JP2521143B2 - 水平偏向高圧発生回路 - Google Patents

水平偏向高圧発生回路

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JP2521143B2 JP1593789A JP1593789A JP2521143B2 JP 2521143 B2 JP2521143 B2 JP 2521143B2 JP 1593789 A JP1593789 A JP 1593789A JP 1593789 A JP1593789 A JP 1593789A JP 2521143 B2 JP2521143 B2 JP 2521143B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は受像管を使用したテレビジョン受像機やディ
スプレイ機器における水平偏向高圧発生回路の改良に関
するものである。
(従来の技術) 第3図は本発明が係わる水平偏向高圧発生回路の従来
例の要部を示すブロック図である。ここで、1は図示さ
れない前段からの水平同期信号パルスPに同期した水平
発振パルスVoscを出力する水平発振回路である。
次いで、2は水平励振回路、3は水平出力回路、4は
水平偏向コイルである。また、5は高圧励振回路、6は
高圧出力回路、7は高圧整流回路である。
この様にすると良く知られた原理により、水平出力回
路3には水平偏向パルスVc1が生じ、水平偏向コイル4
には入来水平同期信号パルスPに同期した水平偏向周期
のノコギリ波電流(水平偏向電流)Iyが流れる。そし
て、この水平偏向コイル4はここには図示されない受像
管の頸部に装着されているから、受像管の電子ビームを
左右に偏向する。
一方、高圧出力回路6には同様にして高圧パルスVc2
が発生し、これが高圧整流回路7で昇圧整流されて直流
高圧EHTとなり、前述の受像管の陽極に供給される。
なお、水平出力回路3から水平偏向パルスVc1の一部
が水平発振回路1にフィードバックされてAFC(自動周
波数制御)ループを形成し、水平発振回路1の発振位相
を制御する事によって水平偏向電流Iyの位相を正しく水
平同期信号パルスPに一致させる様にしている。
また、8は水平発振回路1の出力水平発振パルスVosc
の前縁を所定時間だけ遅らす前縁遅延回路であって、水
平偏向周波数の低い通常のテレビジョン受像機等では特
に無くても済む事が多い。しかし、水平偏向周波数が高
いディスプレイ機器の場合は、偏向側、高圧側両出力パ
ルスVc1とVc2との相互位置を整える為に必要な場合があ
る。
第4図は第3図の一部の回路を更に詳細に描いたもの
である。ここで、9は水平励振NPNトランジスタで、10
はそのベース入力抵抗であり、ここに前述の水平発振パ
ルスVoscを遅延した矩形波パルスVosc′が加えられる。
水平励振トランジスタ9のコレクタは、水平励振トラ
ンス11の1次巻線11aによって直流電源+Eが供給さ
れ、矩形波パルスVosc′と逆相の矩形波パルス(水平励
振パルス)Vcd1を生じる。この水平励振パルスVcd1は水
平励振トランス11の2次巻線11bに変圧され、水平出力
回路3の内部の水平出力NPNトランジスタ12のベース・
エミッタ間に加えられる。
この様にすると、水平出力トランジスタ12はダンパー
ダイオード13と共働してスイッチング動作を行なう。す
ると良く知られた原理により水平出力トランジスタ12の
コレクタには正弦半波の水平偏向パルスVc1が生じ、水
平偏向コイル4にはノコギリ波の水平偏向電流Iyが流れ
る。そして、この水平偏向パルスVc1の正弦波の振動周
期は、主として水平偏向コイル4のインダクタンスと、
帰線共振コンデンサ14の容量とで決定される。
また、15は水平出力トランスであって、その1次巻線
15aによって回路に直流電源+Eを供給すると共に、そ
の2次巻線15bによって水平偏向パルスVc1を適宜変圧
し、前述のAFCループも含まれて機器内の各部にパルス
を供給している。また更に、16は直流分阻止を兼ねたS
字補正コンデンサである。
第5図は同じく第3図の一部、高圧側の回路を更に詳
しく描いたものである。ここで、17は高圧励振NPNトラ
ンジスタ、18はそのベース抵抗、19は高圧励振トランス
