JP2523120B2 - 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物の製造方法

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JP2523120B2
JP2523120B2 JP62024500A JP2450087A JP2523120B2 JP 2523120 B2 JP2523120 B2 JP 2523120B2 JP 62024500 A JP62024500 A JP 62024500A JP 2450087 A JP2450087 A JP 2450087A JP 2523120 B2 JP2523120 B2 JP 2523120B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、環境応力き裂性に優れ、しかも成形物表面
状態の改良された熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関す
る。
(従来の技術) ゴム含有スチレン系樹脂は、応力負荷状態で薬品と接
触すると、き裂が発生して、著しい場合には破断する現
象が観察される。この現象は環境応力き裂現象と呼ば
れ、樹脂に対する溶解度の高くない、アルカン、アルケ
ン、アルコール、カルボン酸、エステル等の薬品で顕著
に観察されることは周知の通りである。
環境応力き裂現象は、樹脂成形物に外力が負荷されて
いない状態でも、成形物内部に残留する成形加工時の歪
みが、薬品との接触により解放されることにより発生す
るため、ゴム含有スチレン系樹脂の用途に多大の制限を
与えている。
ゴム含有スチレン系樹脂の環境応力き裂性に影響を及
ぼす因子として、i)ゴム成分の含有率、ii)樹脂成分
の分子量、iii)樹脂成分の組成が知られており、各
々、i)ゴム成分の含有率を高くする、ii)樹脂成分の
分子量を高くする、iii)樹脂成分の溶解度パラメータ
ーと薬品の溶解度パラメーターとの差の絶対値を大きく
する、あるいは樹脂成分を構成する高分子鎖に嵩高い置
換基を導入して、樹脂成分の溶融粘度を高くするなどの
方法は公知であるが、いずれもその耐環境応力き裂性の
改良効果は実用上不充分であった。
ところで、本発明者らにより、アクリル酸エステル系
重合体をゴム含有スチレン系樹脂に混合することによ
り、ゴム含有スチレン系樹脂の耐環境応力き裂性が飛躍
的に改善されることが報告されている(特開昭58−1792
57号)。
しかしながら、前記発明の組成物は、環境応力き裂性
の改良効果は著しいものの、射出成形物の表面状態に不
良現象の観察されることがあり、改良が要求されてい
た。即ち、前記発明の組成物を射出成形に供すると、成
形物のゲート近傍に雲母状の層状はく離現象の観察され
ることがあり、あるいはゲート近傍にフローマークと呼
称される異常表面の観察されることがあり、成形物の意
匠を損なうこと甚大であった。
これらの表面状態の不良現象は、ゴム含有スチレン系
樹脂中に不均一に分散されたアクリル酸エステル系重合
体粒子が、射出成形時のせん断応力により偏平変形する
ことにより生起するものと考えられ、溶融年度が高いゴ
ム含有スチレン系樹脂を用いる場合に、前記不良現象の
出現は特に顕著である。
該アクリル酸エステル系重合体粒子の偏平変形を防止
する目的で、アクリル酸エステル系重合体の重合時に、
多官能性ビニル単量体を共重合させることは有効であ
る。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、例えばジビニルベンゼン、エチレング
リコールジメタクリレートなどの多官能性ビニル単量体
を共重合させて得たアクリル酸エステル系重合体では、
表面状態の不良現象の改良は果たされるものの、ゲル含
有率が高く、ゴム含有スチレン系樹脂の環境応力き裂性
の改良効果は不充分である。このため、多官能性ビニル
単量体と連鎖移動剤を併用して、ゲル含有率が低く、か
つ分岐構造を有するアクリル酸エステル系重合体を製造
することにより、耐環境応力き裂性に優れ、しかも表面
状態の不良現象が抑制された成形物を与える組成物を作
製することは可能であるが、その効果は実用上不満足な
ものであった。
本発明の目的は、前記した従来技術の欠点を改良した
熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明を概説すれば、本発明は熱可塑性樹脂組成物の
製造方法に関する発明であって、 (A)ビニル系単量体の重合体であり、そのガラス転移
温度が20℃を越え、ゲル含有率が10%以下であり、溶解
度パラメーターが8.0〜10.0(cal/cc)1/2であり、かつ
ポリスチレン基準の重量平均分子量が105以上かつ2×1
05未満である重合体〔(A)成分重合体〕の乳化液20〜
90重量%(重合体の固形分として)と、 (B)アクリル酸エステル単量体の単独重合体または共
