JP2521238B1 - 巻取ボビンの線材後端処理装置 - Google Patents

巻取ボビンの線材後端処理装置

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JP2521238B1
JP2521238B1 JP6-256479A JP25647994A JP2521238B1 JP 2521238 B1 JP2521238 B1 JP 2521238B1 JP 25647994 A JP25647994 A JP 25647994A JP 2521238 B1 JP2521238 B1 JP 2521238B1
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wire
winding
winding bobbin
rear end
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JP6-256479A
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English (en)
Inventor
靖典 中原
慎二 横山
Original Assignee
宮崎鉄工株式会社
Filing date
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Abstract

【要約】 【目的】 簡単な処理動作により線材の後端部を締結す
る。 【構成】 ドラムモータ95によってドラム65を回転
させる。捩り部66のフック72がドラム65の回転に
よって満巻きされた巻取ボビン3の周りを線材の後端部
を捕らえながら周回する。捩りモータ100を駆動させ
るとフック72が巻取ボビン3の半径方向の軸を中心に
回転する。捕らえた線材が捩られて巻取ボビン3上に締
結される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、巻取ボビンに線材を巻
き付ける線材巻取機あるいはボビンからボビンへ線材を
巻き替える線材巻替機等において、巻取ボビンに巻き付
けた線材の後端部の処理を行う線材後端処理装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】線材巻取機あるいは線材巻替機等におい
て、線材が満巻きされた巻取ボビンに対する線材の後端
部の処理方法としては、線材の後端部を満巻きされた線
材上にテープ止めしたり、マグネットで固定したり、線
材の後端部をカールしたりしていた。しかしながら、例
えば線材が特殊線の場合は、テープを張り付けたところ
が変色して使用不可能になったり、次工程において取り
外し作業が面倒であった。また、ボビン運搬中に外れた
りして確実性が低いといった欠点があった。
【0003】そこで、このような欠点を解消するための
先行技術として、実公平2−1317号公報に、巻取ボ
ビン上の線材コイルの巻始端末と巻終末端とを捩って固
定される線材コイルの端末結束機が開示されている。こ
れは線材コイルの巻始端末と巻終端末交叉部に、S字形
に形成された回転自在な羽根を係入させて、この羽根を
回転させることにより線材コイルの巻始端末と巻終端末
とが捩られて固定されるものである。
【0004】また、特公平6−15389号公報では、
リール上で線状体を締結させる端線締結方法およびその
装置が開示されている。これは、巻取りが完了したリー
ルとトラバーサー間に張架された線状体を引掛け部材に
より引掛け、引掛け部材をリールの回転方向と逆方向に
回転させ、リールとトラバーサー間に張架された線状体
が、再び引掛け部材に交叉する以上まで回転させ、再び
引掛け部材と交叉した線状体を引掛け部材の中空内に摺
動可能に設けられた線材掴み具で掴んだあと、線材掴み
具とトラバーサー間に張架された線状体を切断し、次い
で線材掴み具で掴んだ線状体を引掛け部材で引掛けられ
た線状体の輪にくぐらせつつ、線状体の輪を引掛け部材
から外し、線材掴み具をさらにリールの回転方向と逆方
向に回転させて線状体をリール上で締結するものであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記実