で、19a,19bはそれぞれの1次と2次の巻線である。更
に20は高圧出力NPNトランジスタ、21はダンパーダイオ
ード、22は帰線共振コンデンサ、23はダミーコイル、24
はフライバックトランス、25は高圧整流ダイオードであ
る。
この第5図の動作原理は、第4図と殆んど同じであ
り、やはりベース抵抗18の一端に水平発振パルスVoscを
加えれば、高圧励振トランジスタ17のコレクタには矩形
波の高圧励振パルスVcd2が生じ、高圧出力トランジスタ
20のコレクタには正弦半波の高圧パルスVc2が生じる。
この高圧パルスVc2をフライバックトランス24の1次巻
線24aに加えて、2次巻線24bで更に昇圧された高圧パル
スVhvを得、更にこれを高圧整流ダイオード25で整流し
て直流高圧EHTを得る。
また、ダミーコイル23は、ここにノコギリ波電流を流
す事によって直流高圧EHTを安定して取り出せる様に十
分なリアクティブパワーを蓄える為のものであって、フ
ライバックトランス24の設計次第では省略可能なもので
ある。
(発明が解決しようとする課題) ところで、水平偏向パルス(帰線パルス)Vc1のパル
ス幅、即ち帰線時間tr1は、画像の有効利用可能範囲が
広がると言う見地からは、出来るだけ短い方が望まし
い。
この帰線時間tr1を短くすると、水平出力トランジス
タ12の損失が増加する等の問題はあるが、少なくとも水
平偏向周期thの20パーセント以下にする必要はある。
一方、高圧側の高圧パルスVc2のパルス幅tr2は、交流
高圧EHTのレギュレーションを良くする為に、なるべく
長い方が良い。その方が、高圧出力トランジスタ20等の
損失も軽減される利点もある。
この様に高圧パルスVc2のパルス幅tr2が広く、しかも
水平偏向周波数が高い場合は、前縁遅延回路8によっ
て、水平偏向パルス(帰線パルス)Vc1と、高圧パルスV
c2との後縁がほゞ一致する様に定めると、双方の出力ト
ランジスタ12と20の励振条件の自由度が大きくなる。
そこで、この高圧側の高圧パルスVc2のパルス幅tr2を
仮に水平偏向周期thの40パーセントにとった場合につい
て各部の波形を示してみたのが次の第6図である。
先ず、ここで水平発振回路1で得られた同図に示す
様な水平発振パルスVoscは、次の前縁遅延回路8によっ
て同図に示す様にスタートが遅延時間td1だけ遅れた
矩形波パルスVosc′となり、これを水平励振回路2に加
える。すると水平励振回路2の出力は、内部の水平励振
トランジスタ9の蓄積時間効果の為、矩形波パルスVos
c′のパルス幅tosc′よりも蓄積時間tstg1だけ長くボト
ミングした波形、即ち同図の水平励振パルスVcd1の様
になる。
次に水平出力トランジスタ12のベース電流は第6図
のIb1に示す様に水平励振パルスVcdの正の部分でやはり
正方向に流れる様に水平励振トランス11の1次巻線11a,
2次巻線11bの極性が定められている。
すると、水平出力トランジスタ12のベース電流Ib1
は、同図に示す様に一旦正方向に流れた後、水平励振
パルスVcd1がボトミングすると急速に負の値に向かって
減少し、水平出力トランジスタ12の蓄積時間ts1を経過
してからゼロレベルに戻る。
この蓄積時間ts1が終了すると、水平出力トランジス
タ12がオンからオフに転じ、同時にコレクタには同図
に示す様な正弦半波の水平偏向パルスVc1が生じる。こ
の水平偏向パルスVc1の正弦波の振動周期は帰線共振コ
ンデンサ14と水平偏向コイル4との共振によって定ま
り、再びゼロレベルに達する間での時間tr1(帰線時
間)が終了すると、同図の破線で示す様に、この時点
からダンパー電流Id1が自動的に流れ出し、ほゞ直線的
に正方向に向かって増加して行き、同図の実線で示し
たコレクタ電流Ic1に滑らかにつながって行く。
一方、同様な過程で同図に示す様に高圧側の高圧励
振トランジスタ17のコレクタ電圧(高圧励振パルス)Vc
d2も、水平発振パルスVoscの正時期(パルス幅)toscよ
りも高圧励振トランジスタ17の蓄積時間tstg2だけ長い
期間ボトミングした矩形波となる。そして先の偏向側と
同様、この高圧励振パルスVcd2の正期間に高圧出力トラ
ンジスタ20のベース電流Ib2が流れ、これは高圧励振パ
