JP2526757B2 - プレテンション方式ｐｃ部材の型枠及びその型枠を用いた製作方法 - Google Patents
プレテンション方式ｐｃ部材の型枠及びその型枠を用いた製作方法Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の横梁を有し、縦
方向にプレテンションを与えてなるＰＣ（プレストレス
トコンクリート）部材の型枠及びその型枠を用いた製作
方法に関する。
方向にプレテンションを与えてなるＰＣ（プレストレス
トコンクリート）部材の型枠及びその型枠を用いた製作
方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】一般にこの種のプレテンション方式のＰ
Ｃ（プレストレストコンクリート）部材、例えばプレハ
ブＰＣ覆いの主桁や道路保護用シェッドの主桁等に用い
られるＰＣ桁は図７に示すようにフランジ部１とウェブ
部２と横梁部３とから構成され、ＰＣ鋼材４によりプレ
テンションが与えられている。ところで、上記従来のＰ
Ｃ桁をプレストレスト方式によりコンクリート成型する
には、先ず型枠にＰＣ鋼材を配置して緊張力を加え、そ
の後型枠内にコンクリートを打設して硬化後に緊張力を
開放してコンクリートにプレストレストを与え、このよ
うにしてプレストレストを与えた状態で脱型を行ってい
た。このため、緊張力を開放してプレストレストを与え
ることによってコンクリートブロックに圧縮力が働き、
フランジ部１とウェブ部２とがＰＣ鋼材４の方向すなわ
ち縦方向に収縮し、図７のように横梁部３を複数本有す
るものの場合、その圧縮力により縦方向両側の横梁部３
の内側面５が型枠に圧接して脱型が困難となり、あるい
は緊張力を開放した際の収縮により横梁部３の内側面５
箇所に局部的破損を生ずるという問題があった。このた
め横梁部の抜勾配を大きく形成したり、あるいは型枠を
横方向左右２分割したものや、ＰＣ鋼材に緊張力を与え
たままでコンクリート硬化後に脱型を行い、この脱型後
にＰＣ鋼材の緊張力を開放してプレストレストを与える
ものなどが知られている。
Ｃ（プレストレストコンクリート）部材、例えばプレハ
ブＰＣ覆いの主桁や道路保護用シェッドの主桁等に用い
られるＰＣ桁は図７に示すようにフランジ部１とウェブ
部２と横梁部３とから構成され、ＰＣ鋼材４によりプレ
テンションが与えられている。ところで、上記従来のＰ
Ｃ桁をプレストレスト方式によりコンクリート成型する
には、先ず型枠にＰＣ鋼材を配置して緊張力を加え、そ
の後型枠内にコンクリートを打設して硬化後に緊張力を
開放してコンクリートにプレストレストを与え、このよ
うにしてプレストレストを与えた状態で脱型を行ってい
た。このため、緊張力を開放してプレストレストを与え
ることによってコンクリートブロックに圧縮力が働き、
フランジ部１とウェブ部２とがＰＣ鋼材４の方向すなわ
ち縦方向に収縮し、図７のように横梁部３を複数本有す
るものの場合、その圧縮力により縦方向両側の横梁部３
の内側面５が型枠に圧接して脱型が困難となり、あるい
は緊張力を開放した際の収縮により横梁部３の内側面５
箇所に局部的破損を生ずるという問題があった。このた
め横梁部の抜勾配を大きく形成したり、あるいは型枠を
横方向左右２分割したものや、ＰＣ鋼材に緊張力を与え
たままでコンクリート硬化後に脱型を行い、この脱型後
にＰＣ鋼材の緊張力を開放してプレストレストを与える
ものなどが知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の型枠を分割
するものにあっては、型枠の構造が複雑になるととも
に、分割された型枠の組付け、分解作業が必要になるた
め作業工程が増加し製作コストの上昇が避け難く、また
脱型後緊張力を開放してプレストレストを与えるもので
は、型枠を固定してコンクリートブロックを吊り上げる
引上げ脱型方法を用いることが困難であり、実際には型
枠両側にＰＣ鋼材緊張装置を配置するとともにコンクリ