公平2−1317号公報の線材コイルの端末結束機で
は、S字形の羽根を回転させて線材コイルの巻始端末と
巻終端末とを捩っているが、線材コイルの巻始端末と巻
終端末との交叉部は、予め巻始端末と巻終端末とを捕捉
板に捕捉させて交叉部を形成しているので、常に同じ状
態の交叉部を形成させたり、S字形の羽根にうまく係合
するような位置に交叉部を合わせておく必要があるた
め、その操作は大変面倒なもので、線材コイルの処理に
人手と時間が多く掛かってしまう欠点があった。
【0006】また、特公平6−15389号公報の端線
締結方法では、停止した状態のリールに対して引掛け部
材をリールの巻方向と逆の方向に回転させて線材を引掛
けるため、特に細い線材の場合は引掛けるときに切れて
しまうことがあり、これを防ぐために線材供給側のモー
タ等を駆動させて線材を送りながら引掛けていくといっ
た複雑な装置の制御が必要となる。さらに、引掛け部材
を回転させたり、線材を掴んだり、線材の輪にくぐらせ
たりする処理動作が複雑で、処理時間が長く掛かってし
まい生産性が悪くなるという問題がある。
【0007】本発明は、上記に鑑み、簡単な処理動作に
より線材の後端部を締結させ、しかも自動的に処理を行
うことができる巻取ボビンの線材後端処理装置の提供を
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による課題解決手
段は、図1の如く、支持軸20a,20bに回転自在に
支承された巻取ボビン3の周りを周回しながら線材の後
端部を捕らえる線材掴持手段61と、該線材掴持手段6
1を支持軸20a,20bを中心に回転させる駆動手段
62と、線材掴持手段61を線材に対して回転させて線
材を捩って締結する後端処理手段63とを備えたもので
ある。
【0009】そして、線材を捩るときに線材が切れない
ように、線材掴持手段61よりも線材巻取方向上流側の
線材を挟持する線材挟持手段が設けられている。
【0010】また、線材掴持手段61は線材を捕らえる
捩り部66を有し、該捩り部66は捩られた線材が捩り
部66から離間する方向への回動を規制されている。
【0011】
【作用】上記課題解決手段において、満巻された巻取ボ
ビン3の周りを駆動手段62によって線材掴持手段61
を回転させると、線材掴持手段61の捩り部66が線材
の後端部に捕らえる。その後、後端処理手段63により
線材掴持手段61を線材に対して回転させると、捕らえ
た線材が捩られる。このとき、線材挟持手段61によっ
て線材掴持手段61よりも線材巻取方向上流側の線材を
挟持しているので、さらに上流側の線材が引っ張られ
ず、線材は切れない。
【0012】そして、巻取ボビン3を外すと、捩られた
線材が捩り部66から離間していく。このとき、捩り部
66は、線材の離間方向への回動が規制されて逆方向に
回動され、これにより、線材は捩り部66からスムーズ
に外れる。
【0013】
【実施例】本実施例の線材巻替機は、例えば大きなボビ
ンに巻き付けられた線材を小さな巻取ボビンに巻き替え
るもので、図2,3の如く、供給側のボビン1から線材
が供給される線材供給装置2と、線材供給装置2からの
線材を小さな巻取ボビン3に巻き捕る線材巻取装置4
と、線材を切断する切断装置5と、満巻きされた巻取ボ
ビン3と空の巻取ボビン3とを交換するボビン自動交換
装置6とを備えている。
【0014】線材供給装置2は、巻替機本体10の右側
に配置され、前後一対の駆動側中心軸11aおよび従動
側中心軸11bに回転自在に支承された供給側ボビン1
を回転駆動する供給側駆動部12と、供給側ボビン1か
らの線材を一旦巻き取る貯線ローラ13とからなる。各
中心軸11a,11bは巻替機本体10に回転可能に取
付けられており、従動側中心軸11bが前後方向に移動
することにより供給側ボビン1が中心軸11a,11b
から着脱可能となる。
【0015】供給側駆動部12は、駆動側中心軸11a
の後端に固定されたプーリ14と、巻替機本体10に固
定された駆動モータ15と、駆動モータ15のモータプ
ーリ15aとプーリ14とに掛巻されたベルト16とか
ら構成され、駆動モータ15の駆動力がモータプーリ1