ルスVcd2がボトミング状態に変わる時より負方向に転
じ、高圧出力トランジスタ20固有の蓄積時期ts2だけ経
過した後ゼロレベルに戻る。
高圧出力トランジスタ20のベース電流Ib2が正方向に
流れている間と、一旦負方向に転じてからゼロレベルに
戻る間、コレクタ電流Ic2は流れ続け、蓄積時間ts2が終
了してからコレクタ電流Ic2がゼロとなって、この時点
から同図に示すコレクタの正弦半波の高圧パルスVc2
がスタートする。
そして、この高圧パルスVc2のパルス幅tr2が終了する
と同時に同図の破線に示す様に自動的にダンパー電流
Id2が流れ出し、これが高圧出力トランジスタ20のコレ
クタ電流Ic2につながって、直線的に増加する電流波形
が得られるのは、先の同図の偏向側の例と同様であ
る。
さて、ここで問題となるのは、同図に示す水平励振
パルスVcd1の立ち上がり時期、即ち同図の水平出力ト
ランジスタ12のベース電流Ib1の導通開始時期である時
間位置Tである。
この時間位置Tは第6図から分かる様に、遅延時間td
l、矩形波パルスVosc′のパルス幅tosc′、水平励振ト
ランジスタ9の蓄積時間tstg1に大きく左右される。特
に蓄積時間tstg1の方は、水平励振トランジスタ9によ
るバラツキも大きく、また周囲温度による影響も受け易
い。
もし、これ等の影響により、時間位置Tが動いて第6
図のコレクタ電流Ic1がゼロレベルをクロスする時点
(時間位置)To1より後に位置する様になったとする
と、ダンパー電流Id1がゼロレベルに達して、もはや流
れる事が出来なくなっても、まだ水平出力トランジスタ
12のベース電流Ib1がゼロの為、コレクタ電流Ic1が流れ
出す事が出来ず、前述した様に電流が滑らかにつながる
事が出来なくなる。この様な状態になると、同図のコ
レクタパルス(水平偏向パルス)Vc1の中央付近に小パ
ルスを生じ、水平出力トランジスタ12のコレクタ損失が
急増、破損の危険が増大する事は良く知られている。
この第6図で、ダンパー電流Id1の最大値Id1pは、
コレクタ電流Ic1最大値Ic1pよりやや少なめにして描い
てある。これは回路損失ゼロの理想的な状態なら両者は
等しいが、実際には、回路の抵抗分の影響が大きかった
り、あるいは水平出力トランス15から電力を取り出した
りすると、ますますダンパー電流Id1の最大値Id1pの方
がコレクタ電流Ic1の最大値Ic1pより小さくなり、その
分コレクタ電流Ic1のゼロレベルクロス時点To1は前の方
へ移動する。
この事は時間位置Tが時点To1より後になってしまう
危険性が増す事を意味し、この点からは時間位置Tはも
う少し早い位置に置きたいところである。しかし逆にこ
れが早過ぎて帰線時間tr1の終りの時点T11より前になる
と、まだコレクタ電圧Vc1が存在する内にコレクタ電流I
c1が流れてしまう事になり、これも損失急増の原因にな
るので絶対避けねばならない。特に水平偏向周波数が高
いと時点T11とTo1との間が短いので注意を要する。
この時点で前述の遅延時間tdl及びパルス幅tosc′は
回路定数を吟味する事によってある程度正確に定める事
が出来るが、蓄積時間tstg1の方はトランジスタ固有の
温度特性で動いてしまうので、水平偏向周波数が高い時
は何らかの補償が必要である。
また一方、同じ第6図〜から、高圧側の高圧出力
トランジスタ20のベース電流Ib2が流れ出す導通開始時
期である時間位置T′を見ると、これは先の偏向側の時
間位置Tと異なり、水平発振パルスVoscのパルス幅tosc
と高圧側の高圧励振トランジスタ17の蓄積時間tstg2と
に関係してくる。勿論この時間位置T′の方も同図の
波形図に示す時点T12とT02との間に入れる必要があり、
これを外れると高圧出力トランジスタ20の損失が急増す
る。
そして、この蓄積時間tstg2の方も温度によって大き
く動き、しかも両励振トランジスタ9と20は取り付け位
置も発熱量もそれぞれ異なるので、これが偏向側の蓄積
時間tstg1と一致して同一方向に動く保障は何もない。
以上のように、偏向側と高圧側とではそれぞれの出力
トランジスタのコレクタに生じるパルスVc1,Vc2のパル
ス幅Tr1,tr2や、回路から取り出すエネルギー(電力損
