JP2524957B2 - 電子部材用樹脂組成物 - Google Patents

電子部材用樹脂組成物

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JP2524957B2
JP2524957B2 JP5185617A JP18561793A JP2524957B2 JP 2524957 B2 JP2524957 B2 JP 2524957B2 JP 5185617 A JP5185617 A JP 5185617A JP 18561793 A JP18561793 A JP 18561793A JP 2524957 B2 JP2524957 B2 JP 2524957B2
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maleic anhydride
polyphenylene ether
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郁恵 渡▲邉▼
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KOSUMO SEKYU KK
KOSUMO SOGO KENKYUSHO KK
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KOSUMO SEKYU KK
KOSUMO SOGO KENKYUSHO KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、IC基盤、プリント配
線基板などの電気絶縁材料として好適に利用することが
できる優れた耐熱性、誘電特性、電気絶縁性、メッキ特
性、熱伝導性、機械特性などを有する電子部材用樹脂組
成物に関する。
【0002】
【技術背景】ポリエーテルイミドは、耐熱性、電気特
性、機械特性などにおいて優れた性質を有することか
ら、エンジニアリングプラスチックとして多くの用途に
利用されている。さらに、その優れた耐熱性、電気絶縁
性により、IC基盤、プリント配線基板などの電気絶縁
材料として利用されている例も多い。
【0003】しかしながら、ポリエーテルイミドのよう
な縮合系の芳香族系耐熱性高分子においては、一般に、
その誘電率が比較的高いため、高密度・多層集積、ある
いは高速度・高周波回路用の絶縁材料としては、その性
能に限界がある。
【0004】一方、ポリフェニレンエーテル、芳香族ポ
リビニル化合物などは、機械強度、成形加工性および耐
熱性には劣るが、誘電率が低く、電気特性は比較的優れ
ている。
【0005】これら性質の異なる2種、もしくはそれ以
上のポリマーをブレンドすることにより、それぞれのポ
リマーの特性を合わせ持ったポリマーブレンドの設計が
盛んに行われている。しかし、多くのポリマーは非相溶
系であり、非相溶系のポリマーブレンドの場合、特性、
特に機械特性において問題があった。
【0006】従来、上記したような特性を有するポリエ
ーテルイミドに、上記したような特性を有するポリフェ
ニレンエーテルを加熱溶融混合したポリマーブレンド
は、知られている。しかし、このポリマーブレンドは、
相溶性の面で問題があり、機械特性も満足するものでは
なかった。
【0007】また、上記のようなポリエーテルイミドと
ポリフェニレンエーテルのポリマーブレンドにおいて、
曲げ特性などを改善した例(特開平2−3446号公報
など)や、相溶性を改善した例(特開平5−32880
号公報など)などもある。しかし、相溶性・耐熱性・機
械特性などを全て満足するものではなかった。
【0008】
【発明の目的】本発明は、上記のポリエーテルイミドと
ポリフェニレンエーテルとのポリマーブレンドにおける
相溶性の問題を解決し、耐熱性や機械特性に優れるとと
もに、電気絶縁性や誘電特性、メッキ特性、耐薬品性、
熱伝導性、さらに成形加工性にも優れた電子部材用樹脂
組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【目的を達成するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために、鋭意検討した結果、耐熱性や機械特
性などに優れたポリエーテルイミドと、比較的低い誘電
率を有する電気特性に優れたポリフェニレンエーテルと
を、第3成分とも言える無水マレイン酸系化合物−ビニ