重合体、あるいはアクリル酸エステル単量体と他の共重
合性単量体の共重合体であり、そのガラス転移温度が20
℃以下であり、ゲル含有率が70%以下であり、かつ溶解
度パラメーターが8.4〜9.8(cal/cc)1/2である重合体
〔(B)成分重合体〕の乳化液10〜80重量%(重合体の
固形分として)とを乳化液状態で混合した後に、重合体
を分離して得られる重合体組成物C0.5〜50重量%と、ゴ
ム成分の含有率が1〜20重量%であり、樹脂成分を構成
する単量体の90重量%以上がスチレン系単量体であるハ
イインパクトポリスチレン系樹脂50〜99.5重量%とを混
合することを特徴とする。
本発明の方法に従って製造される熱可塑性樹脂組成物
は耐環境応力き裂性に優れ、しかも層状はく離現象、フ
ローマーク等の成形物の不良現象が発生し難い。
本発明の(A)成分である重合体を構成するビニル系
単量体を例示すると、スチレン、α−メチルスチレン、
ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、シアノスチレ
ン、クロルスチレンなどの芳香族ビニル単量体、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル
単量体、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブ
チルアクリレート、ヘキシルアクリレート、シクロヘキ
シルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアク
リレート、オクタデシルアクリレート、ヒドロキシエチ
ルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、グリシ
ジルアクリレート、フェニルアクリレートなどのアクリ
ル酸エステル単量体、メチルメタクリレート、エチルメ
タクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルメタク
リレート、シクロヘキシルメタクリレート、オクチルメ
タクリレート、デシルメタクリレート、オクタデシルメ
タクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、メト
キシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレー
ト、フェニルメタクリレートなどのメタクリル酸エステ
ル単量体、アクリルアミド、メタクリルアミドなどのア
ミド系単量体、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸
などの不飽和カルボン酸単量体、塩化ビニル、塩化ビニ
リデンなどのハロゲン化ビニル単量体、ギ酸ビニル、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、デカン酸ビニル、オク
タデカン酸ビニルなどの脂肪酸ビニルエステル単量体、
エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、2
−ブテンなどのオレフィン単量体、マレイミド、N−メ
チルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピル
マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェ
ニルマレイミド、N−トルイルマレイミドなどのマレイ
ミド系単量体、無水マレイン酸などの酸無水物単量体、
ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどの共役ジエ
ン単量体、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、プロピルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテ
ル、デシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテ
ル、フェニルビニルエーテル、クレジルビニルエーテ
ル、グリシジルビニルエーテルなどのビニルエーテル単
量体、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトンなど
のビニルケトン単量体、ビニルピリジンなどがあるが、
この限りではない。
本発明の(A)成分重合体を構成するビニル系単量体
は、多官能性ビニル単量体であっても良く、該多官能性
ビニル単量体を例示すると、ジビニルベンゼン、エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、シアヌル酸トリアリル、イ
ソシアヌル酸トリアリル、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、
