JP2525531B2 - 液体珪酸カリウム肥料 - Google Patents

液体珪酸カリウム肥料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、珪酸、カリウムおよび
マグネシウムを含み、かつ液状で作物に吸収、利用され
やすい形態で、既設の農業用施設(用水路、散水装置な
ど)を用いて省力的に施肥することができる、速効性
の、液体珪酸カリウム肥料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】イネに対する珪酸質肥料(ケイカル)の
施用については、昭和20年代後半にその効果が確認さ
れてから、その後急速に普及し、現在に至っている。し
かし、その珪酸質肥料(ケイカル)として用いられた肥
料の成分は、可溶性珪酸(1/2規定の塩酸に可溶であ
ること。)及び枸溶性マグネシウム又は枸溶性マンガン
(2%クエン酸に可溶であること。)が使用される程度
のものであって、いずれも水溶性のもの、すなわち速効
性を示すものでなかった。一方、近年になって、特開昭
62−56389号公報(特公平2−2837号公報)
に、珪酸カリウムをクエン酸水溶液に溶解させた液体珪
酸カリウム肥料が提案された。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような珪
酸カリウムをクエン酸水溶液に溶解させた液体珪酸カリ
ウム肥料は、後記比較例3〜4に示す通り、溶解性が不
足していることから、長期間での保存中に珪酸カリウム
が析出して白濁するなどの点において問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
[発明の概要]本発明者らは、上記問題点に鑑みて鋭意
研究を重ねた結果、珪酸カリウムをエチレンジアミン四
酢酸マグネシウムで可溶化して、これら成分を溶解した
水溶液とした液体珪酸カリウム肥料は、水溶性で、沈澱
または変質の問題が無く、施用により容易に吸収される
ので、速効性を示す液体珪酸カリウム肥料とすることが
できるとの知見に基づき本発明を完成するに至ったもの
である。すなわち、本発明の液体珪酸カリウム肥料は、
珪酸カリウム及びエチレンジアミン四酢酸マグネシウム
を溶解した水溶液からなることを特徴とするものであ
る。
【0005】[発明の具体的説明] [I] 液体珪酸カリウム肥料 (1) 構成成分 (a) 珪酸カリウム成分 本発明の液体珪酸カリウム肥料にて用いられる珪酸カリ
ウム成分としては、一般に広く市販されている珪酸カリ
ウムを用いることができるが、必要ならば各種の珪酸含
有物、例えば珪酸ナトリウム、けい砂、珪酸白土、珪酸
スラグにカリウム化合物を添加、処理して得られたもの
を使用することもできる。 (b) エチレンジアミン四酢酸マグネシウム成分 本発明の液体珪酸カリウム肥料を液体に保つために配合
されるエチレンジアミン四酢酸マグネシウム成分として
は、珪酸カリウムを溶解させることができるエチレンジ
アミン四酢酸マグネシウム(以下単に「EDTA−M
g」と略記する。)が用いられる。このようなエチレン
ジアミン四酢酸マグネシウムは、具体的には、エチレン
ジアミン四酢酸を水酸化カリウム又はナトリウムで中和
し、マグネシウム化合物を加えて煮沸することなどによ
って製造することができる。該EDTA−Mgは、必要
量を固体としても溶液としても添加することができる。 (c) 水成分 本発明の液体珪酸カリウム肥料において前記各成分を溶
解させるために用いられる水成分としては、通常水が用
いられるが、温められた水を用いることが好ましい。
【0006】(2)量比 本発明の液体珪酸カリウム肥料中の各成分の配合量は、
珪酸カリウム100重量部に対してエチレンジアミン四
酢酸マグネシウム0.5〜2.5重量部の割合であり、
前記EDTA−Mgを液状状態で添加する場合のEDT
A−Mgの濃度は、好ましくは2〜10重量%、特に好
ましくは5重量%内外、である。従って、このような溶
液の添加量は、5重量%溶液の場合、珪酸カリウムに対
して10〜50重量%の範囲内である。また、水の添加
量としては、珪酸カリウム100重量部に対して30〜
60重量部が好ましい。
【0007】(3) 性状 本発明による液体珪酸カリウム肥料は、基本的には、水
に珪酸カリウム及びEDTA−Mgを溶解させることに
よって製造されたものであることから、液状を示すもの
である。水溶性珪酸カリウム肥料は、昭和61年12月
から肥料取締法に基づく公定規格に加えられている。従
って、本発明による液体珪酸カリウム肥料中の溶存珪酸
の形態は、水素イオン濃度(pH)によって異なってい
る。すなわち、pH6の状態ではH4 SiO4 (分子状
珪酸)を100%含んでいるが、pH9.6の状態では
4 SiO4 が50%、H3 SiO4 - が50%とな
り、更に、pH11の状態になるとH4 SiO4 が4
%、H3 SiO4 - +H2 SiO4 --が96%と変化す
る。しかし、作物がもっとも吸収され易い形態として
は、分子状のH4 SiO4 であることが知られている
(高橋英一著:「日本土壌肥料学雑誌」49巻、5号、
357頁、1978年発行)。ところが、本発明の液体
珪酸カリウム肥料は通常pHが11強の状態であるが、
施用の際には500〜2,000倍に希釈して使われる
ことが普通なので、そのような濃度では、土壌の緩衝作
用を強く受けて、施肥後の土壌pHはあまり変化するこ
とがない(一般に耕地土壌のpHは5.0〜7.0であ
る。)。したがって、施用した珪酸の形態は、植物にも
っとも吸収され易い分子状状態となる。