ル系化合物共重合体とともにブレンドしたところ、
(1)ポリエーテルイミドとポリフェニレンエーテルと
が本来有している優れた耐熱性、機械特性、電気絶縁
性、誘電特性、成形性などをそのまま保持し、しかもメ
ッキ特性にも優れた樹脂組成物が得られること、および
(2)この樹脂組成物に、さらにシラン系カップリング
剤および特定のフィラーを配合すれば、熱伝導率などの
熱特性や機械特性に一層優れた樹脂組成物が得られるこ
とを見出し、本発明の電子部材用樹脂組成物を提案する
に至った。
【0010】すなわち、本発明の電子部材用樹脂組成物
は、一般式Aで表されるポリエーテルイミド、一般式B
で表されるポリフェニレンエーテル、および無水マレイ
ン酸系化合物−ビニル化合物共重合体からなるものであ
ることを特徴とする。
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】また、本発明の組成物においては、上記の
ポリエーテルイミド、ポリフェニレンエーテル、無水マ
レイン酸系化合物−ビニル系化合物共重合体に加えて、
シラン系カップリング剤およびフィラーが配合されたも
のであってもよい。このフィラーは、ウィスカーまたは
単繊維状の無機充填材であることが好ましい。
【0014】本発明の組成物に使用される一般式Aのポ
リエーテルイミドは、該ポリエーテルイミドの性能、製
造、あるいはコストなどの面で好ましい具体例として
は、化5の構造式で示されるものが挙げられる。
【0015】
【化5】
【0016】また、一般式Bのポリフェニレンエーテル
は、該ポリフェニレンエーテルの性能、製造、あるいは
コストなどの面で好ましい具体例として、化6の構造式
で示されるものが挙げられる。
【0017】
【化6】
【0018】さらに、無水マレイン酸系化合物−ビニル
系化合物共重合体は、該共重合体の性能、製造、コスト
などの面で好ましい具体例として、無水マレイン酸−ス
チレン共重合体、無水マレイン酸−エチレン共重合体、
無水マレイン酸−プロピレン共重合体、無水マレイン酸
−メチルメタクリレート共重合体、無水マレイン酸−ア
クリロニトリル共重合体、無水マレイン酸−α−メチル
スチレン共重合体、無水マレイン酸−p−メチルスチレ
ン共重合体、無水マレイン酸−N−フェニルマレイミド
共重合体などが挙げられ、特に無水マレイン酸−スチレ
ン共重合体が望ましい。
【0019】上記のような無水マレイン酸系化合物−ビ
ニル系化合物共重合体において、無水マレイン酸系化合
物の部分がポリエーテルイミドと、ビニル系化合物の部
分がポリフェニレンエーテルと、それぞれ優れた相溶性
を有するため、これら両ポリマーを相互に良好に相溶化
することができる。
【0020】以上の3つの成分に加えられるシラン系カ
ップリング剤は、その性能、製造、コストなどの面で好
ましい具体例として、ビニルトリクロロシラン、ビニル
トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β−
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエト
キシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシランなどが挙
げられる。なかでも、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ランが好ましい。
【0021】また、上記のシラン系カップリング剤とと
もに加えられるフィラーは、その性能、製造、コストな
どの面で好ましい具体例として、ガラス、酸化アルミニ
ウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化チタ
ン、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化
チタン、炭化ケイ素、チタン酸カリウムなどの無機充填
材が挙げられる。なかでも、炭化ケイ素、窒化ケイ素、
酸化アルミニウム、チタン酸カリウム、ガラス、酸化ベ
リリウム、窒化アルミニウムが好ましい。
【0022】これらのフィラーは、パウダー、ウィスカ
ー、繊維など、任意の形状のものを使用することができ
るが、特に、ウィスカーや単繊維状のものが、機械特
性、熱特性などの特性を向上するためには好ましい物性
を有している。なお、ウィスカーや単繊維状のものをフ
ィラーとして用いる場合は、炭化ケイ素、窒化ケイ素、
