JP2525995Y2 - 注出容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は注出容器に関し、詳しくは、液体或いは高粘
度のクリーム状物を注出する注出容器に関する。

「従来の技術及び考案が解決しようとする課題」 従来、口頚部を起立した容器体と、この口頚部に嵌合
させた装着筒により容器体に装着した縦型ポンプとから
なり、ポンプの押下げヘッドを上下動することにより容
器体内の内容物をポンプ下端のシリンダーより吸い上げ
るとともに、押下げヘッドのノズル孔より注出する如く
構成した注出容器が知られている。

又、この種の容器において、容器体内に柔軟性のある
袋を吊り下げてその中に内容物を充填し、ポンプによる
内容物の注出に伴って袋がその容積を減少する如く変形
する様構成し、内容物と空気との接触を極力防止するこ
とにより、内容物の劣化防止、内容物内への雑菌の混入
防止等を図ったものが提案されている（例えば、実願昭
63-77989号（実開平2-1684号））。

しかしながら、上記した従来のものは、上記した目的
達成には顕著な効果を発揮するものの、内容物の充填に
際しての作業性に若干の問題点がある。

即ち、上記容器は、容器体口頚部に上端を嵌着させる
とともに、下端を容器体内に垂下させた上下端面開口の
袋取付け筒を設けて、該筒外面に袋縁部を密着すること
で袋口部を密閉して容器体内に吊り下げているが、内容
物の充填に際し、気体圧入等により袋を広げるか、或い
は減圧して極力袋の容積を小さくしておかなければ良好
な内容物の充填が行えないという問題がある。特に、内
容物が高粘度のクリーム状物等の場合には、その傾向が
顕著で、上記前処理を行わないと、内容物に空気の混入
が生じ、それが気泡となって内容物内に混在するという
不具合が生じる。

本考案は上記した従来技術の欠点を解消した注出容器
を提供することを目的とする。

「課題を解決するための手段」 口頚部８を起立した容器体２と、上記口頚部に嵌合さ
せた装着筒14により容器体２に装着した縦型ポンプ５と
からなり、上記ポンプの押下げヘッド16を上下動するこ
とにより容器体内の内容物をポンプ下端のシリンダー15
より吸い上げるとともに、押下げヘッドのノズル孔17よ
り注出する如く構成した注出容器において、容器体口頚
部８に上端を気密・液密に嵌着させるとともに、下端を
容器体下方に垂下させた上下端面開口のシート取付け筒
３を設け、該筒外周上端に上端開口内周面を気密・液密
に固着するとともに、取付け筒３外周下端に下端開口内
周面を気密・液密に固着させ、且つ、取付け筒３外周を
囲繞する袋状の柔軟性を有するシート部材４を装着し、
上記取付け筒３内上方にポンプのシリンダー15下端を気
密・液密に嵌着させるとともに、該嵌着部上方の取付け
筒３に外気導入用の連通孔11を設けて構成し、上記シー
ト部材４外方の容器体内に内容物を充填させるととも
に、内容物の注出に伴ってシート部材４が外方に膨出す
る如く構成してなる。

「作用」 押下げヘッド16の上下動により容器体２内の内容物を
シート取付け筒３の下端開口より吸入し、ポンプのシリ
ンダー15を介してヘッド16のノズル孔17より注出する
が、内容物の減少に伴ってシート部材４が外方へ膨出す
る為、容器体内の内容物は常時空気と遮断され、空気に
よる劣化或いは外気導入による雑菌の混入等を極力防止
できる。

又、膨出したシート部材４の内側にはシート取付け筒
３に設けた連通孔11より外気が導入され、容器体内の負
圧化を防止する。

又、シート部材４を内容物の注出に伴って外方に膨出
する如く構成しているため、内容物の充填に当たり、容
器体内に所定量の内容物を充填後、他の部材を装着で
き、従来品の様な前処理を必要としない。

「実施例」 以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。図
面は本考案の一実施例を示し、図中１は注出容器を示
す。該容器１は、容器体２と、シート取付け筒３と、シ
ート部材４と、縦型ポンプ５とから構成している。

容器体２は、円筒状胴部６より肩部７を介して口頚部
８を起立して構成しており、その材質としては、合成樹
脂、ガラス、金属等を使用することができる。合成樹脂
の場合、内容物の酸化防止を特に図りたい場合には、酸
素不透過性の合成樹脂を用いると良い。