ビニル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレートなどがある。ここで、たとえばエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレートとは、エチレング
リコールジアクリレートあるいはエチレングリコールジ
メタクリレートであることを表わす。
本発明の(A)成分重合体は、ガラス転移温度が20℃
を越えることが必要である。更に好ましいガラス転移温
度は30℃以上である。(A)成分重合体のガラス転移温
度が20℃以下であると、(A)成分重合体と(B)成分
重合体とを混合して成る重合体組成物Cを粉体あるいは
ペレットとして取扱うことが困難である為に工業的に不
利を伴い、またハイインパクトポリスチレン系樹脂に混
合して、その耐熱性を大きく低下せしめるために好まし
くない。
本発明の(A)成分重合体は、8.0〜10.0(cal/cc)
1/2の範囲の溶解度パラメーターを有していることが必
要であり、更に好ましい範囲は8.6〜9.4(cal/cc)1/2
である。溶解度パラメーターが本発明の範囲を逸脱した
(A)成分重合体を(B)成分重合体と混合して成る重
合体組成物Cと、ハイインパクトポリスチレン系樹脂と
を混合して得た熱可塑性樹脂組成物では、成形物に層状
はく離現象、フローマークなどの表面不利現象が出現し
て好ましくない。
なお、本明細書でいう溶解度パラメーターとは、ニュ
ーヨーク市ジョン ワイリーエンドサンズ社1975年発
行、ブランドラップ(J.Brandrup)及びインマーガット
(E.H.Immergut)編、ポリマーハンドブック(Polymer
Handbook)第2版IV−337〜IV359頁に記載の溶解度パラ
メーター値を用い、共重合体の溶解度パラメーターδ
を、m種類のビニル単量体から成る共重合体を構成する
個々のビニル単量体の単独重合体の溶解度パラメーター
δと、その重量分率Wnとから、下記式Iにより算出し
たものである。
例えばポリアクリル酸ブチル、及びポリアクリル酸エ
チルの溶解度パラメーターをそれぞれ8.8(cal/c
c)1/2、9.4(cal/cc)1/2とすると、ポリアクリル酸ブ
チル70重量%、ポリアクリル酸エチル30重量%からなる
共重合体の溶解度パラメーターは9.0(cal/cc)1/2と計
算される。
本発明の(A)成分重合体は、ポリスチレン基準の重
量平均分子量が105以上かつ2×105未満であることが必
要である。重量平均分子量がポリスチレン基準で105
満である(A)成分重合体を(B)成分重合体と混合し
て成る重合体組成物Cと、ハイインパクトポリスチレン
系樹脂とを混合して得た熱可塑性樹脂組成物では、成形
物に層状はく離現象、フローマークなどの表面不良現象
が出現して好ましくない。
なお、本明細書でいうポリスチレン基準の重量平均分
子量とは、(A)成分重合体がポリスチレンであると仮
定して、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによ
り求めた重量平均分子量である。即ち、分子量分布の幅
が狭く、かつ分子量既知であるポリスチレンを標準物質
として、ゲルパーミエーションクロマトグラムの流出ピ
ーク容積と分子量との関係を求めて検量線を作成する。
次いで、(A)成分重合体のゲルパーミエーションクロ
マトグラムを測定し、流出容積から、前記検量線を用い
て分子量を求め、常法に従い重量平均分子量を算出す
る。
本発明の(A)成分重合体は、ゲル含有率が10%以下
であることが必要である。本発明でいうゲル含有率と
は、(A)成分重合体の約1.0gを精秤し(S0 gとす
る)、400メッシュのステンレス製金網で作成した籠の
中に入れて100gのメチルエチルケトン中に浸漬し、5℃
で24時間放置した後に籠を引上げ、室温中で風乾した後
の(A)成分重合体不溶物の重量S1 gを測定し、それか
ら下記式IIに従って算出した値をいう。
(S1/S0)×100(%) ……〔II〕 ゲル含有率が10%を越える(A)成分重合体を(B)
成分重合体と混合して成る重合体組成物Cと、ハイイン
パクトポリスチレン系樹脂とを混合して得た熱可塑性樹
脂組成物では、成形物が光沢に劣り好ましくない。
本発明の(A)成分重合体の製造法については特に制
限はなく、乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合な
どの公知技術を任意に適用しうるが、乳化重合による製
造が工業的に最も有利である。なぜならば、ひとつに
は、本発明では乳化液状態で(A)成分重合体と(B)
成分重合体の混合を行なうからであり、もうひとつに
は、乳化重合によれば、高分子量の重合体を工業的に容
易に製造しうるからである。
本発明の(A)成分重合体を製造するにあたり、ビニ
ル系単量体の選択は、得られた(A)成分重合体のガラ
ス転移温度、ゲル含有率、溶解度パラメーター及び重量