失)等が異なるので、時間位置T及びT′の最適位置が
両者異なり、しかも前述の様に時間位置T及びT′を定
める要素も独立して動くので、これ等を常に理想状態に
保つ様な何らかの対策が必要とされていた。
(課題を解決する為の手段) 本発明は以上のような課題を解決する為になされたも
のであって、水平発振回路と、この水平発振回路の出力
発振パルスの前縁の位相を遅延させる前縁遅延回路を通
して得た出力によって動作する水平励振回路と、この水
平励振回路の出力によって励振される水平出力回路と、
前記水平発振回路の出力発振パルスで動作する高圧励振
回路と、この高圧励振回路の出力によって励振される高
圧出力回路とからなる水平偏向高圧発生回路において、
前記前縁遅延回路は、前記水平発振回路の出力発振パル
スの前縁でトリガされる第1の単安定マルチバイブレー
タと、この第1の単安定マルチバイブレータの出力パル
スの後縁でトリガされる第2の単安定マルチバイブレー
タとからなり、前記第2の単安定マルチバイブレータの
出力パルスのパルス幅は、前記水平出力回路内の水平出
力トランジスタの導通開始時期が、この水平出力トラン
ジスタのコレクタに発生する水平偏向パルスの基底部の
前端よりほゞ4分の1程度に位置する様にし、更に前記
水平発振回路の出力パルスのパルス幅は、前記高圧出力
回路内の高圧出力トランジスタの導通開始時期が、この
高圧出力トランジスタのコレクタに発生する高圧パルス
の基底部の前端よりほゞ4分の1程度に位置する様にし
た事を特徴とするものである。
(実施例) 第1図は本発明による水平偏向高圧発生回路の一実施
例を示すブロック図である。ここで、番号1から8まで
は、従来例の第3図の同一番号の部分と同様な働きをす
るものとし、その詳細な説明は省略する。前縁遅延回路
8については、更にその構成の一例を図中に描いてある
が、ここで、26(MM1)は第1の単安定マルチバイブレ
ータ(以下、第1のモノマルチと記す)、27(MM2)は
第2の単安定マルチバイブレータ(以下、第2のモノマ
ルチと記す)である。
この第1図で新たに追加された28,29は時間検知回路
(1)及び(2)、30,31は演算増幅器、32,33はそれぞ
れ電圧値Es1,Es2を持つ基準電圧であって、本発明の目
的を達成する為の主要な部分になっている。
この動作を先の第6図を参照しながら説明する。ここ
で先ず、時間検知回路(1)28には水平励振パルスVcd1
と水平偏向パルスc1(実際には適宜降圧されたパルスVc
1′)が加えられる。すると水平偏向パルスVc1(パルス
Vc1′)のパルス後縁の時点(即ち、水平偏向パルスVc1
の基底部の前縁)T11から、水平励振パルスVcd1の立ち
上がり、即ち時間位置Tまでの時間td1に比例した直流
電圧Ea1が出力される。この直流電圧Ea1は次の演算増幅
器30に加えられて電圧値Es1の基準電圧32と比較され、
更にその比較結果の出力電圧Eo1は第2のモノマルチ27
(MM2)に加えられて、その出力パルス(矩形波パル
ス)Vosc′のパルス幅tosc′を制御する。
この構成で、もし時間td1が標準値より長く、すなわ
ち時間位置Tが後寄りになろうとすると、直流電圧Ea1
が基準電圧32(電圧値Es1)より増加しようとし、その
結果、出力電圧Eo1は第2のモノマルチ27(MM2)の出力
パルス(矩形波パルス)Vosc′のパルス幅tosc′を狭め
る様に、つまり時間td1を短くする様に作用し、結局、
時間位置Tは変わらない様にする事が出来る。この時間
td1は、常に直流電圧Ea1が基準電圧32(電圧値Es1)に
一致する様な値で定めるので、時間位置Tは基準電圧Es
1の精度で定まり、前述の蓄積時間tstg1等のドリフト、
バラツキには左右されないで、理想状態を保つ事が出来
る。
そして、上記の時間td1の予め設定しておくべき値
は、第6図,から分かる様に、時点T11とT01の丁度
中央付近に時間位置Tがくる様に、即ち損失を無視すれ
ば水平偏向パルスVc1のボトミング期間(基底部の時
間)の前縁よりほゞ4分の1付近に時間td1がなる様に
基準電圧32(電圧値Es1)を定めれば良い。
一方、第6図から分かる様に、高圧側の時間位置T′
