JP2526807Y2

JP2526807Y2 - 液体噴出器

Info

Publication number: JP2526807Y2
Application number: JP10543090U
Authority: JP
Inventors: 博水島; 忠雄斉藤
Original assignee: Yoshino Kogyosho Co Ltd
Current assignee: Yoshino Kogyosho Co Ltd
Priority date: 1990-10-05
Filing date: 1990-10-05
Publication date: 1997-02-26
Anticipated expiration: 2005-10-05
Also published as: JPH0462680U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は液状化粧品、その他の液体を、液体のまま
で、或いは霧として噴出するよう設けた液体噴出器に係
る。

〔従来の技術〕

液体を連続的に噴霧する噴霧器として、フロンガスを
使用したエアーゾル式の液体噴出器が多用されている。
これは、容器本体内をガスで加圧しておき、容器頭部内
に固着させたエアゾールバルブから付勢状態に起立する
短管上端のヘッドを押下げすると、エアゾールバルブが
開いて容器本体内の液体がそのバルブ内および短管を通
ってヘッドの噴出孔から噴出するよう設けた構造であ
る。

しかし、エアゾール式液体噴出器は、ヘッドを介して
エアゾールバルブの短管を押下げるだけでそのバルブが
開いて高圧液体が噴出するから、極めて便利であるが、
その加圧用ガスとしてのフロンガスが大気中に放出され
ると、超高度に上昇して、オゾン層を破壊するため、こ
のようなフロンガスを使用しないで連続噴出できる手動
式液体噴出器の開発が望まれている。

ところで、一般に液体噴出器といえば、例えば実開昭
63-185475号公報が示すような蓄圧式の噴霧器が多用さ
れている。この蓄圧式噴霧器は、容器本体内に垂設した
吸込み弁付きの小径シリンダ内から、下端に小径筒状ピ
ストンを付設した管状部材を上方付勢させて起立し、こ
の部材上端に付設した大径筒状ピストンを押下げヘッド
下面から垂設した大径シリンダ内へ嵌合させ、かつその
部材上端から起立する弁体と大径シリンダ頂壁に穿設し
た弁孔とで吐出弁を形成させ、前記押下げヘッドを容器
本体に対して押下げすると、大径シリンダ内の高圧化に
より前記管状部材が付勢に抗し下降して吐出弁が開き、
その押下げヘッド側面に開口する噴霧器から噴霧し、又
前記高圧化解消により押下げヘッドを離すと前記付勢に
より吐出弁を閉じたままで管状部材および押下げヘッド
が上昇してこのとき吸込み弁が開き、両シリンダおよび
管状部材内へ容器本体内液体が吸込まれるように設けた
ものである。

〔考案が解決しようとする課題〕

このような従来の蓄圧式噴霧器は、その噴霧時間が比
較的短かく、押下げヘッドを多数回操作しなければなら
ず、頗る面倒で、前記フロンガスを用いた噴霧器に代替
できるものではない。

本考案はこのような背景の下になされたもので、噴霧
時間が長く出来るようにすることを課題とする。

このような課題を解決するため、本出願人は下記比較
例の噴出器を出願したが、特に、これまで使用したエア
ゾール式バルブは、バルブを別体として製造し、これを
噴霧器に組み込む設計であるため、設計の自由度が制約
され、また、部品数が多くなり、コスト高となるなどの
問題がある。本件はこのような問題を解決し、さらに発
展させたものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、口頚部を有する容器本体と、この口頚部か
ら容器本体内に垂設されたシリンダと、このシリンダの
下部に設けられた吸込弁と、シリンダ下端から垂設され
た吸上げパイプと、容器本体の上部に上下動可能に装着
された作動部材と、この作動部材の下部に設けられ容器
本体の周囲に上下摺動可能に嵌合する握持筒と、内部が
流通路に形成され前記作動部材から垂設されるとともに
前記シリンダ内に挿入される筒状のステムと、このステ
ムの下端に設けられて作動部材の上下動に伴いシリンダ
内を摺動し上方に移動する際にシリンダ内を負圧化して
容器本体内の液体をシリンダ内に吸引し下方に移動する
際にシリンダ内の液体を加圧する筒状ピストンと、シリ
ンダ内に設けられ、前記筒状ピストン及びステムを下方
に付勢する第１のスプリングと、作動部材の上部に上下
動可能に設けられ噴出ノズルを備えた押下げ噴出ヘッド
と、作動部材内に設けられ前記押下げ噴出ヘッドを押下
げたときにステム内の流通路と押下げ噴出ヘッドの噴出
ノズルとを連通させる吐出弁とを備え、この吐出弁が、前記噴出ヘッドを押し下げてステムと
筒状ピストンとを押し下げる際に開くエアゾール式バル
ブであり、前記ステムの上部を弁本体としており、その弁本体としてのステム上部の上面を閉塞し上下に
貫通する第１透孔を有する弾性体と、前記弾性体の上方に配され上下に貫通する第２透孔を
有しかつ弾性体を弁本体としてのステム上部とともに包
んで一体的に連結する外被と、有底筒状をなし、前記弾性体の第１透孔と前記外被の
第２透孔に貫通し、下部が弁本体としてのステム上部に
挿入されていて、中間部に前記弾性体が着座離反可能な
弁座を環状に有し、この弁座より若干上方に、弾性体が
弁座から離間したときにステム内の流通路と押下げ噴出
ヘッドの噴出ノズルとを連通する弁孔が設けられた弁管
と、この弁管を上方へ付勢して弾性体を前記弁座に着座さ
せる第２のスプリングとを備えたことを特徴とする液体
噴出器である。