平均分子量が本発明の規定を満足する限りにおいて任意
であるが、(A)成分重合体がポリスチレンであること
が層状はく離性改良のために特に好ましい。
(A)成分重合体の分子量を制御する目的で、連鎖移
動剤を使用することは可能である。特に、多官能性ビニ
ル単量体を共重合する場合には、連鎖移動剤を併用する
ことにより、分枝構造を有し、かつゲル含有率の低い
(A)成分重合体を作製することができる。
使用しうる連鎖移動剤は特に制限はなく、たとえばオ
クチルメルカプタン、デシルメルカプタン、ドデシルメ
ルカプタン、チオグリコール酸、チオグリコール酸エチ
ル、チオグリコール酸ブチル、o−メルカプト安息香酸
エチル、1−ナフチルジスルフィド、イオウなどのイオ
ウ化合物、四臭化炭素などのハロゲン化合物、リモネ
ン、テルピノレンなどの炭化水素、トリニトロフェノー
ル、トリニトロベンゼンなどのニトロ化合物、ベンゾキ
ノンなどがある。
次に、本発明の(B)成分重合体は、アクリル酸エス
テル単量体の単独重合体または共重合体、あるいはアク
リル酸エステル単量体と他の共重合性単量体の共重合体
であるが、ここで、アクリル酸エステル単量体の具体例
は、本発明の(A)成分重合体を構成するビニル系単量
体の一例として前掲したアクリル酸エステル単量体の具
体例と同様である。また、(B)成分重合体を構成する
共重合性単量体の具体例は、(A)成分重合体を構成す
るビニル系単量体の例として前掲した単量体のうちで、
アクリル酸エステル単量体を除いた具体例と同様であ
る。
また、本発明の(B)成分重合体は、その重合に際し
て多官能性ビニル単量体あるいは連鎖移動剤を使用しう
るが、多官能性ビニル単量体及び連鎖移動剤の具体例
は、各々(A)成分重合体で前掲した具体例と同様であ
る。
本発明の(B)成分重合体は、ガラス転移温度が20℃
以下であることが必要である。更に好ましいガラス転移
温度は10℃以下である。ガラス転移温度が20℃を越える
(B)成分重合体を(A)成分重合体と混合して成る重
合体組成物Cと、ハイインパクトポリスチレン系樹脂と
を混合して得た熱可塑性樹脂組成物では、耐環境応力き
裂性が劣悪であり好ましくない。
本発明の(B)成分重合体は、ゲル含有率が70%以下
であることが必要である。ゲル含有率の測定方法は、溶
媒を100gのメチルエチルケトンに代えて、100gのトルエ
ンを使用する以外は(A)成分重合体のそれと同様であ
り、前掲した式IIに従って算出する。ゲル含有率が70%
より大きい(B)成分重合体を(A)成分重合体と混合
して成る重合体組成物Cを、ハイインパクトポリスチレ
ン系樹脂に混合して得た熱可塑性樹脂組成物では、耐環
境応力き裂性が劣悪であり好ましくない。
本発明の(B)成分重合体は、8.4〜9.8(cal/cc)
1/2の範囲の溶解度パラメーターを有していることが必
要である。更に好ましい数値範囲は8.6〜9.6(cal/cc)
1/2である。溶解度パラメーターの決定法は(A)成分
重合体のそれと同様であり、前掲した式Iに従って算出
する。(B)成分重合体の溶解度パラメーターが8.4(c
al/cc)1/2未満あるいは9.8(cal/cc)1/2を越えると、
該(B)成分重合体を(A)成分重合体と混合して成る
重合体組成物Cを、ハイインパクトポリスチレン系樹脂
に混合して得た熱可塑性樹脂組成物の耐環境応力き裂性
が劣悪であり好ましくない。
(B)成分重合体の製造方法については特に制限はな
く、乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合などの公
知技術を任意に適応しうるが、乳化重合による製造が工
業的に最も有利である。
(B)成分重合体を製造するに際し、アクリル酸エス
テル単量体の選択、あるいは共重合性単量体の選択は、
得られた(B)成分重合体のガラス転移温度、ゲル含有
率、及び溶解度パラメーターが本発明の規定を満足する
限りにおいて任意である。
本発明では、(A)成分重合体20〜90重量%、好まし
くは40〜80重量%と(B)成分重合体10〜80重量%、好
ましくは20〜60重量%とをそれぞれ乳化液状態で混合し
て重合体組成物Cとするが、(B)成分重合体の含有率
が10重量%未満であると、該重合体組成物Cとハイイン
パクトポリスチレン系樹脂とを混合してなる熱可塑性樹
脂組成物の耐環境応力き裂性に劣り、80重量%を越える
と該熱可塑性樹脂組成物から成る成形物に、層状はく離
現象、フローマークなどの表面不良現象が出現して好ま
しくない。
本発明では、(A)成分重合体の乳化液と(B)成分
重合体の乳化液とを、乳化液状態で混合するが、当該方
法によれば(A)成分重合体と(B)成分重合体との均
一混合が工業的に有利に達成される。当該方法により得
られた重合体組成物Cをハイインパクトポリスチレン系
樹脂とを混合してなる熱可塑性樹脂組成物の成形物で
は、層状はく離現象、フローマークなどの表面不良現象
