JP4672945B2 - 改善された水溶性肥料組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、改善された水溶性肥料組成物に関する。より詳しくは、本発明は、リン含量に拘らず安定していて沈殿物のない原液および供給液を提供するために十分に高い酸性化効果(すなわちアルカリ度減少効果)と水溶解度とを有する固形肥料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
温室、苗床およびその他の集約的園芸環境では、成長中の植物に多量養分および微量養分が慎重に供給された場合に最良の植物成長結果が達成される。多くの植物栽培者は、この結果を達成するために水溶性高度化成肥料を利用することを選んでいる。一般的に、このような高度肥料は、後に調合機または注入装置を使用して潅漑水中へ希釈され、それによっていわゆる「供給液」を形成する、濃厚原液を調製するために、使用者によって溶解されてよい固形物として売られている。
【0003】
一般に、これらの高度肥料組成物が沈殿することなく迅速且つ完全に溶解するように、これらの肥料組成物を作ることが重要である。さらに、これらの肥料組成物は、原液の状態で良好な長期安定性を提供しなければならない。例えば、原液中の沈殿物は、調合機および潅漑路を詰まらせる可能性がある。この種の水溶性肥料組成物にとってのこれらの機能的要件はこのような製品の製造者および開発者へ進行中の問題を提示してきて、これらの問題は以前から利用できる肥料組成物では充分には解決されなかった。
【0004】
例えば、硬水および/または高アルカリ度を有する水から肥料潅漑溶液を調製するために、以前からある肥料組成物が使用されると、沈殿に関して問題が生じていた。比較的高いアルカリ度を有する潅漑水は高含量の炭酸(水素)塩を一般に含んでおり、このような物質の存在は肥料溶液から2次多量養分および微量養分(微量要素)の沈殿を頻繁に生じさせる。具体的には、カルシウムは多くの植物肥料組成物中に必要とされる重要な2次多量養分である。しかしながら、比較的高いpHは、カルシウムおよび非キレート化微量養分を、炭酸(水素)塩、リン酸塩、硫酸塩および/または水酸化物の形態で沈殿させる。
【0005】
これまでは、アルカリ度を低下させその結果として養分の沈殿を減少させる種々の解決策が提案されてきた。例えば、米国特許第5,830,255号および第5,174,806号では、肥料組成物中における酸性化物としての使用のためにリン含有酸が開示された。
【0006】
米国特許第5,830,255号は、1次多量養分として亜リン酸(H3PO3)を含む液体肥料組成物を記述している。この組成物は、他の養分をさらに含んでいてもよく、さらにクエン酸を含んでいる。亜リン酸の塩である亜リン酸塩(PO3 3-)の植物による摂取をこの組成物が改善することが教示されている。亜リン酸塩は、リン酸塩よりも容易に幾つかの植物の葉によって取入れられると言われており、したがって、これらの植物にとって好まれている。
【0007】
米国特許第5,830,255号に記述されている発明に潜んでいる問題は、1次多量養分として使用されている亜リン酸塩の沈殿であり、亜リン酸およびその他の養分を含む従来の肥料組成物でこの沈殿が発生する。この問題を解決する試みでは、約6.5〜8.5のpHの水で希釈されると5.0〜7.0のpHになる肥料組成物中にクエン酸が含まれている。それ故に、クエン酸を使う効果は、亜リン酸塩の沈殿を防止するためにpHを低下させることである。
【0008】
米国特許第5,174,806号は、1次多量養分としてのリン酸(H3PO4)、その他の養分、さらにクエン酸および尿素を含む肥料組成物の調製方法を記述している。この肥料組成物は、中性であり、製品内におけるクエン酸および尿素の存在によってリン酸と水酸化カリウムのようなその他の養分との間の中和熱の発生を防止していると言われている。しかしながら、上記で引用されている従来技術中で提案されているような亜リン酸およびリン酸のようなリン含有酸の使用には種々の不利益があることに留意すべきである。
【0009】
1つの不利益はリン含有酸が液体であることである。それ故に、例えば、カルシウムとリン含有酸との両方による施肥を欲する栽培者はこれら2つの要素を別々に注入する必要がある。このことは、硝酸、硫酸、蟻酸、酢酸等のようなその他のリン非含有酸をその製品中で使用できなくする。他の不利益は、リン含有酸が取扱および施用において危険であることである。第3に、液体酸は、肥料組成物を製造するために粉末状の固形肥料養分と適切に混合することができない。それ故に、このような組成物の特にリン含有酸での製造は、厄介である。さらに、(例えば微量養分として使用されている)キレートは、液体酸との組合せにおいて不安定である。
【0010】
前述の不利益を考慮して、アルカリ度を低下させ、その結果として養分の沈殿を減少させるという問題に対する他の解決策が追求され、1つの提案はある種のリン酸塩を製品中に使うことであった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、国際公開WO 92/013813は、水溶性固形肥料組成物中におけるリン酸尿素の利用を記述している。この国際公開は、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硫酸鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、硫酸亜鉛等との肥料混合物中におけるリン酸モノ・アンモニウム(MAP)の使用が沈殿物を有する溶液になることを開示している。しかしながら、この国際公開は、リン酸尿素(UP)が同じ2次養分および微量養分との肥料混合物中で1次リン源として使用されると、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウムおよび/または硫酸金属が透明な濃厚原液中で存在することをUPの使用が可能にすることを教示している。その結果、MAPを1次リン源として提供することができない。
【0012】
