JP2521837Y2 - プレコート式バグフィルタ装置 - Google Patents

プレコート式バグフィルタ装置

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JP2521837Y2
JP2521837Y2 JP1991107436U JP10743691U JP2521837Y2 JP 2521837 Y2 JP2521837 Y2 JP 2521837Y2 JP 1991107436 U JP1991107436 U JP 1991107436U JP 10743691 U JP10743691 U JP 10743691U JP 2521837 Y2 JP2521837 Y2 JP 2521837Y2
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  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、気体流からダスト及び
浮遊物質並びに酸性有害ガス等を分離または中和し、除
去または回収するバグフィルタ装置に関し、特に、濾過
作業を行う前に濾布の表面にプレコート層を形成するプ
レコート式バグフィルタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から使用されてきた1室構造バグフ
ィルタ装置の概略構造と払い落し時の状況の一例を図4
に示す。
【0003】図4において、aはバグフィルタ装置のケ
ーシングであり、複数の濾布bを懸架する仕切板cによ
って、下部の濾過室dと上部の清浄ガス通路eとに2分
割されている。
【0004】清浄ガス通路eには、図示しない圧縮空気
源に連接される開閉弁を通じて、濾布b内に圧縮空気を
突入させるための複数の空気吹込管fが配設されてい
る。
【0005】濾過室dの下方は、粉じん収集用のホッパ
室hを構成し、その底部には粉じんを排出するための排
出コンベアi及び外気シールを兼ねたロータリーバルブ
jが連接されている。
【0006】ホッパ室hの1側面には、図示しない焼却
炉または燃焼炉等で発生したばいじんや酸性有害ガス等
を含む燃焼ガスを送入する煙道kが接続され、煙道kの
途中には、図示しない有害ガス除去装置から供給される
消石灰等の中和用の薬剤mが連続的に供給されており、
薬剤mは燃焼ガスと混合して排ガスnとなる。
【0007】排ガスnは、ホッパ室hの入口に設けられ
た邪魔板pに衝突して、ホッパ室h内でのガス流量及び
薬剤mの分布状態を平均化させると共に、排ガスn中に
含まれる薬剤mの凝集塊及び大粒のばいじんや水滴を慣
性力で下方に振切った後、上方に反転し、濾過室d内に
懸架された複数の濾布bの表面に到達する。
【0008】排ガスn中に含まれる酸性有害ガスは、薬
剤mが煙道kに吹込まれる位置から濾布bの表面に到達
する間に薬剤mと中和反応を起こすが、ガス流中の攪拌
接触であるために十分な反応をすることができず、未反
応の薬剤mは、反応済みの薬剤m及び排ガスn中に含ま
れるばいじんと共に、濾布bの表面に順次堆積して粉じ
ん層qを形成する。
【0009】排ガスnは該粉じん層qを透過する際に、
保有するばいじんを除去すると共に、含有する酸性有害
ガスが未反応の薬剤mと接触することにより、効率良く
中和反応をして清浄ガスrとなって清浄ガス通路eに入
り、出口から図示しない誘引通風機に吸引されて、同じ
く図示しない煙突から大気中に放出される。
【0010】この状態で運転を継続すると、飛来し続け
る薬剤mと排ガスn中のばいじんにより、粉じん層qは
次第に成長して通気抵抗が増加し、電力費が増加するだ
けでなく、濾布bの縫目等が破損し易くなる。
【0011】したがって、設定値以上の通気抵抗となっ
た場合、各々の濾布bの上部に設置された空気吹込管f
から、後述のスケジュールに従って、圧縮空気を濾布b
内に噴射させることにより、濾布bの表面に堆積した粉
じん層qを剥離させ、ホッパ室hに落下した粉じんを、
排出コンベアiを経由してロータリーバルブjから外部
に排出する。
【0012】ここで、上述したジェットパルス式の払い
落しは、圧縮空気の噴射時間は極めて短時間であるが、
圧縮空気貯留槽の圧力回復と剥離した粉じんがホッパ室
hに落着する迄の休止時間を挟んで、端から順番に行
い、払い落し期間中も排ガスnの流入は止めないのが一
般的である。
【0013】
【考案が解決しようとする課題】然しながら、従来の方
式によれば、濾過の主体をなす粉じん層qは、排ガスn
中の未反応及び反応済みの薬剤m並びにばいじんが堆積
することにより形成されるものであるため、当初から高