5a、ベルト16、プーリ14および駆動側中心軸11
aを介して供給側ボビン1に伝達される。
【0016】そして、貯線ローラ13は、供給側ボビン
1の上方で巻替機本体10の縦壁10aに支持された固
定ローラ13aと、固定ローラ13aの下方で巻替機本
体10を縦壁10aに支持棒17を介して上下動自在に
取付けられた可動ローラ13bとから構成されている。
支持棒17は、その一端が巻替機本体10の縦壁10a
に回動自在に取付けられており、他端は前側に向かって
屈曲形成され、この屈曲部に可動ローラ13bが回転可
能に取付けられ、支持棒17のほぼ中央に円形の重り1
8が取付けられている。つまり、供給側ボビン1の駆動
モータ15と後述する巻取ボビン3のモータとの駆動の
誤差等により発生する線材の弛みや引っ張りが、可動ロ
ーラ13bが上下動して固定ローラ13aに近接離間す
ることによって調整される。
【0017】線材巻取装置4は、巻替機本体10の中央
に配置され、前後一対の駆動側支持軸20aおよび従動
側支持軸20bに回転自在に支承された巻取ボビン3を
回転駆動する巻取駆動部21と、供給側ボビン1から貯
線ローラ13を介して供給される線材を巻取ボビン3に
案内する案内ローラ22とから構成され、この案内ロー
ラ22はトラバース機構により巻取ボビン3の支持軸方
向に往復動される。そして、各支持軸20a,20bの
先端には、巻取ボビン3の中心孔に係合される図示しな
い凸状の係合体が取付けられており、従動側支持軸20
bは巻替機本体10に立設された支持台24に回転可能
に取付けられ、シリンダにより前後方向に移動自在とさ
れ、巻取ボビン3の回転によって従動回転する。また、
駆動側支持軸20aは、巻替機本体10の縦壁10aに
回転可能に取付けられておりその後端に巻取側駆動部2
1に連結されるボビン駆動プーリ25が取付けられてい
る。なお、巻取ボビン3は、供給側ボビン1と同様に従
動側支持軸20bが前後方向に移動することにより支持
軸20a,20bから着脱可能となる。
【0018】巻取側駆動部21は、駆動側支持軸20b
の後端に固定されたボビン駆動プーリ25と、巻替機本
体10の縦壁10aに固定された駆動モータ26と、駆
動モータ26のモータプーリ26aとボビン駆動プーリ
25とに掛巻されたベルト27とから構成され、駆動モ
ータ26の駆動力がモータプーリ26a、ベルト27、
ボビン駆動プーリ25および駆動側支持軸20aを介し
て巻取ボビン3に伝達される。
【0019】切断装置5は、図4,5の如く、空圧シリ
ンダにより開閉するニッパ30と、ニッパ30を前後さ
せるエアシリンダ31とからなり、巻取ボビン3の斜め
上方に配置されている。エアシリンダ31は、巻替機本
体10の縦壁10aにブラケット32を介して取付けら
れ、ニッパ30はエアシリンダ31のロッド31aの先
端に連結板33を介して取付けられている。また、図2
に示すように案内ローラ22と巻取ボビン3との間に
は、線材を掴持する線材チャック34が設けられてい
る。この線材チャック34は、ニッパ30よりも上流側
の線材を掴持し、ニッパ30で線材を切断するときに線
材を切断しやすい位置に固定させる。そして、掴持して
切断された線材の先端が次の巻取ボビン3に巻取られる
線材の始端となる。
【0020】ボビン自動交換装置6は、図2,3の如
く、空の巻取ボビン3を巻替機本体10に対して搬入す
る搬入部35と、満巻きされた巻取ボビン3を巻替機本
体10に対して搬出する搬出部36と、搬入部35から
の空の巻取ボビン3を線材巻取装置4の巻取ボビン装着
位置まで運ぶ移動リフタ37と、満巻きされた巻取ボビ
ン3を線材巻取装置4から降ろす昇降リフタ38と、昇
降リフタ38により降ろされた巻取ボビン3を搬出部3
6へ送る搬送部39とから構成されている。
【0021】搬入部35および搬出部36は、巻替機本
体10の左側に上下二段に前後方向に配置されており、
巻取ボビン3を載置する複数の載置台40と、載置台4
0を一方向に周回移動させるチェーン41と、チェーン
41を回転駆動させるモータ42とからなる。上段が搬
入部35とされ空の巻取ボビン3が前方向に、下段が搬
出部36とから満巻きされた巻取ボビン3が後方向にそ
れぞれ逆方向に移動される。そして、移動リフタ37