酸化アルミニウム、チタン酸カリウムが特に適してい
る。
【0023】ウィスカー形状として用いる場合は、短す
ぎたり、細すぎると、ウィスカー形状の有する特性が充
分に発揮されず、逆に、長すぎたり、太すぎると、ブレ
ンド時にウィスカー形状が壊れてしまい、後述するよう
に予めシラン系カップリング剤で表面処理したものを使
用する場合には、処理していない面が増え、物性の低下
が起こることもあるため、長さは約5〜50μm、直径
は約0.1〜1.8μmの範囲内のものが適しており、
さらに好ましくは、長さが約20〜40μm、直径が約
0.3〜0.9μmの範囲内のものが適している。
【0024】単繊維状として用いる場合は、短すぎた
り、細すぎると、複合材料としたときの機械強度が低下
し、逆に、長すぎたり、太すぎると、ウィスカー形状に
おける場合と同様の物性の低下が起こることがあるた
め、長さは約2000〜4000μm、直径は約4〜1
5μmの範囲内のものが適しており、さらに好ましく
は、長さが約2000〜2600μm、直径が約8〜1
1μmの範囲内のものが好ましい。
【0025】本発明の組成物をさらに詳しく説明する
と、(1)化5の構造式を含め一般式Aで表されるポリ
エーテルイミドを約1〜99重量部、好ましくは約5〜
95重量部と、化6の構造式を含め一般式Bで表される
ポリフェニレンエーテルを約1〜99重量部、好ましく
は約5〜95重量部と、前述の無水マレイン酸系化合物
−ビニル系化合物共重合体より選ばれた少なくとも1種
の無水マレイン酸系化合物−ビニル系化合物共重合体を
該ポリエーテルイミドとポリフェニレンエーテルとの合
計100重量部に対して約0.1〜約50重量部、好ま
しくは約0.1〜20重量部との3成分からなるもの、
(2)(1)の3成分と、前述のシラン系カップリング
剤より選ばれた少なくとも一種を本発明の組成物の合計
100重量部に対して約0.001〜10重量%、好ま
しくは約0.01〜5重量%と、前述のフィラーより選
ばれた少なくとも一種をやはり本発明の組成物の合計1
00重量部に対して約1〜90重量%、好ましくは約1
0〜60重量%との5成分のものがあり、特に(2)の
5成分のものが好ましい。
【0026】このような本発明の組成物において、ポリ
エーテルイミドの量が少ないと、機械強度、成形加工
性、耐熱性などは低下するが、誘電率が低くなって電気
特性は向上する。逆に、ポリエーテルイミドの量が多い
と、機械強度、成形加工性、耐熱性などは向上するが、
誘電率が高くなって電気特性は低下する。
【0027】これに対し、ポリフェニレンエーテルの量
が少ないと、機械強度、成形加工性、耐熱性などは向上
するが、誘電率が高くなって電気特性は劣化する。逆
に、ポリフェニレンエーテルの量が多いと、機械強度、
成形加工性、耐熱性などは低下するが、誘電率が低くな
って電気的特性は向上する。
【0028】このように、ポリエーテルイミドとポリフ
ェニレンエーテルは、相反する性質を有するため、これ
ら両者の混合比率を、上記した範囲内において、適宜調
節することにより、任意の誘電率や機械強度などを有す
る本発明の組成物を得ることができる。
【0029】そして、第3成分と言うべき無水マレイン
酸系化合物−ビニル系化合物共重合体の配合量は、少な
すぎると相溶性が低下して、機械強度が低下してしま
い、逆に多すぎても相溶性が低下することがあるのみな
らず、耐熱性をも低下させることがあるため、本発明の
組成物では、上記した範囲とするものである。
【0030】また、本発明の組成物において、シラン系
カップリング剤の配合量は、少なすぎると、上記したポ
リエーテルイミド,ポリフェニレンエーテル,無水マレ
イン酸系化合物−ビニル系化合物共重合体の3つのポリ
マーと、フィラーとの界面の親和性、接合性が低下し、
機械強度が低下してしまい、逆に多すぎても、それ以上
の効果は得られないばかりか、これら3つのポリマーの
相溶性を低下させる場合もあるので、本発明の組成物で
は、上記の範囲とするものである。
【0031】本発明の組成物は、上記3成分あるいは5
成分以外の任意の成分、例えば、充填剤、熱安定化剤、
難燃剤、着色剤、補強剤などを添加することができる。
【0032】以上の成分からなる本発明の組成物の製造
方法は、溶融ブレンド法、溶液ブレンド法などを採用す
ることができる。溶液ブレンド法は、低温でブレンドで
き、複雑な設備を必要としない反面、多量の溶媒を必要
とし、しかも工程が複雑で、収率が低いなどの問題点が
