JP2524730B2 - ベンゾイル尿素誘導体およびそれを有効成分とする殺ダニ剤 - Google Patents

ベンゾイル尿素誘導体およびそれを有効成分とする殺ダニ剤

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JP2524730B2 JP2675687A JP2675687A JP2524730B2 JP 2524730 B2 JP2524730 B2 JP 2524730B2 JP 2675687 A JP2675687 A JP 2675687A JP 2675687 A JP2675687 A JP 2675687A JP 2524730 B2 JP2524730 B2 JP 2524730B2
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達哉 森
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博明 藤本
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、新規なベンゾイル尿素誘導体およびそれを
有効成分として含有する殺ダニ剤に関する。
<従来の技術> 特公昭52−18255号公報には、害虫に対し有効なベン
ゾイル尿素化合物類が記載されており、それらの中でジ
フルベンズロンは既に市販されている。また、特公昭57
−53786号公報で、クロルフルアズロンが殺虫効力を有
していることは公知である。
<発明が解決しようとする問題点> しかしながら、これらの化合物とりわけクロルフルア
ズロンは、リン翅目等に対する殺虫効力は示すものの、
殺ダニ効力に乏しく、殺ダニ剤としては必らずしも満足
できるものではない。
<問題点を解決するための手段> 本発明者らは、このような状況に鑑み、より優れた殺
ダニ活性を有するベンゾイル尿素化合物を開発すべく鋭
意検討した結果、下記式(I)で示されるベンゾイル尿
素誘導体が、優れた殺ダニ効力、特にハダニ類の若虫に
対する成虫化阻害活性や成虫に対する不妊活性を有し、
しかも比較的安価に製造し得ることを見出し、本発明に
至った。
すなわち、本発明は、式(I) で示されるベンゾイル尿素誘導体(以下、本発明化合物
と称する。)およびそれを有効成分として含有する殺ダ
ニ剤を提供するものである。
本発明化合物が特に有効なダニ類としては、たとえば
ナミハダニ、ニセナミハダニ、カンザワハダニ、ミカン
ハダニ、リンゴハダニ等のハダニ類等があげられる。
次にその製造方法について詳しく説明する。
式(I)で示される本発明化合物は、以下の方法によ
り製造することができる。
(製造法A) 式(II) で示されるベンゾイルイソシアネート化合物と 式(III) で示されるアニリン化合物とを反応させる方法。
(製造法B) 式(IV) で示されるベンツアミド化合物と式(V) で示されるイソシアネート化合物とを反応させる方法。
上記製造法AおよびBにおいて、反応は通常不活性溶
媒の存在下に行なわれる。使用し得る溶媒としては、ベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、
クロロベンゼン、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチ
レン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素
類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ンなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトンなどのケトン類、ジメチルスル
ホキシド、ジメチルホルムアミド、ニトロメタンなど、
およびこれらの混合溶媒があげられる。
製造法AおよびBにおいて、反応は一般に常圧下で行
なうことができ、通常1〜50時間で目的を達成すること
ができる。また、原料化合物の使用量は、一般的に等モ
ル比でよいが、一方の原料化合物を過剰量用いても差し
つかえない。
製造法AおよびBにおいて、反応温度は特に制限され
るものではないが、製造法Aにおいては、一般に0〜80
℃、通常、室温〜60℃の範囲であり、また製造法Bにお
いては、一般に室温〜160℃、通常、80〜130℃の間の範
囲である。
このようにして得られた本発明化合物は、必要に応じ
てカラムクロマトグラフィー、再結晶等の手段により精
製することができる。
なお、本製造方法において、式(III)で示されるア
ニリン化合物は、たとえば、3−フルオロ−4−ニトロ
フェノールを塩化アルミニウム、塩化第2鉄等の触媒の
存在下、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等の溶媒
中で塩素ガスと反応させることにより得られた2,6−ジ
クロロ−3−フルオロ−4−ニトロフェノールを還元し
て2,6−ジクロロ−3−フルオロ−4−アミノフェノー
ルとした後、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム等の塩基
の存在下、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド等の非プロトン性極性溶媒中で2,3−ジクロロ−5−
トリフルオロメチルピリジンと反応させることにより得
られる。また、該アニリン化合物は、これをホスゲンと
常法に従がい反応させることにより、式(V)で示され