が著しく抑制されるが、これは(B)成分重合体の均一
分散性が起因するものと推定される。
(A)成分重合体あるいは(B)成分重合体が乳化重
合で製造される場合には、乳化重合により得られた乳化
重合液をそのまま使用する事ができるが、他の重合法に
より製造される場合には、得られた重合物を乳化する工
程が必要である。
重合物の乳化法については特に制限はなく、公知技術
を任意に適用しうる。たとえば、重合物溶液を乳化剤と
水と共に混合撹拌して乳化液とした後に溶媒を除去する
方法、重合物を粉砕して得られた微粉を乳化剤と水と共
に混合撹拌して乳化液とする方法、重合物を乳化剤と水
の存在下で粉砕して乳化液とする方法などがあるが、こ
の限りではない。
(A)成分重合体あるいは(B)成分重合体の乳化液
中の重合物の粒子径は特に制限はないが、面積平均粒子
径が5μ以下であることが好ましい。ここで、面積平均
粒子径とは、乳化液の電子顕微鏡写真を投影し、粒子径
がdiなる粒子径の分率をfiとして、下記式IIIに従って
算出する。
Σfidi 3/Σfidi 2 ……〔III〕 特に(B)成分重合体の面積平均粒子径が5μを越え
ると、該(B)成分重合体を(A)成分重合体と混合し
て成る重合体組成物Cを、ハイインパクトポリスチレン
系樹脂に混合して得た熱可塑性樹脂組成物の成形物に層
状はく離現象あるいはフローマークの発生することがあ
る。
(A)成分重合体又は(B)成分重合体の乳化重合、
あるいは重合体の乳化に用いる乳化剤の種類は特に制限
はなく、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性
剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤の中から任
意に選択しうるが、アニオン性界面活性剤が最も有利に
使用できる。
(A)成分重合体乳化液と(B)成分重合体乳化液の
混合方法は特に制限はなく、固定容器型混合装置、回転
容器型混合装置、パイプラインミキサー、スタテックミ
キサー等の装置を使用して混合を行うことができる。
(A)成分重合体乳化液と(B)成分重合体乳化液の
混合乳化液から重合体組成物Cを分離する方法は特に制
限はなく、乳化液に、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸などの
酸、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウ
ム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウムなどの電解質、
ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール−ポリプロピレングリコールブロッ
ク共重合体、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性
高分子などの析出剤を添加する方法、乳化液を凍結して
乳化破壊する方法、乳化液を高温気体中に噴霧する方法
などを例示しうる。
(A)成分重合体乳化液と(B)成分重合体乳化液と
の混合液から分離された重合体組成物Cは、更に溶融混
練装置に供給して溶融混練することができる。使用でき
る溶融混練装置としては、たとえば、バンバリーミキサ
ー、インテンシブミキサー、ミクストルーダー、コニー
ダー、エクストルーダー、ロールなどがある。また、特
公昭59−37021号に開示された、脱水機構を有する溶融
混練装置を用いることもできるが、当該装置を用いる場
合には、乳化液と析出剤とを当該装置に連続的に供給し
て、混合、乳化破壊、脱水、乾燥、溶融混練を同一装置
内で連続的に行うことも可能である。
本発明のハイインパクトポリスチレン系樹脂とは、ゴ
ム成分、樹脂成分、及びゴム成分と樹脂成分との共有結
合物とから成るゴム含有スチレン系樹脂を指す。ゴム成
分としては、たとえばポリブタジエン、ポリイソプレ
ン、ポリクロロプレン、ポリ(ブタジエン−スチレ
ン)、ポリ(ブタジエン−アクリロニトリル)、ポリ
(ブタジエン−スチレン−メチルメタクリレート)など
の共役ジエン系ゴム、ポリ(エチレン−プロピレン−4
−エチリデンノルボルネン)、ポリ(エチレン−プロピ
レン−ジシクロペンタジエン)ポリ(エチレン−プロピ
レン−2,5−ノルボルナジエン)などのエチレンプロピ
レン系ゴムなどがある。また、樹脂成分を構成する単量
体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエン、t−ブチルスチレンなどの芳香族ビニル単量
体、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシア
ン化ビニル単量体、メチルメタクリレート、エチルアク
リレート、ブチルアクリレートなどの(メタ)アクリル
酸エステル単量体、マレイミド、N−メチルマレイミ