は、搬入部35および線材巻取装置4間の上方に配置さ
れており、空の巻取ボビン3を吸着して保持する吸着体
43が、巻替機本体10の縦壁10aに取付けられたレ
ール44上を縦シリンダ45および横シリンダ46によ
り上下移動および左右移動自在に取付けられてる。
【0022】搬送部39は、線材巻取装置4の下方で左
右方向に配置され、巻取ボビン3を載置する台車47
と、台車47を移動させるチェーン48と、チェーン4
8が掛巻された一対のスプロケット49と、スプロケッ
ト49を回転させるモータ50とからなり、この搬送部
39内に昇降リフタ38が配置されている。昇降リフタ
38は、台車47を支持する支持板51と、台車47を
上下動させるシリンダ38aとからなり、台車47を線
材巻取装置4の支持軸20a,20bと搬送部39との
間を上下させて、巻取ボビン3を線材巻取装置4から搬
送部39に降ろす。
【0023】そして、本実施例の線材巻替機には、巻取
ボビン3の交換を行うときに、満巻きされた巻取ボビン
3の線材の後端部がばらけないよう処理を行う線材後端
処理装置が設けられている。この線材後端処理装置は、
図1の如く、支持軸20a,20bに回転自在に支承さ
れた巻取ボビン3の周りを周回しながら線材の後端部を
捕らえる線材掴持手段61と、該線材掴持手段61を支
持軸20a,20bを中心に回転させる駆動手段62
と、線材掴持手段61を線材に対して巻取ボビン3の半
径方向の軸を中心に回転させて線材を捩って締結させる
後端処理手段63とから構成されている。
【0024】線材掴持手段61は、従動側支持軸20b
の周りに回転自在に配置されたドラム65と、捕らえた
線材を保持して捩る捩り部66とからなる。ドラム65
は、リング状に形成されており、支持台24に支持軸2
0a,20bと同一軸中心となるよう固着された円筒状
の固定体67に軸受を介して回転可能に取付けられ、前
側の外周には駆動手段62に連結されるスプロケット6
8が取付けられている。また、ドラム65の外周には、
巻取ボビン3の半径方向に突出して後側に向かって屈曲
形成された捩り部66を支える支持体69が設けられて
おり、支持体69の先端には巻取ボビン3の半径方向に
穿設された挿通孔70aを有する円筒70が設けられ、
捩り部66が円筒70の挿通孔70aに回転可能に挿通
されている。
【0025】捩り部66は、図1,6の如く、円筒70
の挿通孔70aに回転自在に挿通された軸体71と、軸
体71に回動自在に支持された線材保持用フック72と
からなる。軸体71は、中央にフランジ73が形成され
ており、フランジ73を挟んだ巻取ボビン3側の一端は
その中央部が削り取られたコ字状に形成され、ここに軸
体71の軸中心と直交する方向に穿孔74が設けられ、
この穿孔74にフック72を枢支するロールピン75が
固着される。また、軸体71のフランジ73が円筒70
の巻取ボビン3側の端面に当接され、軸体71のフラン
ジ73を挟んだ他端が円筒70の挿通孔70aを貫通し
て巻取ボビン3から離間する方向に突出され、この軸体
71の他端に後端処理手段63が係合される係合爪76
が取付けられている。そして、係合爪76と円筒70と
の間にコイルバネ77が介装され、コイルバネ77の付
勢力によって軸体71が巻取ボビン3の半径方向に付勢
されている。
【0026】係合爪76は、矩形に形成されており、軸
体71の他端にピン78により固着され、後述する後端
処理手段63の係合板が嵌まり込む溝79が設けられて
いる。この溝79はフック72の回動方向と同じ方向に
切り込まれ、溝79の角には面取り79aが施されてい
る。
【0027】フック27は、その先端が線材を引っ掛け
るように鉤状に屈曲され、後端には軸体71に連結され
る連結棒80が突設され、フック72の先端は引っ掛け
た線材が抜け落ちないように巻取ボビン3から離間する
方向に傾斜している。また、連結棒80の端部は、両側
が削りとられた平板状に形成されており、ここに連結棒
80の軸中心と直交する方向に軸孔81が穿設されてい
る。この軸孔81と軸体71の一端の穿孔74とが合わ
され、穿孔74および軸孔81にロールピン75が挿通
されて、フック72がロールピン周りに回動可能とな