ある。それに対し、溶融ブレンド法は、高温が必要で、
抽出機などの設備が必要となるが、工程が単純で、ほぼ
100%の収率が得られるなど、生産性、経済性に優れ
るため、本発明の組成物の製造方法は、溶融ブレンド法
によることが好ましい。
【0033】加熱溶融ブレンド法による場合、上記した
ポリエーテルイミドとポリフェニレンエーテルと無水マ
レイン酸系化合物−ビニル系化合物共重合体、あるいは
これらとシラン系カップリング剤とフィラー、さらには
これらと上記の任意の成分は、これら各成分を一度に混
練してもよいが、任意の順序で加熱溶融混練することも
できる。
【0034】また、シラン系カップリング剤は、上記の
ように直接添加してもよいが、シラン系カップリング剤
で予めフィラーを表面処理して使用することもできる。
このシラン系カップリング剤でフィラーを表面処理する
方法は、当業者には周知の方法を用いることができる。
【0035】すなわち、水または約0.01〜0.1重
量%濃度の酢酸水100重量部に対し、約0.1〜5重
量部のシラン系カップリング剤を溶解させ、その溶液中
に約10重量部のフィラーを投入し、適当時間攪拌した
後、ロ過、乾燥することによってシラン系カップリング
剤で表面処理されたフィラーを得ることができる。
【0036】あるいは、上記によって得られたシラン系
カップリング剤の溶液を、スプレーなどを用いることに
より、フィラーに均一に散布した後、乾燥することによ
ってもシラン系カップリング剤で表面処理されたフィラ
ーを得ることができる。
【0037】さらには、シラン系カップリング剤とフィ
ラー、あるいはシラン系カップリング剤で表面処理され
たフィラーは、上記のとおり、ポリエーテルイミド、ポ
リフェニレンエーテル、および無水マレイン酸系化合物
−ビニル系化合物共重合体のポリマー成分と同時に、あ
るいはその前後に混練してもよいが、予めポリエーテル
イミド、ポリフェニレンエーテル、および無水マレイン
酸系化合物−ビニル系化合物共重合体を混練することに
より得られるポリマーブレンド組成物と混練することも
できる。
【0038】上記の成分をブレンドするのに使用される
混合機としては、加熱機能と混合機能を備えた従来の混
練ミキサーや一軸あるいは二軸のスクリュー押出機など
を挙げることができる。
【0039】好ましいブレンド条件は、例えば、混練ミ
キサーを使用する場合においては、ローター回転数が約
10〜200rpm、好ましくは約30〜100rp
m、ブレンド温度が約200〜400℃、好ましくは約
250〜350℃の範囲、ブレンド時間が約1〜60
分、好ましくは約2〜10分である。
【0040】ローター回転数が約10rpm未満であっ
ても、約200rpmを超えても、良好なブレンド物は
得られない。ブレンド温度が約200℃未満ではポリエ
ーテルイミドが溶融せず、約400℃を超えると成分の
分解を引き起こすので好ましくない。ブレンド時間が約
1分未満では十分な混合が行われず、約60分を超えて
ブレンドを続けてもそれ以上の効果は得られない。
【0041】さらに、上記の各成分の酸化による劣化を
防ぐために、ブレンドは、不活性ガス雰囲気下で行うこ
とが好ましい。不活性ガスの好ましい具体例としては、
窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどが挙げられ
る。
【0042】以上のようにして混練して得られる本発明
の組成物は、目的に応じて、成形機により、ペレット、
フィルム、その他の適宜の形状に成形できる。
【0043】
【作用】本発明においては、本来、相溶性の悪いポリエ
ーテルイミドとポリフェニレンエーテルとが、第3成分
とも言うべきポリマーである無水マレイン酸系化合物−
ビニル系化合物共重合体により、良好な相溶性を示し、
さらにシラン系カップリング剤を使用することにより、
フィラーとこれらポリマー成分との界面が良好な親和
性、接合性を示し、緊密な混合状態の、したがって機械
特性に優れたポリマーブレンドとなる。
【0044】しかも、この無水マレイン酸系化合物−ビ
ニル系化合物共重合体やシラン系カップリング剤は、ポ
リエーテルイミドおよびポリフェニレンエーテルのそれ
ぞれが本来有している耐熱性、成形加工性、電気特性、
機械特性などを阻害しない。
【0045】加えて、上記のフィラーとしてウィスカー
や単繊維状の無機充填材を使用する場合には、耐熱性、
成形加工性、相溶性、フィラーとポリマー成分との親和