ートブロックを吊り下げて高さ位置を決め、この状態で
型枠を載置したジャッキ等の昇降装置を降下して脱型を
行った後プレストレストを与えるようにしており、この
場合、前記引上げ脱型方法に比べて手間がかかり、コン
クリートブロックおよびＰＣ鋼材緊張装置を一定の高さ
に固定して、これらに対して型枠を引き下げて脱型を行
うものであるため作業が難しく、さらに、この種の一体
型の型枠を用いた場合では、ＰＣ鋼材によるプレストレ
スト以外にもコンクリートの硬化によりコンクリートブ
ロックが縦方向に収縮を生じ、この圧縮力により横梁部
の内側面と型枠とに圧接を生じ、この圧接により脱型が
困難になるという問題があった。
するものにあっては、型枠の構造が複雑になるととも
に、分割された型枠の組付け、分解作業が必要になるた
め作業工程が増加し製作コストの上昇が避け難く、また
脱型後緊張力を開放してプレストレストを与えるもので
は、型枠を固定してコンクリートブロックを吊り上げる
引上げ脱型方法を用いることが困難であり、実際には型
枠両側にＰＣ鋼材緊張装置を配置するとともにコンクリ
ートブロックを吊り下げて高さ位置を決め、この状態で
型枠を載置したジャッキ等の昇降装置を降下して脱型を
行った後プレストレストを与えるようにしており、この
場合、前記引上げ脱型方法に比べて手間がかかり、コン
クリートブロックおよびＰＣ鋼材緊張装置を一定の高さ
に固定して、これらに対して型枠を引き下げて脱型を行
うものであるため作業が難しく、さらに、この種の一体
型の型枠を用いた場合では、ＰＣ鋼材によるプレストレ
スト以外にもコンクリートの硬化によりコンクリートブ
ロックが縦方向に収縮を生じ、この圧縮力により横梁部
の内側面と型枠とに圧接を生じ、この圧接により脱型が
困難になるという問題があった。
【０００４】そこで本発明はＰＣ部材に横梁部を複数本
有し、そのＰＣ部材の縦方向にプレストレストを与える
場合において、横梁部の局部的破損を防止し、脱型作業
性に優れたプレテンション方式ＰＣ部材の型枠及びその
型枠を用いた製作方法を提供することを目的とする。
有し、そのＰＣ部材の縦方向にプレストレストを与える
場合において、横梁部の局部的破損を防止し、脱型作業
性に優れたプレテンション方式ＰＣ部材の型枠及びその
型枠を用いた製作方法を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の横梁を
有し、縦方向にプレテンションを与えてなるＰＣ部材を
製作する型枠において、前記型枠の横梁箇所の縦方向内
側板に別体の抜型枠板と移動型枠板とを内設し、前記抜
型枠板を前記型枠内から抜き出し可能に設けたプレテン
ション方式ＰＣ部材の型枠である。
有し、縦方向にプレテンションを与えてなるＰＣ部材を
製作する型枠において、前記型枠の横梁箇所の縦方向内
側板に別体の抜型枠板と移動型枠板とを内設し、前記抜
型枠板を前記型枠内から抜き出し可能に設けたプレテン
ション方式ＰＣ部材の型枠である。
【０００６】また本発明は、請求項１記載のプレテンシ
ョン方式ＰＣ部材の型枠を用いたプレテンション方式Ｐ
Ｃ部材の製作方法であって、前記型枠に縦方向のＰＣ鋼
材を配置して緊張力を加え、前記型枠内にコンクリート
を打設し硬化した後、前記抜型枠板を前記型枠内より抜
き取り、この後、前記ＰＣ鋼材の緊張力を開放してプレ
テンションを与えた後、脱型するプレテンション方式Ｐ
Ｃ部材の製作方法である。
ョン方式ＰＣ部材の型枠を用いたプレテンション方式Ｐ
Ｃ部材の製作方法であって、前記型枠に縦方向のＰＣ鋼
材を配置して緊張力を加え、前記型枠内にコンクリート
を打設し硬化した後、前記抜型枠板を前記型枠内より抜
き取り、この後、前記ＰＣ鋼材の緊張力を開放してプレ
テンションを与えた後、脱型するプレテンション方式Ｐ
Ｃ部材の製作方法である。
【０００７】
【作用】コンクリート硬化後、抜型枠板を型枠内から抜
き出すことにより、型枠内に抜型枠板分の空間が形成さ
れ、ＰＣ鋼材のプレテンションによるコンクリート部材
の収縮に対応して移動型枠板が前記空間内を移動し、横