また、潅漑水に対するリン酸尿素の酸性化効果のために、アルカリ度をかなり減少させることができ、このことは、特に硬水および/または高アルカリ度水の場合に、カルシウムおよび非キレート化微量養分の溶解度を顕著に増加させ、炭酸水素塩の濃度減少が高アルカリ度の潅漑水中での沈殿を回避させる。このように、この国際公開は、アルカリ度、水硬度および肥料の成分に依存して、肥料組成物中におけるある量のリン酸尿素が必要であることを教示している。
【0013】
国際公開WO 92/013813で提供されている溶解度問題に対する解決策にとっての不利益は、沈殿物のない溶液を製造するために、リン酸モノ・アンモニウム、リン酸モノ・カリウムおよびリン酸ジ・アンモニウムのようなもっと従来からあるリン源を例えばカルシウム塩と共に使用することができないことである。逆に、これらのもっと普通の材料の代りにリン酸尿素を1次リン源として使用しなければならない。
【0014】
他の不利益は、幾つかの植物にとってまたは成長の幾つかの段階において、潅漑水中の高いリン・レベルが好ましくないことである。炭酸水素塩の中和化すなわち酸性化効果のためにある量のリン酸尿素が必要な時に問題が起こり、同時に、比較的高いリン・レベルが植物成長の観点から好ましくない。
【0015】
さらに、肥料組成物中の養分の沈殿を減少させるために、その他の解決策がこれまで提案されてきた。例えば、1次多量養分として使用されているリン酸塩の植物による吸収を増加させるための、シュウ酸、クエン酸等のような低分子量有機酸の土壌への施用が、公知である(Biology
and Fertility Soils、第18巻、4号、1994年、311〜319頁)。
【0016】
有機酸は、主に土壌へのリン酸塩の吸着の低下とリン化合物の溶解度の増加との両方を通して土壌中のリンの有効性を増加させる。これらの有機酸は、リン酸塩とは別に施用される。従って、使用される肥料組成物は、有機酸を全く含んでいない。
【0017】
溶解度問題を解決するための広く前提とされている他の提案は、リン酸塩をも含有する原液と潅漑水との両方中に微量養分を溶解させておくために、肥料組成物中にキレート化微量養分(微量要素)を使用することである。(単純硝酸塩または硫酸塩のような)非キレート化微量養分が従来のリン源と共に使用されると、その微量養分が沈殿する傾向があるので、キレート化微量養分の使用が必要である。このような使用の不利益は、キレート化微量養分が肥料組成物のコストをかなり増加させることである。
【0018】
第3に、錯体形成(すなわち、キレート化)効果を有する数種類の酸の利用は、金属の沈殿を回避させることによって(微量養分のような)その金属を安定化させることが、肥料組成物において周知である。このような酸の例は、テトラ酢酸エチレンジアミン(EDTA)、ペンタ酢酸ジエチレン・トリアミン(DTPA)等を含んでいる。不利益は、これらのキレート化酸が水溶性固形肥料中に使用されるのには十分に溶解しない(25℃で10g/l未満)ことである。さらに、これらの酸の酸性化効果は低い。
【0019】
【課題を解決するための手段】
従来技術の肥料組成物の上記で議論された不利益を考慮し、さらに肥料に関する一般の要求を考慮して、潅漑によって肥料組成物がその中の植物用養分を植物に容易に利用可能にする肥料組成物中のこれらの養分を提供することが、本発明の第1の目的である。
【0020】
硬水および/または高アルカリ度水が潅漑水として使用されても、内部に存在している養分が沈殿しない肥料組成物を提供することが、本発明の更なる目的である。
【0021】
発明の前述の目的およびその他の目的は、組成物のリン含量に拘らず安定していて沈殿物のない原液および供給液を提供するために十分に高い酸性化効果すなわちアルカリ度減少効果と水溶解度とを有する固形肥料組成物を提供することによって達成される。
【0022】
もっと具体的には、本発明による肥料組成物は、周囲温度で固形物であってリンを含まない有機酸と一つ以上の肥料材料とを含む水溶性固形組成物である。この肥料組成物に包含されるのに好適な肥料材料は、1次多量養分、2次多量養分、微量養分およびそれらの混合物を含んでいる。1次多量養分は、リン含有多量養分、窒素含有多量養分およびカリウム含有多量養分を含んでいる。リン含有多量養分は、リン酸塩の形態で存在することが好ましい。
【0023】
本発明での使用に好適な固形でリンを含まない有機酸は、(25℃で)少なくとも10グラム/リットルの水溶解度と0.5〜1.3gHCO3 -/グラム酸の範囲内の酸性化効果とを有していなければならない。酸の酸性化効果は、酸1グラム当りでH2CO3 へ変換できるHCO3 -の量であるとして定義されて、以下の式に従って計算される。
【0024】
【数5】
【0025】
ここで、Mw,acid は前記酸の分子量であり、nは6.35未満であるその酸の解離定数(すなわちpKa値)の数を表している。
【0026】
さらに、本発明によれば、水溶性固形肥料組成物であってそれに組み入れられている固形でリンを含まない上記の有機酸を有する肥料組成物は、高硬度および/または高アルカリ度の潅漑水流のような水に溶解された場合に、その中の養分の沈殿を防止するために、十分な酸性化効果を提供しなければならない。これに関して、本発明の組成物は、1リットル当たり1グラムの投与量でこの組成物が水に加えられると、この肥料組成物中に存在する個々の酸の酸性化効果の合計を重量/重量百分率基準で決定することによってこの肥料組成物の酸性化効果が計算される次の式によって見積もられる約60〜約400ppmだけ、この組成物で処理された水の中のHCO3 -レベルを減少させるのに十分な量で、その水の中に溶解されることが好ましいということが見出された。
【0027】
【数6】
【0028】
ここで、Acproductは、水1リットル当り1グラムの水溶性肥料の投与量におけるグラム/モルでのHCO3 - の100万部(ppm)での肥料製品の全酸性化効果であり、
61は、重炭酸塩つまりHCO3 -の分子量であり、
nは、6.35というpKa値(すなわち炭酸のpKa値)以下である組成物中の酸の解離定数(pKa)の数を表しており、
Mw,acid iは、酸の分子量であって、グラム/モルで表されており、
facid iは、肥料組成物中における酸の(無次元)重量部であり、