そして、外被として、アルミニウム等の金属板で形成
することもできるが、合成樹脂製で、前記弁本体の上部
に外嵌するものがより好適である。

〔作用〕本考案の噴出器は、容器本体内に液体を収容して使用
するが、その際、まず、作動部材を第１のスプリングに
抗して引き上げる。これにより、筒状ピストンが上昇し
て、シリンダ内が負圧化し、容器本体内の液体が吸上げ
パイプ及び吸込弁を介して吸入される。ここで、引き上
げた作動部材を放すと、第１のスプリングの弾性力が作
用して筒状ピストンが下降しようとし、その弾性力によ
りシリンダ内の液体が加圧される。そこで、作動部材を
持って押下げ噴出ヘッドを押下げると、吐出弁が開弁し
て、シリンダ内の加圧液体がステムからこの押下げ噴出
ヘッドに流入し、この押下げ噴出ヘッドの噴出ノズルか
ら噴出する。そして、その噴出量に応じて、容器本体が
第１のスプリングの付勢力で上昇して、最終的には元態
勢に戻る。

そして、吐出弁がステム内にエアゾール式バルブを一
体化したので、構造が簡単になり、また、設計の自由度
も大きくなった。

本考案は、化粧液の噴霧器、シャンプー液の噴出器、
殺虫剤の噴霧器、液体洗剤の噴霧器など、各種液体の噴
霧、噴出用として使用することができる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。

〔比較例〕

まず、本考案の実施例を説明する前に、本考案開発の
前提となった液体噴出装置の説明をする。この装置は実
開平1-55474号として本出願人が平成元年５月15日付で
出願したもので、本件出願時に未公開のものである。

これは、第３図〜第４図に示したように、広口で長い
びんを形成する容器本体１の口頸部11に装着筒12を螺合
し、この装着筒12にシリンダ２の上端を嵌合固定して、
このシリンダ２を口頸部11から容器本体１内へ垂下させ
ている。

シリンダ２には、下部内側に玉弁による吸込弁３を設
け、下端から吸上げパイプ４を垂設し、かつ、上部外側
に容器本体１内へと外気を導入し負圧化を防ぐ吸気孔13
を設けている。そして、図示ないが、この吸気孔13を液
の流出防止用の弾性筒状部で覆うようにしてもよい。

また、容器本体１の上部乃至装着筒12の外側に、筒状
の作動部材５を上下方向に摺動自在に装着し、この作動
部材５における装着筒12上に位置する上部中央に、ステ
ム６の上端を嵌着係合させて、このステム６を前記シリ
ンダ２内へ深く挿入させるとともに、このステム６の下
端に、シリンダ２内を摺動する筒状ピストン７を設け、
かつ、シリンダ２内にスプリング８を内装して、筒状ピ
ストン７及びステム６を下方へ付勢している。さらに作
動部材５の周囲から容器本体１の上半身を包むようにし
て容器本体１に上下摺動可能に外嵌する握持筒25が垂下
して設けられている。

図中、16は、作動部材５の上部外周に周設した指掛け
凹部16である。

更に、作動部材５の上端に、押下げ噴出ヘッド９を押
下げ摺動可能に装着し、かつ、作動部材５の上部内側
に、押下げ噴出ヘッド９と機械的に連係させてその押し
下げに伴いこれを前記ステム６へと開通させる吐出弁10
を設け、そのステム６の上端部内側に、吐出弁10を閉弁
態勢に押し上げると同時に押下げ噴出ヘッド９を上方へ
と付勢するスプリング14を内装している。図中、15は、
押下げ噴出ヘッド９の前面に設けた噴出ノズルである。
噴出ノズル15は液体を霧状に噴出するタイプのノズルで
ある。