【0008】(4) 効果 本発明の液体珪酸カリウム肥料中の主成分である珪酸
は、作物の必須16元素の中には入っていないが、一般
に珪酸作物と言われるイネ科作物、特に水稲の栽培に当
っては、実際に水稲を健全に生育させるためには極めて
重要な肥料の一つである。具体的には、イネのいもち
病、コムギやウリ科野菜のキュウリのうどんこ病は、珪
酸欠除区において発生が増えることが確認されている
(高橋英一:「農業および園芸」60巻6号、830
頁、1985年)。
【0009】[II] 珪酸カリウム肥料の製造 (1) 配合・溶解 本発明による液体珪酸カリウム肥料は、基本的には、前
記構成成分を水に溶解させることによって製造すること
ができる。具体的には、水にEDTA−Mgを溶解し、
次いで、珪酸カリウムを溶解させることによって製造さ
れる。本発明による液体珪酸カリウム肥料を製造するた
めには、本発明の目的に反しない限り、従来公知の液体
肥料の製造において用いられている種々の手段を、或い
は、該手段に適当な改変を加えた方法を採用することが
できる。具体的には、水、EDTA−Mg及び珪酸カリ
ウム、並びに必要に応じて添加される任意成分、を混合
して溶解させるときには、一般に撹拌が行なわれる。 (2) 濾過 上記配合・溶解して得られた本発明の液体珪酸カリウム
肥料は、溶解液中に不溶成分が残存していると好ましく
ないので、更に濾過することが好ましい。
【0010】[III] 施肥 (1) 希釈 上記方法により得られた本発明の液体珪酸カリウム肥料
は、そのまま施肥することもできるが、濃度が濃すぎる
ので通常500〜2,000倍に希釈して使われること
が普通である。 (2)配合 また、施肥に際して、窒素肥料、燐酸肥料、微量要素な
どの他の配合成分と混合して用いれば、珪酸だけでなく
必須要素とされているKなどが含まれているので、同時
に吸収しやすい水溶態で適量施されるために、互いに、
相乗効果を生じさせることができる。
【0011】
【実施例】以下に示す実施例及び比較例において用いら
れた使用原料の珪酸カリウムとしては以下の組成のもの
を使用し、以下に示す評価方法によって評価した。
【0012】(1)使用原料珪酸カリウム の粘稠液状の市販品(日本化学工業(株)製珪酸カリウ
ム)を使用した。
【0013】(2)評価方法溶液状態の経時変化の観察 単独あるいは複数の成分を添加した際の、水溶液の状態
の経時変化を目視にて観察した。水素イオン濃度の測定 溶液の水素イオン濃度をpH計にて測定した。Si及びKの回収率の測定 液中の溶存Si、Kを定量して、添加したそれぞれの量
に対する回収率を求めた。
【0014】実施例1 珪酸カリウム50重量部に対して、EDTA−Mgを5
重量%の濃度で含有するEDTA−Mg水溶液50重量
部を添加した珪酸カリウム・EDTA−Mg混合液(珪
酸カリウム:50重量部、EDTA−Mg:2.5重量
部、水:47.5重量部)は、添加後攪拌して溶解させ
た直後は透明な混合液であった。しかし、この混合液を
室温にて放置したところ、14日後に沈澱を生じた。従
って、短期間での保存には十分耐えられるものであっ
た。
【0015】比較例1 珪酸カリウム1重量部に対して水99重量部を加えた液
は、1/2規定の塩酸で中和してpHを6台まで下げて
も全く沈澱を生じなかった。しかし、珪酸カリウム10
重量部に対して、水90重量部を加えた珪酸カリウム水
溶液を、1/2規定の塩酸でpH8近くまで中和する
と、多量の沈澱を生じた。
【0016】比較例2 珪酸カリウム50重量部に対して、硫酸マグネシウム又
は塩化マグネシウム10%水溶液を少量を添加しただけ
でも混合液は直ちに白濁し沈殿を生じた。
【0017】比較例3 無水クエン酸7重量%の温水溶液43重量部に対して珪
酸カリウム57重量部を添加した混合液(pH11.
3)は、添加直後に沈澱を生じた。また、Siの回収率
は89%、Kの回収率は85%であった。
【0018】比較例4 無水クエン酸9重量%温水溶液45重量部に対して珪酸
カリウム54.6重量部およびEDTA−Mn粉末0.
4重量部を加えた混合液(pH11.2)も、添加直後
に沈澱を生じた。また、Siの回収率は26%、Kの回
収率は76%であった。
【0019】比較例5 珪酸カリウム(pH11.8)50重量部に対して、E
DTA−Mgを30重量%含有するEDTA−Mg水溶
液50重量部を添加した混合液(珪酸カリウム:50重
量部、EDTA−Mg:15重量部、水:35重量部)
は、添加直後に沈澱を生じた。
【0020】
【発明の効果】このような本発明の液体珪酸カリウム肥
料は、珪酸カリウムをエチレンジアミン四酢酸マグネシ
ウムで可溶化して溶解させたものであることから、長期
間の保存においても沈澱物の発生が阻止され、水溶性
で、沈澱または変質の問題が無く、施用により容易に吸
収される速効性の液体珪酸カリウム肥料である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】珪酸カリウム及びエチレンジアミン四酢酸
    マグネシウムを含有し、該珪酸カリウム100重量部に
    対してエチレンジアミン四酢酸マグネシウムを0.5〜
    2.5重量部の割合で配合して溶解した水溶液からなる
    ことを特徴とする液体珪酸カリウム肥料。
  2. 【請求項2】珪酸カリウムを溶解させるエチレンジアミ
    ン四酢酸マグネシウム水溶液中のエチレンジアミン四酢
    酸マグネシウムの濃度が2〜10重量%の量的範囲のも
    のである、請求項1に記載の液体珪酸カリウム肥料。
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