JP2523904B2 - 記録媒体及びそれを用いる光ディスク - Google Patents

記録媒体及びそれを用いる光ディスク

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JP2523904B2 JP1295026A JP29502689A JP2523904B2 JP 2523904 B2 JP2523904 B2 JP 2523904B2 JP 1295026 A JP1295026 A JP 1295026A JP 29502689 A JP29502689 A JP 29502689A JP 2523904 B2 JP2523904 B2 JP 2523904B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、基板と、該基板上に配された記録膜と、で
構成され、特に、記録膜の耐酸化性に優れた記録媒体
と、それを用いて構成される光ディスクとに関するもの
である。
〔従来の技術〕
記録媒体の記録膜に情報を記録するには、レーザ光等
の光ビームエネルギー等を記録膜に与えて、記録膜の1
つの構造状態を他の構造状態に物理化学的に変化させて
行なうことができる。この様な記録膜材料としては、カ
ルコゲン化物が知られている。このカルコゲン化物は、
例えば、非晶質状態と結晶状態の異なる2つの構造をと
ることができる。例えば、光ビームを記録膜に照射し、
徐熱徐冷すると、記録膜は結晶化し、急熱急冷すると、
非晶質となる。また、記録膜に記録された情報を再生す
るには、記録膜の結晶質状態および非晶質状態の構造変
化にともなう反射率変化を検出することにより行なう。
さて、一方、記録媒体を構成する基板としては、従
来、ガラス板が使用されていたが、光ディスクの普及と
ともに透明樹脂基板を使用するようになってきている。
この樹脂材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポ
リオレフィン、塩化ビニル、アクリル等がある。また、
記録膜の保護膜としてアクリル系紫外線硬化樹脂等が使
用されている。
しかし、一般に、樹脂材料はガラスに比較して、吸水
率、透湿度が大きいため、樹脂基板上に形成した記録膜
または、樹脂保護膜を隣接して形成した記録膜は、酸化
し易い。記録膜が酸化すると、記録膜の光学特性(反射
率、透過率)が変化し、最悪の場合には、記録された情
報が消失してしまうことがある。従って、この様に、樹
脂基板上に記録膜または、樹脂保護膜を隣接して形成し
た記録膜を形成して成る記録媒体は、記録膜が耐酸化性
に劣るため、長時間にわたる情報の保存が困難であっ
た。そこで、この様な記録膜の酸化を防止止する方法と
して、従来において、例えば、特開昭60−5436号公報に
て、記録膜を湿度などによる劣化から保護するために、
Si3N4,SiO2などの保護膜を設ける事、特公昭52−2783号
公報にて、記録膜の少なくとも一方の表面が無機物薄膜
と有機物薄膜の多重層で覆われている事が開示されてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術は、記録媒体の高耐酸化性をはかる、記
録膜の構造および保護膜の構造については配慮がされて
おらず、記録媒体の長期保存に問題があった。
本発明の目的は、上記問題点を克服することのでき
る。耐酸化性に優れた記録媒体を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、基板上に情報の記録または記録消去が可
能な記録膜を有する記録媒体において、記録膜全体の
膜厚a、柱状構造を有しない部分の記録膜の膜厚b、柱
状構造を有する部分の記録膜の膜厚c(ただし、a=b
+c)の時、b/aが0.7以上の構造を有する記録膜を設け
る事。非晶質状態の記録膜構造において、b/aが0.7以
上の構造を有する記録膜を設ける事。b/aが0.7以上の
構造を有する記録膜に隣接して、少なくとも一方に、透
明な無機材料から成る保護膜を設ける事。保護膜全体
の膜厚d、柱状構造を有しない部分の保護膜の膜厚e、