梁と型枠と間の応力集中が防止される。
き出すことにより、型枠内に抜型枠板分の空間が形成さ
れ、ＰＣ鋼材のプレテンションによるコンクリート部材
の収縮に対応して移動型枠板が前記空間内を移動し、横
梁と型枠と間の応力集中が防止される。
【０００８】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面を参照して
説明する。本発明の第１実施例を前記図７に示したＰＣ
部材たるＰＣ桁の製作を例にして説明すると図１ないし
図４において、11は鋼製のＰＣ桁用型枠（以下、型枠と
言う）であり、この型枠11は縦方向のフランジ成型型枠
12とウェブ成型型枠13並びに横方向の横梁成型型枠14か
ら構成され、この例では横梁成型型枠14が縦方向中央と
左右の３箇所に設けられている。
説明する。本発明の第１実施例を前記図７に示したＰＣ
部材たるＰＣ桁の製作を例にして説明すると図１ないし
図４において、11は鋼製のＰＣ桁用型枠（以下、型枠と
言う）であり、この型枠11は縦方向のフランジ成型型枠
12とウェブ成型型枠13並びに横方向の横梁成型型枠14か
ら構成され、この例では横梁成型型枠14が縦方向中央と
左右の３箇所に設けられている。
【０００９】前記左右の横梁成型型枠14，14の縦方向中
央側に位置する側板である縦方向内側板（以下、内側板
という）15には、その内面に該内側板15と同形で型枠11
と別体な鉄板等からなる抜型枠板16と移動型枠板17とが
重ねて配設され、これら抜型枠板16と移動型枠板17は数
ミリ、例えば５ミリ程度の厚さを有し、またこの厚さは
後述するコンクリートブロックの収縮により定められ
る。また横梁成型型枠14の横方向側部には前記抜型枠板
16を抜き取り可能な開口部18が設けられている。そし
て、前記抜型枠板16と移動型枠板17とを重ねた状態で移
動型枠板17の内面により横梁成型型枠14の寸法を決めて
いる。また前記抜型枠板16の前記開口部側18端部には取
手19が設けられ、前記内側板15、抜型枠板16、移動型枠
板17間にはグリース等の潤滑剤20が塗布される。21はク
レーン（図示せず）等によりコンクリートブロック22を
吊り上げるためのワイヤーである。
央側に位置する側板である縦方向内側板（以下、内側板
という）15には、その内面に該内側板15と同形で型枠11
と別体な鉄板等からなる抜型枠板16と移動型枠板17とが
重ねて配設され、これら抜型枠板16と移動型枠板17は数
ミリ、例えば５ミリ程度の厚さを有し、またこの厚さは
後述するコンクリートブロックの収縮により定められ
る。また横梁成型型枠14の横方向側部には前記抜型枠板
16を抜き取り可能な開口部18が設けられている。そし
て、前記抜型枠板16と移動型枠板17とを重ねた状態で移
動型枠板17の内面により横梁成型型枠14の寸法を決めて
いる。また前記抜型枠板16の前記開口部側18端部には取
手19が設けられ、前記内側板15、抜型枠板16、移動型枠
板17間にはグリース等の潤滑剤20が塗布される。21はク
レーン（図示せず）等によりコンクリートブロック22を
吊り上げるためのワイヤーである。
【００１０】しかして、プレテンション方式によりＰＣ
桁を成型するには、先ず、図２に示すように型枠11にＰ
Ｃ鋼線等のＰＣ鋼材４を配置して常法手段により緊張力
を加える。その後、型枠11内にコンクリートを打設して
前記ＰＣ鋼材４に緊張力を加えた状態で該コンクリート
が硬化した後、図３に示すように前記抜型枠板16を開口
部18より型枠11内から引き抜く。この後図４に示すよう
にＰＣ鋼材４の緊張力を開放してコンクリートブロック
22にプレストレストを与えＰＣ桁を成型し、ワイヤー21
を介してコンクリートブロック22を吊り上げ脱型する。
このようにして、コンクリートブロック22にプレストレ
ストを与える前に抜型枠板16を型枠11内より引き抜くこ
とにより、抜型枠板16に対応した幅の空間が型枠11内に
形成され、この後ＰＣ鋼材４の緊張力を開放してコンク