性や接合性を損なうことなく、機械特性、熱伝導性など
を向上させることができる。
【0046】以上により、本発明の組成物によれば、こ
れら両ポリマーが本来有している優れた諸特性をそのま
ま保持し、しかも緊密なポリマーブレンドとなってお
り、近年のエンジニアリングプラスチックに要求される
様々な特性を備えた樹脂組成物が提供される。
【0047】
【実施例】
実施例1 ポリエーテルイミド〔米国ゼネラル・エレクトリック社
製商品名“Ultem1000”〕10g、ポリフェニ
レンエーテル〔ポリ(2,6−ジメチル−p−フェニレ
ンオキサイド)〕10g、および無水マレイン酸−スチ
レン共重合体〔75/25;ランダム共重合体〕1g
を、ラボプラストミルミキサー〔東洋精機(株)製商品
名“30C150型”〕を用いて、窒素雰囲気下、30
0℃、50rpmで3分間加熱溶融ブレンドを行い、本
発明の組成物を得た。
【0048】実施例2 ポリエーテルイミド10gを16gに、ポリフェニレン
エーテル10gを4gに変えた以外は、実施例1と同様
の方法により加熱溶融ブレンドを行い、本発明の組成物
を得た。
【0049】実施例3 ポリエーテルイミド10gを4gに、ポリフェニレンエ
ーテル10gを16gに変えた以外は、実施例1と同様
の方法により加熱溶融ブレンドを行い、本発明の組成物
を得た。
【0050】実施例4 無水マレイン酸−スチレン共重合体1gを2gに変えた
以外は、実施例1と同様の方法により加熱溶融ブレンド
を行い、本発明の組成物を得た。
【0051】実施例5 無水マレイン酸−スチレン共重合体1gを4gに変えた
以外は、実施例1と同様の方法により加熱溶融ブレンド
を行い、本発明の組成物を得た。
【0052】比較例1 ポリエーテルイミド〔米国ゼネラル・エレクトリック社
製商品名“Ultem1000”〕10g、ポリフェニ
レンエーテル〔ポリ(2,6−ジメチル−p−フェニレ
ンオキサイド)〕10gを、ラボプラストミルミキサー
〔東洋精機(株)製商品名“30C150型”〕を用い
て、窒素雰囲気下、300℃、50rpmで3分間加熱
溶融ブレンドを行い、比較の組成物を得た。
【0053】実施例1〜6におよび比較例1で得られた
組成物について、示差走査熱量計〔日本電子社製商品名
“DSC”〕によりガラス転移温度(Tg)を測定し
た。
【0054】また、得られた組成物を、小型射出成形機
を用いて、250〜350℃で、長さ20mm、大径4
mmφ、小径1mmφのダンベル状に成形し、米国Cu
stom Scientific Instrumen
ts社製商品名“MINIMAX TENSILE T
ESTER CS−183”を用いて、引張弾性率、引
張強度、伸びを測定した。
【0055】さらに、得られたを真空プレス〔柴山科学
器械製作所社製商品名“真空プレスVP−50”〕によ
り、250〜300℃で、直径約40mm、厚さ約1m
mの円盤状に成形し、得られた成形品について1MHz
の周波数において、誘電率、誘電正接の測定を行った。
【0056】また、上記のダンベル状の成形体の相溶性
について、走査型電子顕微鏡写真において相分離構造を
観察し、ドメインのサイズにより次の3段階で評価し
た。A;ドメインの直径1μm未満で分散している。
B;ドメインの直径1〜3μmの範囲で分散している。
C;ドメインの直径3μmを超えて分散している。
【0057】以上の結果を表1および表2に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】実施例6 0.1重量%濃度の酢酸水溶液100重量部にγ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン1重量部を溶解させ、そ
の溶液100重量部に対し、120℃で2〜3時間真空
乾燥を行った窒化アルミニウム10重量部を加え、室温
で10〜60分間攪拌後、ロ過し、水およびメタノール
で十分洗浄を行った後、80℃で2〜3時間真空乾燥を
行うことにより、γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ンで表面処理された窒化アルミニウムを得た。
【0061】次に、ポリエーテルイミド8g、ポリフェ
ニレンエーテル〔ポリ(2,6−ジメチル−p−フェニ
レンオキサイド)〕8g、および無水マレイン酸−スチ
レン共重合体0.8gを、ラボプラストミルミキサーを
用いて、窒素雰囲気下、300℃、50rpmで3分間
