JP2524880Y2 - 光アイソレータ - Google Patents

光アイソレータ

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JP2524880Y2 JP1990087847U JP8784790U JP2524880Y2 JP 2524880 Y2 JP2524880 Y2 JP 2524880Y2 JP 1990087847 U JP1990087847 U JP 1990087847U JP 8784790 U JP8784790 U JP 8784790U JP 2524880 Y2 JP2524880 Y2 JP 2524880Y2
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【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は光アイソレータの組み立て構造に関し,詳し
くは,光アイソレータ内部の通気手段に関する。
(従来の技術) 従来より,光通信等のレーザ光を用いた情報制御シス
テムにおいては,発振により生じた出力光の一部がシス
テムの構成素子により反射されて,レーザ発振器内に帰
還し(戻り光)し,レーザ発振が乱される現象がある。
この戻り光を遮断するために,2枚の偏光子およびこの偏
光子に介在する磁気飽和させたファラデー回転子を用い
ることで,戻り光を光学的に遮断してしまういわゆる光
アイソレータの使用が提案されている。
第4図に示すように,従来の光アイソレータは円筒磁
石54内にファラデー回転子53を,偏光子51および検光子
52で挟み,光学接着剤を積極的に使用し,光アイソレー
タ内部に空隙を作らないような構成としている。
しかし,近年はより長期信頼性の面ですぐれた組み立
て方法であるはんだ付け接着により構成された光アイソ
レータに対する要求が高まりつつあり,偏光子,検光子
およびファラデー回転子等の光学素子や永久磁石を半田
を介して金属ホルダに有機接着剤等を用いずに無機的に
接着する方法が一般化しつつある。この場合,光アイソ
レータ内部と外部との通気の確保は,構造設計上の重要
な問題である。
(考案が解決しようとする課題) 一般に,第4図に示すような光アイソレータにおいて
は,ファラデー回転子53は偏光子51および検光子52の3
枚の光学素子が使用され,これらが光路上に順に配置さ
れるため,ファラデー回転子と偏光子または検光子との
間の光路部分に密閉空間が構造上生じ易い。光アイソレ
ータの構造内に独立した密閉空間が生じると,温度の変
化により密閉空間内部と外部との間に気圧差が生じて,
光学素子の接着面に破損の危険が生じたり,あるいは,
光アイソレータの光学素子の密閉空間に接する側に結露
が生じ,光アイソレータの挿入損失が増加したりするこ
とになる。
この問題は,従来の有機接着剤を用いた光アイソレー
タでも生じていたが,その場合は接着温度が室温付近で
あるため,光アイソレータの使用温度では,ホルダ内外
の圧力差が小さいために,特に問題にならなかった。
尚,この場合,ホルダの密閉部分には,低湿度の空気
か不活性なガス類を満たして密封する必要があった。ま
た,ホルダ材質を一般に加工容易なプラスチック類にて
構成し,加工の容易性を利用して空気抜きのための複雑
な機構をホルダ内に持たせていたりした。ところが,半
田付接着による光アイソレータの組み立てにおいては,
スズ鉛半田ろうを用いる場合は,200℃〜300℃までの接
着時の昇温が一般的であり,接着温度が非常に高いた
め,密閉空間が存在する際には降温による密閉気体の収
縮により室温近傍でのホルダ内外気圧差が大きくなって
しまう。また,ホルダが一般に金属製である必要があ
り,加工性に難があるので,プラスチック類により作成
されたホルダのような複雑な形状による空気抜きを設け
ることは困難である。
そこで,本考案の第1の技術的課題は,簡単な加工に
より作成された光アイソレータ密閉空間内外を連絡する
通気構造を有する光アイソレータを提供することにあ
る。
更に,本考案の第2の技術的課題は,半田ろう付け等
により簡単に光学素子をホルダに接合することのできる
光アイソレータを提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本考案によれば,偏光子,検光子,及び前記偏向子と
前記検光子との間に介在するファラデー回転子の各光学
素子と,前記ファラデー回転子に磁場を印加する磁石
と,前記光学素子及び前記磁石を配置固定する筒状の収
