JP2524175B2 - 給油装置の表示器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば、自動車にガソリン等を給油する給
油所などで使用し、給油量や給油金額などの給油データ
を表示する懸垂式給油装置の表示器に関する。

〔従来の技術〕

給油装置で行った給油の給油量や給油金額などの給油
データを表示する表示器として、従来、特開昭58-82124
号公報、特開昭58-99392号公報に示すものがある。これ
は、給油モータに連結した給油ポンプや流量パルス発信
器を取付けた流量計などの給油機構を内蔵する給油装置
本体とは別体にして表示器を設け、該表示器を手元に位
置させることができるようこれを可搬式としたもので、
給油装置本体側に流量信号を発信する発信器を設け、表
示器側に無線受信器を設けて、給油装置本体側の発信器
から発する流量信号を表示器側の受信器でうけて、表示
計に給油量などを表示している。

そして、かかる可搬式表示器の使用に際しては、非給
油時など表示計に表示がなされない時は表示器をポケッ
トなどに収納しておき、給油時には一方の手で表示器を
持ち他方の手で給油ノズルを持つなどして給油操作を行
っていた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

このような片方の手での給油操作では、給油作業が行
いにくいことが多い。そして、特に給油作業は引火性の
高い可燃物であるガソリンを扱うので火災などの危険が
発生するおそれも多分にあるが、かかる場合に迅速に対
処できず、給油所などの安全性を充分に確保できなかっ
た。

他方、同じく表示器を手元に位置させるものとして給
油ホースの途中や給油ノズルに表示器を取付けるタイプ
のものもあるが、これらはネジなどで表示器を給油ホー
スや給油ノズルに固定しているので、表示計の向きは給
油ホースや給油ノズルの動きに追従して変わる。

その結果、給油に際し、給油ホースや給油ノズルの移
動方向いかんによっては表示計の向きが給油作業者の目
線方向に位置しないこともあり、表示計が見づらかった
り、あるいは全く見えなくなるおそれもある。

また、表示計が故障した場合に、これを給油ホースな
どから取外すには手間がかかり、給油作業に支障をきた
すこともある。

本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、表示器
を懸垂式の給油装置本体とは別体として手元に位置させ
る場合に、表示計が見やすく、また表示器を手にもつ必
要もなくて給油操作の作業性を低下させるおそれがな
く、しかも故障したような場合に交換作業が迅速に行な
える給油装置の表示器を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は前記目的を達成するため、懸垂式の給油装置
を無線で制御可能な可搬式の表示器において、該表示器
のケース内側に、アンテナを介して給油データを送受信
する無線送受信器を設け、前記ケースの前面にはプリセ
ット値を設定するプリセット用テンキーと、前記プリセ
ット用テンキーよりも大きめに形成したスイッチであ
り、給油データの設定を行うプリセットスイッチ、給油
データの帰零を行うリセットスイッチ、給油ホースの昇
降を行う昇降スイッチ等の機能スイッチと、前記プリセ
ット用テンキーでの設定値及び前記無線送受信器により
受信した給油データを表示する表示計とを設け、表示器
ケースの裏面にはファスナーを有する取付用バンドを設
けたことを要旨とするものである。

〔作用〕

本発明によれば、ケース前面に設けたスイッチやテン
キーを使用して給油量や給油金額のプリセット値を設定
できるから、給油客の近くで設定値を客から聞きながら
入力操作できる。この場合、プリセットスイッチ等の機
能スイッチはプリセット用テンキーよりも大きめに形成
したから、押し間違いによる誤動作を防止できる。

給油データは無線受信器で受信されて表示計に表示さ
れるので、この無線受信器と表示計とを組込んだケース
を可搬自在とできる。

しかも、このケースは、取付用バンドで人間の腕や給
油ホースなど所望の個所へ自由に取付けられ、そして、
取付の向きも自由に決定できるので表示計が見づらくな
ることはない。

〔実施例〕

以下、図面について本発明の実施例を詳細に説明す
る。

第１図は本発明の懸垂式の給油装置の表示器の実施例
を示す斜視図で、図中１は表示器の小型で偏平なケース
を示し、このケース１内には給油データを送受信する無
線送受信器２が内蔵してあり、ケース１の上面に送受信
用のアンテナ10を取付け、ケース１表面には前記受信デ
ータを表示する液晶などによる表示計３を設けた。

また、ケース１表面には機能スイッチとして給油量や
給油金額の設定を行うためのプリセットスイッチ４、給
油量や給油金額を帰零するリセットスイッチ５、懸垂式
の給油装置にあっては給油ホースの昇降を行う昇降スイ
ッチ６を設け、プリセット値設定用スイッチとしてプリ
セット用テンキー７を設ける。なお、4,5,6の機能スイ
ッチは押し間違いによる誤動作を防止するために、プリ
セット値設定用スイッチよりも大き目に形成しておく。

かかるケース１の裏側に帯状の取付用バンド８を取付
け、腕などへの取付手段として端に商標名マジックテー
プのごときファスナー９を設けた。さらに、人の腕のみ
ならずこれとは大きさの異なる給油ホースなどにも自由
に取付けられるよう取付手段はファースナー９の巾を広
くするなどして取付巾を大きく形成しておくとよい。