加熱溶融ブレンドを行った。さらに、上記のγ−アミノ
プロピルトリエトキシシランで表面処理した窒化アルミ
ニウム4gを加え、窒素雰囲気下、300℃、50rp
mで3分間加熱溶融ブレンドを行い、本発明の組成物を
得た。
【0062】実施例7 無水マレイン酸−スチレン共重合体をメチルメタクリレ
ート−スチレン共重合体に変えた以外は、実施例6と同
様の方法により加熱溶融ブレンドを行い、本発明の組成
物を得た。
【0063】実施例8 γ−アミノプロピルトリエトキシシランをN−フェニル
−γ−アミノプロピルトリメトキシシランに変えた以外
は、実施例6と同様の方法により加熱溶融ブレンドを行
い、本発明の組成物を得た。
【0064】実施例9 ポリエーテルイミドを6g、ポリフェニレンエーテルを
6g、無水マレイン酸−スチレン共重合体を0.6g、
γ−アミノプロピルトリエトキシシランで表面処理した
窒化アルミニウムを8gとした以外は、実施例6と同様
の方法により加熱溶融ブレンドを行い、本発明の組成物
を得た。
【0065】実施例10 窒化アルミニウムを炭化ケイ素に変えた以外は、実施例
6と同様の方法により加熱溶融ブレンドを行い、本発明
の組成物を得た。
【0066】実施例11 窒化アルミニウムを炭化ケイ素に変えた以外は、実施例
9と同様の方法により加熱溶融ブレンドを行い、本発明
の組成物を得た。
【0067】実施例12 窒化アルミニウムをグラスファイバー〔旭ファイバーグ
ラス社製商品名“グラスロン ミルドファイバー
B”〕に変えた以外は、実施例6と同様の方法により加
熱溶融ブレンドを行い、本発明の組成物を得た。
【0068】実施例13 窒化アルミニウムをグラスファイバーに変えた以外は、
実施例9と同様の方法により加熱溶融ブレンドを行い、
本発明の組成物を得た。
【0069】実施例14 窒化アルミニウムを酸化ベリリウムに変え、かつ該酸化
ベリリウムは実施例6と同様にしてγ−アミノプロピル
トリエトキシシランで表面処理したものを2gとした以
外は、実施例6と同様の方法により加熱溶融ブレンドを
行い、本発明の組成物を得た。
【0070】実施例15 水100重量部にγ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン1重量部を溶解させ、その溶液100重量部に対し、
120℃で2〜3時間真空乾燥を行った炭化ケイ素ウィ
スカー(長さ30μm、直径0.3μm)10重量部を
加え、室温で10〜60分間攪拌後、ロ過し、水および
メタノールで十分洗浄を行った後、80℃で2〜3時間
真空乾燥を行うことにより、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシランで表面処理された炭化ケイ素ウィスカーを
得た。
【0071】次に、ポリエーテルイミド8g、ポリフェ
ニレンエーテル〔ポリ(2,6−ジメチル−p−フェニ
レンオキサイド)〕8g、および無水マレイン酸−スチ
レン共重合体0.8gを、ラボプラストミルミキサーを
用いて、窒素雰囲気下、300℃、50rpmで3分間
加熱溶融ブレンドを行った。さらに、上記のγ−アミノ
プロピルトリエトキシシランで表面処理した炭化ケイ素
ウィスカー4gを加え、窒素雰囲気下、300℃、50
rpmで3分間加熱溶融ブレンドを行い、本発明の組成
物を得た。
【0072】実施例16 無水マレイン酸系化合物−ビニル系化合物共重合体をメ
チルメタクリレート−スチレン共重合体に変えた以外
は、実施例15と同様の方法により加熱溶融ブレンドを
行い、本発明の組成物を得た。
【0073】実施例17 γ−アミノプロピルトリエトキシシランをN−グリシド
キシプロピルトリメトキシシランに変えた以外は、実施
例15と同様の方法により加熱溶融ブレンドを行い、本
発明の組成物を得た。
【0074】実施例18 γ−アミノプロピルトリエトキシシランをN−フェニル
−アミノプロピルトリメトキシシランに変えた以外は、
実施例15と同様の方法により加熱溶融ブレンドを行
い、本発明の組成物を得た。
【0075】実施例19 ポリエーテルイミドを6g、ポリフェニレンエーテルを
6g、無水マレイン酸−スチレン共重合体を0.6g、
炭化ケイ素ウィスカーを8gとした以外は、実施例15
と同様の方法により加熱溶融ブレンドを行い、本発明の
組成物を得た。
【0076】実施例20 炭化ケイ素ウィスカーを窒化ケイ素ウィスカー(長さ3
5μm、直径0.4μm)に変えた以外は、実施例15