はパルス幅tosc′や蓄積時間tstg1には左右されない。
この方は高圧励振トランジスタ17の蓄積時間tstg2のド
リフト、バラツキに影響され、これを補償するには直接
水平発振回路1の出力水平発振パルスVoscのパルス幅to
scを変えてやる必要がある。
そこで、先の偏向側と同じくこの高圧発生側にも時間
検知回路(2)29を新設し、ここに高圧パルスVc2を降
圧したパルスVc2′と降圧励振パルスVcd2を加える。す
ると第6図から分かる様に高圧パルスVc2(パルスVc
2′)の終端(即ち、高圧パルスVc2の基底部の前縁)か
らは時点T12が、同図の高圧励振パルスVcd2の立ち上
がりからは時間位置T′が検知出来、最終的に両者の間
の時間td2に比例した直流電圧Ea2が電圧検知回路(2)
29の出力として得られる。
この直流電圧Ea2は次の演算増幅器31に加えられて、
電圧値Es2の基準電圧33と比較され、更にこの演算増幅
器31の出力電圧Eo2は水平発振回路1に加えられて、そ
の出力水平発振パルスVoscのパルス幅toscを制御する。
この様にすると先の偏向側と同様に、もし時間td2が
予め設定された標準値を越え、その結果、直流電圧Ea2
が基準電圧33(電圧値Es2)を越え様とすると、演算増
幅器31の出力電圧Eo2は水平発振回路1の出力水平発振
パルスVoscのパルス幅toscを狭める様に作用し、これは
時間位置T′を前に移動させる事になるから、結局、時
間位置T′、即ち時間td2は変わらない。
そして、やはり先の偏向側と同じく、この時間位置
T′は高圧励振トランジスタ17の蓄積時間tstg2のバラ
ツキ、ドリフト等に左右されず、基準電圧33(電圧値Es
2)の精度で決定されるので、高圧出力トランジスタ20
が危険な状態におちいる可能性は少なくなる。
そして、上記の時間td2の予め設定しておくべき値
は、第6図,から分かる様に、時点T12とT02の丁度
中央付近に時間位置T′がくる様に、即ち損失を無視す
れば高圧パルスVc2のボトミング期間(基底部の時間)
の前縁よりほゞ4分の1付近に時間td2がなる様に基準
電圧33(電圧値Es2)を定めれば良い。
また、この回路で水平発振パルスVoscのパルス幅tosc
を動かしても、偏向側の時間位置Tには全く関係しない
ので、時間位置TとT′とをそれぞれ独立して設定する
事が出来、共に理想的な位置に保つ事が可能である。
更に、通常の水平発振回路1を構成する既製のIC等
は、外部制御により、水平発振周波数を変えないで水平
発振パルスVoscのパルス幅toscだけを変えるのは困難で
ある場合が多い。この様な時は第2図に示す様に水平発
振回路1を、水平発振器34と第3の単安定マチルバイブ
レータ(以下、第3のモノマルチと記す)35(MM3)と
で構成すれば良い。
この第2図では水平発振器34の出力矩形波パルスVos
c″の立ち上りで次段の第3のモノマルチ35(MM3)がト
リガされる様に、この第3のモノマルチ35(MM3)の方
の出力パルス(水平発振パルスVosc)のパルス幅toscを
演算増幅器31で制御する様にすれば、水平発振器34の出
力矩形波パルスVosc″のパルス幅に無関係に水平発振パ
ルスVoscのパルス幅toscを制御する事が出来る。
以上から本発明によれば、偏向側の時間位置Tは時点
T11とT01のほゞ中央付近(即ち、水平偏向パルスVc1の
ボトミング期間の前縁よりほゞ4分の1付近)に、高圧
側の時間位置T′は時点T12とT02のほゞ中央付近(即
ち、高圧パルスVc2のボトミング期間の前縁よりほゞ4
分の1付近)にと、互いに独立に理想的な位置に安定し
て置く事が出来、特に前記二つの時間間隔の狭い様な場
合、例えば水平偏向周波数の高い高精細度ディスプレイ
等の回路として好適なものである。
なお、時間検知回路(1)28,(2)29や、外部制御
電圧(出力電圧)E01,E02等によって出力パルス幅の制
御可能な単安定マルチバイブレータ27,34等の具体的回
路は例は、本出願人による実願昭63−108443号(考案の
名称「水平偏向回路」)に詳述されている。
(発明の効果) 以上詳細に説明した所から明らかな様に、本発明の水
平偏向高圧発生回路によれば、水平偏向側、高圧発生側
共、互いに独立に出力トランジスタの励振条件が最も信