mは、肥料組成物中における酸性化効果を有する酸の数であり、
1000は、グラムをミリグラムつまりppmへ変換するための変換係数である。
【0029】
本発明の肥料組成物の使用から生じる利点の例は次の通りである。
【0030】
1.本発明の肥料組成物から作られる唯一の原液と1つの調合機とで完全な養分溶液を調製して施用することができる。
【0031】
2.前記固形酸なしで従来の乾燥リン源が使用されれば不可能である原液中での溶解度の減少なしで、(単純カルシウム塩のような)非キレート化2次多量養分及び非キレート化微量養分、微量要素を使用することができる。
【0032】
3.固形酸性肥料は、リン含有酸を主成分とする液体肥料組成物よりも最終使用者にとって危険性が顕著に少ない。
【0033】
4.本発明の肥料組成物から作られる原液並びに硬水および/または高アルカリ度水から沈殿物のない供給液を調製することができる。潅漑水中における炭酸水素塩の量(アルカリ度)の減少とpHの低下との両方が良好な溶解度をもたらす。
【0034】
5.リン・レベルに直接に影響を及ぼすことなく酸性化肥料組成物を作ることができる。これは、国際公開に記述されている技術のような従来技術によるリン酸尿素(UP)を用いても不可能である。本発明の組成物中に使用されている固形酸の炭酸水素塩減少(すなわち、酸性化)効果は、リン酸尿素の炭酸水素塩減少(酸性化)効果よりも非常に高く、この結果、より少ない量の組成物しか必要でない。
【0035】
【好ましい実施例の詳細な説明】
本発明は、周囲温度で固形であってリンを含まない有機酸と、1次多量養分、2次多量養分および微量養分からなる群から選択されている一つ以上の肥料材料とを備える水溶性固形肥料組成物を提供する。これらの肥料組成物は、乾燥固形材料である。これらの肥料組成物は、全組成物の約10重量%未満の遊離水含量を有する微粒子の流動固形物であって、水溶液を提供するために肥料組成物が水に溶解されると標準状態(25℃)下で酸1グラム当たり約0.5〜約1.3グラムHCO 3 - の酸性化効果および水1リットル当たり少なくとも約10グラムの溶解度を有する固形酸を含んでいる。この酸性化効果は、酸1グラム当たり約0.5〜約1.3グラムHCO3 - であることが好ましく、酸1グラム当り約0.9〜約1.3グラムHCO3 - であることが更に好ましく、この酸性化効果は酸1グラム当りでH2CO3 へ変換することのできるHCO3 -の量として定義されており、その量は以下の式を使用して計算される。
【0036】
【数7】
【0037】
ここで、Mw,acid は酸の分子量であり、nは6.35未満であるその酸の解離定数(すなわちpKa値)の数を表しており、組成物中のリン含有多量養分は、リン酸塩、好ましくはリン酸モノ・アンモニウム、リン酸ジ・アンモニウム、リン酸モノ・カリウムおよびリン酸三カリウムの形態である。
【0038】
組成物の酸成分は、組成物の約2〜約90重量%の量で存在することが好ましく、約5〜約40重量%の量で存在することが更に好ましい。酸性化効果が低いほど肥料組成物中に組み入れられなければならない酸の量が増大するので、低い酸性化効果すなわち酸1グラム当たり約0.5グラムHCO 3 - 未満は不利である。
【0039】
固形酸は、マロン酸(ジカルボン酸)、DL−リンゴ酸((±)−2−ヒドロキシコハク酸)、マレイン酸(シス−ブテン二酸)、コハク酸(ブタン二酸)、イタコン酸(メチレンコハク酸)、グルタル酸(1,5−ペンタン二酸)、グリコール酸(ヒドロキシ酢酸)、トリカルバリン酸(1,2,3−プロパントリカルボン酸)、アジピン酸(ヘキサン二酸)、ピメリン酸(ヘプタン二酸)、クエン酸(2−ヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸)、無水マレイン酸(2,5−フランエディオン)および無水コハク酸からなる群から選択されていることが好ましい。
【0040】
シュウ酸およびDL−酒石酸(DL−ジヒドロコハク酸)は、好適な固形酸として含まれていない。
【0041】
添加される固形酸の量は、利用される水の硬度および/又はアルカリ度、製品中で必要とされるカルシウム、リン酸塩および非キレート化微量要素の量並びにその固形酸の酸性化効果の値に依存する。
【0042】
これまで認識されてきた2つの型の水硬度は、一般硬度(GH)および炭酸塩硬度(KH)である。この分野で一般に使用されている第3の用語は、一般硬度と炭酸塩硬度との組合せである全硬度である。一般硬度と炭酸塩硬度との両方を知ることが重要であるので、全硬度の使用はまぎらわしく回避されなければならない。一般硬度は、主に水中のカルシウム(Ca2+)イオンおよびマグネシウム(Mg2+)イオンの尺度である。一般硬度は、一般に、炭酸カルシウム(CaCO3)の100万部(ppm)、度硬度(dH)、あるいはもっと正確には、CaCO3のモル濃度で表される。1ドイツ度硬度(dH)は、1リットル当たり10mgの酸化カルシウム(CaO)である。アメリカでは、硬度は通常はCaCO3のppmで測定される。ドイツdHは、17.8ppmのCaCO3である。1リットル当たり1ミリ当量(mEq/l)のモル濃度=2.8dH=50ppm。水の硬度は、下記の指標に従う。
【0043】
0〜4dH, 0〜70ppm :非常に軟らかい
4〜8dH, 70〜140ppm :軟らかい
8〜12dH, 140〜210ppm :中位に硬い
12〜18dH, 210〜320ppm :かなり硬い
18〜30dH, 320〜530ppm :硬い
【0044】
炭酸塩硬度(KH)は、水中の炭酸水素塩(HCO3 -)イオンと炭酸塩(CO3 2-)イオンとの尺度である。アルカリ度は、総酸結合容量(遊離H+ と結合することのできる全ての陰イオン)の尺度であるが、淡水系では大部分は炭酸塩硬度から成っている。このように、炭酸塩硬度、酸結合、酸緩衝容量およびアルカリ度という用語が交換可能に使用されている。炭酸塩硬度は、一般に度硬度で言及され、一般硬度のようにCaCO3等価物で表される。
【0045】
ここで使用されているように、用語「硬水」は比較的高いレベルのCa2+ および/またはMg2+(高い一般硬度)を含む水を指し、一方用語「高アルカリ度水」は高いレベルの炭酸水素塩(高い炭酸塩硬度)を有する水を指す。