柱状構造を有する部分の保護膜の膜厚f(ただし、d=
e+f)の時、e/dが0.7以上の構造を有する保護膜を設
ける事。記録膜及び保護膜の構造は、透過型電子顕微
鏡(倍率35万倍)による断面の構造観察により判定する
事。以上の手段により達成される。
〔作用〕
本発明者は、記録媒体の耐酸化性向上のために 記録膜の構造の検討 保護膜の構造の検討 記録媒体の構成の検討 を行なった。
その結果、まず、記録膜の構造としては、柱状構造を
有する部分の膜厚が薄い程、耐酸化性に有効である事を
見い出した。記録膜の構造は、透過型電子顕微鏡(倍率
35万倍)による、記録膜の断面観察および膜厚方向の観
察により行なった。
即ち、記録膜全体の膜厚a、柱状構造を有しない部分
の記録膜の膜厚b、柱状構造を有する部分の膜厚c(た
だし、a=b+c)の時、b/aが0.7以上の時、耐酸化性
に有効であり、望ましく、b/aが0.8以上の時はより望ま
しく、b/aが0.9以上の時はさらに望ましく、b/aが1の
時は最も望ましい。b/aと記録媒体の耐酸化性の相関を
検討した結果、次の様な結果が得られた。
つまり、記録媒体を恒温恒湿度状態(例えば、80℃90
%R.H.〔相対湿度〕)に放置した後の、波長830nmにお
ける透過率をもって、記録膜の耐酸化性を評価した。記
録膜が酸化すると、透過率が増加する事に着目したもの
である。樹脂基板上に、b/a=0.2なる柱状構造を有する
記録膜および有機保護膜を形成して成る記録媒体(比較
対象)を1とした場合、b/a=0.5の時、約1.5倍、b
/a=0.7の時、約2倍、b/a=1.0の時約5倍、の耐酸
化性の向上が見られた。
こうして、記録膜の柱状構造を有する部分の膜厚を薄
くする事により、膜の緻密化、膜の均一化を計り、しい
ては、アルカリイオンの侵入防止、O−H基の拡散防止
の効果が得られていると考えられる。記録膜の成膜は、
スパッタリング法が適し、記録膜組成の再現性を得るた
めには、記録膜の材料より成る合金ターゲットを用いる
事が必要不可欠である。記録膜の柱状構造の発生状況
は、スパッタガス圧に依存し、スパッタガス圧が低い方
がb/aは大きい値を示す。スパッタガス圧としては、10p
a以下が好ましく、1pa以下がより好ましい。ただし、ス
パッタガス圧の絶対値は、装置および装置の測定位置に
より変化するため、本発明の主旨とは異なるが、成膜パ
ラメータとしては、上記スパッタガス圧内により実現で
きる。
記録膜の耐酸化性は、記録膜の相状態にも依存し、非
晶質状態は結晶質状態より耐酸化性に劣る。上記した、
b/aが0.7以上なる値は、非晶質状態および結晶質状態の
記録膜に適用可能であるが、非晶質状態の記録膜に適用
する事がさらに望ましい。
また、その他、b/aが0.7以上の構造を有する記録膜に
隣接して、少なくとも一方に、透明な無機材料から成る
保護膜を設ける事も有効である事を見い出した。保護膜
としては、記録、消去に用いるレーザー波長に対して透
明であり、耐熱性を考慮すると、融点が800℃以上であ
る事が必要である。保護膜材料としては、Si3N4,ZnS,
(ZnS+SiO2),SiO,SiO2,Cr2O3,TiO2,ZrO3,NiO,Nb2O3,T
a2O3,ZnSe,(ZnSe+SiO2)等でも良い。
即ち、b/a=0.2の構造を有する記録膜に隣接して、少
なくとも一方に、透明な無機材料から成る保護膜を設け
た場合、次の様な結果が得られた。
つまり、前述と同様にして、記録膜の耐酸化性を比較
して見ると、樹脂基板上に、b/a=0.2なる構造を有する
記録膜および有機保護膜を形成して成る記録媒体(比較
対象)を1とした場合、記録膜が非晶質状態の時、保護
膜全体の膜厚d,柱状構造を有しない部分の保護膜の膜厚
e,柱状構造を有する部分の保護膜の膜厚f(ただし、d
=e+f)とすると、記録膜の両側にe/d=0.2の構造
を有する無機保護膜を設けた記録媒体では約1.5倍、
記録膜の両側にe/d=0.7の構造を有する無機保護膜を設
けた記録媒体では約2倍、記録膜の両側にe/d=1の
構造を有する無機保護膜を設けた記録媒体では約4倍、
記録膜と樹脂基板の間に、e/d=1の構造を有する無