リートブロック22にプレストレストを与える。これによ
りコンクリートブロック22がＰＣ鋼材４の長さ方向すな
わち縦方向に収縮すると、この収縮により図４の二点鎖
線に示すように移動型枠板17が内側板15側に移動し、型
枠11の内側板15にコンクリートブロック22が圧接するこ
となく、コンクリートブロック22を容易に脱型すること
ができる。
桁を成型するには、先ず、図２に示すように型枠11にＰ
Ｃ鋼線等のＰＣ鋼材４を配置して常法手段により緊張力
を加える。その後、型枠11内にコンクリートを打設して
前記ＰＣ鋼材４に緊張力を加えた状態で該コンクリート
が硬化した後、図３に示すように前記抜型枠板16を開口
部18より型枠11内から引き抜く。この後図４に示すよう
にＰＣ鋼材４の緊張力を開放してコンクリートブロック
22にプレストレストを与えＰＣ桁を成型し、ワイヤー21
を介してコンクリートブロック22を吊り上げ脱型する。
このようにして、コンクリートブロック22にプレストレ
ストを与える前に抜型枠板16を型枠11内より引き抜くこ
とにより、抜型枠板16に対応した幅の空間が型枠11内に
形成され、この後ＰＣ鋼材４の緊張力を開放してコンク
リートブロック22にプレストレストを与える。これによ
りコンクリートブロック22がＰＣ鋼材４の長さ方向すな
わち縦方向に収縮すると、この収縮により図４の二点鎖
線に示すように移動型枠板17が内側板15側に移動し、型
枠11の内側板15にコンクリートブロック22が圧接するこ
となく、コンクリートブロック22を容易に脱型すること
ができる。
【００１１】このように本実施例においては、複数の横
梁たる横梁部３を有し、縦方向にプレテンションを与え
てなるＰＣ部材たるＰＣ桁を製作する型枠において、型
枠11の横梁成型型枠14箇所の縦方向内側板15に別体の抜
型枠板16と移動型枠板17とを内設し、抜型枠板16を型枠
11内から抜き出し可能に設けたものであるから、コンク
リート硬化後、抜型枠板16を型枠11内から抜き出すこと
により、型枠11内に抜型枠板16分の空間が形成され、Ｐ
Ｃ鋼材４のプレテンションによるコンクリートブロック
22の収縮に対応して移動型枠板16が前記空間内を移動
し、横梁部３の内側面５と横梁成型型枠14の内側板15間
の応力集中が防止され、コンクリート部材の横梁部３の
局部的破損を防止することができるとともに、脱型を容
易に行うことが可能となる。このため、型枠11にもコン
クリートブロックの収縮により局部的な応力の発生が防
止され、型枠11の耐久性も向上し、かつ従来に比べて型
枠強度も比較的小さいもので済み、その構造も簡略化で
きる。さらに、横梁部３の抜勾配も小さくほぼ垂直にす
ることも可能となり経済的で合理的な形状が得られる。
また、実施例上の効果して上部が開口した一体型の型枠
11を用いることにより、コンクリートブロック22を引き
上げて一回で脱型することができ、脱型に伴う作業性の
向上が図れる。
梁たる横梁部３を有し、縦方向にプレテンションを与え
てなるＰＣ部材たるＰＣ桁を製作する型枠において、型
枠11の横梁成型型枠14箇所の縦方向内側板15に別体の抜
型枠板16と移動型枠板17とを内設し、抜型枠板16を型枠
11内から抜き出し可能に設けたものであるから、コンク
リート硬化後、抜型枠板16を型枠11内から抜き出すこと
により、型枠11内に抜型枠板16分の空間が形成され、Ｐ
Ｃ鋼材４のプレテンションによるコンクリートブロック
22の収縮に対応して移動型枠板16が前記空間内を移動
し、横梁部３の内側面５と横梁成型型枠14の内側板15間
の応力集中が防止され、コンクリート部材の横梁部３の
局部的破損を防止することができるとともに、脱型を容
易に行うことが可能となる。このため、型枠11にもコン
クリートブロックの収縮により局部的な応力の発生が防
止され、型枠11の耐久性も向上し、かつ従来に比べて型
枠強度も比較的小さいもので済み、その構造も簡略化で
きる。さらに、横梁部３の抜勾配も小さくほぼ垂直にす