【0046】
上記で議論されたように、肥料組成物に使用されている有機酸の固有の酸性化効果は、酸1グラム当りで炭酸へ変換することのできる炭酸水素塩の(グラムでの)量として定義されており、以下の式によって決定することができる。
【0047】
【数8】
【0048】
ここで、Mw,acid は酸の分子量であり、nは6.35というpKa値未満であるその酸の解離定数の数を表している。言い換えると、nは6.35未満の値を有する解離/プロトン化過程の数に対応しており、この数は炭酸の第1対数解離/プロトン化定数である(例えば、化学および物理学ハンドブック、David R. Lide、第76版、1995〜1996年を参照)。一般に、nは炭酸水素塩(HCO3 -)を炭酸(H2CO3)へ変換させることのできる酸の1分子当たりに利用できる陽子の数を表している、と言うことができる。炭酸は、通常状態で水と二酸化炭素とに解離する。数61は、炭酸水素塩の(グラム/モルでの)分子量である。酸の酸性化効果の決定は、2つの代表的な酸について次のように例示することができる。
【0049】
マロン酸:
Mw,malonic=104g/モル
n=2(pK1=2.83、pK2=5.69)
従って、クエン酸は、酸の酸性化効果についての前述の式を使用して計算されるように、1.2グラムHCO3 -/グラム酸の酸性化効果を有している。
【0050】
クエン酸:
Mw,citric=192g/モル
n=2(pK1=3.14、pK2=4.77、pK3=6.39)
従って、マロン酸は、酸の酸性化効果についての前述の式を使用して計算されるように、0.6グラムHCO3 -/グラム酸の酸性化効果を有している。これに関して、クエン酸の第3プロトン化/解離定数が6.35よりも大きいので、このpK 3 値がクエン酸の酸性化効果を計算する際に考慮されないことに留意すべきである。
【0051】
本発明によれば、水溶液を提供するために水中に溶解される有機酸を含んでいる肥料組成物の全酸性化効果は、この肥料組成物中に存在している各酸の酸性化効果に、この組成物中に組み入れられているその酸の重量部を乗算することによって決定することができる。具体的に言うと、この発明の肥料組成物は、次の式によって定義されているようにこの組成物が水1リットル当たり1グラムの投与量で水中に溶解されると、水中のHCO 3 - レベルが約60〜約400ppmだけ減少されるように作られている。
【0052】
【数9】
【0053】
ここで、Acproductは、水1リットル当り1グラムの水溶性肥料の投与量における100万部(ppm)HCO3 - での肥料製品の全酸性化効果であり、
61は、グラム/モルでの重炭酸塩つまりHCO3 -の分子量であり、
nは、6.35というpKa値(すなわち炭酸のpKa値)以下である組成物中の酸の解離定数(pKa)の数を表しており、
Mw,acid iは、酸の分子量であって、グラム/モルで表されており、
facid iは、肥料組成物中における酸の(無次元)重量部であり、
mは、酸性化効果を有する肥料組成物中における酸の数であり、
1000は、グラムをミリグラムつまりppmへ変換するための変換係数である。
【0054】
このように、例えば、処理される水の炭酸塩硬度が(かなり硬水であると考えられる)250ppmHCO3 -であると仮定し、且つ水1リットル当たり1グラムの濃度で水溶性固形肥料を加えた後に供給液の残存硬度がわずか70ppmHCO3 - になることが望ましいと仮定すれば、180ppmHCO3 -の酸性化効果を有する肥料組成物が必要である。この結果を可能にする本発明に従う組成物は、次の通りである。
【0055】
【表0】
【0056】
10−14−27肥料組成物用の上記製品中において酸性化効果に寄与する唯一の酸がマレイン酸であることに留意すべきであり、マレイン酸はこの発明の組成物の酸性化効果を決定するための前述の式中における変数に関して次のように特徴づけることができる。
【0057】
マレイン酸:
Mw,maleic acid =116g/モル
pK1 =1.83
pK2 =6.07
n =2
fmaleic acid =0.17
【0058】
従って、10−14−27肥料組成物の酸性化効果(Ac product )は、マレイン酸が酸性化効果を有する組成物中における唯一の酸であるので、179ppmHCO3 - であると計算することができる。
【0059】
さらに、上記10−14−27肥料組成物のNPK−比率が成長の特定の段階にある特定の植物の要求に対応していることに留意すべきである。逆に、酸性化物としてリン酸尿素(UP)を使用すると、マレイン酸に比較してリン酸尿素の酸性化効果が顕著に低いために、同じNPK−比率および酸性化効果を達成することができず、リン酸尿素の否定的な影響がリン含量と窒素含量との両方に現れる。
【0060】
この発明の組成物中に用いられる1次多量養分は、リン含有多量養分、窒素含有多量養分およびカリウム含有多量養分からなる群から選択されている。
【0061】
好ましい窒素含有多量養分は、硝酸塩、アンモニウム塩および尿素誘導体を含んでいる。好ましいカリウム含有多量養分は、カリウム塩を含んでいる。
【0062】
この1次多量養分は、組成物の約1〜約99重量%の量で組成物中に存在していることが好ましい。
【0063】
本発明の組成物中に用いられる好ましい2次多量養分は、カルシウム塩、マグネシウム塩および硫酸塩からなる非キレート化要素を含んでいる。
【0064】
この2次多量養分は、組成物の約0.1〜約99重量%の量で組成物中に存在していることが好ましい。
【0065】
組成物中に用いられる好ましい微量養分は、鉄、モリブデン、マンガン、銅、亜鉛、コバルトの硫酸塩および硝酸塩からなる非キレート化要素、ホウ酸並びにモリブデン酸塩を含んでいる。
【0066】
この微量養分は、組成物の約0.1〜約50重量%の量で組成物中に存在していることが好ましい。
【0067】
この発明の1つの実施例によれば、肥料組成物は、この組成物の約2〜約90重量%、好ましくは約5〜約40重量%の酸と、約10〜99重量%、好ましくは約60〜95重量%のその他の肥料材料とを含んでいる。