次に使用法について説明すると、第２図に示すように
表示計３面が外側に向くようにしてケース１を人の腕11
に外側にあてがい、取付用バンド８を腕11に巻き、ファ
スナー９を止める。

このようにして例えば腕時計を腕に巻くと同様にして
表示器のケース１を腕11に取付け、この状態で給油作業
を行う。この間、表示器のケース１を手に持つ必要がな
く、両手は空いて自由に使えるので表示器のケース１が
作業の妨げになることはなく、給油量や給油金額をプリ
セットするには、給油客の近くで客から設定値を聞きな
がらプリセットスイッチ４を押し、次にプリセット用テ
ンキー７を押して給油量や給油金額のプリセット設定数
値を入力すれば、この設定値はアンテナ10から懸垂式の
給油装置本体側に送信される。

また、給油ホース12を下降あるいは上昇させるには、
昇降スイッチ６を押し、前回の給油量や給油金額をリセ
ットするにはリセットスイッチ５を押せばよい。

これらの給油操作を行う際、プリセットスイッチ４、
リセットスイッチ５、昇降スイッチ６などの機能スイッ
チはプリセット用テンキー７よりも大きく形成してある
ので、隣のスイッチを誤って押すおそれがなく、誤操作
することはなく安全である。

そして、懸垂式の給油装置本体側で行った給油の給油
量や給油金額などの給油データはアンテナ10を介して送
受信器２で受信され、この受信データは表示計３に表示
される。この場合、表示計３は腕11に取付けてあるの
で、作業員と共に一体となって移動するからどの場所に
いても給油終了や給油データを手元で知ることができ、
また、表示計３の表面を腕11の外側に向けてあるので他
の作業を行いながらでも表示計３が死角に入ることがな
いので見やすい。

表示器が故障した場合は、腕11からケース１を外して
交換、あるいは修理を行う。

表示器のケース１の取付場所は、前記のごとき人の腕
11に限定されるものではなく、他の使用例として第３図
に示すように給油ホース12の途中の給油ノズル14近くに
直接巻付け、あるいは第４図に示すように給油ホース12
に取付けてある緊急時に給油ノズル14と給油ホース12と
を分離する安全管接手13の周囲に巻付け、さらには第５
図に示すように給油ノズル14に取付けてもよい。

この場合、給油ホース12は腕11よりも細いが、ファス
ナー９は広巾に形成してあるので巻付けの太さを自由に
調整できるから取付用バンド８を給油ホース12に巻付け
てもこれがずり落ちるおそれはない。また、現場の給油
作業状況に応じて、ケース１の取付場所や向きを自由に
決定できるので、常に見やすく操作しやすい個所にケー
ス１を位置させることができ、しかもその調整はファス
ナー９を締めたり外したりするだけでよいのでワンタッ
チ式に簡単に行える。

〔発明の効果〕

以上述べたように、本発明の懸垂式の給油装置の表示
器は、表示器のケースで手が塞がることがないので両手
を自由に使うことができ、また、表示計は手元でかつ見
やすい向きに簡単に調整できるので、給油操作などの作
業性を低下させるおそれがない。

さらに表示器が故障した場合は、ワンタッチ的に簡単
に取外せるので、直ちに交換したり修理を行うことがで
き、この間の給油停止時間を短縮できるものである。

また、客から設定値を聞きながらその場でプリセット
値の設定を行えるから便利であり、この場合に、プリセ
ットスイッチやリセットスイッチ等の機能スイッチはプ
リセット用テンキーよりも大きめに形成したから、押し
間違いによる誤動作を防止でき、使い勝手のよいもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の給油装置の表示器の実施例を示す斜視
図、第２図は表示器を腕に取付けた状態の使用状態図、
第３図、第４図は他の使用例を示す正面図、第５図は同
じく他の例を示す斜視図である。 １……ケース、２……無線送受信器 ３……表示計、４……プリセットスイッチ ５……リセットスイッチ、６……昇降スイッチ ７……プリセット用テンキー、８……取付用バンド ９……ファスナー、10……アンテナ 11……腕、12……給油ホース 13……安全管接手、14……給油ノズル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−99392（ＪＰ，Ａ) 実開 昭57−44425（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−121128（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】懸垂式の給油装置を無線で制御可能な可搬
   式の表示器において、該表示器のケース内側に、アンテ
   ナを介して給油データを送受信する無線送受信器を設
   け、前記ケースの前面にはプリセット値を設定するプリ
   セット用テンキーと、前記プリセット用テンキーよりも
   大きめに形成したスイッチであり、給油データの設定を
   行うプリセットスイッチ、給油データの帰零を行うリセ
   ットスイッチ、給油ホースの昇降を行う昇降スイッチ等
   の機能スイッチと、前記プリセット用テンキーでの設定
   値及び前記無線送受信器により受信した給油データを表
   示する表示計とを設け、表示器ケースの裏面にはファス
   ナーを有する取付用バンドを設けたことを特徴とする給
   油装置の表示器。