ることも可能となり経済的で合理的な形状が得られる。
また、実施例上の効果して上部が開口した一体型の型枠
11を用いることにより、コンクリートブロック22を引き
上げて一回で脱型することができ、脱型に伴う作業性の
向上が図れる。
【００１２】また、本実施例では、請求項１記載のプレ
テンション方式ＰＣ部材の型枠11を用いたプレテンショ
ン方式ＰＣ部材の製作方法であって、型枠11に縦方向の
ＰＣ鋼材４を配置して緊張力を加え、型枠11内にコンク
リートを打設し硬化した後、前記抜型枠板16を型枠11内
より抜き取り、この後、ＰＣ鋼材４の緊張力を開放して
プレテンションを与えた後、脱型するプレテンション方
式ＰＣ部材の製作方法であるから、抜型枠板16を型枠11
内から抜き出すことにより、型枠11内に抜型枠板16分の
空間が形成され、ＰＣ鋼材４のプレテンションによるコ
ンクリートブロック22の収縮に対応して移動型枠板17が
前記空間内を移動し、コンクリートブロック22と型枠11
との局部的応力集中が防止され、コンクリート部材の局
部的破損を防止することができるとともに、脱型を容易
に行うことが可能となる。また実施例上の効果として、
抜型枠板16にグリース等の潤滑剤20を塗布することによ
り、移動型枠板17と内側板15に挟まれた抜型枠板16を容
易に抜き取ることができる。
テンション方式ＰＣ部材の型枠11を用いたプレテンショ
ン方式ＰＣ部材の製作方法であって、型枠11に縦方向の
ＰＣ鋼材４を配置して緊張力を加え、型枠11内にコンク
リートを打設し硬化した後、前記抜型枠板16を型枠11内
より抜き取り、この後、ＰＣ鋼材４の緊張力を開放して
プレテンションを与えた後、脱型するプレテンション方
式ＰＣ部材の製作方法であるから、抜型枠板16を型枠11
内から抜き出すことにより、型枠11内に抜型枠板16分の
空間が形成され、ＰＣ鋼材４のプレテンションによるコ
ンクリートブロック22の収縮に対応して移動型枠板17が
前記空間内を移動し、コンクリートブロック22と型枠11
との局部的応力集中が防止され、コンクリート部材の局
部的破損を防止することができるとともに、脱型を容易
に行うことが可能となる。また実施例上の効果として、
抜型枠板16にグリース等の潤滑剤20を塗布することによ
り、移動型枠板17と内側板15に挟まれた抜型枠板16を容
易に抜き取ることができる。
【００１３】図５および図６は本発明の第２実施例を示
し、この例ではＰＣ部材として防雪、防風のために道路
に架設するプレハブＰＣシェルターの分割アーチ型ＰＣ
ユニット板31を用いたものを示し、この分割アーチ型Ｐ
Ｃユニット板31によりアーチ型構32が形成され、ＰＣユ
ニット板31の長さ方向すなわち縦方向にＰＣ鋼材33が配
設され、このＰＣ鋼材33によりプレテンション方式によ
りプレテンションを与え、分割アーチ型ユニット板31の
彎曲方向すなわち横方向と縦方向とに横梁部34と縦梁部
34Ａとが交差して形成されている。ＰＣユニット板用型
枠35は上型枠36と下型枠37とからなり、上型枠36には横
梁成型型枠38と縦梁成型型枠39とが設けられ、横梁成型
型枠38，38の縦方向中央側に位置する側板である縦方向
内側板（以下、内側板という）40には、その内面に該内
側板40と同形な略円弧状をなす上型枠36と別体な鉄板等
からなる抜型枠板41と移動型枠板42とが重ねて配設さ
れ、横梁成型型枠38の外周面には前記抜型枠板41を抜き
取り可能な開口部43が設けられ、また前記抜型枠板41の
前記開口部側43端部には取手（図示せず）が設けられ、
前記内側板40、抜型枠板41、移動型枠板42間にはグリー
ス等の潤滑剤（図示せず）が塗布される。
し、この例ではＰＣ部材として防雪、防風のために道路
に架設するプレハブＰＣシェルターの分割アーチ型ＰＣ
ユニット板31を用いたものを示し、この分割アーチ型Ｐ
Ｃユニット板31によりアーチ型構32が形成され、ＰＣユ
ニット板31の長さ方向すなわち縦方向にＰＣ鋼材33が配
設され、このＰＣ鋼材33によりプレテンション方式によ