機保護膜を設けた記録媒体では約2倍、記録膜と有機
保護膜の間に、e/d=1の構造を有する無機保護膜を設
けた記録媒体では約2倍、の耐酸化性向上が見られた。
こうして、記録膜同様に、保護膜の構造が耐酸化性向
上に作用し、e/dが大きい程有効である。比較対象より
2倍以上の耐酸化性を得るためには、e/dが0.7以上が望
ましく、e/dが0.8以上の時はより望ましく、e/dが0.9以
上の時はさらに望ましく、e/dが1の時は最も望まし
い。
保護膜の柱状構造を有する部分の膜厚を薄くする事に
より、膜の緻密化、膜の均一化を計り、しいては、アル
カリイオンの侵入防止、O−H基の拡散防止の効果が得
られていると考えられる。保護膜の柱状構造の発生状況
は、記録膜時と同様にスパッタガス圧に依存し、スパッ
タガス圧が低い方がe/fは大きい値を示す。スパッタガ
ス圧としては、10Pa以下が好ましく、1Pa以下がより好
ましい。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について、図面を用いて説明す
る。
(1)第1の実施例 第1図は、第1の実施例としての記録媒体の断面を示
す断面図である。
本実施例における記録媒体は、次の様な構成となって
いる。
即ち、光学的に透明なポリカーボネート(以下、PCと
略す)樹脂基板1上に、順番に、無機保護膜2としてSi
3N4膜を100nm、記録膜3としてSbSeBi膜を100nm、無機
保護膜4としてSi3N4膜を100nm、有機保護膜5として紫
外線硬化樹脂膜を30μm、形成した構成となっている。
成膜方法としては、まず、PC樹脂基板1をスパッタリン
グ装置にセットし、真空度2×10-3Paまで真空排気後、
Arガスを導入し、0.3Paのガス圧において、Si3N4ターゲ
ットをスパッタリングし、ターゲットの上方で自公転し
ているPC樹脂基板上に、無機保護膜2を成膜する。次
に、2×10-3Paまで、真空排気後、Arガスを導入し、Sb
SeBi合金ターゲットをスパッタリングし、記録膜3を成
膜する。記録膜の構造は、Arガス圧に依存する。記録膜
全体の膜厚a、柱状構造を有しない部分の記録膜の膜厚
b、柱状構造を有する記録膜の膜厚C、(ただし、a=
b+c)の時、b/a=0.2の時Arガス圧15Pa、b/a=
0.5の時Arガス圧8Pa、b/a=0.7の時Arガス圧1Pa、b
/a=1の時Arガス圧0.3Pa、にて行なった。次に、真空
度2×10-3Paまで真空排気し、Arガス圧を導入し、0.3P
aのガス圧において、Si3N4ターゲットをスパッタリング
し、無機保護膜4を成膜する。無機保護膜2,4は、柱状
構造を有していない。次に、紫外線硬化樹脂を30μmス
ピン塗布し、紫外線を40秒照射する事により硬化させ、
有機保護膜5を形成する。ここで、無機保護膜2,4の複
素屈折率は2.0−i0.0であり、記録膜3の複素屈折率は
4.4−i1.0である。
記録膜および無機保護膜の構造観察に際しては、上記
成膜条件により、PC樹脂基板上に、記録膜、無機保護膜
および有機保護膜を形成し、その後、幅50nmにスライス
して、観察試料とした。膜構造の観察は、透過型電子顕
微鏡(倍率35万倍)により行なった。
第2図に、透過型電子顕微鏡による。柱状構造を有す
る記録膜の断面の概略図を示し、第3図に、柱状構造を
有さない記録膜の断面の概略図を示す。柱状構造は、膜
の表面側で顕著に現われ、膜は柱状に堆積され、膜の堆
積されない領域を含んでいる。柱状構造を有さない記録
膜は、均一に膜が堆積されている。記録膜全体の膜厚
a、柱状構造を有さない記録膜の膜厚b、柱状構造を有
する記録膜の膜厚cとし、b/aをパラメータとして、記
録媒体の耐酸化性評価を行なった。また、第4図に、透
過型電子顕微鏡による、柱状構造を有する記録膜の表面
の概略図を示し、第5図に、柱状構造を有さない記録膜
の表面の概略図を示す。柱は、数百Åφの径をもち、膜
の堆積されない領域が存在する。
次に、この様にして作製された記録媒体を80℃,90%
R.H.の恒温恒湿試験にかけ、記録膜の耐酸化性の評価を
