JP2523538Y2 - 温水タンクの接続構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、温水洗浄便器に備えら
れる温水タンクと、これに洗浄水を供給する貯水タンク
とを、連通状態に接続するための新規な構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】図３は従来使用されている温水洗浄便器
３０の内部構造を示すものである。同図に示す如く、該
温水洗浄便器３０の内部には、洗浄水の貯水タンク３
２，洗浄水を加熱して温水とする温水タンク３８，温水
を温水タンク３８から洗浄ノズル４１へ供給するための
電磁ポンプ３６等が備えられている。

【０００３】上記貯水タンク３８の内部には、フロート
弁４２，オーバーフロー管４３，ボールタップ３１など
と共に、該ボールタップ３１から吐出される洗浄水を温
水タンク３８へ優先的に供給するための補助タンク３３
が設けられている。

【０００４】一方、温水タンク３８の内部には、洗浄水
加熱用のヒータ４０，水温制御用のサーモスタット３９
などが設けられている。

【０００５】そして貯水タンク３２と温水タンク３８と
は、給水ホース３５で接続されている。なお、３４は、
温水タンク３８内の空気を排出するための抜気ホースで
ある。

【０００６】止水栓３７を経てボールタップ３１へ供給
される洗浄水は、貯水タンク３２内の水位が低下する
と、ボールタップ３１から補助タンク３３内へ吐出され
る。補助タンク３３は、洗浄水を温水タンク３８へ優先
的に供給すると共に、温水タンク３８用の洗浄水と便鉢
洗浄用の洗浄水とを区別するためのものであり、例え
ば、手洗器が備えつけられている場合に、手洗い水が温
水タンクへ供給されないようにしている。

【０００７】給水ホース３５を通じて補助タンク３３か
ら温水タンク３８へ供給された洗浄水は、ヒータ４０で
適温まで加熱された状態で貯溜され、電磁ポンプ３６の
稼働により、送水ホース３５を通じて洗浄ノズル４１へ
供給され、吐出される。

【０００８】貯水タンク３２への給水は、補助タンク３
３を介して温水タンク３８内へ洗浄水を優先的に供給し
たのち、補助タンク３３から溢れさせることによりなさ
れる。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】従来の温水洗浄便器３
０は、貯水タンク３２と温水タンク３８とを給水ホース
３５で通水可能なように接続している。そのため、それ
ぞれのタンク３２，３８に設けた接続部へ給水ホースを
接続しなくてはならないので、作業が煩雑であるのみな
らず、部品点数も多くを要するという欠点が有る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本考案は、上記従来の問
題点を解決し得る新規な温水タンクの接続構造を提供せ
んとするものであって、その特徴とするところは、貯水
タンクの下部に温水タンクを配置し、洗浄水を貯留して
これを温水タンクヘ優先的に供給するための補助タンク
を貯水タンク内に配設し、温水タンクの上面に一体的に
突設した通水用の接続管を前記貯水タンクの底部に形成
した通水口を挿通させて前記補助タンクの内部に嵌入さ
せたことである。

【００１１】

【作用】上記構成により、温水タンクの上面に突設した
通水用の接続管を貯水タンク底部に設けた通水口を挿通
させることにより、貯水タンク内に配設した補助タンク
と温水タンクとが直接的に接続される。それ故、従来の
如く、貯水タンクと温水タンクとの間へ給水ホースを介
設させることが不要となるから、部品点数が減少すると
共に、温水洗浄便器の製作作業工数も少なくなる。また
温水タンクに一体的に設けた接続管を補助タンク内部へ
嵌入させる構造を採用したから、補助タンク内に貯留さ
れた水が温水タンクの上部域の水と接することになる。
温水タンクの上部域の水は比較的温度が高いので、その
熱により補助タンク内の水温上昇がもたらされる。これ
は、補助タンクに貯留され温水タンクヘ供給される水に
対して、予備加熱の作用を営むものと言える。

【００１２】

【実施例】以下、本考案の詳細を実施例に示す図面に基
づいて説明する。

【００１３】図１は、温水洗浄便器Ａにおいて、本考案
に係る構造により、温水タンク１を貯水タンク３へ接続
した状態を示すものである。

【００１４】図示するように、本考案の特徴は、温水タ
ンク１の上部が、貯水タンク３の底部へ直接、接続され
ているところにある。なお図面において６は、貯水タン
ク３を設置するための支持プレートである。