りプレテンションを与え、分割アーチ型ユニット板31の
彎曲方向すなわち横方向と縦方向とに横梁部34と縦梁部
34Ａとが交差して形成されている。ＰＣユニット板用型
枠35は上型枠36と下型枠37とからなり、上型枠36には横
梁成型型枠38と縦梁成型型枠39とが設けられ、横梁成型
型枠38，38の縦方向中央側に位置する側板である縦方向
内側板（以下、内側板という）40には、その内面に該内
側板40と同形な略円弧状をなす上型枠36と別体な鉄板等
からなる抜型枠板41と移動型枠板42とが重ねて配設さ
れ、横梁成型型枠38の外周面には前記抜型枠板41を抜き
取り可能な開口部43が設けられ、また前記抜型枠板41の
前記開口部側43端部には取手（図示せず）が設けられ、
前記内側板40、抜型枠板41、移動型枠板42間にはグリー
ス等の潤滑剤（図示せず）が塗布される。
【００１４】しかして、プレテンション方式によりＰＣ
ユニット板31を成型するには、先ず、型枠35にＰＣ鋼線
等のＰＣ鋼材33を配置して常法手段により緊張力を加え
る。その後、型枠35内にコンクリートを打設して前記Ｐ
Ｃ鋼材33に緊張力を加えた状態で該コンクリートが硬化
した後、図５の一点鎖線に示すように前記抜型枠板41を
開口部43より型枠35内から引き抜く。この後ＰＣ鋼材33
の緊張力を開放してプレストレストを与えＰＣユニット
板31を成型し、型枠35を上型枠36と下型枠37に分解した
後ＰＣユニット板31を脱型する。このようにして、ＰＣ
ユニット板31にプレストレストを与える前に抜型枠板41
を型枠35内より引き抜くことにより、抜型枠板41に対応
した幅の空間が型枠35内に形成され、この後ＰＣ鋼材33
の緊張力を開放してＰＣユニット板31にプレストレスト
を与え、これによりＰＣユニット板31がＰＣ鋼材33の長
さ方向すなわち縦方向に収縮すると、この収縮により移
動型枠板41が内側板40側に移動し、型枠35の内側板40に
横梁部34が圧接することなく、ＰＣユニット板31を容易
に脱型することができる。
ユニット板31を成型するには、先ず、型枠35にＰＣ鋼線
等のＰＣ鋼材33を配置して常法手段により緊張力を加え
る。その後、型枠35内にコンクリートを打設して前記Ｐ
Ｃ鋼材33に緊張力を加えた状態で該コンクリートが硬化
した後、図５の一点鎖線に示すように前記抜型枠板41を
開口部43より型枠35内から引き抜く。この後ＰＣ鋼材33
の緊張力を開放してプレストレストを与えＰＣユニット
板31を成型し、型枠35を上型枠36と下型枠37に分解した
後ＰＣユニット板31を脱型する。このようにして、ＰＣ
ユニット板31にプレストレストを与える前に抜型枠板41
を型枠35内より引き抜くことにより、抜型枠板41に対応
した幅の空間が型枠35内に形成され、この後ＰＣ鋼材33
の緊張力を開放してＰＣユニット板31にプレストレスト
を与え、これによりＰＣユニット板31がＰＣ鋼材33の長
さ方向すなわち縦方向に収縮すると、この収縮により移
動型枠板41が内側板40側に移動し、型枠35の内側板40に
横梁部34が圧接することなく、ＰＣユニット板31を容易
に脱型することができる。
【００１５】このように本実施例では複数の横梁たる横
梁部34を有し、縦方向にプレテンションを与えてなるＰ
Ｃ部材たるＰＣユニット板31を製作する型枠において、
型枠35の横梁成型型枠38箇所の縦方向内側板40に別体の
抜型枠板41と移動型枠板42とを内設し、抜型枠板41を型
枠35内から抜き出し可能に設けたものであるから、コン
クリート硬化後、抜型枠板41を型枠35内から抜き出すこ
とにより、型枠35に抜型枠板41分の空間が形成され、Ｐ
Ｃ鋼材33のプレテンションによるＰＣユニット板31の収
縮に対応して移動型枠板42が前記空間内を移動し、横梁
部34の内側面と横梁成型型枠38の内側板40間の応力集中
が防止され、ＰＣユニット板31の横梁部34の局部的破損
を防止することができるとともに、脱型を容易に行うこ
とが可能となり、本発明はこのようなアーチ型のコンク