るイソシアネート化合物に導くことができる。
本発明化合物を殺ダニ剤の有効成分として用いる場合
は、他の何らの成分も加えず、そのまま使用してもよい
が、通常は、固体担体、液体担体、界面活性剤、その他
の製剤用補助剤等と混合し、乳剤、水和剤、粉剤、粒
剤、フロアブル等に製剤して用いる。
これらの製剤中、有効成分としての本発明化合物の含
量は、重量比で0.01%〜95%である。固体担体として
は、カオリンクレー、アッタパルジャイトクレー、ベン
トナイト、酸性白土、ピロフィライト、タルク、珪藻
土、方解石、トウモロコシ穂軸粉、クルミ殻粉、尿素、
硫酸アンモニウム、合成含水酸化珪素等の微粉末あるい
は粒状物があげられ、液体担体としては、ケロシン、灯
油等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素、ジクロロエ
タン、トリクロロエチレン、四塩化炭素等のハロゲン化
炭化水素、エチレングリコール、セロソルブ等のアルコ
ール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン、イソホロン等のケトン、ジエチルエーテル、ジオキ
サン、テトラヒドロフラン等のエーテル、酢酸エチル等
のエステル、アセトニトリル、イソブチロニトリル等の
ニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド等の酸アミド、ジメチルスルホキシド、大豆油、綿実
油等の植物油等があげられる。乳化、分散、湿展等のた
めに用いられる界面活性剤としては、アルキル硫酸エス
テル塩、アルキル(アリール)スルホン酸塩、ジアルキ
ルスルホこはく酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリ
ールエーテルりん酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸
ホルマリン縮合物等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル等の非イオン界面活性剤があげられる。固着剤や分散
剤等の製剤用補助剤としては、リグニンスルホン酸塩、
アルギン酸塩、ポリビニルアルコール、アラビアガム、
糖蜜、カゼイン、ゼラチン、CMC(カルボキシメチルセ
ルロース)、松根油、寒天等があげられ、安定剤として
は、PAP(酸性りん酸イソプロピル)、TCP(りん酸トリ
クレジル)等のりん酸アルキル、植物油、エポキシ化
油、前記の界面活性剤、BHT、BHA等の酸化防止剤、オレ
イン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸
塩、オレイン酸メチル、ステアリン酸メチル等の脂肪族
エステル等があげられる。
このようにして得られる製剤は、そのままであるいは
水で希釈して用いる。また、他の殺ダニ剤、殺虫剤、殺
線虫剤、殺菌剤、除草剤、植物生長調節剤、肥料、土壌
改良剤と混合して用いることもできる。
本発明化合物を殺ダニ剤として用いる場合、その施用
量は、通常10アールあたり1g〜100gであり、乳剤、水和
剤、フロアブル等を水で希釈して施用する場合は、その
施用濃度は10ppm〜500ppmであり、粉剤、粒剤、油剤、
エアゾール等は、何ら希釈することなく、製剤のままで
施用する。
<実施例> 以下、製造例、参考例、製剤例および試験例で本発明
化合物をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限
定されるものではない。
製造例1 2−フルオロ−3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−
5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)アニリ
ン0.17gをトルエン10mlに溶解し、氷冷下撹拌しながら
これに、2,6−ジフルオロベンゾイルイソシアネート0.0
83gをトルエン5mlに溶解した液を滴下した。滴下終了
後、反応液を室温で1夜撹拌し、これにn−ヘキサン15
mlを加えて生じた結晶を濾取し、乾燥することにより、
N−2,6−ジフルオロベンゾイル−N′−〔2−フルオ
ロ−3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフル
オロメチル−2−ピリジルオキシ)フェニル〕尿素0.24
gを白色結晶として得た。
収率:94% m.p.:221.5℃ 製造例2 2,6−ジフルオロベンツアミド0.18g、2−フルオロ−
3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロ
メチル−2−ピリジルオキシ)フェニルイソシアネート
0.46gおよびキシレン20mlを反応容器に入れ、還流下に2
4時間撹拌した。ついで反応液を冷却後、析出した結晶
を濾取し、アセトンから再結晶することにより、N−2,
6−ジフルオロベンゾイル−N′−〔2−フルオロ−3,5
−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチ
ル−2−ピリジルオキシ)フェニル〕尿素0.21gを白色
結晶として得た。
収率:60% m.p.:219.9℃ 参考例1 3−フルオロ−4−ニトロフェノール3.6gをクロロホ
ルム40mlに溶解後、この溶液に塩化アルミニウム3.0gを
加えて還流下に30分を要して塩素ガスを吹き込んだ。2.