ド、N−エチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイ
ミド、N−フェニルマレイミド、N−トルイルマレイミ
ドなどのマレイミド系単量体、無水マレイン酸などが挙
げられるが、樹脂成分を構成する単量体の90重量%以上
は芳香族ビニル単量体であることを必要とする。
ハイインパクトポリスチレン系樹脂の製造方法は特に
制限はなく、塊状重合、塊状−懸濁重合、懸濁重合、溶
液重合、乳化重合などの公知技術を任意に適用しうる。
たとえばハイインパクトポリスチレン系樹脂中に含有
されるゴム成分を調節する目的で、ハイインパクトポリ
スチレン系樹脂に別途重合された樹脂成分を混合するこ
とも可能であるが、別途重合された樹脂成分は、ハイイ
ンパクトポリスチレン系樹脂の重合で得られた樹脂成分
と同一組成である必要はない。たとえば、ポリブタジエ
ンの存在下でスチレンを重合して得られたハイインパク
トポリスチレンに、別途重合して得られたポリ(スチレ
ン−無水マレイン酸)を混合することができる。
ハイインパクトポリスチレン系樹脂の必須構成単位の
ひとつである。ゴム成分と樹脂成分との共有結合物は、
いわゆるグラフト重合法により製造できるが、本発明で
は、グラフト重合法の公知技術を任意に適用できる。
ハイインパクトポリスチレン系樹脂のゴム成分含有率
は1〜20重量%であることが必要である。ゴム成分含有
率が1重量%未満では、重合体組成物Cと混合して得た
熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が低く、20重量%を越え
ると剛性が低下する。
本発明では、重合体組成物C0.5〜50重量%とハイイン
パクトポリスチレン系樹脂50〜99.5重量%とを混合して
熱可塑性樹脂組成物を製造する。さらに好ましくは、重
合体組成物C2〜40重量%とハイインパクトポリスチレン
系樹脂60〜98重量%とを混合する。重合体組成物Cの添
加量が0.5重量%未満では得られた熱可塑性樹脂組成物
の耐環境応力き裂性に劣り、50重量%を越えると該組成
物の剛性、耐熱性、あるいは耐衝撃性に劣り好ましくな
い。
重合体組成物Cとハイインパクトポリスチレン系樹脂
との混合方法は特に制限はなく、粉体あるいはペレット
状態の両成分を混合して目的とする熱可塑性樹脂組成物
を製造することができる。混合装置を例示すると、ヘン
シェルミキサーなどの固定容器型混合装置、V型プレン
ダー、タンブラーなどの回転容器型混合装置などがある
がこの限りではない。
重合体組成物Cとハイインパクトポリスチレン系樹脂
との混合方法として、溶融混練を例示することができ
る。使用する溶融混練装置の具体例としては、バンバリ
ーミキサー、インテンシブミキサー、ミクストルーダ
ー、コニーダー、エクストルーダー、ロールなどがあ
る。
(実施例) 以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されない。
なお、各例記載の部及び%は、総て重量基準である。
実施例1及び比較例1 〔(A)成分の製造−A−1〜A−4の製造〕 純水150部、ステアリン酸カリウム2部をオートクレ
ーブに仕込み、かくはんしながら50℃に加熱した。ここ
に、硫酸第1鉄・7水塩0.005部、エチレンジアミン4
酢酸4ナトリウム・2水塩0.01部、及びナトリウムホル
ムアルデヒドスルフォキシレート・2水塩0.3部を純水1
0部に溶解した水溶液を注加した。
次いで、表1に示した組成の単量体混合液100部を4
時間かけて連続添加した。同時に、過硫酸カリウム0.05
部を25部の純水に溶解した水溶液を6時間かけて連続添
加した。
単量体混合液の添加終了後、ジイソプロピルベンゼン
ハイドロパーオキサイド0.1部を添加し、系を70℃に昇
温して、更に2時間かくはんして重合を終了した。
得られた(A)成分の性質を表2に示す。
〔(A)成分の製造−A−5の製造〕 純水175部、ステアリン酸カリウム2部をオートクレ
ーブに仕込み、かくはんしながら70℃に加熱した。
ここに、過硫酸カリウム0.05部を純水10部に溶解した
水溶液を注加し、更に、表1に示した組成の単量体混合
液100部を4時間かけて連続添加した。
単量体混合物の添加終了後、ラウロイルパーオキサイ
ド0.1部を添加し、更に70℃で2時間かくはんして重合
を終了した。
得られた(A)成分の性質を表2に示す。
〔(B)成分の構造−B−1〜B−3の製造〕 純水120部、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウ
ム2部をオートクレーブに仕込み、かくはんしながら65
℃に加熱した。ここに、硫酸第1鉄・7水塩0.005部、
エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム・2水塩0.01部、
及びナトリウムホルムアルデヒドスルフォキシレート・
2水塩0.3部を純水10部に溶解した水溶液を注加した。