【0068】
他の実施例によれば、本発明の肥料組成物は、この組成物の約2〜約90重量%、好ましくは約5〜約40重量%の酸と、約1〜約99重量%、好ましくは約5〜約95重量%のリン酸モノ・アンモニウムまたはリン酸モノ・カリウムと、約0.1〜約99重量%、好ましくは、約5〜約95重量%の硝酸カルシウムと、約0〜約75重量%のその他の肥料材料とを含んでいる。
【0069】
この発明の更に他の実施例によれば、肥料組成物は、この組成物の約2〜約90重量%、好ましくは約5〜約40重量%の酸と、約1〜99重量%、好ましくは約5〜約94重量%のリン酸モノ・アンモニウムまたはリン酸モノ・カリウムと、約1〜約99重量%、好ましくは約5〜約94重量%の硝酸カルシウムと、約0.1〜約50重量%、好ましくは約1〜約40重量%の微量硫酸金属および微量硝酸金属と、約0〜約75重量%の(硝酸マグネシウムを含む)その他の肥料材料とを含んでいる。
【0070】
この発明のまた更なる実施例では、肥料組成物は、この組成物の約2〜約90重量%、好ましくは約5〜約40重量%の酸と、約1〜99重量%、好ましくは約5〜約94重量%のリン酸モノ・アンモニウムまたはリン酸モノ・カリウムと、約0.1〜約50重量%、好ましくは約1〜約40重量%の微量硫酸金属および微量硝酸金属と、約0〜約75重量%のその他の肥料材料とを含んでいる。
【0071】
この発明のまだ他の実施例では、肥料組成物はその中にどのようなリン含有多量養分も含んでいない。
【0072】
本発明の肥料組成物中に含まれるべきリン含有多量養分、窒素含有多量養分およびカリウム含有多量養分の実例は、硝酸アンモニウム、尿素、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、リン酸モノ・アンモニウム、リン酸ジ・アンモニウム、リン酸モノ・カリウム、リン酸三カリウム、硝酸カリウム、硫酸カリウム、塩化カリウム、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム等である。
【0073】
本発明の範囲内に入る肥料組成物の範囲は、約0〜約60%のリン含量(重量%P2O5として)と、約0〜約45%の窒素含量(重量%Nとして)と、約0〜約60%のカリウム含量(重量%K2Oとして)とを有する範囲である。
【0074】
リン含有1次多量養分、窒素含有1次多量養分およびカリウム含有1次多量養分に加えて、カルシウムおよびマグネシウム(すなわち2次多量養分)並びに鉄、マンガン、銅、ホウ素、亜鉛、モリブデンおよびコバルト(すなわち微量養分)のような要素を、その他の肥料材料として本発明の肥料組成物中に含むことができる。
【0075】
これらの要素は、実際上は例えば以下の表1に列挙されている濃度範囲内で含められてよい。
【0076】
【表1】
【0077】
重要なことには、2次多量養分および微量養分からの要素は、EDTAキレート、DTPAキレートなどのようなキレート化形態で含める必要はなく、むしろ単純金属塩、特に硝酸塩あるいは硫酸塩として加えることができる。ホウ素は、ホウ酸として含めてよい。モリブデンは、アルカリ金属またはモリブデン酸アンモニウムとして提供してよい。マグネシウムは、硝酸マグネシウムとして存在することができる。
【0078】
非キレート化2次多量養分および非キレート化微量養分は、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、硫酸鉄、硝酸鉄、硫酸マンガン、硝酸マンガン、硫酸銅、硝酸銅、ホウ酸、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸アンモニウム等を含んでいる。
【0079】
もちろん、必要ではないが、カルシウム−EDTA、マグネシウム−EDTA、鉄−EDTA、鉄−DTPAおよび銅−EDTAのようなキレート化金属塩を2次多量養分および微量養分として使用してよい。
【0080】
さらに、本発明の肥料組成物は、所望であれば、補助因子のような追加の材料を含むことができる。
【0081】
上記の養分は、固形物として混合される。結果の製品は、上記で定義されている通りの乾燥固形物である。これらの製品は、固化つまり塊化を最小にするために耐水包装中で保管されなければならない。また、その他の可溶性の不活性物質(染料、抗固化剤等)が、これらの肥料組成物に添加されてよい。
【0082】
本発明の固形肥料組成物は、水中に溶解させることによって原液に、最終的には供給液に調合される。この溶解は、清潔な設備中で通常はいくらかの撹拌によって実行されなければならない。原液中の肥料組成物の濃度は、この原液の約5%〜約40重量%であることが一般的であり、この原液の約10〜20重量%であることがより好ましい。この原液材料は、植物への施用のために、最終供給濃度を与える約10〜200という係数だけ希釈される。供給液中の肥料組成物の濃度は、この供給液の約0.05%〜約1重量%であることが好ましく、この供給液の約0.1〜約0.15重量%であることがより好ましい。
【0083】
リン酸モノ・アンモニウム、カルシウムおよび任意にマグネシウム並びに/または硝酸塩および/もしくは硫酸塩のような非キレート化形態の微量金属を含んでいてよい養分の乾燥混合物中における比較的高い酸性化効果および水溶解度を有する固形酸の使用には、幾つかの利点がある。
【0084】
一例として、濃厚原液を作るために混合物が水に加えられるとその酸は低pH状態を確立する。原液については、1〜4の範囲内のpHが達成されるであろう。この低溶液pHは、濃厚原液の溶解度および透明性を維持する。前述の酸は、溶液pHに基づいて有している効果によって、通常の環境下では溶けないリン酸カルシウム、リン酸マグネシウムおよび微量養分微量金属リン酸塩の形成を防止する。同様に、その低いpHは、存在するかもしれない硫酸イオンやリン酸イオンの存在下でカルシウムが沈殿することを防止することを助ける。
【0085】