5時間後、反応液を氷の入った希塩酸に入れ、酢酸エチ
ル200mlで2回抽出した。抽出液を乾燥、濾過後濃縮し
て、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、2,6
−ジクロロ−3−フルオロ−4−ニトロフェノール3.9g
を得た。
収率:77%1 HNMR(CDCl3) δppm 5.70(1H,br.) 8.14(1H,d,J=8.5Hz) 参考例2 フラスコに電解鉄1.0gおよび10%酢酸3mlを入れ、こ
れを1時間還流し、得られた反応液に、2,6−ジクロロ
−3−フルオロ−4−ニトロフェノール1.05gを酢酸エ
チル5mlおよび酢酸5mlに溶かした溶液を還流下に滴下し
た。10分後、反応液を氷片の入っている炭酸水素ナトリ
ウム水に投じ、酢酸エチル100mlで2回抽出した。抽出
液を乾燥、濾過後濃縮して、残渣をシリカゲルクロマト
グラフィーに付し、2,6−ジクロロ−3−フルオロ−4
−アミノフェノール0.85gを得た。
収率:94%1 HNMR(CDCl3−DMSO−d6) δppm 4.86(3H,br.) 6.74(1H,d,J=8.5Hz) 参考例3 2,6−ジクロロ−3−フルオロ−4−アミノフェノー
ル0.31g、2,3−ジクロロ−5−トリフルオロメチルピリ
ジン0.34gおよび炭酸カリウム0.39gをアセトニトリル10
mlに溶解し、これを還流下に5時間撹拌した。ついで反
応液を水に投入して、ジエチルエーテル100mlで2回抽
出した。得られた抽出液を乾燥、濾過後濃縮して、残渣
をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、2−フルオロ
−3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオ
ロメチル−2−ピリジオルオキシ)アニリン0.18gを得
た。
収率:30%1 HNMR(CDCl3) δppm 3.95(2H,br.) 6.82(1H,d,J=9.0Hz) 8.05,8.28(各1H,br.s) 次に製剤例を示す。部は重量部である。
製剤例1 本発明化合物10部、ポリオキシエチレンスチリルフェ
ニルエーテル14部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシ
ウム6部、キシレン35部およびジメチルホルムアミド35
部をよく混合して乳剤を得る。
製剤例2 本発明化合物20部、フェニトロチオン10部、リグニン
スルホン酸カルシウム3部、ラウリル硫酸ナトリウム2
部および合成含水酸化珪素65部をよく粉砕混合して水和
剤を得る。
製剤例3 本発明化合物1部、カルバリール2部、カオリンクレ
ー87部およびタルク10部をよく粉砕混合して粉剤を得
る。
製剤例4 本発明化合物20部、ナフタレンスルホン酸ソーダのホ
ルマリン縮合物3部および水75部をよく粉砕混合した
後、増粘剤としてメチルセルロース2部を添加混合して
フロアブルを得る。
次に試験例を示す。なお、比較対照に用いた化合物
は、第1表の化合物記号で示す。
試験例1 製剤例1に準じて得られた下記本発明化合物および比
較対照化合物の乳剤を水で所定濃度になるように希釈
し、希釈液を得た。葉を入れたシャーレの中でニセナミ
ハダニの第二若虫を20〜60匹生息させ、希釈液3mlを噴
霧した。3日後に成虫数を数え、成虫化阻害率を求め
た。
結果を第2表に示す。
試験例2 製剤例1に準じて得られた下記本発明化合物および比
較対照化合物の乳剤を水で100ppmになるように希釈し、
希釈液を得た。葉を入れたシャーレの中でニセナミハダ
ニの雌成虫を30匹生息させ、希釈液3mlを噴霧した。風
乾後、別に用意した無処理の葉を入れたシャーレの中
に、雌成虫を18匹移し、3日間産卵させた。得られた卵
を27℃の人工気象器内で保管し、6日後に未ふ化卵数を
調査し、ふ化阻害率を求めた。
結果を第3表に示す。
<発明の効果> 本発明化合物は、特にナミハダニ、ニセナミハダニ、
カンザワハダニ、ミカンハダニ、リンゴハダニ等のハダ
ニ類に卓効を示し、殺ダニ剤として有用なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤本 博明 宝塚市高司4丁目2番1号 住友化学工 業株式会社内 (72)発明者 藤本 いずみ 宝塚市高司4丁目2番1号 住友化学工 業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−195365(JP,A) 特開 昭55−38356(JP,A) 特公 昭57−53786(JP,B1)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 で示されるベンゾイル尿素誘導体。
  2. 【請求項2】式 で示されるベンゾイル尿素誘導体を有効成分として含有
    することを特徴とする殺ダニ剤。
JP2675687A 1987-02-06 1987-02-06 ベンゾイル尿素誘導体およびそれを有効成分とする殺ダニ剤 Expired - Lifetime JP2524730B2 (ja)

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