る。そして、連結棒80の端部の一方の角(フック72
の先端方向の角)80aは、軸孔81を中心とした円弧
状に形成され、他方の角80bは直角とされる。
【0028】また、捩り部66には、図1,6のよう
に、線材を捕らえるときにフック72が回動しないよう
固定する固定手段が設けられている。この固定手段は、
フック72と円筒70との間に摺動自在に配された円筒
状の固定ブラケット85と、固定ブラケット85を摺動
させるシリンダ86とからなり、固定ブラケット85は
一端がフック72の後端に当接する固定姿勢Aと、他端
が軸体71のフランジ73に当接する回動姿勢B(図6
中二点鎖線で示す)とに切換えられる。そして、固定ブ
ラケット85の一端には、固定ブラケット85が固定姿
勢Aのときにフック72の後端に突設された凸部72a
が嵌まり込む切欠87が形成され、固定ブラケット85
の他端には段状に屈曲形成された腕部88が軸体71の
半径方向に突設されている。また、シリンダ86は、ブ
ラケット91を介して支持台24に固着された固定体6
7に取付けられており、巻取ボビン3の左側の水平位置
に配置されている。
【0029】固定ブラケット85の腕部88には、巻取
ボビン3の半径方向に突設された一対のガイド棒89が
取付けられており、ガイド棒89がドラム65の支持体
69に摺動可能に貫通され、ガイド棒89の周りで腕部
88と支持体69との間にコイルバネ90が介装され、
このコイルバネ90により固定ブラケット85がフック
72側に付勢される。なお、ガイド棒89の端部に取付
けられた停止体92が支持体69の外側面に当接して、
コイルバネ90による固定ブラケット85の巻取ボビン
方向への移動が停止される。また、固定ブラケット85
が回動姿勢Bのとき、固定ブラケット85の一端は、図
6のようにフック72の連結棒80の端部が少し隠れる
位置に停止され、連結棒端部の他方の角80bが固定ブ
ラケット85の内壁に当接して、捩られた線材がフック
72から離間する方向すなわちフック72の先端方向へ
の回動が規制されて、逆方向の矢印a方向にのみ回動可
能とされている。
【0030】駆動手段62は、図2,7の如く、ドラム
65の前側に取付けられたスプロケット68と、巻替機
本体10の支持台24の右側方に固定されたドラムモー
タ95と、ドラムモータ95のモータスプロケット95
aとドラム65のスプロケット68とに掛巻されたチェ
ーン96とから構成され、ドラムモータ95の駆動力が
モータスプロケット95a、チェーン96およびスプロ
ケット68を介してドラム65に伝達され、捩り部66
のフック72が巻取ボビン3の線材巻取方向と同じ方向
に回転される。なお、巻替機本体10の支持台24の左
側方には、捩り部66を検出する近接スイッチ97がブ
ラケット98を介して取付けられている。この近接スイ
ッチ97が、対向するドラム65の支持体69に取付け
られた検出板99を検出することにより、捩り部66が
巻取ボビン3の左側の水平位置に停止され、この位置で
捩り部66が回転される。
【0031】後端処理手段63は、図1,8の如く、捩
り部66を回転駆動させる捩りモータ100と、この捩
りモータ100を左右方向に移動させて捩り部66から
近接離間させるシリンダ101とからなり、巻取ボビン
3の左側に配置されている。シリンダ101は巻替機本
体10の縦壁10aにブラケット102を介して取付け
られ、捩りモータ100はシリンダ101のロッド10
1aの先端に接続板103を介して取付けられている。
そして、捩りモータ100のモータ軸100aには、捩
り部66の軸体70の他端に取付けられた係合爪76の
溝78に嵌まり込んで係合される係合板104が取付け
られており、捩りモータ100の駆動力が係合板104
および係合爪76を介して捩り部66に伝達される。な
お、接続板103には、捩り部66のフック72の先端
が後側に向いた線材捕獲姿勢を検出する近接スイッチ1
05がモータ軸100aの前側に、捩り部66のフック
72の先端が下側に向いた線材離間姿勢を検出する近接
スイッチ106がモータ軸100aの下方にそれぞれブ
ラケット107を介して取付けられている。両近接スイ
ッチ105,106が、対向するモータ軸100aに取