シート取付け筒３は、容器体口頚部８内に上端を気密
・液密に嵌着させるとともに、下端を容器体内下端まで
垂下させた上下端面開口の筒状をなし、長手方向中程に
テーパー状段部を設けて、その上方を大径部９、その下
方を縮径した小径部10として構成している。又、テーパ
ー状段部には、筒内外を連通する外気導入用の連通孔11
を穿設している。更に、下端より外向きフランジ12を突
設し、該フランジ下面より複数の板状突起13を放射状に
垂設している。この外向きフランジ12と板状突起13とに
より、内容物の吸い上げ口を兼ねるシート取付け筒３の
下端開口をシート部材４により閉塞するのを防止してい
る。

シート部材４は、上記シート取付け筒３の大径部９外
周上端に上端開口の内周面を接着等の適宜方法により気
密・液密に固着させるとともに、下端開口の内周面を上
記外向きフランジ12上面に同様に固着させて、上記取付
け筒４周囲を囲繞する如く設けた袋状をなし、その大き
さは、広げた際に、その外面が容器体内面を略被覆する
如く当接するに充分な大きさを有している。又、その材
質としては、合成樹脂が挙げられ、上記容器体と同様、
特に内容物の酸化防止を図る場合には、酸素不透過性の
合成樹脂を用いると良い。

縦型ポンプ５は、容器体口頚部８外周に嵌合させた装
着筒14により、内部に公知のポンプ機構を有するシリン
ダー15を上記シート取付け筒３内に垂下させ、その下端
の縮径部分を取付け筒３の小径部10上端に気密・液密に
嵌着させている。又、上端の押下げヘッド16を口頚部上
方に上下動可能に突出させて構成しており、押下げヘッ
ド16の上下動によりシリンダー15下端より容器体内の内
容物を吸上げ、ヘッド16のノズル孔17より注出する如く
構成している。

上記の如く構成した容器１に内容物を充填する場合に
は、先ず、容器体２内に所定量の内容物を充填した後、
シート部材４を装着した取付け筒３を口頚部より挿入し
てその上端を口頚部内面に嵌着固定した後、縦型ポンプ
５を装着して充填することができる。或いは、容器体内
に内容物を充填した後、シート部材４を装着した取付け
筒３を更に縦型ポンプ５に装着しておいたものを、容器
体に嵌着することにより充填を行える。

又、内容物の充填された容器１は、その押下げヘッド
16を上下動させることにより容器体内の内容物を取付け
筒３の下端よりシリンダー15を介してヘッド16のノズル
孔17より注出するが、その際、シート部材４は、内容物
の減少に伴って外方に膨出する如く変形し、一方、シー
ト部材４の内側には連通孔11より外気が導入されて容器
体内の負圧化を防止する様構成している。

「考案の効果」 以上説明した如く本考案注出容器は、既述構成とした
ことにより、内容物の劣化防止、雑菌の混入防止等を行
えるものであり、しかも、従来品の様な気体導入処理或
いは減圧処理等の前処理を行うことなく内容物の充填を
行え、充填作業の作業性を著しく向上するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示す要部縦断面図である。 ２……容器体 ３……シート取付け筒 ４……シート部材 ５……縦型ポンプ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】口頚部８を起立した容器体２と、上記口頚
   部に嵌合させた装着筒14により容器体２に装着した縦型
   ポンプ５とからなり、上記ポンプの押下げヘッド16を上
   下動することにより容器体内の内容物をポンプ下端のシ
   リンダー15より吸い上げるとともに、押下げヘッドのノ
   ズル孔17より注出する如く構成した注出容器において、
   容器体口頚部８に上端を気密・液密に嵌着させるととも
   に、下端を容器体下方に垂下させた上下端面開口のシー
   ト取付け筒３を設け、該筒外周上端に上端開口内周面を
   気密・液密に固着するとともに、取付け筒３外周下端に
   下端開口内周面を気密・液密に固着させ、且つ、取付け
   筒３外周を囲繞する袋状の柔軟性を有するシート部材４
   を装着し、上記取付け筒３内上方にポンプのシリンダー
   15下端を気密・液密に嵌着させるとともに、該嵌着部上
   方の取付け筒３に外気導入用の連通孔11を設けて構成
   し、上記シート部材４外方の容器体内に内容物を充填さ
   せるとともに、内容物の注出に伴ってシート部材４が外
   方に膨出する如く構成してなることを特徴とする注出容
   器。