容部とを備えた光アイソレータにおいて,前記収容部
に,前記ファラデー回転子の配置された空間と外部との
通気を行う通気路を設けたことを特徴とする光アイソレ
ータが得られる。
また,本考案によれば,前記光アイソレータにおい
て,前記収容部の内側に複数の環状突起を設け,前記複
数の環状突起に前記光学素子を夫々支持させるととも
に,前記光学素子の内の前記偏光子及び前記検光子を夫
々支持する環状突起の内の少なくとも一つに溝を形成し
て前記通気路としたことを特徴とする光アイソレータが
得られる。
ここで本考案において,通気路としてホルダの端面上
に溝を製作するには,ホルダ表面に,その直径方向に直
線状のスリット状の溝を適切な幅,深さに刻設すれば良
い。ホルダを貫通する直線状の溝であるので,その製作
は容易であり,溝の幅,深さの制御も容易である。
また,本考案によれば,前記光アイソレータにおい
て,前記収容部は,少なくとも前記環状突起の部分が金
属製であることを特徴とする光アイソレータが得られ
る。
また,本考案によれば,前記光アイソレータにおい
て,前記光学素子の夫々は,前記環状突起への接合によ
って支持される接合面を備え,前記接合面は,前記溝に
対応する部分を除いて形成された金属膜を備えているこ
とを特徴とする光アイソレータが得られる。
また,本考案によれば,前記光アイソレータにおい
て,前記光学素子の夫々は,半田付けによって,前記対
応する環状突起に接合されていることを特徴とする光ア
イソレータが得られる。
更に,本考案によれば,偏光子,検光子,及び前記偏
光子と前記検光子との間に介在するファラデー回転子の
各光学素子と,前記ファラデー回転子に磁場を印加する
磁石と,前記光学素子及び前記磁石を内部に配置固定す
る筒状の収容部とを備えた光アイソレータにおいて,前
記収容部に,前記ファラデー回転子の配置された空間と
外部との通気を行う通気路を設けるとともに,前記収容
部は,前記偏光子を支持する第1のホルダと,前記検光
子を支持する第2のホルダとを備え,前記第1のホルダ
の内部に,前記第2のホルダが嵌合保持される構造を備
えていることを特徴とする光アイソレータが得られる。
(実施例) 以下に,本考案の実施例を図面を参照して説明する。
第1図〜第3図は同一の光アイソレータに関する図であ
る。
第1図は本考案の実施例に係る光アイソレータの組み立
て図である。第1図において,実施例による光アイソレ
ータは偏光子1,検光子2,収容部を構成する第1及び第2
のホルダである円筒状の2つの金属製のホルダ(A),
(B)5,6,四角板状のファラデー回転子3および円環状
の永久磁石4により構成される。このうち,ホルダ
(B)6は円環状で,一端面には直径方向に設けられた
溝6aと,他端面にこの溝6aとほぼ直交する方向に設けら
れた溝6bとを有する。偏光子2,ファラデー回転子3およ
び永久磁石4が半田付組み立てを直接受ける。
第2図(a),(b),(c),(d)及び(e)は
ホルダBとそれに取り付けられている光学素子を示す図
で,第2図(a)は上面図,第2図(b)は第2図
(a)の側面図,第2図(c)は断面図,第2図(d)
は底面図,第2図(e)は第2図(d)の側面図であ
る。第2図(a),(b),(c),(d),(e)に
示す通り,ホルダ(B)6は一端に大きな開口6e,他端
に内側に突出する環状突起6iを有しこの環状突起6iには
外側の一面である固定部6hが設けられ,この固定部6hの
端面から開口6eに連絡する孔6fが設けられた形状であ
る。この固定部6hにファラデー回転子3が固定され,そ
の周りを永久磁石4が囲むように,固定部6hと永久磁石
4との一端とが接合されている。一方,一端の開口6e内
の固定部6gには,この孔6fを覆うように検光子2の一端
面が接合されて完成された光学部品10が得られる。金属
製のホルダ(B)6には,2つのスリット状の溝6a,6bが
各々両端に刻まれており,それらの溝6a,6bは,ホルダ
6の円形断面に対して,直径方向に,且つ互いに直角を
なすような方向に設けられている。
第3図(a)は本考案の実施例に係る光アイソレータ
の全体図を示し,第3図(b)は第3図(a)の光アイ
ソレータのホルダB部分の分解斜視図で,光学素子の接
合法を示している。
第3図(a),(b)において,ホルダ(A)は一端
に形成された第1の空洞部11よりも径の小さな第2の空
洞部12と,これらの空洞11及び12間を連絡する連絡孔13
とを有する。
図に示すように,第1の空洞部11内に第2図で示した
光学部品10が挿入され,予め定められた光学特性を得る
ように調整されて固定される。
