能である。

【０００９】さらに、ケーシング本体を揺動させる手段
としては上記の他、回転板の中心回転軸から偏心した位
置に連結した偏心棒によりケーシング本体を支持して回
転板を回転させる偏心機構を用いる等、種々の構成とす
ることが可能である。

【００１０】またこのシールド工法用の装置は、泥土加
圧シールド、泥しょう式シールド、加泥式シールド工法
等の装置とすることができる。

【００１１】さらにまた上記のケーシング本体の揺動と
スクリューの前後動に加え、ケーシング本体に注水パイ
プを配設し、外部の注水ポンプからケーシング本体内の
スクリュー部分に直接注水する構成として、スクリュー
の回転を確保し、ジャーミングを解除するような構成と
することも可能である。

【００１２】

【作用】ジャーミングが生じた場合は、先ずジャッキを
作動させてスクリューを前後に繰り返し移動させ、不十
分であれば、次にジャッキ等を作動させて、ケーシング
本体を揺動させる。この動作はジャーミングが解除され
るまで繰り返して実施し、ジャーミングが解除したらス
クリューを回転させる。また上記のスクリューの前後動
とケーシング本体の揺動の動作は、同時に行うこともで
きる。

【００１３】

【実施例】以下、本考案の実施例を添付図面に基づいて
説明する。

【００１４】図１は、本考案のシールド工法用スクリュ
ーコンベアを搭載した泥土加圧シールド掘削装置を示す
図である。この装置の先端には、カッター２を取り付け
たカッターヘッド１が設けられている。カッターヘッド
１は、カッタ−用モータ８により回転して土盤を掘削す
るが、カッターチャンバー１２内に充満した土砂はスク
リューコンベア１０により後方に送られ、さらにスクリ
ューコンベア１０の後端の下方に設置したベルトコンベ
ア１４により排出される。このスクリューコンベア１０
は、螺旋状のスクリュー３と、その外周に設けた円筒状
のケーシング本体４を備え、前記スクリュー３は、ケー
シング本体４の後部の側方に取り付けたスクリュー用モ
ータ５の駆動により回転するものである。

【００１５】本考案では、前記ケーシング本体４の後端
にスクリュー用ジャッキ６が設けられ、この作動により
ケーシング本体４内のスクリュー３は、その軸方向に前
後動する。またケーシング本体４は、支持点を中心に上
下方向に多少の揺動を許容するので、シールド１３とケ
ーシング本体４の周面との間に設置したケーシング用ジ
ャッキ９の作動により、上下方向に振動するような往復
運動をする。また、図中、７はゲートジャッキ、１１は
エレクタ、１５はシールドジャッキである。

【００１６】この装置は、ジャーミングが発生した場
合、スクリュー用モータ５を停止状態とし、スクリュー
用ジャッキ６を作動させてスクリュー３を前後に繰り返
し移動させ、またケーシング用ジャッキ９を作動させ
て、ケーシング本体４を揺動させることができる。この
動作によりケーシング本体４内に空隙が生じてジャーミ
ングが解除された後は、再びスクリュー３を回転させて
排土を行う。

【００１７】次に、本考案の他の実施例としては、図２
に示すような構造とすることができる。

【００１８】これはケーシング本体４の外周に外側ケー
シング１６を形成してケーシングを二重構造とし、内側
ケーシング本体４を内部において回動自在に支持してい
る。またケーシング本体４の外周面には歯車１９が形成
されている。さらに前記外側ケーシング１６には駆動モ
ータ１７を取り付け、この駆動モータ１７の回転軸２０
及び前記歯車１９と噛合する歯車機構１８を介して、内
側ケーシング本体４が回動する。したがって、駆動モー
タ１７を、交互に左回転及び右回転させることによりケ
ーシング本体４が往復回動して揺動する。

【００１９】ジャーミングが発生した場合は、前記実施
例と同様に、スクリュー用ジャッキ６を作動させてスク
リュー３を前後に繰り返し移動させると共に、ケーシン
グ本体４を揺動させる。

【００２０】

【効果】以上説明したように本考案は、スクリューを前
後させるジャッキ及びケーシング本体の揺動手段を有す
るので、スクリューを前後させ、またはケーシング本体
を揺動させてジャーミングを解除することができる効果
がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のシールド工法用スクリューコンベアを
搭載した泥土加圧シールド掘削装置を示す図である。

【図２】本考案の他の実施例の揺動機構の概略を示す図
である。

【符号の説明】

１ カッターヘッド ２ カッター ３ スクリュー ４ ケーシング本体 ５ スクリュー用モータ ６ スクリュー用ジャッキ ９ ケーシング用ジャッキ １０ スクリューコンベア １６ 外側ケーシング １７ 駆動モータ １９ 歯車

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】前面にカッターヘッドを備え、このカッタ
   ーヘッドに取り付けたカッターにより掘削した土砂を、
   隔壁と切羽の間のカッターチャンバーに取り込み、この
   カッターチャンバー内の土砂を排土する掘削装置の前記
   土砂の排土のために使用され、駆動体に連結されて回転
   し先端を前記カッターチャンバー内に臨ませたスクリュ
   ーと、このスクリューの周囲に設けたケーシング本体と
   からなるシールド工法用スクリューコンベアにおいて、
   前記ケーシング本体には、前記スクリューをケーシング
   本体内において軸方向に前後動させるジャッキを取り付
   けると共に、ケーシング本体を揺動させる手段を備える
   ことを特徴とするシールド工法用スクリューコンベア。