行なった。即ち、上記記録媒体を80℃,90%R.H.の恒温
恒湿状態に放置し、或る時間経過後、波長830nmにおけ
る透過率を調べ、その透過率をもって記録膜の耐酸化性
を評価するものである。つまり、記録膜が酸化すると、
透過率が増加することに着目したものである。
第6図に、80℃,90%R.Hの恒温恒湿下における経過時
間と波長830nmにおける透過率の増加分との関係を、第
1図の実施例と、無機保護膜2,4を設けず、b/a=0.2な
る構造を有する記録膜を設けた比較例(即ち、PC樹脂基
板1上にb/a=0.2なる構造を有する記録膜3と有機保護
膜5を形成して成る記録媒体)とで比較して示す。
第6図および第7図から明らかなように、透過率の増
加分5%に達する経過時間で比較してみると、第1図の
実施例では、比較例と比較すると、 b/a=0.2の記録膜の時約4倍、b/a=0.5の記録膜の
時約8倍、b/a=0.7の記録膜の時約12倍、b/a=1
の記録膜の時約20倍、の耐酸化性が得られた。
(2)第2の実施例 第8図は、第2の実施例としての記録媒体の断面を示
す断面図である。
本実施例における記録媒体は、次の様な構成となって
いる。即ち、光学的に透明なPC樹脂基板1上に、順番
に、記録膜3としてSbSeBi膜を100nm、有機保護膜5と
して、紫外線硬化樹脂膜を30μm、形成した構成となっ
ている。
成膜方法としては、PC樹脂基板1をスパタリング装置
にセットし、真空度2×10-3Paまで真空排気後、Arガス
を導入し、15Pa〜0.3Paのガス圧において、SbSeBi合金
ターゲットをスパッタリングし、記録膜3を成膜する。
次に、紫外線硬化樹脂を30μm、スピン塗布し、紫外線
を40秒間照射する事により硬化させ、有機保護膜5を形
成する。ここで、記録膜3の複素屈折率は4.4−i1.0で
あり、透過型電子顕微鏡による観察の結果、第2図に示
すような構造を有しており、b/aは、0.2〜1まで変化し
ている。
次に、こうして作製された記録媒体を80℃90%R.H.の
恒温恒湿試験にかけ、記録膜の耐酸化性の評価を行なっ
た。
第9図に、80℃90%R.H.の恒温恒湿下における経過時
間と波長830nmにおける透過率の増加分との関係を示
す。第9図および第10図から明らかなように、透過率の
増加分5%に達する経過時間で比較してみると、b/a=
0.2の構造の記録膜を有する記録媒体を1とすると、b
/a=0.5の時、約1,5倍、b/a=0.7の時、約2倍、b/
a=1.0の時、約5倍の耐酸化性の向上が見られた。約2
倍以上の耐酸化性を得るためには、b/aが0.7以上必要で
あり、b/aが0.8以上の時はより望ましく、b/aが0.9以上
の時はさらに望ましく、b/aが1の時は最も望ましい。
(3)第3の実施例 第11図は、第3の実施例としての記録媒体の断面図を
示す断面図である。
本実施例における記録媒体は、次の様な構成となって
いる。即ち、光学的に透明なPC樹脂基板1上に、順番
に、無機保護膜2としてSi3N4膜を100nm、記録膜3とし
てSbSeBi膜を100nm、有機保護膜5として紫外線硬化樹
脂膜30μm、形成した構成となっている。
成膜方法としては、PC樹脂基板1をスパッタリング装
置にセットし、真空度2×10-3Paまで真空排気後、Arガ
スを導入し、15Pa〜0.3Paのガス圧において、Si3N4ター
ゲットをスパッタリングし、無機保護膜2を成膜する。
次に、2×10-3Paまで真空排気後、Arガスを導入し、15
Paのガス圧において、SbSeBi合金ターゲットをスパッタ
リングし、記録膜3を成膜する(この時、b/a=0.2)。
次に、紫外線硬化樹脂を30μmスピン塗布し、紫外線を
40秒間照射する事により硬化させ、有機保護膜5を形成
する。ここで、透過型電子顕微鏡による無機保護膜2の
断面観察結果の概略を第12図に示す。無機保護膜全体の
膜厚d、柱状構造を有しない部分の無機保護膜の膜厚
e、柱状構造を有する部分の無機保護膜の膜厚f、(た
だし、d=e+f)とすると、スパッタリングガス圧に
より、e/dは0.2〜1まで変化する。
次に、こうして、作製された記録媒体を、80℃90%R.