次いで、表3に示した組成の単量体混合液100部の20
%をオートクレーブに注加し、過硫酸カリウム0.2%水
溶液2.5部を添加して重合を開始した。
重合開始と同時に、前記単量体混合液の残量を4時間
かけて連続添加した。また、重合開始と同時に、過硫酸
カリウム0.05部を20部の純水に溶解した水溶液を6時間
かけて連続添加した。過硫酸カリウム溶液の添加終了
後、オートクレーブの内容を冷却して重合を終了した。
得られた(B)成分の性質を表4に示す。
〔(B)成分の構造−B−4の製造〕 純水140部、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウ
ム2部をオートクレーブに仕込み、かくはんしながら70
℃に加熱した。
ここに過硫酸カリウム0.05部を10部の純水に溶解した
水溶液を注加し、更に表3に示した組成の単量体混合液
100部を4時間で連続添加した。
単量体混合液の添加終了後、ジイソプロピルベンゼン
ハイドロパーオキサイド0.1部を添加し、更に70℃で2
時間かくはんして重合を終了した。
得られた(B)成分の性質を表4に示す。
〔重合体組成物Cの製造〕
(A)成分乳化液50部(重合体の固形分として)と
(B)成分乳化液50部(重合体の固形分として)とを乳
化液状態で混合し、更にポリエチレングリコール−ポリ
プロピレングリコールブロック共重合体(総分子中のエ
チレンオキサイド重量分率80%、ポリプロピレングリコ
ール分子量1750−旭電化工業株式会社製プルロニックF
−68)0.7部の10%水溶液を添加した。
塩化カルシウム・2水塩5部を純水400部に溶解した
水溶液を80〜95℃に加熱し、ここに、前記の混合乳化液
をかくはんしながら注加して析出した。
得られたスラリーをろ過、水洗し、70℃雰囲気で乾燥
して重合体組成物Cを得た。
なお各物性値は、以下の方法により求めた。
(1) ガラス転移温度 (A)成分あるいは(B)成分乳化液をメタノール中
に滴下して得た固体を乾燥し、デュポン式測定機である
910示差走査熱量計及び990熱分析計を用いて測定した。
(2) ゲル含有率 (A)成分あるいは(B)成分乳化液をメタノール中
に滴下して得た固体を乾燥した。その約1.0gを精秤し
て、既述の方法で測定して式IIにより算出した。ただ
し、(A)成分と(B)成分では使用する溶媒が異な
り、(A)成分ではメチルエチルケトン、(B)成分で
はトルエンを用いた。
(3) 溶解度パラメーター 各例で溶解度パラメーターの算出に使用した各ポリマ
ーの溶解度パラメーター値〔単位は(cal/cc)1/2〕は
以下の通りである。
ポリアクリル酸ブチル ; 8.8 ポリアクリル酸エチル ; 9.4 ポリメタクリル酸メチル ; 9.5 ポリアクリロニトリル ;12.5 ポリスチレン ; 9.1 ポリビニルトルエン ; 8.9 ポリ(t−ブチルスチレン) ; 7.9 (4) 重量平均分子量 東洋曹達工業株式会社製HLC−802A型ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィーに、同社製GMH−6型カラム
を2本直列して測定した。検出機は屈折計を用い、溶媒
はテトラヒドロフランを使用した。
本装置を用いた場合の重量平均分子量の測定上限は6
×105であり、6×105を越える試料については表2該当
欄に>6と記した。
なお、試料は(A)成分乳化液をメタノール析出して
得た固体を用いた。
〔熱可塑性樹脂組成物の製造〕 ポリブタジエン7%、ポリスチレン93%から成り、ポ
リスチレンの重量平均分子量が2.15×105であるハイイ
ンパクトポリスチレン樹脂ペレット90部と、重合体組成
物C粉末10部とヲ混合し、株式会社中央機械製作所製VC
−40(ベント付単軸押出機)に供給してペレットを得
た。
得られたペレットを用いて成形物を作成して物性評価
を行ない、その結果を表5に示した。
なお、各例の物性測定値は以下の方法により求めた。
(1) 引張り降伏点…ASTM D−638 (2) アイゾット衝撃強度…ASTM D−256 (3) ビカット軟化温度…JIS K−6870 (4) 光沢…JIS Z−8741 (5) 耐薬品性(耐環境応力き裂性) ASTM D−638タイプIダンベルに20mmのたわみを与
えて治具に固定し、エチレングリコールモノエチルエー
テルを塗布し、温度で23℃で放置したときの破断に至る
までの時間を分で表わす。表中>180は、180分経過して
破断しないことを示す。
(6) 層状はく離性及びフローマーク 東芝機械株式会社製IS−80CN−V射出成形機で20×80
×3mmの短冊状成形物を作成する。ゲートは長さ20mmの
一辺の中央にあり、ゲート形状は成形物の長さ方向2m
m、厚さ方向1.5mmの長方形の断面を有する長さ2mmのエ
ッジゲートである。金型のキャビティーは4個取りであ
る。
得られた成形物のゲート部を手折ると、ゲート付近が