頼性の高い状態で安定に保たれ、特に水平偏向周波数が
高い高精細度ディスプレイ機器等の性能向上に寄与する
所が大きい。
【図面の簡単な説明】
第1は本発明による水平偏向高圧発生回路の一実施例を
示すブロック図、第2図は本発明による回路の一部の例
を示すブロック図、第3図は従来回路の一例を示すブロ
ック図、第4図及び第5図はその中の各部の回路の具体
例を示す図、第6図は第1図及び第3図の本発明回路の
各部の動作を説明する為の波形図である。 1…水平発振回路、2…水平励振回路、3…水平出力回
路、4…水平偏向コイル、5…高圧励振回路、6…高圧
出力回路、7…高圧整流回路、8…前縁遅延回路、9…
水平励振NPNトランジスタ、10…ベース入力抵抗、11…
水平励振トランス、11a,15a,19a,24a…1次巻線、11b,1
5b,19b,24b…2次巻線、12…水平出力NPNトランジス
タ、13,21…ダンパーダイオード、14,22…帰線共振コン
デンサ、15…水平出力トランス、16…S字補正コンデン
サ、17…高圧励振NPNトランジスタ、18…ベース抵抗、1
9…高圧励振トランス、20…高圧出力NPNトランジスタ、
23…ダミーコイル、24…フライバックトランス、25…高
圧整流ダイオード、26,27,35…単安定マルチバイブレー
タ、28,29…時間検知回路、30,31…演算増幅器、32,33
…基準電圧、34…水平発振器、+E…直流電源、EHT…
直流高圧、Ea1,Ea2…直流電圧、Eo1,Eo2…出力電圧、Ib
l…水平出力トランジスタのベースの電流、Ib2…高圧出
力トランジスタのベース電流、Ic1,Ic2…コレクタ電
流、1d1,Id2…ダンパー電流、Iy…水平偏向電流、P…
水平同期信号パルス、tdl…遅延時間、td1,td2…時間、
th…水平偏向周期、tosc…水平発振パルスのパルス幅、
tosc′…矩形波パルスのパルス幅、tr1…水平偏向パル
スのパルス幅(帰線時間)、tr2,tr2′…高圧パルスの
パルス幅、tstg1…水平励振トランジスタの蓄積時間、t
stg2…高圧励振トランジスタの蓄積時間、ts1…水平出
力トランジスタの蓄積時間、ts2…高圧出力トランジス
タの蓄積時間、T…水平出力トランジスタの導通開始時
期(時間位置)、T′…高圧出力トランジスタの導通開
始時期(時間位置)、Vc1…水平偏向パルス、Vcd2…高
圧パルス、Vcdl…水平励振パルス、Vcd2…高圧励振パル
ス、Vdl…遅延パルス、Vhv…高圧パルス、Vosc…水平発
振パルス、Vosc′,Vosc″…矩形波パルス。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水平発振回路と、この水平発振回路の出力
    発振パルスの前縁の位相を遅延させる前縁遅延回路を通
    して得た出力によって動作する水平励振回路と、この水
    平励振回路の出力によって励振される水平出力回路と、
    前記水平発振回路の出力発振パルスで動作する高圧励振
    回路と、この高圧励振回路の出力によって励振される高
    圧出力回路とからなる水平偏向高圧発生回路において、 前記前縁遅延回路は、前記水平発振回路の出力発振パル
    スの前縁でトリガされる第1の単安定マルチバイブレー
    タと、この第1の単安定マルチバイブレータの出力パル
    スの後縁でトリガされる第2の単安定マルチバイブレー
    タとからなり、前記第2の単安定マルチバイブレータの
    出力パルスのパルス幅は、前記水平出力回路内の水平出
    力トランジスタの導通開始時期が、この水平出力トラン
    ジスタのコレクタに発生する水平偏向パルスの基底部の
    前端よりほゞ4分の1程度に位置する様にし、更に前記
    水平発振回路の出力パルスのパルス幅は、前記高圧出力
    回路内の高圧出力トランジスタの導通開始時期が、この
    高圧出力トランジスタのコレクタに発生する高圧パルス
    の基底部の前端よりほゞ4分の1程度に位置する様にし
    た事を特徴とする水平偏向高圧発生回路。
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