性能は求められない。
【0014】また、堆積する粉じんが水分により粘着力
を持つために、払い落し時に粉じん層q全体が剥離して
薬剤mを消費するだけでなく、再生に時間を要し、その
間濾過性能が低下するという問題があった。
【0015】その上に、ホッパ室hに邪魔板pを設ける
必要があるため、通気抵抗が増加するという欠点もあっ
た。
【0016】これらの諸問題を解決する手段として、濾
過作業を行う前に、薬剤によるプレコート層を形成させ
るものが、特公昭52−29470号により提供されて
いる。しかし、このケーシングは、従来の方式と同様
に、装置全体を1室で構成しているために、払い落され
た粉じんの一部は、流入する排ガスにより再飛散して、
他の濾布に吸着されるという欠点が解決されていない。
【0017】その結果、中和に寄与しない反応済みの薬
剤の再付着により、通気抵抗の不必要な増加を招き、払
い落し頻度が早くなって、薬剤の使用量が多くなり払い
落し効果を低減させる結果を招いていた。
【0018】また、粉じん再付着対策として、バグフィ
ルタ装置を多室構造にするものが、実開昭61−183
115号により提供されている。
【0019】このバグフィルタ装置は、図5に示すよう
に、払い落し時には、分岐排出ダクトSに挿入された開
閉ダンパTを閉鎖してガス流を止め、次に、外気導入通
路開閉ダンパUを開放して、払い落しに必要な逆流用2
次空気を外部から供給可能な状態とする。その後、圧縮
空気噴射弁Vを開放して、濾布内にジェット気流を噴射
して誘引される2次空気と共に濾布に衝撃を与えて粉じ
んを剥離・落下させる方式である。
【0020】しかしながら、落下した粉じんは、排ガス
nの流入がないために、再飛散することはないが、導入
通路開閉ダンパUの完全開鎖が困難なために、平常操業
中にダンパ隙間から常温の空気が高温の清浄ガス系統に
漏入して、低温腐食を起こす危険性があった。
【0021】また、装置上部に配管やダンパが輻湊する
ために、濾布の点検・補修に支障をきたし、設置面積が
広くなるという欠点があった。
【0022】
【課題を解決するための手段】本考案のプレコート式バ
グフィルタ装置は、濾過作業を行う前にバグフィルタ装
置の気体流入室内に設置された濾布の表面にプレコート
層を形成し、該プレコート層及びこのプレコート層上に
堆積するばいじん堆積層よりなる付着物の払い落しをジ
ェットパルス式で行うプレコート式バグフィルタ装置に
おいて、前記濾布が設置された気体流入室は、垂直方向
に配設された隔壁によって区画された各濾過室の下端に
取付けられた開閉装置により、複数室の濾過室と共通の
ホッパ室とに区画されており、該開閉装置は、水平位置
から垂直位置まで回動自在であり、濾布表面付着物を剥
離する払い落し作業時及びプレコート層形成時にのみ水
平位置で閉鎖して濾過室内への気体の流入を遮断すると
ともに、上記払い落し作業により剥離された付着物を一
時堆積させ、濾過作業開始時には垂直方向に反転するこ
とにより、上面に堆積した付着物をホッパ室傾斜面へと
排出するものである。
【0023】
【作用】フィルタ装置の気体流入室を複数室の濾過室に
区画し、払い落し時には、該当する濾過室の開閉装置を
閉鎖して、この濾過室への気体の流入を停止せしめた
後、ジェットパルス式にて濾布に付着した付着物を払い
落すことにより、払い落し時に剥離された粉じんが再飛
散して他の濾過室の濾布に付着することを防止する。
【0024】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図面を参照して説
明する。
【0025】図1及び図2は本考案に係るプレコート式
バグフィルタの概略構成を示し、図3は濾布表面におけ
る付着・堆積状態を示している。
【0026】図1及び図2において、1はバグフィルタ
装置のケーシングであり、複数の濾布2を懸架する仕切
板3によって、上部の清浄ガス通路4と下部の排ガス室
(気体流入室)5に区分される。
【0027】上部の清浄ガス通路4は、後述する排ガス
室5に複数の濾布2を介して連通された空間であり、清
浄ガスダクト41を通じて、図示しない誘引通風機に連
接されている。
【0028】清浄ガス通路4には、複数の濾布2の横1
列に対して、空気吹込管6が1本ずつ配設され、空気吹
込管6は開閉弁61を通じて、図示しない圧縮空気源に
連接されている。
【0029】さらに、空気吹込管6の下部には、複数の
濾布2の開口部に対峙して払い落し用圧縮空気を吹込む
ためのノズル62が各々配設されている。
【0030】下部の排ガス室5は、垂直方向に配設され
た複数の隔壁11及び後述するダンパ71により区画さ