層状はく離することがあり、はく離の多少を標準試料と
対比して下記の様に評価した。
A:全く認められず B:少し認められる C:かなり認められる D:著しく認められる 実験番号1は実施例であり、実験番号2〜45は比較例
である。
比較例2は、(A)成分のガラス転移温度が本発明の
範囲を逸脱するが、当該(A)成分乳化液と(B)成分
乳化液とを混合し、析出して得た重合体組成物Cの固体
では、室温で粉末とならずに塊状を呈するため、例えば
析出物の脱水、水洗工程、乾燥工程、あるいはゴム含有
スチレン系樹脂との混合工程で、操作上の不利を生じ
た。
比較例2以外の実験では、重合体組成物Cの固体は粉
末状を呈し、操作上の不具合は生じなかった。
比較例より明らかな様に、(A)成分の重量平均分子
量あるいは溶解度パラメーターが本発明の範囲を言脱す
ると層状はく離現象が顕著となり、(A)成分のガラス
転移温度が本発明の範囲を逸脱すると耐熱性あるいは製
造時の操作性に劣り、(A)成分のゲル含有率が本発明
の範囲を逸脱すると光沢に劣り、共に好ましくない。ま
た(B)成分の溶解度パラメーター、ゲル含有率あるい
はガラス転移温度が本発明の範囲を逸脱すると耐環境応
力き裂性に劣り好ましくない。
実施例2及び比較例2 実施例1で製造したA−1乳化液とB−1乳化液とを
乳化液状態で表6に示した割合で混合した(表中の部は
重合体の固形分としての部を表わす)。更に、重合体混
合物の固形分100部に対して、実施例1で用いたプルロ
ニックF−68の10%水溶液を7部添加した。
得られた混合乳化液を実施例1と同様に析出処理して
重合体組成物C−1〜C−7を得た。
次いで、実施例1で使用したハイインパクトポリスチ
レン樹脂ペレット90部と、重合体組成物C−1〜C−7
粉末10部とを混合し、VC−40型押出機に供給してペレッ
トを得た。
得られたペレットを用いて実施例1と同様に物性評価
を行ない、その結果を表7に示した。
比較例2から明らかな通り、重合体組成物C中の
(B)成分含有率が本発明の範囲の下限を逸脱すると耐
環境応力き裂性に劣り、上限を逸脱すると層状はく離性
減少が顕著になり、共に好ましくない。
実施例3及び比較例3 実施例1で製造したA−1乳化液50部(重合体の固形
分として)とB−1乳化液50部(重合体の固形分とし
て)とを乳化液状態で混合し、更にプルロニックF−68
の10%水溶液を7部添加した。
得られた混合乳化液を実施例1と同様に析出処理して
実施例組成物Cの粉体を得た。
次いで、該重合体組成物Cの粉末をVC−40型押出機に
供給してペレットを得た。
得られた重合体組成物Cのペレットと、実施例1で使
用したハイインパクトポリスチレン樹脂ペレットとを表
8に示した割合で混合し、VC−40型押出機に供給して熱
可塑性樹脂組成物ペレットを得た。
得られたペレットを実施例1と同様に物性評価して、
その結果を表8に示した。
比較例3から明らかな通り、重合体組成物Cの添加量
が本発明の範囲の下限を逸脱すると、得られた熱可塑性
樹脂組成物の耐環境応力き裂性が劣り、上限を逸脱する
と耐熱性が低下して好ましくない。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明の方法に従い製造された
熱可塑性樹脂組成物は、耐環境応力き裂性に優れ、しか
も得られた成形物の層状はく離現象が著しく抑制された
顕著な効果を奏するものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ビニル系単量体の重合体であり、そ
    のガラス転移温度が20℃を越え、ゲル含有率が10%以下
    であり、溶解度パラメーターが8.0〜10.0(cal/cc)1/2
    であり、かつポリスチレン基準の重量平均分子量が105
    以上かつ2×105未満である重合体の乳化液20〜90重量
    %(重合体の固形分として)と、 (B)アクリル酸エステル単量体の単独重合体または共
    重合体、あるいはアクリル酸エステル単量体と他の共重
    合性単量体の共重合体であり、そのガラス転移温度が20
    ℃以下であり、ゲル含有率が70%以下であり、かつ溶解
    度パラメーターが8.4〜9.8(cal/cc)1/2である重合体
    の乳化液10〜80重量%(重合体の固形分として)とを乳
    化液状態で混合した後に、重合体を分離して得られる重
    合体組成物C0.5〜50重量%と、ゴム成分の含有率が1〜
    20重量%であり、樹脂成分を構成する単量体の90重量%
    以上がスチレン系単量体であるハイインパクトポリスチ
    レン系樹脂50〜99.5重量%とを混合することを特徴とす
    る熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
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