と同様の方法により加熱溶融ブレンドを行い、本発明の
組成物を得た。
【0077】実施例21 炭化ケイ素ウィスカーを窒化ケイ素ウィスカーに変えた
以外は、実施例19と同様の方法により加熱溶融ブレン
ドを行い、本発明の組成物を得た。
【0078】実施例22 炭化ケイ素ウィスカーをチタン酸カリウムウィスカー
(長さ20μm、直径0.4μm)に変えた以外は、実
施例15と同様の方法により加熱溶融ブレンドを行い、
本発明の組成物を得た。
【0079】実施例23 炭化ケイ素ウィスカーをチタン酸カリウムウィスカーに
変えた以外は、実施例19と同様の方法により加熱溶融
ブレンドを行い、本発明の組成物を得た。
【0080】実施例24 炭化ケイ素ウィスカーを酸化アルミニウム単繊維(長さ
2000μm、直径8μm)に変えた以外は、実施例1
5と同様の方法により加熱溶融ブレンドを行い、本発明
の組成物を得た。
【0081】実施例25 炭化ケイ素ウィスカーを酸化アルミニウム単繊維に変え
た以外は、実施例19と同様の方法により加熱溶融ブレ
ンドを行い、本発明の組成物を得た。
【0082】比較例2 ポリエーテルイミド10g、ポリフェニレンエーテル1
0gを、ラボプラストミルミキサーを用いて、窒素雰囲
気下、300℃、50rpmで3分間加熱溶融ブレンド
を行い、比較の組成物を得た。
【0083】実施例6〜25および比較例2で得られた
組成物についても、実施例1〜4および比較例1の組成
物と同様の諸物性を調べた。この結果を、表5〜8に示
す。なお、参考のために、実施例6〜25および比較例
2〜8で使用した各種フィラーのパウダー形状における
熱伝導率および誘電率を表4に示す。
【0084】
【表4】
【0085】
【表5】
【0086】
【表6】
【0087】
【表7】
【0088】
【表8】
【0089】
【表9】
【0090】
【表10】
【0091】以上の結果から、本発明の組成物では、電
気特性において非常に良好な値を示すことが判る。ま
た、耐熱性に関しては、本発明の組成物のガラス転移温
度が約210〜220℃の範囲にあり、ポリエーテルイ
ミド単独の優れた耐熱性をそのまま保持することが判
る。さらに、フィラーの存在により、フィラーが存在し
ないものに比して熱伝導率および機械強度よりも高い熱
伝導率および機械強度を持ち、熱伝導率の面および機械
強度の面における効果があることが判る。なお、このフ
ィラーとしてウィスカーまたは単繊維状の無機充填剤を
使用すれば、機械特性および熱特性をも大幅に向上す
る。加えて、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンエー
テル、無水マレイン酸系化合物−ビニル系化合物共重合
体、さらにシラン系カップリング剤、フィラーを、任意
の割合で混合することができ、目的に応じて所定の誘電
特性、熱伝導性を有する耐熱性、相溶性、接合性に優れ
た樹脂組成物を得ることができることが明らかである。
【0092】
【発明の効果】本発明によれば、ポリエーテルイミドの
優れた耐熱性を保持し、さらにポリエーテルイミドより
も優れた誘電特性を有することができる。しかも、本発
明の樹脂組成物は、相溶性のないポリエーテルイミドと
ポリフェニルエーテルとの2成分を、無水マレイン酸系
化合物−ビニル系化合物共重合体を約0.1重量部の極
く少量から約50重量部のかなり大量の範囲内の適宜の
量で介在させることによって、良好に相溶させることが
でき、それに伴い機械特性が大幅に向上しているもので
ある。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式Aで表されるポリエーテルイミ
    ド、一般式Bで表されるポリフェニレンエーテル、およ
    び無水マレイン酸系化合物−ビニル系化合物共重合体か
    らなることを特徴とする電子部材用樹脂組成物。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 シラン系カップリング剤およびフィラー
    を配合することを特徴とする請求項1の電子部材用樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】 フィラーがウィスカーまたは単繊維状の
    無機充填材であることを特徴とする請求項2の電子部材
    用樹脂組成物。
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