それ故に、前に定義されている通りの固形酸が1次リン源としてのリン酸モノ・アンモニウムと組み合わせて使用されると、キレートを使用せずにまたは沈殿物形成の不利益なしに、一つの化成肥料組成物中に、リンとカルシウム、マグネシウムまたは鉄のような微量養分微量要素のような金属とを含めることが可能である。このことは、最終使用者が1つの原液を使い且つ1つの注入器を利用して、完全な養分溶液を調製および施用することを可能にする。それは、リン含有養分溶液中へ非キレート化微量養分を沈殿させることなく使用することをも可能にする。
【0086】
しかしながら、通常の水溶性肥料が硬水および/または高アルカリ度の水と組み合わせて使用される場合には、供給液中で沈殿も起こり得る。この沈殿は、比較的高いpH、大量の炭酸水素およびカルシウム・イオンに起因する。微量養分微量要素も、キレート化状態で加えられなければ、これらの環境下で沈殿する傾向がある。
【0087】
水中に存在するカルシウムも、沈殿し、肥料に由来する硫酸塩と共に石膏を形成する。固形酸は、前述のように、炭酸水素の量とpHとの両方を減少させ、このことが溶解度をより良好にする。このことが、リン酸カルシウム、硫酸カルシウムおよび/または炭酸カルシウム並びにリン酸塩、炭酸塩、硫酸塩または水酸化物の形態の非キレート化微量養分微量要素の沈殿を回避させる。
【0088】
化成肥料製品中の固形酸の使用は、必要ならば増強された酸性化効果を肥料溶液が成長媒体に対して有することをも可能にする。
【0089】
1.35gHCO3 -/g酸の酸性化効果を有するシュウ酸と酒石酸とは、周囲温度で固形酸であるが、カルシウムと非キレート化形態の微量養分微量要素との両方によって沈殿するので、好適な酸であるとは考えられない。
【0090】
リン酸尿素は、0.35gHCO3 -/gの酸性化効果しか有していない。高アルカリ度水の場合には、多量のリン酸尿素を含む肥料組成物が必要である。このことは、直ちに、ある種の植物または成長の段階にとって好ましくない高いリン・レベルになる。本発明の肥料組成物で使用されている固形酸は、リン・レベルに影響を与えない。
【0091】
本発明の実際を説明するために提供されているのであって添付の特許請求の範囲によって定義されている通りの本発明の範囲を制限するために提供されているのではない以下の実施例に関連して、本発明の肥料組成物がさらに記述され、それらの利点が明白にされる。全ての百分率は、異なるように示されていない限り重量%である。
【0092】
実施例1
脱イオン化水で作った幾つかの試料原液が、有機酸の存在なしで、養分の種々の組合せを使って調製された。これらの養分は、水溶性肥料の製造に一般に使用されている材料を含んでいた。最も広く使用されているリン源は、リン酸尿素(UP)と比較されたリン酸モノ・アンモニウム(MAP)である。種々の原液の組成物が、以下の表2中に含まれている。
【0093】
【表2】
【0094】
種々の原液(試料1〜14)中に溶解されている養分の水溶解度の安定性が、30日の期間内に沈殿が発生したか否かを観察することによって評価された。この観察の結果、(例えば、作表されている試料1〜7中におけるように)硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硫酸鉄、硫酸マンガン、硫酸銅および/又は硫酸亜鉛との混合物中における唯一のリン源としてMAP(リン酸モノ・アンモニウム)が使用されると沈殿が発生し、UP(リン酸尿素)がMAPの代わりに使用されると(作表されている試料8〜14を参照)沈殿が発生しないように、見えた。これらの結果は、上記に議論されている国際公開WO92/013813中に開示されている調査結果を確認している。
【0095】
実施例2
幾つかの原液が調製され、MAPが唯一のリン源として使用され且つクエン酸、マレイン酸またはマロン酸のような有機酸が組成物に添加されたことを除いて、実施例1中に記述されているのと同様に、これらの原液の安定性が評価された。種々の原液の組成物が、以下の表3中に含まれている。
【0096】
【表3】
【0097】
原液(試料1〜21)の調製に続く30日の期間内に本発明に従うこれらの原液のどれにも沈殿が現れないことが観察された。
【0098】
従って、実施例2中で展開されているデータは、MAP、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム及び/又は硫酸金属が、安定で透明な濃厚原液中に沈殿することなく存在することを、この発明に従う固形有機酸の使用が可能にすることを証明していると思われる。これに関して、実施例1中で観察される結果は、リン源としてのMAPだけではこのような安定で透明な濃厚原液を提供することができないことを証明していることに留意すべきである。さらに、UPは透明な溶液を提供することができるが、国際公開WO92/013813の上記議論中で述べられているように、UPの使用には幾つかの明白な不利益があることを理解すべきである。
【0099】
それ故に、例えば、唯一のリン源としてのMAPを含む原液に、この発明に従う有機酸を添加することによって、養分の沈殿が防止され、さらに、その水溶解度も安定化されると結論付けることができる。
【0100】
実施例3
比較的高いリン酸塩レベルを有する幾つかの水溶性肥料組成物の、高アルカリ度を有する硬水中での溶解度が、室温(25℃)の原液と供給液との両方で検査された。沈殿、濁り度およびpHのような様相が評価された。濁り度は、濁り度計(Orbeco-Hellige)によって測定されて、濁り度単位の数(NTU)で表された。濁り度が高ければ高い程、不溶質の量が多い。
【0101】
この実施例中で検査される種々の試料肥料組成物用に調製された基本組成物の成分が、以下の表4中に列挙されている。
【0102】
【表4】
【0103】
通常程度の硬水は、植物の要求に関して十分なカルシウムおよびマグネシウムを含んでおり、それ故にカルシウムもマグネシウムもこの製品中に必要ではない。さらに、この肥料組成物は、かなり多量のリン酸塩を含んでおり且つ硫酸塩および非キレート化微量要素を含んでいることに留意すべきである。
【0104】
上水への塩化カルシウムおよび炭酸水素ナトリウムの添加によって、350ppmHCO3 -のアルカリ度および350ppmCaCO3の硬度の水が調製された。室温は25℃であった。得られたpHは7.8であった。
【0105】