H.の恒温恒湿試験にかけ、記録膜の耐酸化性の評価を行
なった。
第13図に、80℃90%R.H.の恒温恒湿下における経過時
間と波長830nmおける透過率の増加分との関係を示す。
第13図および第14図から明らかなように、透過率の増加
分5%に達する経過時間で比較してみると、無機保護膜
が無くb/a=0.2の構造の記録膜を有する記録媒体を1と
すると、e/d=0.2の時、約1,2倍e/d=0.7の時、約
1,6倍e/d=1の時、約2倍、の耐酸化性向上が見られ
た。
(4)第4の実施例 第15図は、第4の実施例としての記録媒体の断を示す
断面図である。PC樹脂基板1上に、SbSeBi記録膜3、Si
3N4無機保護膜4、紫外線硬化形有機保護膜5を順次形
成した構成となっている。
成膜方法は、第3の実施例と同様にして行なった。
次に、こうして、作製された記録媒体を、80℃90%R.
H.の恒温恒湿試験にかけ、記録膜の耐酸化性の評価を行
なった。80℃90%R.H.の恒温恒湿下における経過時間と
波長830nmにおける透過率の増加分との関係を調べたと
ころ、第3の実施例で示した、第13図および第14図と同
様であった。即ち、透過率の増加分5%に達する経過時
間で比較してみると、無機保護膜が無くb/a=0.2の構造
の記録膜を有する記録媒体を1とすると、e/d=0.2の
時、約1,2倍e/d=0.7の時、約1.6倍e/d=1の時、
約2倍、の耐酸化性向上が見られた。
(5)第5の実施例 第1図に示した記録媒体の断面図と同様な構成からな
る記録媒体において、無機保護膜2,4はSi3N4膜、記録膜
3はSbSeBi膜、有機保護膜5は紫外線硬化樹脂よりなっ
ている。成膜方法は、第1の実施例とほぼ同様である
が、Si3N4膜の成膜時にはArスパッタガス圧は15Pa〜0.3
Paであり、この時e/dは、0.2〜1に変化する。SbSeBi膜
の成膜時にはArスパッタガス圧は15Paであり、この時b/
a=0.2である。
この様に、記録膜の構造パラメータb/aを0.2一定と
し、無機保護膜の構造パラメータe/dを0.2〜1と変化さ
せた記録媒体を作製した。
次に、こうして、作製された記録媒体を、80℃90%R.
H.の恒温恒湿試験にかけ、記録膜の耐酸化性の評価を行
なった。
第16図に、80℃90%R.Hの恒温恒湿下における経過時
間と波長830nmにおける透過率の増加分との関係を示
す。第16図および第17図から明らかなように、透過率の
増加分5%達する経過時間で比較してみると、無機保護
膜が無く、b/a=0.2の構造の記録膜を有する記録媒体を
1とすると、e/d=0.2の時、約1.5倍、e/d=0.7の
時、約2倍、e/d=1の時、約4倍、の耐酸化性向上
が見られた。
以上の様に、記録媒体の耐酸化性は、記録膜の構造パ
ラメータb/a、無機保護膜の構造パラメータe/dに依存す
る。実施例で示した比較例を基準とし、2倍以上の耐酸
化性を得る構造パラメータの値は、第2の実施例より、
b/a≧0.7第5実施例よりe/d≧0.7であるが、b/aまたはe
/dが、0.8以上の時はより望ましく、0.9以上時はさらに
望ましく、1の時は最も望ましい。本発明は、記録膜、
無機保護膜といえども、膜構造(柱状構造)により、耐
酸化性に大きな相違が生じる事を見出したものである。
従って、記録媒体の構成は、本実施例に限定されるもの
ではなく、例えば、記録膜と有機保護膜の間には、多重
の無機保護膜、無機保護膜と金属膜(反射膜)等が設け
られていいてもかまわない。また、両面貼りあわせの構
造でもかまわない。また、記録膜材料、無機保護膜材料
も、本実施例に示した、SbSeBi,Si3N4に限定する必要は
無く、例えば、記録膜材料として、SbTeGe,SbTeGeCo,In
SbSe,SbSe,GeTe,InSbTe,SbTeBiSe,SbBiGe,SbSeBiGe,等
でも良く、無機保護膜材料として、ZnS,(ZnS+SiO2),
SiO,SiO2,Cr2O3,TiO2,ZrO3,NiO,Nb2O3,Ta2O3,ZnSe,(Zn
Se+SiO2)等でも良い。
〔発明の効果〕
本発明によれば、記録膜の耐酸化性の優れた記録媒体
を得ることができ、情報の長期間にわたって保存するこ