付けられた検出板108を検出することにより、捩り部
66の回転および停止の制御が行われる。また、図中、
109はモータ軸100aの回転を安定させる板バネ、
109aは板バネ109を取付けるブラケットである。
【0032】また、線材を捩るとき、捩り部66よりも
線材巻取方向上流側の線材が引張られないように挟持す
る線材挟持手段が設けられている。この線材挟持手段
は、図2,9の如く、巻替機本体10の縦壁10aにブ
ラケット110を介して取付けられた把持シリンダ11
1からなり、把持シリンダ111はエアーの供給により
矢印方向に開閉する一対のフィンガ112を備え、案内
ローラ22と貯線ローラ13との間に配置されている。
そして、把持シリンダ111の両フィンガ112には、
線材を挟む挟持体113が取付けられており、挟持体1
13は線材を挟んだとき、線材を傷つけないようナイロ
ン等の弾力性のあるプラスチック樹脂により形成されて
いる。
【0033】そして、これら各装置は、それぞれに設け
られた近接スイッチ等の検出器により、それぞれの位置
が検出され、検出器からの出力信号に基づいて、それぞ
れ前後左右上下の移動および定位置での停止等がシーケ
ンス制御される。
【0034】上記の線材巻替機において、満巻きされた
巻取ボビン3と空の巻取ボビン3とを交換するときに生
じる線材後端部の処理移動を説明する。
【0035】まず、供給側ボビン1からの線材が巻取ボ
ビン3に満巻きされると、満尺信号が出力され、供給側
および巻取側の駆動モータ15,26がそれぞれ減速さ
れる。このとき、案内ローラ22を所定の位置に停止さ
せて、その位置に案内ローラ22があることを検出する
と、両駆動モータ15,26は停止される。
【0036】そして、捩り部66により満巻きされた巻
取ボビン3の線材の後端部を捕らえるために、ドラムモ
ータ95が駆動される。すなわち、ドラム65が巻取ボ
ビン3の線材巻取方向と同じ方向に回転し、捩り部66
が巻取ボビン3の周りを周回して、フック72が巻取ボ
ビン3と案内ローラ22との間の線材を捕らえていく。
なおこのとき、捩り部66がフック72は、予めその先
端が後側に向いた状態で停止されており、固定ブラケッ
ト85がコイルバネ90によって固定姿勢Aに保持さ
れ、固定ブラケット85の切欠87がフック72の凸部
72aに嵌まり込んでフック72が回動しないよう固定
されている。この状態で捩り部66が巻取ボビン3の周
りを2回転すると、図10に示しようにフック72は巻
取ボビン3の最終巻きの線材と最終巻きの1周前の線材
とを捕らえる。そして、近接スイッチ97により支持体
69の検出板99が検出されて、ドラムモータ95が減
速され、図10のように捩り部66が巻取ボビン3の左
側の水平位置に停止される。
【0037】次に、捩り部66により捕獲した線材を捩
るために、捩りモータ100を右側に移動させる。する
と、捩りモータ100の係合板104が軸体71の係合
爪76の溝79に嵌まり込んで、係合板104と係合爪
76が係合され、捩りモータ100の移動が停止され
る。このとき、捩り部66が捩りモータ100によって
コイルバネ77の付勢力に抗して巻取ボビン3側に少し
押されており、フック72の凸部72aが固定ブラケッ
ト85の切欠87から外れて捩り部66が回転可能とな
っている。なお、係合爪76の溝79と係合板104と
の向きが合っていない場合は、捩りモータ100の移動
によって軸体71が巻取ボビン3側にコイルバネ77の
付勢力に抗して押されていくが、捩りモータ100を回
転させて係合板104を係合爪76の溝79の向きと一
致させると、軸体71がコイルバネ77の付勢力によっ
て元にもどされて係合板104が係合爪76の溝76に
嵌まり込む。
【0038】そして、把持シリンダ111が作動され、
フィンガ112が閉じて、案内ローラ22と貯線ローラ
13との間の線材が挟持体113によって挟持される。
【0039】その後、捩りモータ100が駆動される
と、捩り部66が軸体71の軸中心に反時計周りに回転
して、捕らえた線材が捩られていく。捩り部66が4回
転または5回転すると、フック72の先端が後側に向い
た線材捕獲姿勢のところで、捩りモータ100は停止し
て、捩り部66の回転が停止される。次に、フック72