一方,第1の空洞部11と第2の空洞部12との間に,内
方に突出した環状突起14に連絡孔13を覆うように,偏光
子1が設けられている。
金属製のホルダ(B)6の中心軸上には,透過光の為
の断面円形の空隙6fがあるので,第3図(a)に示すよ
うに光アイソレータの内部と外部とは矢印8で示すよう
な通気路が形成され,ファラデー回転子が設けられた空
間と空間的に連絡し,通気が図られることになる。
また、偏光子1,検光子2およびファラデー回転子3の
半田付構造による光アイソレータに対して金属製のホル
ダ5,6の通気を確保するために,金属製のホルダ6の光
学素子2,3を半田付接着する面に,ホルダ6中心部の連
絡孔6fと,ホルダ外縁とをつなぐスリット状の溝6a,6b
を設ける。この溝6a,6bは,第2図および第3図の実施
例に示すように,光アイソレータの半田付を行うとき
に,その表面への光学素子2,3の接着により蓋をされた
形となり,その際にこの溝6a,6bは金属製のホルダ6の
内側と外側とを繋ぐ空孔として作用する。ホルダ6にス
リット状の溝6a,6bを形成することは,加工方法として
一般に簡単であり,金属製ホルダにおいても容易に実施
可能である。
本考案の実施例では,スリット状の溝6a,6bにより形
成された空孔を通り,光アイソレータ内部と外部との通
気を行うことのできる構造となっている。ところで,金
属製のホルダ6に光学素子2,3を接着する工程に,半田
方法を用いる場合,溝6a,6bが形成された金属製のホル
ダ(B)6を使用すると,半田付けの際に,溶融した半
田が溝の中に流れ込んで塞いでしまい,通気を確保する
ことができない場合がある。この対策として,光学素子
2,3の側に以下に述べる処置を行う。光学素子2,3表面を
じかに金属製のホルダ6の表面に半田付することは,一
般には困難であるので,通常は,光学素子表面にメタラ
イズ処理を行って金属膜を形成し,金属膜表面と,金属
製のホルダ間にて,半田付けを行うことが多い。この金
属膜の形状に工夫を施すこととする。一般に,金属膜は
光アイソレータの使用波長域の光に対して不透明である
ので,光学素子2,3,4の中央部の光透過領域には,即
ち,連絡孔6f,13に対応する部分には,金属膜を形成し
ないが,この金属膜を形成しない領域を金属膜の形成の
際に,光学素子の金属製のホルダの溝の部分に接する部
位にも拡大する。このことにより,半田付け組立時にも
しも余分な半田が多少金属製のホルダ6の溝部分に集ま
り,溝の中に流れ込む場合にも,光学素子2,3表面の溝
に面する部分への半田のぬれ性が得られず,半田がはじ
かれてしまうため,光学素子面部分と半田との間にすき
まが生じ,溝が完全に塞がることはなくなる。また,多
量の半田の流入があれば,溝が完全に半田に埋め尽くさ
れることは,避けられないが,半田付けに用いる半田の
総量の調整により,そのような事態は容易に防止するこ
とが可能である。
以上説明した方法により,金属製のホルダ6に溝6a,6
bを設けることで,光アイソレータの半田付け組み立て
において,従来問題となっていた収容部内外の通気を実
施容易な手段により確保することが可能である。
尚,本考案の実施例ではホルダ6に溝を設けることの
み説明したが,ホルダ5についても同様に溝を設けて通
気可能とすることができる。
ところで,以上述べたホルダに,加工容易な形状であ
るスリット状の溝を設ける方法は,半田付以外の方法,
例えば,有機接着剤を使用したアイソレータにおいて
も,有用と考えられる。有機接着剤使用の光アイソレー
タにおいても,ホルダ材質として,長期間の使用におけ
る材質の劣化や変形を防止するために,金属やセラミッ
クス等が使用されることがあるためである。しかし,こ
の場合は,前述の半田付による光アイソレータの組み立
ての場合と同様に,光学素子表面のメタライズ膜の形状
の工夫により溝部が接着の材料によって満たされてしま
う事態を回避することができない。
従って,組み立て後の光アイソレータの通気の確保は
使用する接着剤量の厳密な管理により実施することとな
る。
以上のように,本考案の実施例に係る光アイソレータ
を構成すれば,従来問題であった光アイソレータ内外の
外気をスリット状の溝を設けるという実施容易な方法に
て解決することができる。
[考案の効果] 以上述べた通り,本考案の光アイソレータによれば,
簡単な構造を有するので,製造が容易な光アイソレータ
を提供することができる。
また,本考案の光アイソレータによれば,加工が簡単
で密閉空間内外を連絡する通気構造を有するために,組
み立ての際に温度変化による光学素子の特性変化,接着