れた複数の濾過室51と、装置共通のホッパ室52に分
割され、さらにホッパ室52下部には、落下物を排出す
るための排出コンベア53及び外気シールを兼ねたロー
タリーバルブ54が連接されている。
【0031】前記ホッパ室52の一側面には煙道7が取
付けられており、この煙道7を介してホッパ室52内
に、図示しない焼却炉または燃焼炉で発生したばいじん
や酸性有害ガス等を含む排ガス81が流入する。
【0032】上記の複数に区画された濾過室51の底部
には、払い落し及びプレコート層形成時に、排ガス81
の流入を遮断する左右一対のダンパ71(開閉装置)
が、図2において実線で示す水平位置から1点鎖線で示
す垂直位置の間で、各々開閉自在に配設されている。
【0033】また、濾過室51には、複数の濾布2群の
ほかに、図示しない酸性有害ガス除去装置に内蔵された
送風機により、新鮮な空気とともに供給される消石灰な
どの中和用の薬剤91を噴射する薬剤噴射口9が各々配
設されている。
【0034】次に、上述のように構成された本考案に係
るプレコート式バグフィルタ装置の払い落しから濾過作
業再開までの動作について説明する。
【0035】本考案に係るプレコート式バグフィルタ装
置は、濾過作業を行う前に、バグフィルタ装置の排ガス
室5内に設置された濾布2の表面にプレコート層22を
形成させる方式である。即ち、濾過作業開始前に、濾布
2の表面に、図3に示す如き恒久的な1次付着層21を
形成せしめた後、図示しない酸性有害ガス除去装置に内
蔵された送風機により、新鮮な空気とともに薬剤噴射ノ
ズル9から各濾過室51内に噴出される薬剤91によ
り、1次付着層21(図3参照)上にプレコート層22
を形成しておくものである。
【0036】そして、濾過作業の継続に伴い、堆積する
ばいじんにより、ばいじん堆積層23の通気抵抗が増大
すると共に、プレコート層22を形成する薬剤91の中
和反応が完了して、何れかの濾過室51内の濾布2群の
払い落し時期がくれば、まず、該当する濾過室51のダ
ンパ71を閉鎖して、その濾過室51内への排ガス81
の流入を遮断する。
【0037】続いて、この濾過室51に対応する開閉弁
61を開放して、図示しない空気源の圧縮空気を、ノズ
ル62から上記濾過室51内の濾布2内に短時間ジェッ
ト噴射させれば、清浄ガス通路4内の清浄ガス82は、
ジェット噴流に誘引された2次気流となり、噴射空気と
共に濾布2内に逆流し、ジェット噴流の衝撃波と2次気
流の逆洗効果により、濾布2表面のプレコート層22及
びばいじん堆積層23よりなる付着物を剥離させる。
【0038】剥離した付着物は、一時、ダンパ71上に
堆積した後、ダンパ71を実線で示す水平位置から1点
鎖線で示す垂直位置まで反転させることにより、ホッパ
室52の傾斜面を伝って排出コンベア53上に落下し、
排出コンベア53によって移送された後、ロータリーバ
ルブ54により外部に排出される。この際、剥離した付
着物は、排ガス81中の水分による粘着力と濾布表面で
の吸引付着作用によって比重が大きい比較的大きな塊に
なっているとともに、一旦安定した状態に堆積させてい
るため、ダンパ71を垂直位置に反転させた状態におい
ても、該堆積した付着物が排ガス81によって吹上げら
れるのを極力避けることができ、円滑にホッパ室52の
傾斜面を伝って排出コンベア53上に落下させることが
できる。
【0039】以上の払い落し作業が終われば、ダンパ7
1を垂直位置から水平位置に戻してガス流を停止せしめ
た後、薬剤噴射口9から新鮮空気と共に薬剤91を噴射
すれば、図示しない誘引通風機の吸引力の助けにより、
薬剤91は1次付着層21(図3参照)上にプレコート
層22を形成する。
【0040】プレコート層22の形成作業が終われば、
再びダンパ71を水平位置から垂直位置に反転させる事
により、濾過作業を再開する。
【0041】このような動作が各濾過室51にて順次行
われる。
【0042】なお、本例では、プレコート層22を形成
するための薬剤噴射用流体は、酸性有害ガス除去装置に
内蔵された送風機を用いたが、圧縮空気源あるいは清浄
ガス82を用いてもよい。
【0043】また、ダンパ71は、図示例では2枚分割
の上方回転方式を示したが、分割数は幾らでもよく、本
例に限定されるものでない。
【0044】さらに、本例では、焼却炉や燃焼炉から発
生した排ガスを例示して説明したが、処理対象気体は空
気でも有効であり、精密作業などにおける空気清浄化装
置にも適用できる。
【0045】
【考案の効果】以上述べたように、本考案によれば、バ
グフィルタ装置の排ガス室を複数室に区画された濾過室
と共通のホッパ室とで構成した多室構造にした上に、各