そして、吐出弁10として、独立したエアゾール式バル
ブがステム６の上部に組み込まれている。そして、シリ
ンダ２の上部を口頸部11に固定する装着筒12を貫通し
て、下端がシリンダ２内に挿入されたステム６の上部に
エアゾール用バルブ10が設けられている。

このエアゾール用バルブを第４図に示すと、外向きフ
ランジ22付きの弁本体23とその上面を閉塞する第１透孔
付き弾性体19とを第２透孔付き金属外被20で包んで一体
的に連結すると共に、中間に環状凹部を有し、かつこの
環状凹部内に弁孔18を穿設した下端面閉塞の弁管17を有
し、この弁管17を前記外被20の第２透孔と弾性体19の第
１透孔内へ挿入させ、環状凹部に弾性体19を嵌合させ、
この弾性体19の第１透孔内壁面により前記弁孔18を閉塞
し、その弁管17をスプリング14で上方へ付勢したもの
で、弁孔18と弾性体19とが弁を形成する。その弁管17上
端に噴出孔15付きの押下げヘッド９を嵌着し、付勢に抗
して押下げヘッド９を押下げると、弁管17の下降により
弾性体19の透孔周縁部が下方へ撓むことで弁孔18が開
き、押下げを中止し弁管17が上昇すると弾性体19も図示
の位置へ弾性復帰して前記弁孔18を閉塞するよう設けた
ものである。

〔実施例〕

次に、本考案の実施例を前記比較例と比較しつつ説明
する。

第１図、第５図に示したように、この実施例ではステ
ム６と握持筒25とが連結体30を介して一体に成形され、
部品数が少なくなっている。そして、エアゾール式バル
ブは、ステム６内に一体化されて内蔵されている。

すなわち、前記弁本体がステム６の上分と一体になっ
ており、その上面を閉塞し上下に貫通する第１透孔21を
有する弾性体19と、この第１透孔21を有する弾性体19と
ステム６を前記弾性体19の上方に当接し上下に貫通する
第２透孔24を有する合成樹脂製外被20で包んで一体的に
連結してある。この合成樹脂製外被20は前記連結体30に
設けた係止孔に先端の爪部を係止させてステム６上に固
定される。

そして、合成樹脂製外被20は、第２透孔24を中央に有
する天板部20aの周囲に側壁部20bを垂設し、側壁部20b
の内側にステム６の上部を嵌合させる。さらに、前記弾
性体19の第１透孔21と前記合成樹脂製外被20の第２透孔
24には弁管17が装着されている。この弁管17は有底筒状
をなし、下部に大径部17aと、この大径部17aより小径を
なして大径部17aの上部に連設する小径部17bから構成さ
れている。弁管17の中間部には、即ち、大径部17aと小
径部17bの境には段差26が設けられ、この段差26は弾性
体19を着座離反可能な弁座26としての役割を果たす。

この弁座26より若干上方の小径部17bの下部には、凹
溝27が環状に設けられ、この環状の凹溝27には弾性体19
が弁座26から離間したときにステム６内の流通路6aと押
下げ噴出ヘッド９の噴出ノズル15とを連通する弁孔18が
設けられている。

弁管17は前記弾性体19の第１透孔21と前記合成樹脂製
外被20の第２透孔24に貫通し、弁管17の下部の大径部17
aが弁本体としてのステム６の上部に挿入されている。
そして、弾性体19を弁孔18が設けられた凹溝27の外壁面
に嵌合させて、弾性体19の第１透孔21の内壁面により前
記弁孔18を閉塞する。さらに、ステム６内の段部に係止
する第２のスプリング14で弁管17を上方へ付勢してあ
る。これにより弁孔18と弾性体19とが吐出弁を形成す
る。

そして、その弁管17の上端に噴出ノズル15を備えた押
下げ噴出ヘッド９を嵌着し、付勢に抗してヘッド９を押
下げると、弁管17の下降により弾性体19の第１透孔21の
周縁部が下方へ撓むことで弁孔18が開き、押下げの中止
により弁管17が上昇すると弾性体19も図示の位置へ弾性
復帰して前記弁孔18を閉塞するよう設けたものである。
この例では比較例のバルブと異なり、金属外被を用い
ず、合成樹脂製外被20を用いたので、金属外被をカシメ
て装着する比較例の場合に比較し、弁本体としてのステ
ム６への合成樹脂製外被20の嵌合がきわめて容易となっ
た。

なお、容器本体１、シリンダ２、装着筒12、は比較例
と同様の構造のものを使用できる。

なお、第２図に示したように、ピストン主部7aを筒部
7bから分離しておくと、シリンダ２の径が異なる場合で
も、筒部7bはそのままにして、ピストン主部7aのみを交
換すればよいので、経済的である。