から線材を離間させるために、捩りモータ100を逆回
転、すなわち捩り部66を軸体71の軸中心に時計周り
に270度回転させて、図11のようにフック72の先
端が下側に向いた線材離間姿勢のところで、捩り部66
の回転が停止される。これに続いて、固定ブラケット8
5の腕部88がシリンダ86によってコイルバネ90の
付勢力に抗して押され、固定ブラケット85が回動姿勢
Bに切換えられて捩り部66が回動可能となる。
【0040】そして、捩り部66よりも線材巻取方向上
流側の線材が線材チャック34で把持され、ニッパ30
により線材が切断される。続いて、昇降リフタ38を上
昇させて、台車47を巻取ボビン3の下方に位置させ
る。その後、支持軸20a,20bを開放して昇降リフ
タ38を下降させると、捩られた線材が巻取ボビン3の
下降とともにフック72から外れていく。このとき、フ
ック72は線材の離間方向への回動が規制され、しかも
フック72の先端が傾斜しているので、線材が下方へ移
動することによりフック72が矢印a方向に回動され
て、線材がフック72からスムーズに外れて、線材は捩
られた状態で巻取ボビン3上に締結される。そして、ボ
ビン自動交換装置6により空の巻取ボビン3と交換され
て、以後、巻取ボビン3への線材の巻き替えおよび線材
の後端処理が繰り返される。
【0041】このように、巻取ボビン3に巻取られた線
材の後端部を捩り部66により捩って締結させるので、
特に腰の弱い細い線材でも簡単にまとまり、線材の後端
部がばらけず、次工程での線材の取り扱いが容易にな
る。しかも、捩り部66を巻取ボビン3の周りを周回さ
せて線材の後端部を捕らえ、捩りモータ100によって
捩り部66を回転させるだけで線材が捩られて締結され
るので、従来のような複雑な装置の制御や複雑な処理動
作を必要とせず、線材の後端処理が従来よりも速くて簡
単に行うことができる。したがって、線材後端処理装置
としての構成部品も少なく、搭載される線材巻替機等の
コストダウンおよび小型化に寄与できる。
【0042】また、線材を捕らえるとき、捩り部66の
フック72は、その凸部72aが固定ブラケット85の
切欠87に嵌まり込んで固定されるので、フック72が
ぐらついたり倒れたりせずに巻取ボビン3の周りを周回
し、確実に線材を捕らえることができる。
【0043】そして、線材を捩るとき、その捩りによっ
て捩り部66よりも上流側の線材が捩り部66に近づ
く、すなわち上流側の線材が引張られるが、挟持体11
3によって捩り部66よりも上流側の線材を掴んでいる
ので、さらに上流側の線材が引っ張られることはなく、
線材が切れてしまうといったようなことは起こらず、特
に細い線材や柔らかい線材に有効である。
【0044】さらに、捩られた線材をフック72から外
すとき、フック72は線材の離間方向への回動が規制さ
れて、反対方向に回動するので、線材はフック72に引
っ掛かることはなく、スムーズで容易に外れる。したが
って、ボビン自動交換装置6とともに用いることによ
り、線材巻替機の長時間の無人運転が可能となって生産
性が向上する。
【0045】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、本発明の範囲内で上記実施例に多くの修
正および変更を加え得ることは勿論である。例えば、上
記実施例では、捕らえた線材を捩ると、フック72が線
材捕獲姿勢で停止され、その後再びフック72を回転さ
せて線材離間姿勢にして、巻取ボビン3を外していた
が、線材を捩ったときフック72を線材離間姿勢に停止
させれば、装置の制御動作が少なくなって、線材処理動
作も速くなる。
【0046】また、本実施例の線材後端処理装置は、ボ
ビンからボビンに線材を巻き替える線材巻替機に対して
適用したものであるが、撚線機、伸線機等により加工さ
れた線材を巻取ボビンに巻き取る線材巻取機等に適用し
てもよい。
【0047】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、巻取ボビンに巻取られた線材の後端部を線材掴
持手段により捩って締結させるので、特に腰の弱い細い
線材でも簡単にまとまり、線材の後端部がばらけず、次