濾過室の下端に個別に設置した開閉装置により、濾布表
面付着物を剥離する払い落し作業時及びプレコート層形
成時にのみ水平位置で閉鎖して濾過室内への気体の流入
を遮断するとともに、上記払い落し作業により剥離され
た付着物を一時堆積させ、濾過作業開始時には垂直方向
に反転することにより、上面に堆積した付着物をホッパ
室傾斜面へと排出することによって、剥離した付着物
は、排ガス中の水分による粘着力と濾布表面での吸引付
着作用によって比重が大きく比較的大きな塊になってい
るとともに、一旦安定した状態に堆積させているため、
開閉装置を垂直位置に反転させた状態においても、該堆
積した付着物が排ガスによって吹上げられるのを極力避
けることができ、円滑にホッパ室の傾斜面を伝って排出
コンベア上に落下させることができ、払い落し効果が向
上する。また、プレコート層形成中には、新鮮薬剤が他
の濾過室に行かないため、薬剤の使用量を最少にするこ
とができる。
【0046】また、装置の上・下部とも、ダクトやダン
パ類が輻湊しないため、濾布の交換などの保守点検業務
が容易であるばかりでなく、装置の据付面積も少なくて
すむ。
【0047】さらに、排ガス系統のダンパが装置外部に
設置されず、また外気を直接吸引する方式のダンパ類が
ないために、低温腐食のおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るプレコート式バグフィルタの概略
構成を示す側面視の断面図である。
【図2】本考案に係るプレコート式バグフィルタの概略
構成を示す正面視の断面図である。
【図3】濾布表面における付着・堆積状態を示しす拡大
図である。
【図4】従来の1室構造バグフィルタ装置の概略を示す
構成図である。
【図5】従来の多室構造バグフィルタ装置の濾過対象気
体及び払い落し用気体の配管系統図である。
【符号の簡単な説明】
2 濾布 22 プレコート層 23 ばいじん堆積層 5 排ガス室(気体流入室) 51 濾過室 71 ダンパ(開閉装置) 81 排ガス

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濾過作業を行う前にバグフィルタ装置の
    気体流入室内に設置された濾布の表面にプレコート層を
    形成し、該プレコート層及びこのプレコート層上に堆積
    するばいじん堆積層よりなる付着物の払い落しをジェッ
    トパルス式で行うプレコート式バグフィルタ装置におい
    て、 前記濾布が設置された気体流入室は、垂直方向に配設さ
    れた隔壁によって区画された各濾過室の下端に取付けら
    れた開閉装置により、複数室の濾過室と共通のホッパ室
    とに区画されており、該開閉装置は、水平位置から垂直
    位置まで回動自在であり、濾布表面付着物を剥離する払
    い落し作業時及びプレコート層形成時にのみ水平位置で
    閉鎖して濾過室内への気体の流入を遮断するとともに、
    上記払い落し作業により剥離された付着物を一時堆積さ
    、濾過作業開始時には垂直方向に反転することによ
    り、上面に堆積した付着物をホッパ室傾斜面へと排出す
    ことを特徴とするプレコート式バグフィルタ装置。
JP1991107436U 1991-12-26 1991-12-26 プレコート式バグフィルタ装置 Expired - Lifetime JP2521837Y2 (ja)

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JP4280308A JPH06126114A (ja) 1991-12-26 1992-10-19 プレコート式バグフィルタ装置における薬剤供給装置
TW081110129A TW204304B (en) 1991-12-26 1992-12-17 Precoat type bag filter device
KR1019920025394A KR960011035B1 (ko) 1991-12-26 1992-12-24 프리코오트식 백필터 장치

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JPH0556211U JPH0556211U (ja) 1993-07-27
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210124747A (ko) * 2020-04-07 2021-10-15 주식회사 엠에코 전처리 필터 내장형 복합식 집진시스템

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