本実施例によれば、容器本体１に対して作動部材５を
引き上げるか、作動部材５に対して容器本体１を引き下
げるだけで、第１のスプリング８による加圧液体を生じ
させることができ、その後は、この加圧液体により押下
げ噴出ヘッド９を押し下げるだけで噴霧が得られる。

なお、以上説明した装置の各部品は合成樹脂で成形で
きる。また、噴出孔の設計により、液体を霧状に噴霧す
る噴霧器とすることも、液体を直線状に噴出させる噴出
器とすることもできる。

〔考案の効果〕

本考案では、吐出弁がステム内にエアゾール式バルブ
を一体化したので、構造が簡単になり、また、設計の自
由度も大きくなった。

そして、作動部材５に握持筒25を垂設し、この握持筒
25が容器本体１に上下摺動可能に嵌合しているので、シ
リンダ２に対する筒状ピストン７のストロークを大とし
ても、そのシリンダ２に対してその筒状ピストン７を有
するステム６他作動部材５が液体噴出操作時にガタ付く
こともなく、よってその噴霧を円滑に行うことが出来
る。

また、液体噴出時には、作動部材５に対して容器本体
１が上昇する構造であるため、ピストンストロークを大
きくとっても、ストロークが大きすぎて噴霧操作がしに
くいという問題はない。

そして、フロンガスを用いる場合のような公害を生ぜ
ず、また、操作が簡単で、従来のエアポンプ式のような
面倒はなく、実用上頗る有益かつ便利重宝である。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例を示す作動部材を中心とした半裁正面
図、第２図はピストン部分の変形例を示した図である。
第３図は比較例を示した断面図、第４図は比較例の吐出
弁の断面図である。第５図は実施例における弁本体を中
心とした拡大図である。１……容器本体、２……シリンダ、３……吸込弁、４…
…吸上げパイプ、５……作動部材、６……ステム、6a…
…流通路、７……筒状ピストン、８……第１のスプリン
グ、９……噴出ヘッド、10……吐出弁としてのエアゾー
ル式バルブ、11……口頸部、14……第２のスプリング、
15……噴出ノズル、17……弁管、18……弁孔、19……弾
性体、20……外被、21……第１透孔、23……弁本体、24
……第２透孔、25……握持筒、26……弁座。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】口頚部を有する容器本体と、この口頚部か
ら容器本体内に垂設されたシリンダと、このシリンダの
下部に設けられた吸込弁と、シリンダ下端から垂設され
た吸上げパイプと、容器本体の上部に上下動可能に装着
された作動部材と、この作動部材の下部に設けられ容器
本体の周囲に上下摺動可能に嵌合する握持筒と、内部が
流通路に形成され前記作動部材から垂設されるとともに
前記シリンダ内に挿入される筒状のステムと、このステ
ムの下端に設けられて作動部材の上下動に伴いシリンダ
内を摺動し上方に移動する際にシリンダ内を負圧化して
容器本体内の液体をシリンダ内に吸引し下方に移動する
際にシリンダ内の液体を加圧する筒状ピストンと、シリ
ンダ内に設けられ、前記筒状ピストン及びステムを下方
に付勢する第１のスプリングと、作動部材の上部に上下
動可能に設けられ噴出ノズルを備えた押下げ噴出ヘッド
と、作動部材内に設けられ前記押下げ噴出ヘッドを押下
げたときにステム内の流通路と押下げ噴出ヘッドの噴出
ノズルとを連通させる吐出弁とを備え、この吐出弁が、前記噴出ヘッドを押し下げてステムと筒
状ピストンとを押し下げる際に開くエアゾール式バルブ
であり、前記ステムの上部を弁本体としており、その弁本体としてのステム上部の上面を閉塞し上下に貫
通する第１透孔を有する弾性体と、前記弾性体の上方に配され上下に貫通する第２透孔を有
しかつ弾性体を弁本体としてのステム上部とともに包ん
で一体的に連結する外被と、有底筒状をなし、前記弾性体の第１透孔と前記外被の第
２透孔に貫通し、下部が弁本体としてのステム上部に挿
入されていて、中間部に前記弾性体が着座離反可能な弁
座を環状に有し、この弁座より若干上方に、弾性体が弁
座から離間したときにステム内の流通路と押下げ噴出ヘ
ッドの噴出ノズルとを連通する弁孔が設けられた弁管
と、この弁管を上方へ付勢して弾性体を前記弁座に着座させ
る第２のスプリングとを備えたことを特徴とする液体噴
出器。