工程での線材の取り扱いが容易になる。しかも、線材掴
持手段を巻取ボビンの周りを周回させて線材の後端部を
捕らえ、後端処理手段によって線材掴持手段を回転させ
るだけで線材が捩られて締結されるので、従来のような
複雑な装置の制御や複雑な処理動作を必要とせず、線材
の後端処理が従来よりも速くて簡単に行うことができ
る。したがって、線材後端処理装置としての構成部品も
少なく、搭載される線材巻替機等のコストダウンおよび
小型化に寄与できる。
【0048】そして、線材を捩るとき、その捩りによっ
て線材掴持手段よりも上流側の線材が線材掴持手段に近
づく、すなわち上流側の線材が引張られるが、線材挟持
手段によって線材掴持手段よりも上流側の線材を掴んで
いるので、さらに上流側の線材が引っ張られることはな
く、線材が切れてしまうといったようなことは起こら
ず、特に細い線材が柔らかい線材に有効である。
【0049】また、捩られた線材を線材掴持手段から外
すとき、線材掴持手段は線材の離間方向への回動が規制
されて、反対方向に回動するので、線材は線材掴持手段
に引っ掛かることなくスムーズで容易に外れる。したが
って、ボビン自動交換装置とともに用いることにより、
線材巻替機あるいは線材巻取機等の長時間の無人運転が
可能となって生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における線材後端処理装置の
平面図
【図2】線材巻替機の正面図
【図3】線材巻替機の側面図
【図4】切断装置の正面図
【図5】切断装置の側面図
【図6】捩り部を示し、(a)は平面図、(b)は正面
【図7】駆動手段の正面図
【図8】後端処理手段の側面図
【図9】把持シリンダの側面図
【図10】捩り部が線材の後端部を捕らえた状態を示
し、(a)は平面図、(b)は正面図
【図11】捩り部が線材を捩った状態を示す図
【符号の説明】
3 巻取ボビン 20a,20b 支持軸 61 線材掴持手段 62 駆動手段 63 後端処理手段 66 捩り部 111 把持シリンダ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持軸に回転自在に支承された巻取ボビン
    の周りを周回しながら線材の後端部を捕らえる線材掴持
    手段と、該線材掴持手段を前記支持軸を中心に回転させ
    る駆動手段と、前記線材掴持手段を線材に対して回転さ
    せて線材を捩って締結する後端処理手段とを備えたこと
    を特徴とする巻取ボビンの線材後端処理装置。
  2. 【請求項2】線材を捩るとき線材掴持手段よりも線材巻
    取方向上流側の線材を挟持する線材挟持手段が設けられ
    たことを特徴とする請求項1記載の巻取ボビンの線材後
    端処理装置。
  3. 【請求項3】線材掴持手段は線材を捕らえる捩り部を有
    し、該捩り部は捩られた線材が前記捩り部から離間する
    方向への回動を規制されたことを特徴とする請求項1記
    載の巻取ボビント線材後端処理装置。
JP6-256479A 1994-10-21 巻取ボビンの線材後端処理装置 Expired - Lifetime JP2521238B1 (ja)

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2521238B1 true JP2521238B1 (ja) 1996-08-07

Family

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114834967A (zh) * 2022-03-30 2022-08-02 苏州江锦自动化科技有限公司 自动打结收线机

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114834967A (zh) * 2022-03-30 2022-08-02 苏州江锦自动化科技有限公司 自动打结收线机
CN114834967B (zh) * 2022-03-30 2024-01-02 苏州江锦自动化科技有限公司 自动打结收线机

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