リート部材にも用いることができる。
梁部34を有し、縦方向にプレテンションを与えてなるＰ
Ｃ部材たるＰＣユニット板31を製作する型枠において、
型枠35の横梁成型型枠38箇所の縦方向内側板40に別体の
抜型枠板41と移動型枠板42とを内設し、抜型枠板41を型
枠35内から抜き出し可能に設けたものであるから、コン
クリート硬化後、抜型枠板41を型枠35内から抜き出すこ
とにより、型枠35に抜型枠板41分の空間が形成され、Ｐ
Ｃ鋼材33のプレテンションによるＰＣユニット板31の収
縮に対応して移動型枠板42が前記空間内を移動し、横梁
部34の内側面と横梁成型型枠38の内側板40間の応力集中
が防止され、ＰＣユニット板31の横梁部34の局部的破損
を防止することができるとともに、脱型を容易に行うこ
とが可能となり、本発明はこのようなアーチ型のコンク
リート部材にも用いることができる。
【００１６】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく本発明の要旨の範囲内において種々の変形実
施が可能であり、例えばコンクリート部材の形状、寸法
は適宜選定可能であり、また横梁部の本数は４本以上で
もよい。さらにコンクリート部材は横梁部のみを有し、
ウェブ部２あるいは縦梁部34Ａがないものにも本発明は
適用可能である。また、抜型枠板にベアリング等を設
け、移動型枠板と内側板との引き抜きの際の摩擦を軽減
するようにしてもよい。
のではなく本発明の要旨の範囲内において種々の変形実
施が可能であり、例えばコンクリート部材の形状、寸法
は適宜選定可能であり、また横梁部の本数は４本以上で
もよい。さらにコンクリート部材は横梁部のみを有し、
ウェブ部２あるいは縦梁部34Ａがないものにも本発明は
適用可能である。また、抜型枠板にベアリング等を設
け、移動型枠板と内側板との引き抜きの際の摩擦を軽減
するようにしてもよい。
【００１７】
【発明の効果】本発明は、複数の横梁を有し、縦方向に
プレテンションを与えてなるＰＣ部材を製作する型枠に
おいて、前記型枠の横梁箇所の縦方向内側板に別体の抜
型枠板と移動型枠板とを内設し、前記抜型枠板を前記型
枠内から抜き出し可能に設けたものであり、横梁部の局
部的破損を防止し、脱型作業性に優れたプレテンション
方式ＰＣ部材の型枠を提供することができる。
プレテンションを与えてなるＰＣ部材を製作する型枠に
おいて、前記型枠の横梁箇所の縦方向内側板に別体の抜
型枠板と移動型枠板とを内設し、前記抜型枠板を前記型
枠内から抜き出し可能に設けたものであり、横梁部の局
部的破損を防止し、脱型作業性に優れたプレテンション
方式ＰＣ部材の型枠を提供することができる。
【００１８】また、本発明は請求項１記載のプレテンシ
ョン方式ＰＣ部材の型枠を用いたプ レテンション方式Ｐ
Ｃ部材の製作方法であって、前記型枠に縦方向のＰＣ鋼
材を配置して緊張力を加え、前記型枠内にコンクリート
を打設し硬化した後、前記抜型枠板を前記型枠内より抜
き取り、この後、前記ＰＣ鋼材の緊張力を開放してプレ
テンションを与えた後、脱型するプレテンション方式Ｐ
Ｃ部材の製作方法であり、横梁部の局部的破損を防止
し、脱型作業性に優れたプレテンション方式ＰＣ部材の
製作方法を提供することができる。
ョン方式ＰＣ部材の型枠を用いたプ レテンション方式Ｐ
Ｃ部材の製作方法であって、前記型枠に縦方向のＰＣ鋼
材を配置して緊張力を加え、前記型枠内にコンクリート
を打設し硬化した後、前記抜型枠板を前記型枠内より抜
き取り、この後、前記ＰＣ鋼材の緊張力を開放してプレ
テンションを与えた後、脱型するプレテンション方式Ｐ
Ｃ部材の製作方法であり、横梁部の局部的破損を防止
し、脱型作業性に優れたプレテンション方式ＰＣ部材の
製作方法を提供することができる。
【図１】本発明の第１実施例を示す一部切欠き全体図あ
る。
る。
【図２】本発明の第１実施例を示す要部の拡大断面図で
ある。
ある。
【図３】本発明の第１実施例を示す要部の斜視図であ
る。
る。