【００１５】図２は、上述した温水タンク１と貯水タン
ク３との接続構造の詳細を、断面視して示すものであ
る。

【００１６】本実施例では、貯水タンク３の内部に設け
られる補助タンク２の底部へ、温水タンク１の上面に突
設した接続管１０を連結することにより、温水タンク１
を貯水タンク３に接続する構造を採用している。すなわ
ち、温水タンク１の上面に通水用の接続管１０を設け、
該接続管１０の周面に雄ネジ１１を刻設しておく。一
方、補助タンク２の底部に、前記接続管１０の雄ネジ１
１に対応する雌ネジ２７を設ける。そして、温水タンク
１の接続管１０を貯水タンク３の底部に形成した通水口
３ａ及び貯水タンク３用の支持プレート６の挿通口６ａ
へパッキン１３を介して挿入し、補助タンク２をこの接
続管１０へパッキン２８を介して螺合させ、締め付け
る。これにより、両者は水密的に接続される。

【００１７】ところで、図２に示す実施例は、温水タン
ク１の接続管１０内部に、抜気管１２を設けた二重管構
造とし、補助タンク２に内装する導水管２４の下端を、
抜気管１２の上端へ嵌着させる構成を採用している。

【００１８】補助タンク２に内装する導水管２４とは、
補助タンク２の上部流入口２２の開口面積が小さいた
め、ボールタップから吐出される洗浄水を、まず上端の
平坦な受水部２１で集めたのち、底部まで導くためのも
のである。また、この導水管２４は、補助タンク２の外
郭体２５が水圧変化に応じて伸縮し得る軟質な部材から
なっているので、これを自立させる役割をも担ってい
る。

【００１９】ボールタップ４から吐出された洗浄水は、
導水管２４により、補助タンク２の底部へ導かれる。導
水管２４の下端は抜気管１２に嵌着されているが、該抜
気管１２は小径であるため、洗浄水は主に導水管２４の
側壁下部に形成した送出口２６から補助タンク２内部へ
流れ出し、次いで、接続管１０と抜気管１２との間の通
水間隙１４を通って温水タンク１内部へ流入する。

【００２０】洗浄水が温水タンク１内へ流入するに従
い、タンク内の空気は、通水間隙１４，抜気管１２及び
導水管２４を通じて排出される。また、貯水タンク３へ
の給水を、補助タンク２の上部流出口２３から洗浄水を
溢れさせることにより行うのは、従来と同様である。

【００２１】ところで、前記実施例は、温水タンク１の
接続管１０を補助タンク２の内部へ嵌入させた構造とな
っている。つまり、温水タンク１の上部の温水が、補助
タンク２内の洗浄水と接している。このため、温水タン
ク１内の温水が、接続管１０から補助タンク２内を対流
し、或いは、熱交換を行って、補助タンク２内に貯溜さ
れている洗浄水の水温上昇をもたらす。これは、温水タ
ンク１の容量が増大するのと同様の効果を奏するもので
ある。

【００２２】なお、本考案の実施例は前述に限定される
ものではなく、実施の態様に応じた適宜の変更を妨げる
ものではない。

【００２３】

【考案の効果】以上の説明から明らかなように、本考案
によれば、温水タンクを貯水タンクへ直接、接続するか
ら、従来の如き給水ホースを介在させる必要がなくな
る。依って、部品点数が減少すると共に、作業工数も少
なくなるので、施工上の負担が著しく軽減される。

【００２４】また、貯水タンクの固定は、従来、便鉢排
水用のフロート弁の取付部で行われているが、本考案で
は、これに加えて、温水タンクの接続部でも固定作用が
営まれる。それ故、従来よりも、貯水タンクの取付強度
の向上がもたらされる。

【００２５】その上、温水タンクの上面に一体的に突設
した接続管を、補助タンク内部へ嵌入させて、両者を直
接的に接続する構成を採用したから、温水タンクの熱で
補助タンク内の貯留水を予備加熱することができる。こ
のことは、温水タンク容量の増大化と同等の効果をもた
らすものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る温水タンクと貯水タンクとの接続
構造を示す温水洗浄便器の側面断面図である。

【図２】上記温水タンクと貯水タンクとの接続構造の要
部を拡大して示す縦断面図である。

【図３】温水タンクと貯水タンクとの従来の接続構造を
示す温水洗浄便器の側面断面図である。

【符号の説明】

Ａ…温水洗浄便器 １…温水タンク ２…補助タンク
３…貯水タンク ３ａ…通水口 ５…洗浄ノズル １０…接続管 １２…抜気管

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 温水洗浄便器に備えられる温水タンクと
   洗浄水の貯水タンクとを連通状態に接続するための構造
   であって、貯水タンクの下部に温水タンクが配置される
   と共に、洗浄水を貯留してこれを温水タンクヘ優先的に
   供給するための補助タンクが貯水タンク内に配設され、
   温水タンクの上面に一体的に突設した通水用の接続管を
   前記貯水タンクの底部に形成した通水口を挿通して前記
   補助タンクの内部へ嵌入させたことを特徴とする温水タ
   ンクの接続構造。