下記の表5中に列挙されている試料4〜21を形成するために、本発明に従って基本組成物(表4を参照)中へ種々の有機酸が組み入れられた。対照として、酸添加物を含まない試料1が調製され、リン酸尿素を含む試料2〜3が調製された。使用された基本組成物と添加された酸との合計量に対する添加された酸の重量部(重量%)が、以下のように表5中に列挙されている。
【0106】
【表5】
【0107】
この実施例3中における検査用の試料1〜15および18〜21の調製においては、固形酸を基本組成物と混合した後にこの混合物を1リットルの高アルカリ度硬水中に溶解させた。その後、原液中に酸を溶解させる基本組成物を水1リットル当たり100グラム含んでいる原液が調製された。引き続いて、最終供給液中に酸を溶解させる基本組成物を水1リットル当たり1グラムの含む最終供給液を得るために、原液が100倍に希釈された。
【0108】
アジピン酸(試料16)およびピメリン酸(試料17)で調製される試料の場合には、これらの酸の溶解度が評価されなければならないのでわずか10グラム/リットルしか含まない原液が調製された。しかしながら、表5中に列挙されている検査試料2〜21中に存在する全ての酸に対して、約70ppmというHCO3 -の残存量を維持するために280ppmHCO3 - という酸性化効果に対応する量の酸が添加された。幾つかの場合(試料3、6、10および21)には、より少量の酸でも溶液を透明にすることができるか否かを判断するためにこの量の半分が検査に選択された。
【0109】
種々の原液および供給液中に溶解されている養分の水溶解度の安定性が、沈殿が発生したか否かを観察することによって、並びに溶液の濁り度およびpHを測定することによって、評価された。得られた結果が、表5中に「沈殿」という見出しで列挙されている。
【0110】
作表された結果の検討において、水中の比較的高いレベルのリン酸塩、高アルカリ度(高いHCO3 -レベル)の硬水(高いCaレベル)と組み合わされている基本組成物中における硫酸塩および非キレート化微量要素の存在の結果として、普通では沈殿が発生することに留意すべきである。組成物に酸が添加されていなければ(試料1)、原液と供給液との両方中で実際に沈殿が発生している。
【0111】
しかしながら、試料への特定量の酸の添加のために、原液と供給液との両方中で沈殿が回避された。
【0112】
pHを可能な限り減少させ且つpH低下を回避するためには、70ppmの供給液中に炭酸水素の残存量を残す量の酸を含む肥料を利用することが賢明である。それにもかかわらず、肥料の組成物と使用される水の硬度及び/又はアルカリ度との両方によっては、もっと少ない量またはもっと多い量でさえも好都合に使用することができる。
【0113】
この発明の肥料組成物の満足な施用のためには、供給液に沈殿物がまったくないことが重要である。このことは、全ての養分が植物に利用できることと、沈殿物が潅漑システムを塞がないこととを保証する。この点で、この実施例の試料1(酸非添加)による組成物及び試料4(シュウ酸)による組成物は、実際問題として重大な問題になり、それ故に好ましくない。もちろん、原液も、光学的に透明で沈殿物のない必要がある。また、原液の濃度は高ければ高い程よい。
【0114】
表5中に作表されている結果から分かるように、製品中に溶解されている固形酸は、シュウ酸(試料4)及びL(+)酒石酸(試料13)を除いて、供給液と原液との両方中で沈殿を回避させることができる。シュウ酸塩がカルシウムによって沈殿することが知られている。この結果から、酒石酸塩もカルシウムによって沈殿すると予想される。そういうわけで、シュウ酸および酒石酸は、高アルカリ度硬水のpHを減少させるのに好適であるとは考えられない。
【0115】
実施例4
低アルカリ度の軟水中で比較的高いリン酸塩レベルを有する幾つかの水溶性肥料組成物の溶解度が、室温(25℃)の原液と供給液との両方中で検査された。
【0116】
軟水は植物の要求に関して十分なカルシウムおよびマグネシウムを一般に含んでいないので、カルシウム化合物およびマグネシウム化合物(それぞれCaOおよびMgO)が、以下の表6中に列挙されている成分で調製されている基本組成物中へ組み入れられた。この基本組成物は、むしろ多量のリン酸塩を含んでおり、また、硫酸塩および非キレート化微量要素を含んでいることに留意すべきである。
【0117】
【表6】
【0118】
以下の表7中に作表されているように、この実施例4の試料3および4の基本組成物に有機酸が添加された。対照試料として、試料1は酸を含んでおらず、試料2はリン酸尿素を含んでいた。添加された酸と基本組成物の合計量に対するこれらの酸の重量部(重量%)とが、表7中に列挙されている。
【0119】
【表7】
【0120】
調製においては、酸を基本組成物と混合した後に、この混合物を1リットルの低アルカリ度軟水中に溶解させた。原液中に酸を溶解させる基本組成物を水1リットル当たり100グラム含む原液が調製された。
【0121】
種々の原液中に溶解されている養分の水溶解度の安定性が、沈殿が発生したか否かを観察することによって、並びに溶液の濁り度およびpHを測定することによって、評価された。得られた結果が、表7中に明らかにされている。
【0122】
表7中のデータから、非キレート化微量要素、カルシウム、硫酸塩および比較的高いレベルのリン酸塩を含む肥料組成物は、低アルカリ度軟水で作られた原液中で沈殿することが分かる(試料1を参照)。この沈殿は、適切な量の酸の添加によって回避することができる(試料3および4を参照)。また、リン酸尿素(試料2を参照)は、マロン酸を含む試料(試料3および4)ほど効果的ではないことも、表7中の結果から結論付けることができる。
【0123】
本発明がある程度の詳細さでその好ましい形態において記述されたが、この開示が実施例としてのみなされたことが理解されるべきである。組成物の詳細、方法の操作段階および、そこで利用されている材料における多数の変更が、添付の特許請求の範囲中で限定されているように発明の精神および範囲から逸脱することなく明白である。
Claims (22)
- 安定で本質的に沈殿物のない肥料溶液を製造するための水溶性固形肥料組成物であって、