【図４】本発明の第１実施例を示す要部の拡大断面図で
ある。
ある。
【図５】本発明の第２実施例を示す要部の断面図であ
る。
る。
【図６】本発明の第２実施例を示すアーチ型構の正面図
ある。
ある。
【図７】ＰＣ桁の一部切欠き斜視図である。
３，34 横梁部（横梁）４，33 ＰＣ鋼材 11，35 型枠 14，38 横梁成型型枠 15，40 縦方向内側板 16，41 抜型枠板 17，42 移動型枠板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 喜久三 岩手県胆沢郡衣川村下衣川（番地なし) 株式会社栗虫工業衣川工場内 (72)発明者 石塚 努 北海道帯広市西八条南29丁目５番地 帯 広コンクリート株式会社内 (56)参考文献 実開 昭62−80613（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭34−4670（ＪＰ，Ｙ１)
Claims (2)
- 【請求項１】 複数の横梁を有し、縦方向にプレテンシ
ョンを与えてなるＰＣ部材を製作する型枠において、前
記型枠の横梁箇所の縦方向内側板に別体の抜型枠板と移
動型枠板とを内設し、前記抜型枠板を前記型枠内から抜
き出し可能に設けたことを特徴とするプレテンション方
式ＰＣ部材の型枠。 - 【請求項２】 請求項１記載のプレテンション方式ＰＣ
部材の型枠を用いたプレテンション方式ＰＣ部材の製作
方法であって、前記型枠に縦方向のＰＣ鋼材を配置して
緊張力を加え、前記型枠内にコンクリートを打設し硬化
した後、前記抜型枠板を前記型枠内より抜き取り、この
後、前記ＰＣ鋼材の緊張力を開放してプレテンションを
与えた後、脱型することを特徴とするプレテンション方
式ＰＣ部材の製作方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3303603A JP2526757B2 (ja) | 1991-11-19 | 1991-11-19 | プレテンション方式ｐｃ部材の型枠及びその型枠を用いた製作方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3303603A JP2526757B2 (ja) | 1991-11-19 | 1991-11-19 | プレテンション方式ｐｃ部材の型枠及びその型枠を用いた製作方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05138639A JPH05138639A (ja) | 1993-06-08 |
| JP2526757B2 true JP2526757B2 (ja) | 1996-08-21 |
Family
ID=17922990
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3303603A Expired - Lifetime JP2526757B2 (ja) | 1991-11-19 | 1991-11-19 | プレテンション方式ｐｃ部材の型枠及びその型枠を用いた製作方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2526757B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP3306865B2 (ja) * | 1999-05-26 | 2002-07-24 | 日本サミコン株式会社 | プレキャストコンクリートアーチ形ユニット板の製造方法 |
-
1991
- 1991-11-19 JP JP3303603A patent/JP2526757B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05138639A (ja) | 1993-06-08 |
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