とができる。また、この様な記録媒体を用いて光ディス
クを構成すれば、記録膜の耐酸化性に優れた光ディスク
を実現することができ、情報の長期保存の可能により、
光ディスクの用途を大巾に拡げる事ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、第1の実施例及び第5の実施例としての記録
媒体の断面図、第2図は、柱状構造を有する記録膜の断
面模式図、第3図は、柱状構造を有さない記録膜の断面
模式図、第4図は、柱状構造を有する記録膜の表面模式
図、第5図は、柱状構造を有さない記録膜の表面模式
図、第6図及び第7図は、恒温恒湿下における経過時間
と透過率の増加分との関係を、第1の実施例と桂状構造
の記録膜を設け及び無機保護膜を設けない比較例とで比
較して示した特性図、第8図は、第2の実施例として記
録媒体の断面図、第9図及び第10図は、恒温恒湿下にお
ける経過時間と透過率の増加分との関係を、第2の実施
例にて示した特性図、第11図は、第3の実施例としての
記録媒体の断面図、第12図は、柱状構造を有する無機保
護膜の断面模式図、第13図及び第14図は、恒温恒湿下に
おける経過時間と透過率の増加分との関係を、第3の実
施例及び第4の実施例と柱状構造の記録膜を設け及び無
機保護膜を設けない比較例とで比較して示した特性図、
第15図は、第4の実施例の記録媒体の断面図、第16図及
び第17図は、恒温恒湿下における経過時間と透過率の増
加分との関係を、第5の実施例と柱状構造の記録膜を設
け及び無機保護膜を設けない比較例とで比較して示した
特性図である。 1……PC樹脂基板、 2,4……無機保護膜、 3……記録膜、 5……有機保護膜。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に形成されるものであって、光ビー
    ム等のエネルギービーム照射によって情報の記録または
    記録消去が可能な記録膜を有する記録媒体において、 記録膜全体の膜厚がa,柱状構造を有しない部分の記録膜
    の膜厚がb,柱状構造を有する部分の記録膜の膜厚がc
    で、しかもa=b+cとされる時、b/aが0.7以上とされ
    る構成を特徴とする記録媒体。
  2. 【請求項2】上記記録膜は、 記録膜の断面が、b/aが0.7以上とされる構成である請求
    項1に記載の記録媒体。
  3. 【請求項3】上記記録膜は、 記録膜が非晶質状態であり、b/aが0.7以上とされる構成
    である請求項1または請求項2に記載の記録媒体。
  4. 【請求項4】基板上に形成されるものであって、光ビー
    ム等のエネルギービーム照射によって情報の記録または
    記録消去が可能な記録膜を有する記録媒体において、 記録膜全体の膜厚がa、柱状構造を有しない部分の記録
    膜の膜厚がb,柱状構造を有する部分の記録膜の膜厚がc
    で、しかもa=b+cとされる時、b/aが0.7以上とされ
    る構成の記録膜と、記録膜の少なくとも一方の表面に隣
    接して透明な無機材料からなる保護膜を設けた事を特徴
    とする記録媒体。
  5. 【請求項5】上記保護膜は、 保護膜全体の膜厚がd,柱状構造を有しない部分の保護膜
    の膜厚がe,柱状構造を有する部分の保護膜の膜厚がf
    で、しかもd=e+fとされる時、e/dが0.7以上とされ
    る構成である請求項4に記載の記録媒体。
  6. 【請求項6】上記保護膜は、 保護膜の断面がe/dが0.7以上とされる構成である請求項
    5に記載の記録媒体。
  7. 【請求項7】請求項1,2,3,4,5または6に記載の記録媒
    体を用いる光ディスク。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS62250533A (ja) * 1986-04-23 1987-10-31 Toshiba Corp 光デイスクの初期結晶化方法
JPH01138637A (ja) * 1987-11-25 1989-05-31 Asahi Chem Ind Co Ltd 情報記録材料

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