周囲温度で固形物であり、(25℃で)少なくとも10グラム/リットルの水溶解度を有する、マロン酸、マレイン酸、イタコン酸、グルタル酸、グリコール酸、トリカルバリン酸、ピメリン酸、無水マレイン酸、無水コハク酸およびこれらの混合物からなる群から選択されたリンを含まない少なくとも1つの有機酸であって、0.5〜1.3gHCO3 -/グラム酸の範囲内の酸性化効果を前記酸が有しており、前記酸1グラム当りでH2CO3へ変換することのできるHCO3 -の量として前記酸性化効果が定義されており、次の式を使用して前記量が計算され、
水1リットル当たり1グラムの投与量で前記肥料組成物が水に加えられると水中のHCO3 -レベルを60〜400ppmだけ減少させるのに十分な量で前記酸が存在しており、このことが安定で本質的に沈殿物のない肥料水溶液の形成を可能にしており、前記酸の量が次の式によって見積もられ、
リン含有1次多量養分、窒素含有1次多量養分、カリウム含有1次多量養分、非キレート化2次多量養分、非キレート化微量養分およびこれらの混合物からなる群から選択されている少なくとも1つの肥料材料であって、前記リン含有1次多量養分がリン酸塩の形態である、前記肥料材料と
を備える水溶性固形肥料組成物。 - 前記酸の前記酸性化効果が、0.9〜1.3gHCO3 -/グラム酸の範囲内にある請求項1の肥料組成物。
- 前記酸が、前記肥料組成物の2〜90重量%の量で前記肥料組成物中に存在している請求項1または2の肥料組成物。
- 前記リン酸塩が、リン酸モノ・アンモニウム、リン酸ジ・アンモニウム、リン酸モノ・カリウムおよびリン酸三カリウムからなる群から選択されている請求項1〜3の何れか1項の肥料組成物。
- 前記窒素含有1次多量養分が、硝酸塩、アンモニウム塩および尿素誘導体からなる群から選択されている請求項1〜4の何れか1項の肥料組成物。
- 前記カリウム含有1次多量養分が、カリウム塩からなる群から選択されている請求項1〜5の何れか1項の肥料組成物。
- 前記1次多量養分が、前記肥料組成物の1〜99重量%の量で前記肥料組成物中に存在している請求項1〜6の何れか1項の肥料組成物。
- 前記非キレート化2次多量養分が、カルシウム塩、マグネシウム塩、硫酸塩およびこれらの混合物からなる群から選択されている請求項1〜7の何れか1項の肥料組成物。
- 前記非キレート化2次多量養分が、前記肥料組成物の0.1〜99重量%の量で存在している請求項1〜8の何れか1項の肥料組成物。
- 前記非キレート化微量養分が、硫酸鉄、硝酸鉄、硫酸マンガン、硝酸マンガン、硫酸銅、硝酸銅、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸コバルト、硝酸コバルト、ホウ酸、モリブデン酸塩およびこれらの混合物からなる群から選択されている請求項1〜9の何れか1項の肥料組成物。
- 前記非キレート化微量養分が、前記肥料組成物の0.1〜50重量%の量で前記肥料組成物中に存在している請求項1〜10の何れか1項の肥料組成物。
- 水溶性固形肥料組成物を水に溶解させることによって形成されている安定で本質的に沈殿物のない肥料水溶液であって、前記肥料組成物が、
周囲温度で固形物であり、(25℃で)少なくとも10g/lの水溶解度と0.5〜1.3gHCO3 -/グラム酸の範囲内の酸性化効果とを有する、マロン酸、マレイン酸、イタコン酸、グルタル酸、グリコール酸、トリカルバリン酸、ピメリン酸、無水マレイン酸、無水コハク酸およびこれらの混合物からなる群から選択されたリンを含まない少なくとも1つの有機酸であって、前記酸1グラム当りでH2CO3へ変換することのできるHCO3 -の量として前記酸性化効果が定義されており、次の式を使用して前記量が計算され、
水1リットル当たり1グラムの投与量で前記肥料組成物が水に加えられると水中のHCO3 -レベルを60〜400ppmだけ減少させるのに十分な量で前記酸が存在しており、このことが安定で本質的に沈殿物のない肥料水溶液の形成を可能にしており、前記酸の量が次の式によって見積もられ、
リン含有1次多量養分、窒素含有1次多量養分、カリウム含有1次多量養分、非キレート化2次多量養分、非キレート化微量養分およびこれらの混合物からなる群から選択されている少なくとも1つの肥料材料であって、前記リン含有1次多量養分がリン酸塩の形態である、前記肥料材料と
を備える肥料水溶液。 - 前記リン酸塩が、リン酸モノ・アンモニウム、リン酸ジ・アンモニウム、リン酸モノ・カリウムおよびリン酸三カリウムからなる群から選択されている請求項12の肥料水溶液。
- 前記窒素含有1次多量養分が、硝酸塩、アンモニウム塩および尿素誘導体からなる群から選択されている請求項12または13の何れか1項の肥料水溶液。
- 前記カリウム含有1次多量養分が、カリウム塩からなる群から選択されている請求項12〜14の何れか1項の肥料水溶液。
- 前記1次多量養分が、前記肥料組成物の1〜99重量%の量で前記肥料組成物中に存在している請求項12〜15の何れか1項の肥料水溶液。
- 前記非キレート化2次多量養分が、カルシウム塩、マグネシウム塩、硫酸塩およびこれらの混合物からなる群から選択されている請求項12〜16の何れか1項の肥料水溶液。
- 前記非キレート化2次多量養分が、前記肥料組成物の0.1〜99重量%の量で存在している請求項12〜17の何れか1項の肥料水溶液。
- 前記非キレート化微量養分が、硫酸鉄、硝酸鉄、硫酸マンガン、硝酸マンガン、硫酸銅、硝酸銅、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸コバルト、硝酸コバルト、ホウ酸、モリブデン酸塩およびこれらの混合物からなる群から選択されている請求項12〜18の何れか1項の肥料水溶液。
- 前記非キレート化微量養分が、前記肥料組成物の0.1〜50重量%の量で前記肥料組成物中に存在している請求項12〜19の何れか1項の肥料水溶液。
- 前記肥料組成物が前記肥料水溶液の5〜40重量%を構成している請求項12〜20の何れか1項の肥料水溶液。
- 前記肥料組成物が前記肥料水溶液の0.05〜1重量%を構成している請求項12〜21の何れか1項の肥料水溶液。
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