不良等の生じない光アイソレータを提供することができ
る。
更に,本考案の光アイソレータによれば,ホルダの光
学素子を固定する環状突起への通気を確保することがで
き,容易に光学素子をホルダの環状突起に接合すること
ができる光アイソレータを提供することができる。
また,本考案によれば,金属製の環状突起を設けるこ
とで半田付固定ができる光アイソレータを提供すること
ができる。
更に,本考案によれば,光学素子を固定部への半田付
を行う際にあふれた半田が溝の中に流れ込み,溝をふさ
いでしまう懸念は,溝部に接着される光学素子の溝に接
する部分において,半田付の為のメタライズ膜をそこだ
け設けないことによって,防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の実施例に係る光アイソレータの組み立
て図,第2図(a),(b),(c),(d),及び
(e)は第1図の光アイソレータのホルダBとそれに取
り付けられている光学素子の図で,第2図(a)は上面
図,第2図(b)は側面図,第2図(c)は断面図,第
2図(d)は底面図,第2図(e)は第2図(d)の側
面図,第3図(a)は本考案の実施例に係る光アイソレ
ータの断面図,第3図(b)は第3図(a)の光アイソ
レータのホルダB部分の分解斜視図,第4図(a),及
び(b)は従来例に係る光アイソレータの構成を示す図
で,第4図(a)は正面図,第4図(b)は断面図であ
る。 図中,1は偏光子,2は検光子,3はファラデー回転子,5は金
属ホルダA,6は金属ホルダB,4は永久磁石,6a,及び6bは
溝,6fは連絡孔,6g,及び6hは固定部,6iは環状突起,9は金
属膜,10は光学部品,11は第1の空洞部,12は第2の空洞
部,13は連絡孔,14は環状突起,53はファラデー回転子,51
は偏光子,52は検光子である。

Claims (6)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】偏光子,検光子,及び前記偏光子と前記検
    光子との間に介在するファラデー回転子の各光学素子
    と,前記ファラデー回転子に磁場を印加する磁石と,前
    記光学素子及び前記磁石を配置固定する筒状の収容部と
    を備えた光アイソレータにおいて, 前記収容部に,前記ファラデー回転子の配置された空間
    と外部との通気を行う通気路を設けたことを特徴とする
    光アイソレータ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の光アイソレータにおいて,
    前記収容部の内側に複数の環状突起を設け,前記複数の
    環状突起に前記光学素子を夫々支持させるとともに,前
    記光学素子の内の前記偏光子及び前記検光子を夫々支持
    する環状突起の内の少なくとも一つに溝を形成して前記
    通気路としたことを特徴とする光アイソレータ。
  3. 【請求項3】請求項2記載の光アイソレータにおいて,
    前記収容部は,少なくとも前記環状突起の部分が金属製
    であることを特徴とする光アイソレータ。
  4. 【請求項4】請求項3記載の光アイソレータにおいて,
    前記光学素子の夫々は,前記環状突起への接合によって
    支持される接合面を備え,前記接合面は,前記溝に対応
    する部分を除いて形成された金属膜を備えていることを
    特徴とする光アイソレータ。
  5. 【請求項5】請求項4記載の光アイソレータにおいて,
    前記光学素子の夫々は,半田付けによって,前記対応す
    る環状突起に接合されていることを特徴とする光アイソ
    レータ。
  6. 【請求項6】請求項1記載の光アイソレータにおいて,
    前記収容部は,前記偏光子を支持する第1のホルダと,
    前記検光子を支持する第2のホルダとを備え, 前記第1のホルダの内部に,前記第2のホルダが嵌合保
    持される構造を備えていることを特徴とする光アイソレ
    ータ。
JP1990087847U 1990-08-24 1990-08-24 光アイソレータ Expired - Lifetime JP2524880Y2 (ja)

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JP2730089B2 (ja) * 1988-10-12 1998-03-25 株式会社ニコン 投影露光装置及び方法

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